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h75-22 - (2015/12/03 (木) 20:03:48) のソース

 インターハイも終わって、夏真っ盛りのこの日 
 俺は田舎の墓参りにやって来ていた 
 既にお盆の時期は過ぎているから 
 他に人影は見当たらず、とても静かだった 

「御無沙汰してます」 

「あら、須賀さん。今年は遅かったですね」 

「息子がインターハイで出掛けてまして」 

 曾爺さん曾婆さんそれ以前の御先祖様たちが 
 安らかに眠る墓から少し離れた場所に住む 
 爺さん婆さんの家に顔を出すと先客がいて 
 父さんの従姉妹の旦那さん、という人だった 
 人の良さそうな笑顔に汗を張り付けるその人は 

「いやぁ、偶然とは恐ろしいですね」 

「うちも娘がインターハイ絡みでして。こっちに来るのが遅くなったんですよ」 

「そうだったんですか……例年ならもう、帰っていらっしゃる頃ですからね」 

 畳が敷き詰められた居間で話し込む父親二人を置いて  
 一昨年に117歳で天寿を全うした曾祖母の仏壇に向き合う 
 目を閉じ手を合わせていると、ガラリ、と襖が開く音がして 
 父さんが話を終えてこちらに来たのだろうかと、振り返り 

淡「……誰?」 

京太郎「え?」 

 自分と同じ髪の色の、女の子―― 
 インターハイの舞台で咲と激闘を演じた 
 白糸台高校の大将 

 大星淡その人が、俺を睥睨していた