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京太郎「もいっこ、カン!!」 - (2014/03/08 (土) 14:51:09) のソース

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1344119821/



京太郎「俺は、強くなりたい」

京太郎「俺は県大会で皆の活躍を見ていたから」

京太郎「部長、染谷先輩、優希、和。そして…咲のように」

京太郎「皆と渡り合えるくらいに、混ざれるくらいに、強くなりたいんだ!」

京太郎「だから――」

ハギヨシ「……」

京太郎「――リーチ」

ハギヨシ(二半荘目は開局早々ダブリーですか…!)


京太郎「――一発ツモ。2000・3900」

ハギヨシ「!」


東2局 親 京太郎

京太郎(さっきのダブリーは偶然だ。あんなの、たまたま配牌で張っていただけに過ぎない)

京太郎(優希の打ち方にも憧れていたが、俺には不向きだな)

京太郎(だったら、これはどうだ…?)

ハギヨシ(おや、聴牌が入りましたか。でしたら…)

ハギヨシ「リーチ」

京太郎「ロン。7700」


ハギヨシ(23345mの形から5m切りで聴牌を取るこの打ち方は…!)


京太郎(確かにこれは部長の打ち筋だが、部長だったら鉄リーだ)

京太郎「ちょいと裏ドラを失礼……」

京太郎(同じ配牌、同じツモで部長が打ったら18000…ダブルスコアだ)

京太郎(皆と同じところまで、俺も……!)


東2局 一本場 親 京太郎

ハギヨシ(先に行った1回目の半荘の時よりも凄まじい闘気を感じる)

ハギヨシ「あなたはもう…あの方々と同じ高みまでたどり着いたのではないですか?」

京太郎「…いや、まだだ」

京太郎「こんなもんじゃ皆には届かない」

京太郎「あの5人はすっげえ高いところで打ってる」

京太郎「幸運に恵まれただけの、今この瞬間だけバカヅいている俺なんかより、ずっと高いところで」

京太郎「今日のこの数半荘の内に同じところに立とうなんて、そんなこと思っちゃいませんよ」

京太郎「今の俺は…まだ高みの麓で、皆の真似事しか出来ないから――」


ガシャッ

ハギヨシ「!」


京太郎「リーチ!」

ハギヨシ(このまま流れに乗せるとマズイですね)

ハギヨシ「チー!」

京太郎(一発を消されたか……ん?)

京太郎「……ははっ」

ハギヨシ「もしや…ツモってしまいましたか?」

京太郎「いや、そうじゃないですが、まさか本当に真似事が成就するだなんて……今の俺は相当なバカヅキみたいです」

京太郎「カン!」

ハギヨシ「暗カン…!」

ハギヨシ(須賀様。あなたは先程今日中に同じ場所に立つことは不可能だと仰った)

京太郎「…カン!」

ハギヨシ(しかし、今日のあなたを見ていると…)

京太郎「もいっこ、カン!!」

ハギヨシ(それも可能ではないかと、思ってしまうのです)


京太郎「――ツモ!」

ハギヨシ(立直、ツモ、三暗刻、三槓子、嶺上開花、表のドラが3つ…)

京太郎「えっと、槓ドラをめくってくれますか?」

ハギヨシ「あっ、これは失礼しました…」


ハギヨシ「…!」


京太郎「咲の牌譜を見る限り、咲のカンは自分にドラが乗らないんです」


ハギヨシ(槓ドラが…)


京太郎「……この瞬間だけ咲を超えれたような気がします」ボッ


ハギヨシ(……十二)


京太郎「今日はありがとうございました」

京太郎「俺、自分がなんで麻雀部にいるのか忘れていました」

京太郎「俺が麻雀部にい続ける理由、それは…」

京太郎「皆と並ぶこと、皆のように強くなることだったんだ」

ハギヨシ「…須賀様」

京太郎「はい?」

ハギヨシ「そんなに謙遜なさらないほうがいいと思いますよ」

京太郎「へ?」

ハギヨシ「あなたならきっと、並ぶことはおろか、超えることだって可能です」

京太郎「えっ…。でもあの嶺上開花はたまたま和了れたんであって、あの後は良いとこ無かったじゃないですか…」

ハギヨシ「…そんなことはありませんよ。須賀様ならいつかきっと――」

ハギヨシ「――宮永様を超えることが出来るはずです」

京太郎「え…宮永様って…!別に、咲ばっかじゃなくてっ…」

ハギヨシ「そうですか?あの数え役満以降、和了の八割が嶺上開花ではなかったですか」

京太郎「あっ、あれは、たまたまですって!」

ハギヨシ「嶺上開花はたまたま八割出現するものではありませんよ。意識していなければ成すことの出来ない和了です」

ハギヨシ「須賀様は宮永様を強く意識していらっしゃるようですね」

京太郎「意識って…だからそんなんじゃないですってば!」