シリーズの前口上 Vol.1 【MOTHRA】 前置が長うございました。第一回目は「モスラ」に登場した江口書店の話。 先日まとめて買った特撮ビデオを端から見ていて、「モスラ」に及んで、"ありゃザ・ピーナッツと一緒にモスラの唄(意味不明)完璧に歌えるわ!「唄」ってスゲエ"なんて、ウダウダ飲んでたら、東京湾に入ったモスラが渋谷に接近する寸前、思わず飛び起きたね。国道246沿いに江口書店の大きな看板。ホンのワンカットで、勿論ミニチュアなんだけど・・・いや、逆にミニチュアセットをわざわざ作る時に何故「江口書店」を一生懸命作ったのよ!?スタッフの誰かが、江口書店の常連だったのだろうか?結局モスラは破壊しなかったので、名物古本屋はその後も多くの人に愛されたとさ、めでたしめでたし。というような事ではなくて、 実写なら、バックに写っちゃっていた、というようなケースもあるが、わざわざ江口書店を丁寧に組立てたのは謎だな。まあ古本好きにしか記憶に残らないね。当時中学生のあたしの脳にもハナから記憶されなかったハズ。 「ラドン」しかり、勿論「ゴジラ」もだが、初期の特撮物には、戦争、原爆の影が色濃く出てるな。「ラドン」も「モスラ」もエンディングで平和の訴え。 売り物は所詮派手な戦闘破壊シーンなんだけどね。 「モスラ」戦車やミサイルなど、「サンダーバード」並によく出来ているので感心したな。自衛隊も良く闘っている。今こんな攻撃許可出せる首相いるかな。 いよいよメタモールフォーセス=東京タワーで繭を作るんだが、綺麗なデザインで涙が出たね。シュールでダリの絵みたいだし、お蚕さん健気な感じだよ。 繭は日本人の原風景なんだね。生糸は主力産業だったんだ。モスラが暴れるのを休止して一瞬シーンとしたシーン。あの繭の輝きは敗戦の日の太陽を連想させたね。あの暖かくも神秘的、神聖なる繭に米国(?)製のレーザー砲が攻撃してる図は、ナイロンストッキングの攻勢を暗喩したものであろうな。 東京タワーに繭!!ともかく心に残る絵だ。ジクソーパズルにでもして売り出してくれないものかな?3000ピースで、夜毎じっくり楽しむ。 しかし、悪徳外人(ジェリー伊藤)はピーナッツ扮する美小人を、何故日本に持ち込んだのか。カーネギーホールの方がよかろうに。必然性が欲しい所だぞ。 結局愛すべきモスラは日本では結局決着つけず、ニューヨーク(らしき)街にまで場外乱闘に行くのだから・・・プロレス並に「悪い外人」という図式が欲しかったのか。「悪い日本人」は皆無の時代か。でも「外人」や「原住民」が多数登場して、全編何となくワールドワイドな雰囲気は出ているな。 志村喬・フランキー堺・香川京子がブンヤ(新聞記者)を熱演。TV局関係者じゃないのが「時代」を感じるが、この根性は見習って欲しいやな。ナリチュー(「成り行きが注目されます」)原稿書いてる皆さんガッツ出しつくれィ。 [卵]-[ラドン]の変化より[卵]-[幼虫]-[繭]-[蛾]の方がイメージが数段優れていて、歌と踊りもブロードウェイミュージカル風で結構でした。各所のモブシーンもスケールと当時の熱気を感じる。罪なく楽しめる娯楽名作であるな。
■第二回目は「網走番外地」をもう一度見るまではシネマせん!! |