クドリャフカの順番

「クドリャフカの順番」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

クドリャフカの順番」(2012/10/17 (水) 15:29:00) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*「クドリャフカの順番」の各話あらすじ (始めに出版された角川書店では「クドリャフカの順番十文字事件」というタイトル。文庫にて改題) -[[ストーリー|氷菓 公式ホームページ>>http://www.kotenbu.com/story/]] このページでは、アニメ「氷菓」についての各話あらすじについて分かりやすく詳細に紹介していきます。 初見さんにでも理解できるよう、解説などを交えながら紹介します。 &bold(){多少のネタバレがあります。また真相や種明かしに関しては反転処置を取らせていただきます。ネタバレを見る場合、自己責任でお願いします} 加筆・修正・編集大歓迎。 [[第十二話「限りなく積まれた例のあれ」>#01]] [[第十三話「夕べには骸に」>#02]] [[第十四話「ワイルド・ファイア」>#03]] [[第十五話「十文字事件」>#04]] [[第十六話「最後の標的」>#05]] [[第十七話「クドリャフカの順番」>#06]] ---- *第十ニ話「限りなく積まれた例のあれ」&anchor(01)  10月3日深夜。古典部メンバーは明日に控えた文化祭のせいで目がさえ、それぞれの夜を過ごしていた。伊原は「あの失敗で」眠れなく睡眠剤を飲んで寝て、千反田は荒楠神社へ「あの山を越えられるように」成功祈願、里志は思い切り楽しむためにカンヤ祭の歩き方をチェック、奉太郎は共有のPCで神山高校文化祭のHPを見ていた。  翌朝、奉太郎が出かけようとすると珍しく早起きした供恵が話しかけてきた。お守りの1つでもくれというとインクが出ない、ペン先われの万年筆を渡された。里志と一緒に神高へ登校する奉太郎。更衣室の関係上、私服登校も許される中、その途中でコスプレした摩耶花を見かけた里志は話しかけに言った。里志がなんの「装い?」ときくとフロルという伊原。フロルベリチェリ・フロル?と聞き返すも元気が無い。そのうち第54回カンヤ祭のゲートがみえてきた。  中に入ると文化祭一色。あちらこちらに生徒が走り回り、最後の確認や最終準備に追われていた。ちょっと里志は手芸部へと別れ、伊原と一緒に古典部部室へ。途中、あまり気にするな、と奉太郎が言うがやはり伊原元気が無い。  古典部部室につくとすでに千反田が来ていた。「例のあの山を」を見てがんばりましょうというが、奉太郎は頑張ってどうにかなるのか?と冷静。  その古典部文集「氷菓」がテーブルにつまれていたが、本来「30部」だったはずが「200部」の文集が山と積まれていた。何か発注で責任を感じている摩耶花が全部買うというがそれをとめる千反田。そこに手芸部から戻ってきた里志が土星のコスプレで入ってきた。それをなでる奉太郎に凄い興味を持つ千反田。  どうやら200部の発注ミスは摩耶花が印刷所からのメールの見落としでなってしまったらしい。それを慰めるほか三人。そしてどうやって売り切るかを考える。  古典部はマイナーでなおかつ立地条件が悪いそれをクリアしなければならないと奉太郎。里志は売り場を広げるなら総務委員会じゃないかという。カンヤ祭の歩き方、を広げて見せると、古典部の部活紹介を最後にねじ込ませたといった。そして千反田と一緒にお願いすると。  千反田は売り場拡張のお願い、里志はイベントを利用した宣伝。摩耶花は漫研を離れられない。そして奉太郎は売り子。えいえいおー。  点呼兼カンヤ祭オープニングセレモニーが始まる。最初に体育館壇上に陸山生徒会長があがり、カンヤ祭開始を宣言した。その次、オープニングのブレイクダンス部のパフォーマンスが始まった。  それに見入る千反田。しかし自分の使命を思い出して体育館を抜け出し総務委員会へ、とおもったら気になるものばかり。書道部、百人一首部にてなんとなく遊んでしまってようやく総務委員会の部屋へ。呼んで見るが誰もいないようでとおもったら、丁度委員長の田名部がきた。千反田は精一杯説明して売り場を大きくしてくれというが、古典部だけというわけにはと。諦めてきびすを返す千反田に事情を聞かせてくれと田名部。そこで一緒に交渉してくれる里志を思い出すが、里志は体育館でブレイクダンス部の次の落語研究部に大爆笑中だった。  全てを話し終えた千反田だったが、やはり無理だと田名部に断られてしまう。しかし他の部に古典部文集をおくぶんにはかまわないとアドバイスをもらった。  一方、漫画研究部にいった伊原は河内亜也子先輩とあう。コスプレはナコルル。他にもボーカロイドの格好をした一団もいた。そこで湯浅部長が来た。河内の集団に、伊原に集まる集団。そして男子+その他。どうやら漫研には「派閥」があるようだった。湯浅部長に伊原は「ここに古典部文集を置いてください」といおうとしたが雰囲気的にいえなかった。  そのうち客1号がきた。  一方、暇な売り子、奉太郎は売り子バンザイと省エネを満喫していた。聞こえてきたアカペラ部をなんとなく見ているとクーラーボックス付近で「俺のアップルジュースがない」などと聞こえてきた。なんかあったんだろうと気にもしない奉太郎は売り子にもどると、パンクな生徒が入室してきた。一応文集を売ってるというと1部お買い上げ、と、供恵にもらったゴミ、もとい万年筆を彼がこれはいいといっていきなり喜びだした。どうやら彼は被服研究部らしく、フォーマルな服のポケットに合う物を探していたらしい。奉太郎は迷わずあげますよ、というと彼は丸いプラスチック製で7と書かれたワッペンのようなものを渡してきた。それをもって被服研にこれば最高のコーディネイトを優先してあげると。つまりショーの優先権らしい。  イラネ。と奉太郎は淡々と売り上げを書く。  一方、千反田は先ほどのアカペラ部に聞き入っていた、われに返るがそこで写真部に勧誘される。  メイド服→ペンギンのきぐるみ→チアリーダー→昭和風夫人と写真を取られるがまたわれに返り学校に戻る。これでは使命を果せないと思うが周囲には「きになる」ものばかり。    前しか見えなくなる眼鏡がどこかにおちていないかと願う千反田だった。 ***原作との相異点 ・奉太郎と供恵の会話は奉太郎が夜中にPCをやっている時に行われていた。さらに途中でネットが切れている。 ・アニメの会話が早朝になっている為、原作の「早く寝なさいよ」という供恵らしくない発言がカット。 ・朝里志がコスプレと言った時本当はボディーブローだった。 ・摩耶花へいった里志はこの時点で別れている。 ・古典部部室には奉太郎1人で行った。その後里志が来た。 ・&bold(){さらっと触れられていないが、奉太郎が原作で「創刊号は水墨画調で」とこの時点で創刊号が見つかって見ていることが分かっている。} ・里志はサターンのコスプレをしていない。 ・摩耶花はほとんど慢研にはりつきでこの場面でもいない。慢研直行。 ・アニメでは4人で相談しているところで里志が「古典部を最後にねじ込んだ」といっているが、原作では眠れない夜にカンヤ祭の歩き方を見ながら本来50音順だったものを「登録順」に変え、古典部を最後にした。さらにこのことはメンバーに言っていない。 ・ブレイクダンス部の場面でも「千反田は大きな音が苦手」が省かれている。 ・千反田は他の部に誘惑されながらも一直線に総務委員会の部屋にいっている。 ・田名部での会話で説明されるが、アニメでは200部は摩耶花の発注ミスのようになっているが、原作ではちゃんと「氷菓」30部で出している。しかし同時に摩耶花の同人誌「200部」を出した所印刷所が取り違え、結果200部になってしまった。確認しなかった、ということはそのこと。 ・河内の1日目のコスプレは格闘ゲーム「ヴァンパイアハンター」の「レイレイ」。 ・アカペラ部のクーラボックスからなくなったのは原作では「アクエリアス」。 ・千反田は写真部の勧誘にはさそわれていない(多分てこ入れ) [[用語集>用語集]] [[第十三話「限りなく積まれた例のあれ」の質疑>http://www34.atwiki.jp/kotenbu/pages/30.html]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- *第十三話「夕べには骸に」&anchor(02) 一方、里志は土星コスプレのままグラウンドで行われている神山高校クイズ研究会主催、クイズトライアルに参加していた。参加者人数は思った以上のなか、里志は真のデータベースが誰なのか教えてやると意気込む。  一方、漫画研究部は閑散としていた。誰も客が来ていない売り場には大音量でグラウンドで行われているクイズ研のイベントの声も聞こえてきている。「『ダルい』は英語の『ダル』が語源である!マルかバツか!」その答えに摩耶花は知り合いに問われ、マルかなぁと自信なさげにいった。    しかし正解はバツ。余裕で決勝進出を果した里志。壇上では勢いづいて喋るクイズ研女子の後ろで息を切らしている部長がいた。決勝は壇上を変えておこなうということで、行こうとすると男子に声を掛けられた。しかし里志は記憶に無い。  里志は絶対的な記憶があるがそれは「意外性がある人・物か、ない人・物」に分けられる。「ただのクラスメイト」にカテゴリされていた谷の名前がすぐに出てこなかったのは当然。  なんとかごまかして谷惟之、囲碁部所属と思い出した里志は囲碁部はどう?とお茶を濁す。それに囲碁部で面白いことがあった、聞くか?といわれ、あんまり興味が惹かれなかった里志は、クイズ研に呼ばれた。  そしてもちろん本来の目的を忘れていない(と思う)。壇上にあがり、クラスと名前を聞かれ「古典部の福部里志でーす!」と大音量で答える。クイズ研司会女子もノリノリ。声が大きすぎて学校中に聞こえていた。  もちろん暇な売り子、奉太郎の特別棟まで当然聞こえてきた。 『実は活動目的わかってない、でも調べてみたら文集作ることはわかったので作ってみた。力はいってますよ~』  確かに…。力はいってるなぁ。部数は、と奉太郎は山をみて思う。  壇上の里志はさらに勢いづく。ほとんど古典部宣伝状態。古典部はカンヤ祭の重大な秘密を解き明かした、カンヤ祭という名前そのものの由来。古典部はそれを(ここで回る、とまってずれる)解き明かした! そしてクイズ研司会に問われ、文集をもちろん買ってくださいと。特別棟4階地学準備室で絶賛発売中で~す(ここで2回目回る、止まってずれる)。そしてなぜか声援。アピール成功、もう優勝なんてどうでもいいと涙する里志。  一方暇な売り子奉太郎は客を待っていると、売り場拡張に行っていた千反田が戻ってきた。…なぜか文化祭団体の景品で手を一杯にして。田名部のほかの売り場におくぶんには良いこと、助言をもらおうと入須の所にいこうとしたがたどり着けなかったことを言った。里志の宣伝から壁新聞部に取り上げてもらえないか聞いてくると、早々に部室を後にした。それを見送る奉太郎は千反田が残した団体の残骸を見る。そこには……。  一方、壁新聞部へ取り上げてもらえるように頼みにいった千反田は、遠垣内に合う。説明をするがやはりいきなり頼みごとをする千反田。言い直すも、そもそも遠垣内は3年で引退、部員じゃないという。後輩を紹介してくださいというも、2時間に一枚号外をだすため、予めスケジュールがきまっているそうだ。しかも載せてくれといわれてやすやすと載せられないと。51の団体から出展されている、その中から注目すべき物を紹介するのが優先。古典部は文集だけしかだしていない。内容は全団体が真剣、人目につくような注目するネタがあれば取り上げさせてもらうと。何かあったらまた来てよと言われ、がっくり肩をおとして帰る千反田。  そこでネイティブアメリカンのようなテント前を通り過ぎようとしたら「える」と声を掛けられた。中からのぞいたのは髪の長い、眼鏡をかけた「荒楠神社の十文字家」の2人の娘の1人、十文字かほだった。幼い頃から友人だったかほに会った千反田は元気が出て、そのまま彼女の占い研に入る。  占ってみようかというかほに千反田はタロットを希望するが、かほはそれはだめなんだという。そして長い付き合いで千反田の性格を知っているかほは「占い研究部から運命の輪は既に失われた 十文字」というグリーティングカードを見せる。同時にタロットの運命の輪がなくなっていたそうだ。なぜかほの苗字なのかと千反田は訊くがかほはわからない。さらに「文化祭が終わったら返します」という律儀な文面まで残っていた。そしてなぜか「カンヤ祭の歩き方」の部活紹介の最後のページが開かれ、その上にカードがのせられていたと。かほは運命の輪が帰ってこれば良いんだけどね、と冷静だった。  一方、グラウンドのクイズ大会決勝は佳境を迎えていた。善戦するも最後の一押しで里志は逃し、清水紀子という女子が優勝した。その時横の谷が里志に話しかけてきた。囲碁部の面白い話が途中だったと。碁石がいくつか盗まれたらしい。さらに碁笥に「囲碁部から碁石をいただいた」っていう犯行声明まで入ってたらしい。犯行目的は不明で里志は流そうとするが、お前には負けられん、引き分けのままじゃきがすまん、明日どの大会にでる?と。お料理研と答えると谷は「そこで白黒つけよう、『期待してるぞ』」と言って去っていった。それをみて無粋だねぇと呟く。  一方、奉太郎は見つけてしまった千反田のコスプレ写真をみていた。とそこへ客が来る。どうやら里志の宣伝が効いたようだ。1部お買い上げ、と買いに来た先輩の社会の窓が開いていた。どうやら破れているようだ。そこで被服研にもらったショーの優先権の裏についてる安全ピンをあげた。お礼にその先輩からグロック17の水鉄砲をもらう。どうやら園芸部で焼き芋をやってるらしくその火の始末用らしい。  一方、漫研ではほとんど客が来ていなかった。そこで河内先輩が批判を始める。  そもそも漫画のレヴュー100本っていう企画がだめだった、無駄だと。そして「摩耶花に誘うような笑いを送る」。現状、河内と伊原の2派閥でどうなるかという雰囲気。  そこで伊原も言い返す、無駄とはどういうことかと。挑発に乗ったと顔に出す河内。そこでなぜかなにか書かれたポスターをもって湯浅部長が何処かへ行く。  河内は漫画や作品自体が面白い、つまらないというわけではなく、その漫画にかかれている面白さを感じられるか?読み手の器量や感じ方で違うだけの話という。だからレヴューなんて意味がない、だからわたし達は好きな物だけ読んで笑っていれば良いと。では名作というものはあるか?という伊原に河内はあるという。長い年月、振るいにかけられて残った物が名作と。しかし伊原は違うと言う。経験の差の問題だという。名作というのはとんでもないものにガツンとやられた経験がないだけだと。そして伊原は去年この漫研で売られた『夕べには躯に』という作品を知っているか?という。その言葉を聞いて驚く河内。しかし知らないという。伊原はでは明日持ってくる、それを見てもダメなら言葉は無いと。  一方、伊原の様子を見に来た千反田だったが、異様に人が多い。なにか書かれたポスターを回収しにきた湯浅部長に千反田は聞くも明日もやるのでといわれてしまった。  1日目を終了した古典部メンバーは部室に集合していた。里志のアピールのおかげで14部売れた。里志は明日のお料理研にも出るというが伊原に3人1組だと聞かされる。千反田は売り場拡張できなくて落ち込んでいたが、「気になる」ことがあったという、が、山の「氷菓」をみてそれどころじゃないと思いやっぱり気になりませんと言う。里志は伊原に漫研の様子を聞くが、不機嫌そうに何も無かったと突っぱねられた。里志は伊原と千反田に明日のお料理研に出ようといい、許可を得る。そして終了の鐘がなったのだが、千反田は奉太郎の前に自分が取ったコスプレ写真がおかれているのを発見、手にとって問おうにも恥かしくそのまま両者とも赤くなって黙ってしまった。  夜。伊原は「夕べには躯に」を探していた。しかしいくらさがしても見つからない。代わりに「ボディートーク」という漫画を持っていこうとしたがやっぱりだめだと探す。  しかし「夕べには躯に」はどこにもなかった。 ***原作との相違点 ・なんども言うが文化祭中里志は土星コスプレをしていない ・里志は「意外性のある者」だけを覚えておりなにも谷だけを覚えていないわけではない。 ・里志の「絶賛発売中でーす」に千反田は「ええ、絶賛発売中なのですか。将来に希望が持てます」と元気になっている。 ・千反田のお米の例え話がカット。 ・十文字かほがメッセージをみせたあと「気になる?」という会話がカット。 ・クイズトライアルの内容がカット。(出題内容) ・漫研での河内と伊原の論議は「漫画」に関してかなり高レベルな観念に飛んだもので、その心象風景も合わせると非常に読ませる文章となっている、がカット。(河内も伊原も全ての言葉を言っていない) ・もちろんだが写真部に誘われていない千反田のコスプレ写真も当然なく、奉太郎もそれを見ていない。終わりの2人の気まずい風景もない。 ・原作では1日目売り上げ13部 ・探す描写はあるが伊原の部屋での描写と「あの場所にある」ということを言っていない。 [[用語集>用語集]] [[第十三話「夕べには骸に」への質疑>http://www34.atwiki.jp/kotenbu/pages/30.html]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- *第十四話「ワイルド・ファイア」&anchor(03)  「すみません、ありませんでした」「見つからなかったの?『夕べには骸に』」文化祭二日目。  摩耶花は『夕べには骸に』を持ってくることで漫画の激論を交わした河内を説得するはずだったが、親戚の所に持っていったきりになっているらしく部屋を探しても見つからなかった。だが、亜也子はそれを攻めるわけでもなく、素っ気無く摩耶花にポスター製作を指示するだけにとどまる。  同じ頃、総務委員会に顔を出していた里志はそこで委員長の田名辺から昨日囲碁部以外にもアカペラ部で飲み物が紛失する事件が起きていたことを聞き、校内で面白い何かが起きている予感に胸が高鳴るのだった。  千反田は、引き続き、文集を置いてもらうために外回り中。入須のところに行く。入須の所へ向かいは、千反田に入須は若干の値引きで置いてもらうことを許可する。さらに「入須さん。入須さんは人に物を頼むのが上手ですよね、私に人への頼み方を教えてください」「はぁ?」文集を売るため、入須から人に物を頼むテクニックを学ぼうと考えた千反田だが、純真な千反田が入須のようにそう簡単に他人を騙せる真似が出来るものではない。 入須は言う。「いいか?何を頼むにしても、相手に自分から動いてもらうように仕向けることだ。まず自分が得る利益を小さく見せること。そしてそのためには相手に精神的な満足感を与えなければならない。色々あるんだが、おまえにも使えそうな手は、期待だろう。相手に自分は期待されているんだと思わせるんだ。それともう1つ、できれば他人の目につかないところで異性に頼むんだ」千反田は耳打ちにどぎまぎしながら大変勉強になりましたといった。    店番の奉太郎はぼーっとしている奉太郎のもとへ、かぼちゃのマスクをかぶった2人組が登場。  トリックオアトリート。製菓研究会の訪問販売でビスケットを100円で売りにきた。かぼちゃ頭は、机の上の置かれたピストルに目をとめた。「なんなら、ビスケット2袋と交換してやってもいいぞ。今なら文集にそのピストルをつける。」感謝のしるしに、とかぼちゃ頭はビスケットと一緒に小麦粉の袋もおいていった。  そして、昨日里志が囲碁部の谷から対決を挑まれたお料理研究会主催の『クロスファイヤー』が開催。三人で料理を順番に調理してゆくというルールだが、まだ摩耶花は漫研の仕事が残っておりそれが終わるまでは参加できそうにない。結果、摩耶花を欠いたまま里志とえるの二人で挑まなければならない料理対決の火蓋がきって落とされるのであった。   盛り上がる会場を離れた部室からゆるいテンションで無関心そうに眺める折木。  先方を務める里志だが、自慢の海鮮チャーハンが作れず出だしから躓いてしまう。得意な料理を失い、一気にテンションが下がり要領の悪い調理をする里志に、千反田は背後から必死に念を送る応援するのだった。  無難に料理を作り終えた里志に続き、舞台に上がる千反田。料理好きな見事な料理の腕前を披露。後の千反田の方が凄かった。しかしがんばり過ぎて、食材を全部使ってしまう。参加する人間たちの料理の盛り上がりもさることながら、ところどころ解説者が不思議な声援を送る。料理を作り終え、控え席に戻る千反田。手際よく調理をし制限時間で数多くの料理を作った千反田。だが、それは同時に素材を使いきってしまい料理の材料が残っていない。そして、肝心の摩耶花も会場に現われず、また来たとしても料理を作れないという絶望的な状況に追い込まれてしまう。  絶望的な状況を知らず、遅れながらも現われた摩耶花。だが、肝心の食材は残っておらず何かを作れないか頭を悩ませるものの何も思いつかない。そこで、奉太郎から声がする。折木が里志に託したものは製菓研から手に入れた小麦粉。。かくして、食材を手に入れた摩耶花は残っていた料理の端材を寄せ集め、掻き揚げを作ろうとする。時間ギリギリで、かき揚げ丼を作った摩耶花ちゃんだったが、おたまがなかったことを料理研に指摘している。 一人部室に残る折木を見上げる千反田。今回のように大声を張り上げる折木を初めて見たであろう千反田は、いつもの無気力な折木の一面を垣間見た事をどこか嬉しそうにするのだった。 コンテストでの優勝が古典部に決まった事を離れた部室で聞き、静かに祝福する折木。 そして、コンテストの最中に『お玉』がなかった事に違和感を覚えた千反田が思いたって調べてみると、犯行メッセージが置いてあった。 カンヤ祭の歩き方が開いてありそのうえにグリーティングカード。「お料理研究会からお玉は既に失われた 十文字」 ***原作との相違点 ・夕べには躯には親戚のうちにではなく、夏に帰省した家に忘れていった。 ・慢研のコスプレ衣装が違う。 ・お料理研部長の実況が実際のネタ。 ・入須と千反田が「人への頼み方」を教えてもらう会話がかなりカット [[用語集>用語集]] [[質疑応答>質疑応答]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- *第十五話「十文字事件」&anchor(04)  お料理研主催のコンテストで優勝を果たした千反田達。その興奮も冷めやらぬまま、先程現場で発見した『十文字』からの犯行声明のカードを折木に見せる。 お料理研からおたまが盗まれ、その犯行声明文が見つかった。他の部活も何かしら盗まれているらしい。大胆不敵かつ実に不可解な怪盗の行為に、千反田の好奇心が刺激されいつものように『気になります』の予兆を見せ、瞬時に警戒、嫌がるが折木は文集を売るためにこの事件を壁新聞部に売り込むという案により文集を売るために仕方なく協力することになる。  アカペラ部・・・アップルジュース、囲碁部・・・石、占い研究部・・・運命の輪、お料理研・・・おたま  盗まれる物も五十音順。古典部で「こ」の付くものは何があるだろうか。だが、実際にこの事件を解決しようとなると、現在分かっている事だけでは到底推理する事は不可能。もっと多くの情報を調べ、それを元に絞り込まなければならない。「その怪盗もどきが、古典部をターゲットにしてくれればなぁ」摩耶花の何気ない言葉がきっかけとなり、犯人の犯行がどのように行われたのか気になった古典部メンバーがそれぞれ知る情報を出し合うのだが。バラバラに起きた事件のように思われていた一連の事件が五十音順になぞらえ、それぞれの部活を標的としているという法則性に気付く折木。  犯人の名前が「十文字」は普通「じゅうもじ」と読むもので、そこから考えれば「こ」のつく部である古典部までが標的となっていると折木は推察した。単に、連続窃盗事件が起きているだけではなく、法則性がある事に気付いた古典部。千反田がその事実を新聞部に売り込み、里志はいつものように情報を集める。 壁新聞部にネタを売り込みにいったえる。壁新聞部では、引退したはずの遠垣内が部を仕切り、十文字事件について調べているようだった。千反田は、入須の言っていた物の頼み方で、古典部について取り上げてほしいと頼むことにする。千反田は遠垣内を他人の目につかないところに引っ張っていく。そして、「このことは壁新聞部にしかご相談できないことなのです。つまり、私、期待してます!でも古典部の利益は小さいのです。どうですか?頑張ろうって気になりませんか?」思惑が完全に口から出てしまっているえる。だいぶ違う頼み方になってしまったようだ。遠垣内はただ困惑し、その場を去ろうとする。「待ってください!文化祭で色んなものから物を盗んでいる人がいるんです!その犯人が・・・」遠垣内はその言葉に反応して話を聞いてくれることになった。実は壁新聞分も十文字が出没しカッターナイフが消えるという事件が起こっており、校内で起こる連続した窃盗事件という特ダネを必死に調べていたところだったのだ。 千反田からの貴重な情報に感謝する遠垣内だが、そうして、ネタは提供したが、結局、遠垣内に古典部のことをちゃんと書いてくれるように強く言うことはできなかった。  壁新聞部からの帰り道、十文字が次に狙うであろう奇術部で待ち構えてその正体を暴こうと意気込む里志と出会う。いつもの里志であれば決して自分が結論を出すことはしてこなかった。だが、今日の里志はいつもと違い以前よりも変化した折木にあてられたのか、事件の犯人を自らの手で捕まえようと考えているのだった。  奇術部の公演が始まるまで、時間をつぶす里志の前にまたもやあらわれる囲碁部の谷。料理コンテストで負けたはずだが、またもや懲りずに里志に勝負を挑んでくる。その勝負が、怪盗十文字を捕まえること。煩わしく思っているであろう里志だったが、愛想笑いを浮かべながらその勝負を受けるのだった。  古典部室。折木と残った摩耶花が推理をする。今回の事件がクリスティーの著作『ABC事件』に似ている事から、犯人が何かの意図をもって犯行を行っている可能性を考える折木は摩耶花に原作の事を尋ねる。だが、ネタバレを覚悟して聞いた内容は何のことはない、ただ「ABC順にやってみたかった」からだという愉快犯だというのだ。これまでは犯人の人数を推理するだけの情報があったからこそ犯人を特定できた。だが、この犯行に動機やメッセージ性のような物がないのであればやはり犯人の推理など出来るはずもない。さらに、謎が深まる事件に悩む折木。まぁ、今回の場合は殺人もなく、盗まれた物は返すというのだから、単なる愉快犯ではなく文化祭を盛り上げる意図があるのかも知れない。  そんな珍しく自発的に事件を推理する折木に対し、こちらも珍しく料理コンテストでの手助けに素直に感謝の言葉を口にする摩耶花。そんな摩耶花に、これまでわらしべ長者のように順調に物々交換を続けてきた折木は何か物をくれるようにねだるのだった。折木の要求に快く、自分の手鏡を差し出す摩耶花。だが、肝心の鏡がないと変身が出来ないコスプレにならないと心配をする折木だったが、余計な一言に摩耶花からの鉄槌が下るのだった。  奇術部で十文字が現われるのを待ち構えていた里志。途中、入須や田名辺、陸山生徒会長などが現われるも、誰もが怪しく思えてしまう。だが、肝心の公演が始まった舞台の上に突き立てる型のキャンドルが一本、すでに無くなってしまっていた。里志は「ろうそく」とばかり思って『キャンドル』を推理から完全に外していた。犯人からすれば「どうよぼうが構わないからだ。公演までの間に舞台に近づいた人間は居なかった。つまり、公演が始まる前に既にキャンドルは盗まれてしまっていたのだ。そこに里志の「洞察力の穴」だった。それに愕然とする里志。  漫研に戻った摩耶花だが、昨日のイザコザで先輩の亜也子と対立をした摩耶花は麻耶花に毒づく河内グループの慢研部員と孤立を強めていた。そんな部の雰囲気にいたたまれなくなり、また部の外に逃げ出す摩耶花。渡り廊下の屋上にでていた摩耶花に湯浅に話しかけられる摩耶花。河内先輩と春菜(夕べには躯にの原作者)は友達だったらしい。もう春菜はこの学校にいないらしい。だが、河内はその事を隠していた。作品の裏にあったであろう転校してしまった友人との人間関係。そこに答えがあるのだろうか?思いにふける摩耶花。  古典部室。十文字を捕まえると一人で意気込んでいた里志。だが、その事を知らなかった折木は里志に重要な事を伝えていなかった。十文字は盗む場所は決めていても、いつ盗むかは決めていない。つまり、わざわざ人間が多く集まる中で盗むなどという事をする訳がないのだ。自分が事件を解決するのだという意気込みに我を忘れ、冷静さを欠いていた里志は自分の先走りすぎた行為を反省するのだった。  文集を売るために頑張っていたえるが壁新聞部の号外で古典部の事が載っていたのを確認して戻ってくる。こがつく部活は古典部か工作部。古典部によぶよう千反田は明日は放送部へいくという。宣伝の効果か着実に売り上げを伸ばす氷菓に、えるはさらに明日も頑張って宣伝をしようと考千反田。だが、千反田の表情がどことなく疲れているように見えた折木。  そこに摩耶花も帰ってくるが、部誌の売り上げを聞いてもどことなく元気が無かった。  その夜。  千反田は自宅の私室でぬいぐるみを抱きながら疲れていた。これまでの事で交渉が下手で押しの弱い自分が宣伝をしてもらうように頼んで回る事が性分にあわない事を嫌というほど身にしみたのだろうか、折木の見立てどおり精神的にも肉体的にもどうしようもない疲労を感じる千反田。  摩耶花は湯浅の言葉を聞いてボディトークを改めて見て、そして自分の原稿とくらべ、落胆する。  里志は眠れなく、寒い夜道を散歩していた。折木に触発され自分の中に何かを成し遂げたいという気持ちを抱くようになった里志。彼もまた、今回の文化祭で自分自身のあり方に疑問を抱き、変えてゆきたいと思った。そのために、十文字を捕まえようと必死になっていたようだった。  奉太郎はぼんやりとカンヤ祭のHPをみて通信販売もやってるのかと驚き、寝た。 ***原作との相違点 ・千反田の遠内外への交渉が扇情的且つ恐喝的表現に演出されている。実際は壁新聞部でただ話し、協力をもとめたが苦笑されあしらわれただけ。 ・ [[用語集>用語集]] [[質疑応答>質疑応答]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- *第十六話「最後の標的」&anchor(05) [[用語集>用語集]] [[質疑応答>質疑応答]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- *第十七話「クドリャフカの順番」&anchor(06) [[用語集>用語集]] [[質疑応答>質疑応答]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- - クドリャフカの順番、雛形作成。リンク作成。 -- L (2012-06-30 16:06:25) - 12話追加。 -- L (2012-07-09 17:19:35) - 13話追加 -- L (2012-07-16 08:27:25) - タイトル名追加。テンプレート加筆。 -- ainsworth (2012-09-01 12:10:32) - 14,15追加 -- ainsworth (2012-09-22 14:41:41) #comment()
*「クドリャフカの順番」の各話あらすじ (始めに出版された角川書店では「クドリャフカの順番十文字事件」というタイトル。文庫にて改題) -[[ストーリー|氷菓 公式ホームページ>>http://www.kotenbu.com/story/]] このページでは、アニメ「氷菓」についての各話あらすじについて分かりやすく詳細に紹介していきます。 初見さんにでも理解できるよう、解説などを交えながら紹介します。 &bold(){多少のネタバレがあります。また真相や種明かしに関しては反転処置を取らせていただきます。ネタバレを見る場合、自己責任でお願いします} 加筆・修正・編集大歓迎。 [[第十二話「限りなく積まれた例のあれ」>#01]] [[第十三話「夕べには骸に」>#02]] [[第十四話「ワイルド・ファイア」>#03]] [[第十五話「十文字事件」>#04]] [[第十六話「最後の標的」>#05]] [[第十七話「クドリャフカの順番」>#06]] ---- *第十ニ話「限りなく積まれた例のあれ」&anchor(01)  10月3日深夜。古典部メンバーは明日に控えた文化祭のせいで目がさえ、それぞれの夜を過ごしていた。伊原は「あの失敗で」眠れなく睡眠剤を飲んで寝て、千反田は荒楠神社へ「あの山を越えられるように」成功祈願、里志は思い切り楽しむためにカンヤ祭の歩き方をチェック、奉太郎は共有のPCで神山高校文化祭のHPを見ていた。  翌朝、奉太郎が出かけようとすると珍しく早起きした供恵が話しかけてきた。お守りの1つでもくれというとインクが出ない、ペン先われの万年筆を渡された。里志と一緒に神高へ登校する奉太郎。更衣室の関係上、私服登校も許される中、その途中でコスプレした摩耶花を見かけた里志は話しかけに言った。里志がなんの「装い?」ときくとフロルという伊原。フロルベリチェリ・フロル?と聞き返すも元気が無い。そのうち第54回カンヤ祭のゲートがみえてきた。  中に入ると文化祭一色。あちらこちらに生徒が走り回り、最後の確認や最終準備に追われていた。ちょっと里志は手芸部へと別れ、伊原と一緒に古典部部室へ。途中、あまり気にするな、と奉太郎が言うがやはり伊原元気が無い。  古典部部室につくとすでに千反田が来ていた。「例のあの山を」を見てがんばりましょうというが、奉太郎は頑張ってどうにかなるのか?と冷静。  その古典部文集「氷菓」がテーブルにつまれていたが、本来「30部」だったはずが「200部」の文集が山と積まれていた。何か発注で責任を感じている摩耶花が全部買うというがそれをとめる千反田。そこに手芸部から戻ってきた里志が土星のコスプレで入ってきた。それをなでる奉太郎に凄い興味を持つ千反田。  どうやら200部の発注ミスは摩耶花が印刷所からのメールの見落としでなってしまったらしい。それを慰めるほか三人。そしてどうやって売り切るかを考える。  古典部はマイナーでなおかつ立地条件が悪いそれをクリアしなければならないと奉太郎。里志は売り場を広げるなら総務委員会じゃないかという。カンヤ祭の歩き方、を広げて見せると、古典部の部活紹介を最後にねじ込ませたといった。そして千反田と一緒にお願いすると。  千反田は売り場拡張のお願い、里志はイベントを利用した宣伝。摩耶花は漫研を離れられない。そして奉太郎は売り子。えいえいおー。  点呼兼カンヤ祭オープニングセレモニーが始まる。最初に体育館壇上に陸山生徒会長があがり、カンヤ祭開始を宣言した。その次、オープニングのブレイクダンス部のパフォーマンスが始まった。  それに見入る千反田。しかし自分の使命を思い出して体育館を抜け出し総務委員会へ、とおもったら気になるものばかり。書道部、百人一首部にてなんとなく遊んでしまってようやく総務委員会の部屋へ。呼んで見るが誰もいないようでとおもったら、丁度委員長の田名部がきた。千反田は精一杯説明して売り場を大きくしてくれというが、古典部だけというわけにはと。諦めてきびすを返す千反田に事情を聞かせてくれと田名部。そこで一緒に交渉してくれる里志を思い出すが、里志は体育館でブレイクダンス部の次の落語研究部に大爆笑中だった。  全てを話し終えた千反田だったが、やはり無理だと田名部に断られてしまう。しかし他の部に古典部文集をおくぶんにはかまわないとアドバイスをもらった。  一方、漫画研究部にいった伊原は河内亜也子先輩とあう。コスプレはナコルル。他にもボーカロイドの格好をした一団もいた。そこで湯浅部長が来た。河内の集団に、伊原に集まる集団。そして男子+その他。どうやら漫研には「派閥」があるようだった。湯浅部長に伊原は「ここに古典部文集を置いてください」といおうとしたが雰囲気的にいえなかった。  そのうち客1号がきた。  一方、暇な売り子、奉太郎は売り子バンザイと省エネを満喫していた。聞こえてきたアカペラ部をなんとなく見ているとクーラーボックス付近で「俺のアップルジュースがない」などと聞こえてきた。なんかあったんだろうと気にもしない奉太郎は売り子にもどると、パンクな生徒が入室してきた。一応文集を売ってるというと1部お買い上げ、と、供恵にもらったゴミ、もとい万年筆を彼がこれはいいといっていきなり喜びだした。どうやら彼は被服研究部らしく、フォーマルな服のポケットに合う物を探していたらしい。奉太郎は迷わずあげますよ、というと彼は丸いプラスチック製で7と書かれたワッペンのようなものを渡してきた。それをもって被服研にこれば最高のコーディネイトを優先してあげると。つまりショーの優先権らしい。  イラネ。と奉太郎は淡々と売り上げを書く。  一方、千反田は先ほどのアカペラ部に聞き入っていた、われに返るがそこで写真部に勧誘される。  メイド服→ペンギンのきぐるみ→チアリーダー→昭和風夫人と写真を取られるがまたわれに返り学校に戻る。これでは使命を果せないと思うが周囲には「きになる」ものばかり。    前しか見えなくなる眼鏡がどこかにおちていないかと願う千反田だった。 ***原作との相異点 ・奉太郎と供恵の会話は奉太郎が夜中にPCをやっている時に行われていた。さらに途中でネットが切れている。 ・アニメの会話が早朝になっている為、原作の「早く寝なさいよ」という供恵らしくない発言がカット。 ・朝里志がコスプレと言った時本当はボディーブローだった。 ・摩耶花へいった里志はこの時点で別れている。 ・古典部部室には奉太郎1人で行った。その後里志が来た。 ・&bold(){さらっと触れられていないが、奉太郎が原作で「創刊号は水墨画調で」とこの時点で創刊号が見つかって見ていることが分かっている。} ・里志はサターンのコスプレをしていない。 ・摩耶花はほとんど慢研にはりつきでこの場面でもいない。慢研直行。 ・アニメでは4人で相談しているところで里志が「古典部を最後にねじ込んだ」といっているが、原作では眠れない夜にカンヤ祭の歩き方を見ながら本来50音順だったものを「登録順」に変え、古典部を最後にした。さらにこのことはメンバーに言っていない。 ・ブレイクダンス部の場面でも「千反田は大きな音が苦手」が省かれている。 ・千反田は他の部に誘惑されながらも一直線に総務委員会の部屋にいっている。 ・田名部での会話で説明されるが、アニメでは200部は摩耶花の発注ミスのようになっているが、原作ではちゃんと「氷菓」30部で出している。しかし同時に摩耶花の同人誌「200部」を出した所印刷所が取り違え、結果200部になってしまった。確認しなかった、ということはそのこと。 ・河内の1日目のコスプレは格闘ゲーム「ヴァンパイアハンター」の「レイレイ」。 ・アカペラ部のクーラボックスからなくなったのは原作では「アクエリアス」。 ・千反田は写真部の勧誘にはさそわれていない(多分てこ入れ) [[用語集>用語集]] [[第十三話「限りなく積まれた例のあれ」の質疑>http://www34.atwiki.jp/kotenbu/pages/30.html]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- *第十三話「夕べには骸に」&anchor(02) 一方、里志は土星コスプレのままグラウンドで行われている神山高校クイズ研究会主催、クイズトライアルに参加していた。参加者人数は思った以上のなか、里志は真のデータベースが誰なのか教えてやると意気込む。  一方、漫画研究部は閑散としていた。誰も客が来ていない売り場には大音量でグラウンドで行われているクイズ研のイベントの声も聞こえてきている。「『ダルい』は英語の『ダル』が語源である!マルかバツか!」その答えに摩耶花は知り合いに問われ、マルかなぁと自信なさげにいった。    しかし正解はバツ。余裕で決勝進出を果した里志。壇上では勢いづいて喋るクイズ研女子の後ろで息を切らしている部長がいた。決勝は壇上を変えておこなうということで、行こうとすると男子に声を掛けられた。しかし里志は記憶に無い。  里志は絶対的な記憶があるがそれは「意外性がある人・物か、ない人・物」に分けられる。「ただのクラスメイト」にカテゴリされていた谷の名前がすぐに出てこなかったのは当然。  なんとかごまかして谷惟之、囲碁部所属と思い出した里志は囲碁部はどう?とお茶を濁す。それに囲碁部で面白いことがあった、聞くか?といわれ、あんまり興味が惹かれなかった里志は、クイズ研に呼ばれた。  そしてもちろん本来の目的を忘れていない(と思う)。壇上にあがり、クラスと名前を聞かれ「古典部の福部里志でーす!」と大音量で答える。クイズ研司会女子もノリノリ。声が大きすぎて学校中に聞こえていた。  もちろん暇な売り子、奉太郎の特別棟まで当然聞こえてきた。 『実は活動目的わかってない、でも調べてみたら文集作ることはわかったので作ってみた。力はいってますよ~』  確かに…。力はいってるなぁ。部数は、と奉太郎は山をみて思う。  壇上の里志はさらに勢いづく。ほとんど古典部宣伝状態。古典部はカンヤ祭の重大な秘密を解き明かした、カンヤ祭という名前そのものの由来。古典部はそれを(ここで回る、とまってずれる)解き明かした! そしてクイズ研司会に問われ、文集をもちろん買ってくださいと。特別棟4階地学準備室で絶賛発売中で~す(ここで2回目回る、止まってずれる)。そしてなぜか声援。アピール成功、もう優勝なんてどうでもいいと涙する里志。  一方暇な売り子奉太郎は客を待っていると、売り場拡張に行っていた千反田が戻ってきた。…なぜか文化祭団体の景品で手を一杯にして。田名部のほかの売り場におくぶんには良いこと、助言をもらおうと入須の所にいこうとしたがたどり着けなかったことを言った。里志の宣伝から壁新聞部に取り上げてもらえないか聞いてくると、早々に部室を後にした。それを見送る奉太郎は千反田が残した団体の残骸を見る。そこには……。  一方、壁新聞部へ取り上げてもらえるように頼みにいった千反田は、遠垣内に合う。説明をするがやはりいきなり頼みごとをする千反田。言い直すも、そもそも遠垣内は3年で引退、部員じゃないという。後輩を紹介してくださいというも、2時間に一枚号外をだすため、予めスケジュールがきまっているそうだ。しかも載せてくれといわれてやすやすと載せられないと。51の団体から出展されている、その中から注目すべき物を紹介するのが優先。古典部は文集だけしかだしていない。内容は全団体が真剣、人目につくような注目するネタがあれば取り上げさせてもらうと。何かあったらまた来てよと言われ、がっくり肩をおとして帰る千反田。  そこでネイティブアメリカンのようなテント前を通り過ぎようとしたら「える」と声を掛けられた。中からのぞいたのは髪の長い、眼鏡をかけた「荒楠神社の十文字家」の2人の娘の1人、十文字かほだった。幼い頃から友人だったかほに会った千反田は元気が出て、そのまま彼女の占い研に入る。  占ってみようかというかほに千反田はタロットを希望するが、かほはそれはだめなんだという。そして長い付き合いで千反田の性格を知っているかほは「占い研究部から運命の輪は既に失われた 十文字」というグリーティングカードを見せる。同時にタロットの運命の輪がなくなっていたそうだ。なぜかほの苗字なのかと千反田は訊くがかほはわからない。さらに「文化祭が終わったら返します」という律儀な文面まで残っていた。そしてなぜか「カンヤ祭の歩き方」の部活紹介の最後のページが開かれ、その上にカードがのせられていたと。かほは運命の輪が帰ってこれば良いんだけどね、と冷静だった。  一方、グラウンドのクイズ大会決勝は佳境を迎えていた。善戦するも最後の一押しで里志は逃し、清水紀子という女子が優勝した。その時横の谷が里志に話しかけてきた。囲碁部の面白い話が途中だったと。碁石がいくつか盗まれたらしい。さらに碁笥に「囲碁部から碁石をいただいた」っていう犯行声明まで入ってたらしい。犯行目的は不明で里志は流そうとするが、お前には負けられん、引き分けのままじゃきがすまん、明日どの大会にでる?と。お料理研と答えると谷は「そこで白黒つけよう、『期待してるぞ』」と言って去っていった。それをみて無粋だねぇと呟く。  一方、奉太郎は見つけてしまった千反田のコスプレ写真をみていた。とそこへ客が来る。どうやら里志の宣伝が効いたようだ。1部お買い上げ、と買いに来た先輩の社会の窓が開いていた。どうやら破れているようだ。そこで被服研にもらったショーの優先権の裏についてる安全ピンをあげた。お礼にその先輩からグロック17の水鉄砲をもらう。どうやら園芸部で焼き芋をやってるらしくその火の始末用らしい。  一方、漫研ではほとんど客が来ていなかった。そこで河内先輩が批判を始める。  そもそも漫画のレヴュー100本っていう企画がだめだった、無駄だと。そして「摩耶花に誘うような笑いを送る」。現状、河内と伊原の2派閥でどうなるかという雰囲気。  そこで伊原も言い返す、無駄とはどういうことかと。挑発に乗ったと顔に出す河内。そこでなぜかなにか書かれたポスターをもって湯浅部長が何処かへ行く。  河内は漫画や作品自体が面白い、つまらないというわけではなく、その漫画にかかれている面白さを感じられるか?読み手の器量や感じ方で違うだけの話という。だからレヴューなんて意味がない、だからわたし達は好きな物だけ読んで笑っていれば良いと。では名作というものはあるか?という伊原に河内はあるという。長い年月、振るいにかけられて残った物が名作と。しかし伊原は違うと言う。経験の差の問題だという。名作というのはとんでもないものにガツンとやられた経験がないだけだと。そして伊原は去年この漫研で売られた『夕べには躯に』という作品を知っているか?という。その言葉を聞いて驚く河内。しかし知らないという。伊原はでは明日持ってくる、それを見てもダメなら言葉は無いと。  一方、伊原の様子を見に来た千反田だったが、異様に人が多い。なにか書かれたポスターを回収しにきた湯浅部長に千反田は聞くも明日もやるのでといわれてしまった。  1日目を終了した古典部メンバーは部室に集合していた。里志のアピールのおかげで14部売れた。里志は明日のお料理研にも出るというが伊原に3人1組だと聞かされる。千反田は売り場拡張できなくて落ち込んでいたが、「気になる」ことがあったという、が、山の「氷菓」をみてそれどころじゃないと思いやっぱり気になりませんと言う。里志は伊原に漫研の様子を聞くが、不機嫌そうに何も無かったと突っぱねられた。里志は伊原と千反田に明日のお料理研に出ようといい、許可を得る。そして終了の鐘がなったのだが、千反田は奉太郎の前に自分が取ったコスプレ写真がおかれているのを発見、手にとって問おうにも恥かしくそのまま両者とも赤くなって黙ってしまった。  夜。伊原は「夕べには躯に」を探していた。しかしいくらさがしても見つからない。代わりに「ボディートーク」という漫画を持っていこうとしたがやっぱりだめだと探す。  しかし「夕べには躯に」はどこにもなかった。 ***原作との相違点 ・なんども言うが文化祭中里志は土星コスプレをしていない ・里志は「意外性のある者」だけを覚えておりなにも谷だけを覚えていないわけではない。 ・里志の「絶賛発売中でーす」に千反田は「ええ、絶賛発売中なのですか。将来に希望が持てます」と元気になっている。 ・千反田のお米の例え話がカット。 ・十文字かほがメッセージをみせたあと「気になる?」という会話がカット。 ・クイズトライアルの内容がカット。(出題内容) ・漫研での河内と伊原の論議は「漫画」に関してかなり高レベルな観念に飛んだもので、その心象風景も合わせると非常に読ませる文章となっている、がカット。(河内も伊原も全ての言葉を言っていない) ・もちろんだが写真部に誘われていない千反田のコスプレ写真も当然なく、奉太郎もそれを見ていない。終わりの2人の気まずい風景もない。 ・原作では1日目売り上げ13部 ・探す描写はあるが伊原の部屋での描写と「あの場所にある」ということを言っていない。 [[用語集>用語集]] [[第十三話「夕べには骸に」への質疑>http://www34.atwiki.jp/kotenbu/pages/30.html]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- *第十四話「ワイルド・ファイア」&anchor(03)  「すみません、ありませんでした」「見つからなかったの?『夕べには骸に』」文化祭二日目。  摩耶花は『夕べには骸に』を持ってくることで漫画の激論を交わした河内を説得するはずだったが、親戚の所に持っていったきりになっているらしく部屋を探しても見つからなかった。だが、亜也子はそれを攻めるわけでもなく、素っ気無く摩耶花にポスター製作を指示するだけにとどまる。  同じ頃、総務委員会に顔を出していた里志はそこで委員長の田名辺から昨日囲碁部以外にもアカペラ部で飲み物が紛失する事件が起きていたことを聞き、校内で面白い何かが起きている予感に胸が高鳴るのだった。  千反田は、引き続き、文集を置いてもらうために外回り中。入須のところに行く。入須の所へ向かいは、千反田に入須は若干の値引きで置いてもらうことを許可する。さらに「入須さん。入須さんは人に物を頼むのが上手ですよね、私に人への頼み方を教えてください」「はぁ?」文集を売るため、入須から人に物を頼むテクニックを学ぼうと考えた千反田だが、純真な千反田が入須のようにそう簡単に他人を騙せる真似が出来るものではない。 入須は言う。「いいか?何を頼むにしても、相手に自分から動いてもらうように仕向けることだ。まず自分が得る利益を小さく見せること。そしてそのためには相手に精神的な満足感を与えなければならない。色々あるんだが、おまえにも使えそうな手は、期待だろう。相手に自分は期待されているんだと思わせるんだ。それともう1つ、できれば他人の目につかないところで異性に頼むんだ」千反田は耳打ちにどぎまぎしながら大変勉強になりましたといった。    店番の奉太郎はぼーっとしている奉太郎のもとへ、かぼちゃのマスクをかぶった2人組が登場。  トリックオアトリート。製菓研究会の訪問販売でビスケットを100円で売りにきた。かぼちゃ頭は、机の上の置かれたピストルに目をとめた。「なんなら、ビスケット2袋と交換してやってもいいぞ。今なら文集にそのピストルをつける。」感謝のしるしに、とかぼちゃ頭はビスケットと一緒に小麦粉の袋もおいていった。  そして、昨日里志が囲碁部の谷から対決を挑まれたお料理研究会主催の『クロスファイヤー』が開催。三人で料理を順番に調理してゆくというルールだが、まだ摩耶花は漫研の仕事が残っておりそれが終わるまでは参加できそうにない。結果、摩耶花を欠いたまま里志とえるの二人で挑まなければならない料理対決の火蓋がきって落とされるのであった。   盛り上がる会場を離れた部室からゆるいテンションで無関心そうに眺める折木。  先方を務める里志だが、自慢の海鮮チャーハンが作れず出だしから躓いてしまう。得意な料理を失い、一気にテンションが下がり要領の悪い調理をする里志に、千反田は背後から必死に念を送る応援するのだった。  無難に料理を作り終えた里志に続き、舞台に上がる千反田。料理好きな見事な料理の腕前を披露。後の千反田の方が凄かった。しかしがんばり過ぎて、食材を全部使ってしまう。参加する人間たちの料理の盛り上がりもさることながら、ところどころ解説者が不思議な声援を送る。料理を作り終え、控え席に戻る千反田。手際よく調理をし制限時間で数多くの料理を作った千反田。だが、それは同時に素材を使いきってしまい料理の材料が残っていない。そして、肝心の摩耶花も会場に現われず、また来たとしても料理を作れないという絶望的な状況に追い込まれてしまう。  絶望的な状況を知らず、遅れながらも現われた摩耶花。だが、肝心の食材は残っておらず何かを作れないか頭を悩ませるものの何も思いつかない。そこで、奉太郎から声がする。折木が里志に託したものは製菓研から手に入れた小麦粉。。かくして、食材を手に入れた摩耶花は残っていた料理の端材を寄せ集め、掻き揚げを作ろうとする。時間ギリギリで、かき揚げ丼を作った摩耶花ちゃんだったが、おたまがなかったことを料理研に指摘している。 一人部室に残る折木を見上げる千反田。今回のように大声を張り上げる折木を初めて見たであろう千反田は、いつもの無気力な折木の一面を垣間見た事をどこか嬉しそうにするのだった。 コンテストでの優勝が古典部に決まった事を離れた部室で聞き、静かに祝福する折木。 そして、コンテストの最中に『お玉』がなかった事に違和感を覚えた千反田が思いたって調べてみると、犯行メッセージが置いてあった。 カンヤ祭の歩き方が開いてありそのうえにグリーティングカード。「お料理研究会からお玉は既に失われた 十文字」 ***原作との相違点 ・夕べには躯には親戚のうちにではなく、夏に帰省した家に忘れていった。 ・慢研のコスプレ衣装が違う。 ・お料理研部長の実況が実際のネタ。 ・入須と千反田が「人への頼み方」を教えてもらう会話がかなりカット [[用語集>用語集]] [[質疑応答>質疑応答]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- *第十五話「十文字事件」&anchor(04)  お料理研主催のコンテストで優勝を果たした千反田達。その興奮も冷めやらぬまま、先程現場で発見した『十文字』からの犯行声明のカードを折木に見せる。 お料理研からおたまが盗まれ、その犯行声明文が見つかった。他の部活も何かしら盗まれているらしい。大胆不敵かつ実に不可解な怪盗の行為に、千反田の好奇心が刺激されいつものように『気になります』の予兆を見せ、瞬時に警戒、嫌がるが折木は文集を売るためにこの事件を壁新聞部に売り込むという案により文集を売るために仕方なく協力することになる。  アカペラ部・・・アップルジュース、囲碁部・・・石、占い研究部・・・運命の輪、お料理研・・・おたま  盗まれる物も五十音順。古典部で「こ」の付くものは何があるだろうか。だが、実際にこの事件を解決しようとなると、現在分かっている事だけでは到底推理する事は不可能。もっと多くの情報を調べ、それを元に絞り込まなければならない。「その怪盗もどきが、古典部をターゲットにしてくれればなぁ」摩耶花の何気ない言葉がきっかけとなり、犯人の犯行がどのように行われたのか気になった古典部メンバーがそれぞれ知る情報を出し合うのだが。バラバラに起きた事件のように思われていた一連の事件が五十音順になぞらえ、それぞれの部活を標的としているという法則性に気付く折木。  犯人の名前が「十文字」は普通「じゅうもじ」と読むもので、そこから考えれば「こ」のつく部である古典部までが標的となっていると折木は推察した。単に、連続窃盗事件が起きているだけではなく、法則性がある事に気付いた古典部。千反田がその事実を新聞部に売り込み、里志はいつものように情報を集める。 壁新聞部にネタを売り込みにいったえる。壁新聞部では、引退したはずの遠垣内が部を仕切り、十文字事件について調べているようだった。千反田は、入須の言っていた物の頼み方で、古典部について取り上げてほしいと頼むことにする。千反田は遠垣内を他人の目につかないところに引っ張っていく。そして、「このことは壁新聞部にしかご相談できないことなのです。つまり、私、期待してます!でも古典部の利益は小さいのです。どうですか?頑張ろうって気になりませんか?」思惑が完全に口から出てしまっているえる。だいぶ違う頼み方になってしまったようだ。遠垣内はただ困惑し、その場を去ろうとする。「待ってください!文化祭で色んなものから物を盗んでいる人がいるんです!その犯人が・・・」遠垣内はその言葉に反応して話を聞いてくれることになった。実は壁新聞分も十文字が出没しカッターナイフが消えるという事件が起こっており、校内で起こる連続した窃盗事件という特ダネを必死に調べていたところだったのだ。 千反田からの貴重な情報に感謝する遠垣内だが、そうして、ネタは提供したが、結局、遠垣内に古典部のことをちゃんと書いてくれるように強く言うことはできなかった。  壁新聞部からの帰り道、十文字が次に狙うであろう奇術部で待ち構えてその正体を暴こうと意気込む里志と出会う。いつもの里志であれば決して自分が結論を出すことはしてこなかった。だが、今日の里志はいつもと違い以前よりも変化した折木にあてられたのか、事件の犯人を自らの手で捕まえようと考えているのだった。  奇術部の公演が始まるまで、時間をつぶす里志の前にまたもやあらわれる囲碁部の谷。料理コンテストで負けたはずだが、またもや懲りずに里志に勝負を挑んでくる。その勝負が、怪盗十文字を捕まえること。煩わしく思っているであろう里志だったが、愛想笑いを浮かべながらその勝負を受けるのだった。  古典部室。折木と残った摩耶花が推理をする。今回の事件がクリスティーの著作『ABC事件』に似ている事から、犯人が何かの意図をもって犯行を行っている可能性を考える折木は摩耶花に原作の事を尋ねる。だが、ネタバレを覚悟して聞いた内容は何のことはない、ただ「ABC順にやってみたかった」からだという愉快犯だというのだ。これまでは犯人の人数を推理するだけの情報があったからこそ犯人を特定できた。だが、この犯行に動機やメッセージ性のような物がないのであればやはり犯人の推理など出来るはずもない。さらに、謎が深まる事件に悩む折木。まぁ、今回の場合は殺人もなく、盗まれた物は返すというのだから、単なる愉快犯ではなく文化祭を盛り上げる意図があるのかも知れない。  そんな珍しく自発的に事件を推理する折木に対し、こちらも珍しく料理コンテストでの手助けに素直に感謝の言葉を口にする摩耶花。そんな摩耶花に、これまでわらしべ長者のように順調に物々交換を続けてきた折木は何か物をくれるようにねだるのだった。折木の要求に快く、自分の手鏡を差し出す摩耶花。だが、肝心の鏡がないと変身が出来ないコスプレにならないと心配をする折木だったが、余計な一言に摩耶花からの鉄槌が下るのだった。  奇術部で十文字が現われるのを待ち構えていた里志。途中、入須や田名辺、陸山生徒会長などが現われるも、誰もが怪しく思えてしまう。だが、肝心の公演が始まった舞台の上に突き立てる型のキャンドルが一本、すでに無くなってしまっていた。里志は「ろうそく」とばかり思って『キャンドル』を推理から完全に外していた。犯人からすれば「どうよぼうが構わないからだ。公演までの間に舞台に近づいた人間は居なかった。つまり、公演が始まる前に既にキャンドルは盗まれてしまっていたのだ。そこに里志の「洞察力の穴」だった。それに愕然とする里志。  漫研に戻った摩耶花だが、昨日のイザコザで先輩の亜也子と対立をした摩耶花は麻耶花に毒づく河内グループの慢研部員と孤立を強めていた。そんな部の雰囲気にいたたまれなくなり、また部の外に逃げ出す摩耶花。渡り廊下の屋上にでていた摩耶花に湯浅に話しかけられる摩耶花。河内先輩と春菜(夕べには躯にの原作者)は友達だったらしい。もう春菜はこの学校にいないらしい。だが、河内はその事を隠していた。作品の裏にあったであろう転校してしまった友人との人間関係。そこに答えがあるのだろうか?思いにふける摩耶花。  古典部室。十文字を捕まえると一人で意気込んでいた里志。だが、その事を知らなかった折木は里志に重要な事を伝えていなかった。十文字は盗む場所は決めていても、いつ盗むかは決めていない。つまり、わざわざ人間が多く集まる中で盗むなどという事をする訳がないのだ。自分が事件を解決するのだという意気込みに我を忘れ、冷静さを欠いていた里志は自分の先走りすぎた行為を反省するのだった。  文集を売るために頑張っていたえるが壁新聞部の号外で古典部の事が載っていたのを確認して戻ってくる。こがつく部活は古典部か工作部。古典部によぶよう千反田は明日は放送部へいくという。宣伝の効果か着実に売り上げを伸ばす氷菓に、えるはさらに明日も頑張って宣伝をしようと考千反田。だが、千反田の表情がどことなく疲れているように見えた折木。  そこに摩耶花も帰ってくるが、部誌の売り上げを聞いてもどことなく元気が無かった。  その夜。  千反田は自宅の私室でぬいぐるみを抱きながら疲れていた。これまでの事で交渉が下手で押しの弱い自分が宣伝をしてもらうように頼んで回る事が性分にあわない事を嫌というほど身にしみたのだろうか、折木の見立てどおり精神的にも肉体的にもどうしようもない疲労を感じる千反田。  摩耶花は湯浅の言葉を聞いてボディトークを改めて見て、そして自分の原稿とくらべ、落胆する。  里志は眠れなく、寒い夜道を散歩していた。折木に触発され自分の中に何かを成し遂げたいという気持ちを抱くようになった里志。彼もまた、今回の文化祭で自分自身のあり方に疑問を抱き、変えてゆきたいと思った。そのために、十文字を捕まえようと必死になっていたようだった。  奉太郎はぼんやりとカンヤ祭のHPをみて通信販売もやってるのかと驚き、寝た。 ***原作との相違点 ・千反田の遠内外への交渉が扇情的且つ恐喝的表現に演出されている。実際は壁新聞部でただ話し、協力をもとめたが苦笑されあしらわれただけ。 ・ [[用語集>用語集]] [[質疑応答>質疑応答]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- *第十六話「最後の標的」&anchor(05) [[用語集>用語集]] [[質疑応答>質疑応答]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- *第十七話「クドリャフカの順番」&anchor(06) [[用語集>用語集]] [[質疑応答>質疑応答]] [[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]] ---- - クドリャフカの順番、雛形作成。リンク作成。 -- L (2012-06-30 16:06:25) - 12話追加。 -- L (2012-07-09 17:19:35) - 13話追加 -- L (2012-07-16 08:27:25) - タイトル名追加。テンプレート加筆。 -- ainsworth (2012-09-01 12:10:32) - 14,15追加 -- ainsworth (2012-09-22 14:41:41) - 氷菓 小説だけじゃなくてアニメにもしてください -- 氷菓 折木奉太郎 (2012-10-17 15:29:00) #comment()

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: