「んっ……、こ、ここは?」
K-1、電波塔で田井中律は目を醒ました。
月明かりだけが辺りを照らすこの場。周りを確認するが何もない、ディパックすらないようだ。
(嘘?何で無いの?)
慌てて立ち上がる、その時――。
「ぅあっ!?」
何者かから後頭部を殴られて鈍い音が響く。よろめきながらも逃走を図ろうとするも──
「ぐぅっ!?」
続けざまに殴られる、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も──。
「ぅ……あ……」
出血の量も次第に多くなり、意識が遠くなる。
(澪……ムギ……唯……梓……)
(お願いだから、死なずに……生きて帰ってくれよ……)
再会出来なかった仲間の無事の生還を祈り──、
(あーあ、もっと……皆と……演奏したかったなぁ……)
彼女の意識は深い闇に包まれた──。
【田井中律@けいおん! 死亡確認】
[残り99人]
─・─・─・─・─・─・─
「はぁ、はぁっ……」
目の前には頭部が血に濡れ動かなくなった少女がいる。
自分が殺した相手だ。
「はぁ……」
次第に呼吸の乱れも治ってくる。生き残るためだ、と言い聞かせる。そう、あくまでも自己防衛の為仕方の無かった事だ──と。
少女を見つめる。何も殺さなくとも良かったのでは──、と考え込むが強く首を左右に振る。
(何を後悔しているんだ!!後悔するなよ!!)
「クソッ!!」
後悔する自分に苛立ちながらも少女のディパックを手に取り逃げるように男はこの場を走り去った。
【K-1/森林・南西部/一日目・深夜】
【コジロウ@ポケットモンスター】
【状態】健康、動揺、苛立ち
【装備】ホーミングバット@涼宮ハルヒの憂鬱
【道具】基本支給品、個別支給品0~2、田井中律のディパック
【思考・状況】
基本:生き残る
1:この場から離れる。
2:荷物の確認。
[備考]
※参加時期は不明です。
【ホーミングバット@涼宮ハルヒの憂鬱】
長門有希が野球の試合終盤で情報操作を施したバット。外見はごく普通のバット。
「電波塔……みたいだな。」
電波塔にコジロウと入れ替わりとなって入ってきた秋山澪。
「誰かいないかな……?誰もいない……?」
金網を伝いおぼつかない足取りで歩いていると誰かが倒れているのを見つけた。
(誰かいるみたい。うぅ……怖いなぁ、けど倒れているなら大丈夫だと思うけど……)
「うぅ……」
ゆっくりと倒れている人物に近づく、一歩一歩と近づくにつれてはっきりと見えてくる。
もうすぐと言う所で彼女の足が止まる。
「あ、な、なんで……」
倒れている人物を見て愕然とし、その場にへたりこんでしまった。
見覚えのある制服。
見覚えのある髪型。
目の前で倒れていたのは──
「律……」
彼女の幼なじみである田井中律だった──。
【K-1/電波塔/一日目・深夜】
【秋山澪@けいおん!】
【状態】健康、茫然自失
【装備】桜が丘高校の制服
【道具】基本支給品、個別支給品1~3
【思考・状況】
基本:─────。
1:─────。
[備考]
※アニメ第一期最終回後からの参戦です。
最終更新:2013年01月23日 01:45