キリスト論
第一部 使徒、教父、公会議から受け継ぐ<<福音>>
第一章 新約におけるキリスト論
1. 多性における一性、発展の中の継続
2. 聖書における新約キリスト論の根拠
- <<キリストは私が伝えるあのイエスである>> (Act 17,3)
- イエス・キリスト、イスラエルの希望の完遂
3. 新約キリスト論の発展過程と要約
- <<私はアルファにしてオメガ、最初にして最後、初めであり終わりである>> (Ap 22,13)
- キリストの来臨からその先在へ
- キリスト論的信仰の定型句。いくつかの例。
第二章 信仰のキリストから歴史のイエスへ
1. 原典史料
- 異教の著作家とフラヴィウス・ヨセフス
- 福音書正典
- 外典
2. 福音研究の指針
3. 諸データ
- 生まれと知られざる時代
- 公的生涯、死、復活
4. 生活形式
第三章 地上のイエスの宣教
1. 公的生涯の始まり
- 洗礼者ヨハネの宣教
- イエスの洗礼とメシア叙任
- メシアの誘惑
2. 神の国の福音
3. 神の国の救いの多様性
- 奇跡
- 神の国の賜物
第四章 メシアとしてのアイデンティティ
1. 終末の預言、神の霊の充溢
- <<偉大なる>>預言者
- 拒絶される者、迫害される者
- 神殿破壊という象徴的行為
2. <<神の命>>の教師
- イエスの倫理:トラーの完遂と超克
- 知恵の書的・終末論的倫理:地上の富の福音的利用
3. <<あなたはキリストです>> (Mt 22,16)
4. 人の子とヤハウェのしもべ
5. <<花婿>>
- 花婿と断食
- 神の国と婚礼
6. 聖霊の内に生きる神/アッバとの関係
- 一性と相互性において生きられる関係
- 父の慈愛を顕わす<<子>>
- 祈りの文脈において
7. 終わりとなる始まり、しもべとなるメシア
第五章 受難と十字架の死
1. 十字架の死:事実から解釈へ
- 十字架刑
- <<十字架の言葉>> (1Cor 1,18)
2. エウカリスティアの始まり
- 自己贈与と赦し
- 最後の晩餐の<<心>>
3. ゲッセマネの苦しみ
4. 十字架の上で
第六章 イエスの復活と称揚
1. 復活のイエスとの出会いからその同定へ
2. 解釈の語彙
3. 神により復活し高められたイエス
4. 主イエスの身体.<<新しい>><<永遠の>>命の場所かつ泉
- 復活のイエスの霊的にして栄光なる身体
- 主と人類および世界との関係
5. 復活と来臨
第七章 イエス・キリストの人性と神性の真理
1. 信仰のしるしと公会議
2. 神の子の受肉の真理
- グノーシス主義とキリスト仮現説
- 使徒的教父の応え:いくつかの例
- リヨンのイレネウス
- テルトゥリアヌス
- オリゲネスとケルスス
3. アレクサンドリアとアンティオキアの神学学派
4. 三位一体の神秘の文脈におけるキリストの真の神性
- 三位一体論を背景とする異端
- アリウス派
- ニケア公会議(325)
5. <<真の神>>にして<<真の人>>たるキリストの位格の定義
- み言葉と人性の関係
- ラオディケアのアポリナリス
- 対アポリナリス
6. コンスタンティノポリス公会議(381)
- 聖霊の神性をめぐる四世紀の議論
- コンスタンティノポリス信教
第八章 位格の一性と本性の二性.エフェソス公会議(431)から第二ニケア公会議(787)へ
1. エフェソス公会議(431)
- キリルスからネストリウスへの二通目の手紙
- エフェソスの教え:キリストにおける一性
2. カルケドン公会議(451)
- 単性論
- 教皇レオ一世のキリスト論教義
- カルケドン信教
3. カルケドン公会議の教義の異議、抗弁、解釈
- ゼノンのヘノティコン(統一令) ユスティニアヌス帝の介入
- 第二コンスタンティヌス公会議
4. キリストの二つの働き、二つの意志
- 単勢力論と一神論
- マクシムスの教義。単意説の断罪。
- 第三コンスタンティヌス公会議(681)
5. 第二ニケア公会議(787)
- 像の問題
- 像の反対者
- 像の支持者
- 第二ニケア公会議(787)
第九章 教父の学派
1. ニュッサのグレゴリウスの教義原理
2. アウグスティヌス(354-430)のキリスト論
- 受肉による人性において顕わされる神
- キリストはご自身と御父とへ導く:受肉と媒介
3. ヨハネス・ダマスケヌス(650-750頃)
- 三本のキリスト論的説教
- 主の変容の説教
- キリスト教的説教の意味
第二部 組織キリスト論の要点
第十章 イエス・キリストの信と神の神秘
1. イエス・キリストが呼ぶ神
2. キリスト論と三位一体神学の関係
- キリスト論により整えられた神の話
- 経済的三位一体から内在的三位一体へ
- 三位一体論的一神論
3. 神および子としてのイエスのアイデンティティ
4. 受肉の啓示的側面
- イエス・キリストは真理および神への道である
- 受肉した御言葉はご自身と御父を表す
5. イエス・キリストと霊の関係
第十一章 イエス・キリスト <<完全なる仲立ちにして救い主>>
1. 世界救済の神の意志とキリストにおける救い
- 救済の普遍史と個別史
- 契約の歴史としての救済史
- イエス・キリストは全世界の唯一の救い主である。
2. 救済受け入れの条件
- 信仰
- 隣人愛
3. 仲立ちという観点からのキリストにおける救済
- 仲立ち
- キリストの仲介の解釈.上昇・下降、二方向の動きから
4. キリストの光における人の神秘
- キリスト論と人間論の関係
- 人の模範としてのイエス・キリスト
- 神はキリストにおいて人に恵みする
- キリストの光における人の召命
5. <<死者の復活>>
第十二章 イエス・キリストにおける救済と宗教間対話
1. 公会議およびポスト公会議の教え
- 第二ヴァティカン公会議
- 教皇庁文書 <<対話と告知>>
2. 教会と他宗教における、聖霊を介してのキリストの働き
3. キリストの世界救済に奉仕する教会
- キリストの仲介の光における教会と神の国
- 成就の待望.神の国の発展.
4. 他宗教の救済
第十三章 イエス、<<女から生まれた>>神の子 (Gal 4,4)
キリスト論とマリア論
1. 受胎告知の語り
2. Lumen Gentium 第八章
- キリストの歴史-救済の経済における処女マリア
- マリアと御子イエスとの合一
- 幸いなる処女マリアの救いの業への協力
3. 聖なる三位一体と処女マリア
4. 無原罪の宿りと神の母性の恩寵
5. 復活の救済的恩寵に参与し、天で栄光を受ける無原罪のマリア
6. 幸いなる処女マリア、霊的崇敬の教会モデル
第三部 霊的理解の深化
第十四章 観想的キリスト論へ
1. キリスト論的反省と信仰経験
2. 愛から生まれる真理に身を任せる
- 霊的感覚を通して<<創られずして受肉し霊を吹き込まれた御言葉>>を知る
- <<キリストへの魂の歴程 itinerarium mentis in Christum>>
第十五章 <<キリストの肉の神秘>>とその気持ちの共有
1. 典礼と生活
- 復活の神秘への参加
- 典礼の役割
2. イエスの気持ちの<<物語的>>読解
3. 十字架上のキリストとの一致
- イエスの十字架の元に集う教会のイコン
- エウカリスティアの祝儀のイコン
- 殉教者のイコン
4. フランシスカンの<<歴程>>:ボナヴェントゥラの教え
第十六章 婚姻の霊にしたがったキリストにおける生
1. キリスト論的教会論
2. 霊的経験と婚姻の比喩
結び
最終更新:2007年07月14日 22:22