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性道徳・結婚道徳

 総序 性-自然と文化の間で

  第一章 生物心理学的側面
   1.1 性の生物学的意味と側面
   1.2 性行動と精神現象
   1.3 性と人の成長
   1.4 ジェンダー・アイデンティティと役割
   1.5 心理学的二極性
  第二章 哲学-人類学的側面
   2.1 神話的解釈
   2.2 古典的性人類学
   2.3 現代思想における男と女


生物学、心理学、哲学、それぞれの議論の進展に照らして、性の概念のニュートラル化と再オリエンテーション。

第一章、まず生物学的に性がどう決定されるかの話。とりわけ70年代以降注目されるようになったホルモンの役割、脳の違いなど。しかし安易な決定論に陥ってはならないとして、人の性の特徴へ。
人の成長とアイデンティティ形成における性の役割。フロイトに始まり、ジェンダー概念を押し進めたジョン・マネー、それに対して、生物学的性決定におけるホルモンの役割の指摘。つまりは、性は自然と文化の相関関係において決まるのだという話。
最後に考えるべき問題として、男と女の心理的特徴について。一方の極に、男を能動性、女を受動性で特徴づけたフィリップ・レルシュ、もう一方の極にボーヴォワール、サルトル。こうした議論の果実としてゲイについてのまじめな考察。「性の多極化」(ゲイル・ホークス)。

第二章、以上を受けて解釈モデルの提示。まず神話的解釈として宇宙的-宗教的意味の報告。男根崇拝における生と死のめまぐるしいダンス。アンドロギュノス神話。オルフェウス神話における両性的一体の砕破。以上をとおしての自然理解。結果として、性のつとめは宇宙秩序の維持に結びつく。
哲学の領域においては、一方にアリストテリズム、他方にストイシズム。性を生殖のためのものとした後者は長く西洋文化を規定した。結果としての、二性の別の絶対化と男性上位主義。
現代になって、諸々の要素から性の再考察の動き。身体性の発見、世界内存在としての身体。フッサール、サルトル、メルロ=ポンティ、そしてマルセル。さらに、世界内存在としての男と女。F.ボイテンディク、ヴィルジリオ・メルキオーレ。
締めくくりとして、関係性から見た男性性と女性性の意味。レヴィナス、ブーバーなぞ受けて。ここから改めて性と繁殖の意味を考えるということで、地均し完了。