-魔物-

それは高校生になって始めての夏休みのこと。
俺は、クラスで普段仲の良い男女6人ほどで、キャンプに来ていた。
ローカル線の駅から谷川をかなり登ったところにあるキャンプ場で、
シーズンだというのに結構閑散としていた。

昼間はキャンプ場の脇を流れている川で遊んだりハイキングに行ったりで、
夕方にはバーベキューを楽しんだ。
山奥で標高が高いせいか、夜が更けるとずいぶん冷え込んでくる。
俺達はバーベキューの残り火を、焚き火のようにして囲んだ。寝るにはまだ早い。
最初は、クラスの中で誰が好きかというたわいもない話題で盛り上がっていた。
肌寒い中、飲んでも居ないのにまるで酔っ払っているかのようなハイテンションだ。
焚き火のやわらかなオレンジの光が、彼等をそうさせているのかもしれない。
「まさかお前、祐介に気があったりして~。」
「キャハハ。やめてよ~恥ずかしい。」
「で、祐介は誰が好きなの?」
「え?…お、俺?いや、別に今は…特に居ないかな。」
俺はそのノリでこの話題には着いていけなかった。
なぜなら、クラスの中で気になっている女子本人が今目の前に居るからだ。
こんなところで打ち明かしたら、奈津子への告白になってしまう。
いままで女の子と付き合ったことは無いし、勿論告白なんてした事もない。
俺の好きな女の子は、いつもひそかな片思いの人ばかりだった。
奈津子は色白で、おっとりとした日本の女性の良さを感じさせる。
勉強もそれなりによく出来るのに、時々見せる小学生のようなあどけない顔が俺の心にはツボだった。

そんな事を思い浮かべているうちに、話題は変わっていたようだ。
他のみんなには秘密にしていることや隠している特技を、一人ひとつずつ、
この場で打ち明けるという内容だった。
みんな、目をグルグル速いスピードで回せるとか、たわいもない内容だった。
俺自身もその場で何を言ったのかはもう忘れてしまって思い出せない。
そんな中、奈津子は突拍子もない事を言い始めた。
「私ね。オナカの中に魔物を飼ってるの。
普段は眠ってるんだけどね、突然目を覚まして暴れることがあるの。」
「へぇ~。で、魔物が目を覚ますとどうなっちゃうの?」
「…食欲が止まらなくなっちゃって、物凄い量を食べちゃうの。」
その場に居たみんなが一斉に笑った。俺ですら、最初はその内容にはピンとこなかった。
奈津子の清楚なイメージと下品な大食いとが、頭の中で全く結びつかなかった。
「で、それが暴走したら一体どのくらい食べるんだよ。」
「もう、自分でも把握出来ないくらい。気がついたら冷蔵庫と戸棚にある食べ物が
みんな無くなってた事もあったよ。あ、信じてないなぁ?
私のモンスターは意図的に目覚めさせる事も出来るんだから。今ここで見せてあげよっか?」
「…ぜひ!見せてよ」
俺は奈津子の挑発にすかさず反応してしまった。

バンガローの中には、まだ焼きそばの麺と肉とが大量に残っていた。
焼きそばの麺は賞味期限が間近でもう売り物にならないとかで、キャンプ場に着いた時に管理人さんから貰ったものだった。
肉は、買ったメンバーの見積もり間違いだ。麺は9玉、肉は約500g。
先ほど思う存分ご飯を食べ終えたばかりなので、奈津子を除く俺達5人はもう焼きそばには食欲が湧かなかった。
俺達は面白いショーが始まったぞという勢いで、焚き火の上に再び鉄板を乗せ、焼きそばを作り始めた。
麺と肉だけの9人前の焼きそばは鉄板にずっしりと乗っかり、かき混ぜるたびに縁から溢れそうになった。
「あ、オナカ空いて来た。私の中のモンスター、もう目覚めちゃったよ。」
奈津子は腹をさすりながら不敵な笑みを浮かべた。
まさか冗談だろうと思った。が、しかし実際、奈津子の腹は俺の隣でグウグウと鳴り始めたのだ。
「ホラ、祐介君。聞こえるでしょ?」
「え?よく聞こえないよ。焼きそばを焼く音が邪魔で。」
「ホラ。耳を近づけてみて…あ、また鳴ってる。」
たまたま隣に座っていた俺は奈津子の誘導によって、音が鳴っているという胸の下に耳を近づけた。
「…グゥウウウ…」
さっき食べた夕食は、奈津子の中の一体どこに行ってしまったのだろう。
奈津子の腹はぺったんこだった。

「出来たよ。」
鉄板の上の焼きそばは、遂に出来あがった。
「それじゃ、いただきま~す。」
奈津子は鉄板の上の焼きそばを紙皿にとり、フウフウと冷ましながら食べていった。
最初は熱いせいか、スピードは速くない。
「おいしいよ~。みんなもどう?」
「いや、俺たちはもう見てるだけでオエッて感じだよ。」
一皿目、二皿目…奈津子は見ている前でどんどん焼きそばを食べていく。
小さい口に入り、細いのどを通って、薄っぺらい胸板の中を通り、小さい体の中へと消えていく。
三皿目、四皿目…よく見ると、奈津子の腹は膨らみ始めている。
「苦しくないの?無理するなよ。病院、遠いんだから。」
「全然平気。だから言ってるでしょ。あたしの中に居るのはモンスターだって。」
モンスターが居るとは思えないほど普段はスッキリとした体型の奈津子。
しかし今、焼きそばは恐ろしいほど軽快に、奈津子の腹にどんどん入っていく。
奈津子の腹はとうとう、Tシャツと競り合いの喧嘩を始めた。
さっきまでだぼっとしていたTシャツは、膨らんだ腹のところが突っ張り、横方向に皺が入り始めていた。
奈津子は少し休憩し、ジーパンのボタンを外した。そのはずみで、チャックが少し下がる音が聞こえた。
暗闇と、膨らんだ腹の陰になり、開いたチャックの中は見えない。
奈津子がこんな大胆なことをする子だったなんて、俺には少なからずショックだった。
そして遂に、すべての焼きそばは奈津子の中に収まった。鉄板は再びスッキリと片づいてしまった。
「ふぅ、ごちそうさま。」
奈津子は立ち上がろうとした。が、腹の重みでバランスを崩し、再び腰を下ろしてしまった。
俺が手を差し伸べると、奈津子はそれを掴み、ゆっくりと立ち上がる。
どうやらモンスター並なのは腹の中だけのようだった。
立ち上がるとにわかに膨らんで出来た、妊婦のような腹があらわになった。
奈津子はTシャツの上からその腹をポンと叩き、
「どう?凄いでしょ。」と言う。
「いや、マジすげーよ。感動した。」
ほかのみんなは口々に感想を発した。
俺は言葉を発する余裕もなく、その腹を目に焼き付けた。
美しく、立派で堂々とした腹だった。ビール腹のオヤジに匹敵する、いやそれ以上の迫力の腹。
それが可愛い顔をした、か細い奈津子の体のど真ん中に有るのだ。このギャップが俺の心を貫いた。

そして、消灯の時間が来た。寝る時は当然、男女別々のバンガローに分かれた。
ほかの男友達は昼間のハイキングで疲れたのか、
最初は「徹夜で語ろうぜ」とか言っていた奴を始めとして、片っ端から寝静まってしまった。
俺だけは、直前の奈津子のことが頭をぐるぐると回り、とても寝られない状況だった。
その状態で何時間が経過したのだろうか。俺は不意にトイレに行きたくなった。
俺は静かに起きて、懐中電灯を取り、明かりの消えたキャンプ場の中を進んでトイレに向かった。
途中、女子が寝ているバンガローが見えた。
『あの中に、腹の中を焼きそばでパンパンに膨らませた奈津子も寝て居るんだろうな…』
そう思った時、バンガローの扉がガラッと開いて、奈津子が出てきた。
「あ、祐介君だったんだぁ。良かった。私トイレに行きたくて。懐中電灯探したんだけど、見つからなくて。」
奈津子の腹は相変わらず膨らんだままだった。が、さっきよりは若干しぼんでいるようにも見える。
「もしかして、トイレで吐くの?」
「冗談でしょ。私、吐くの嫌いなの。吐くぐらいだったら最初から食べないよ。」
俺は、奈津子と手をつないでトイレに向かった。月明かりが出ていて、何となく良い雰囲気だった。
「俺、なっちゃんの事好きだったんだよ。それが、なっちゃんがこんな事をするなんて。」
「えっ…」
奈津子はちょっと動揺した様子だった。が、すぐに笑顔に戻った。
「でも、こんなの見たから嫌いになっちゃった?」
「ううん、そうじゃなくて、なんか不思議な感じ。」
「私自身も不思議なんだよね。いつも大食いしてる訳じゃないのに、ホントに時々、無性に食べたくなっちゃうんだから。」

二人はトイレに着いた。俺は最初に奈津子に懐中電灯を渡し、外で待った。
汲み取り式の小さなトイレに入ると、奈津子は放尿を始めた。
耳を澄ますと、プシーっと奈津子のおしっこが勢いよく便器に叩き付けられる音が聞こえる。
あんなに膨らんで内圧の高まった腹から放出されるおしっこだから、もの凄く高圧なんだろうと想像する。
1分くらい続いただろうか。
「…お待たせ。」
奈津子は出てきて、俺が中に入る。
俺が用を足すと、二人は来た道を引き返し、バンガローに戻った。
「…あぁ、俺なんだかお腹空いて来ちゃった。」
眠れずにずっと起きていたせいで、俺は若干小腹が空いていた。
俺は膨らんだ奈津子の腹を見た。
「ねぇ、なっちゃん。その中身ちょっと分けてよ。」
俺は、それが無理なことを知っていて、冗談で言ってみた。
「ほらぁ。だからさっき一緒に食べれば良かったのに。もう無理だよ。吐けないし。
祐介君もこの中に入ったら、思う存分食べられるよ。でも、そしたらもう祐介君も出してあげられないね。」
俺は奈津子の中で無惨に溶かされている焼きそばを想像して興奮した。
「なっちゃん、この中で溶かされちゃったやきそばは、どうなっちゃうの?」
「今はもう、殆ど溶けちゃって、多分胃袋より先に進んじゃってると思う。
で、明日の昼くらいには。」
「…昼くらいには何?」
「もう祐介君、分かってるくせに。そんなに知りたい?」
「知りたいよ。俺たちが貰った焼きそばだからね。」
「ふふん。知りたかったら、明日の帰り、ちょっと付き合って。」
奈津子は何かを企んでいるような笑顔を浮かべた。
「ありがと。じゃあまた明日ね。おやすみなさ~い。」
俺は奈津子と別れて自分のバンガローに戻った。
そしておそらくそのまま寝てしまったのだろう。その夜、俺は不思議な夢を見た。
それは、気がつくと奈津子の中に居る夢だった。
自分の体の周りを、ドロドロになった酸っぱい焼きそばが取り囲んでいて、
暖かい肉筒の中を押し流されていた。腸内は狭く引き締まった状態でくねくねとS字を描いており、
そのカーブに沿って体を無理矢理押し曲げられながら、グイグイと乱暴に押し進められていく。

苦しくて目が覚めた。それが夢であることが分かった。
もう朝だった。俺たちは起きて集合し、朝飯を食った。
奈津子の腹は昨夜よりだいぶへこんで、普通より下腹部がちょっとポッコリしている程度だった。
「あ~だいぶ元通りになってる。」周りの男子にもきっちりと突っ込まれている。
奈津子も普通の量の朝飯を食べていた。
そして片づけ、昼前にはキャンプ場を出た。
俺たちはそれぞれ自分の最寄り駅で降り、流れ解散となった。
俺と奈津子は、一番最後まで電車に残った。
本当は俺の駅はもっと手前だったのだが、昨日の約束を覚えていた俺は
そのまま奈津子と一緒に駅を降りた。
奈津子はにんまりとした笑顔で、俺の手を握って先導した。
ただでさえデートなどしたことの無い俺が、好きな女の子に手を引かれて歩いている状況。
そもそもこれが信じられない出来事だった。

勿論、この後に起こる出来事の方が信じられなかった。
奈津子は人の居ない公園まで来ると、きょろきょろと周りを見渡し、
俺の手を引いて、綺麗な公衆便所に入った。そしてそのまま障害者用の広い個室に入り、
内側から鍵を閉めてしまった。
「ふふっ。そろそろ出そうなの。昨日の焼きそば。」
「出そうって、どういう事?」
わざととぼけた訳ではないが、俺はストレートに言えなかった。
「もう分かってるくせに。もう、張っちゃってパンパンなの。
うっかり全部出すと、詰まっちゃって流しきれないと思うから、
祐介君は途中で流すの手伝ってくれる?」
奈津子は、可愛い顔をしてとんでもない事を言う。こうなったら、売り言葉に買い言葉だ。
「俺、ちょうど腹が減ってきたところだから、なっちゃんが出した焼きそばを食べるよ。
俺が口を開けて待つから、そこに出してくれる?」
「えぇ?…いいけど、そんな事したら多分、祐介君死んじゃうよぉ。」
「わ、わかった。じゃあいいよ。でも、便器に座っちゃうと焼きそばが
どうなっちゃったのか見えないから、これに出して。」
俺はとっさに、壁に貼ってある貼り紙を剥がし、便器の前の床に敷いた。
「ふふっ。オッケー。でも、祐介君がちゃんと片づけるんだよ。」
そう言うと、奈津子はスカートを下ろして紙の上にしゃがんだ。
俺はそこに這いつくばるようにして、奈津子の真っ白なお尻に顔を近づけた。

真っ白なお尻の中央に、赤い肛門が見える。
最初はそれがきゅっと小さくすぼまっていた。
「出るよ…」
奈津子がそう言うと、その口はゆっくりと広がり、茶色いモノが顔を出した。
勿論、それはもう焼きそばではなく、変わり果てた姿だった。
中からブス…プス…と音を出し、姿を現す。そしてその口は更に容赦なく拡がった。
太い!太すぎる。コーヒー缶よりも太いくらいに感じるそれは、硬く逞しく立派だった。
「フンッ…ンッ…!」奈津子の可愛いいきみ声と共に、それはどんどん押し出されてくる。
その太い物体の先端はもう紙の上に着地しているのに、出口からはまだモリモリと際限なく出てくる。
30cmくらい続いただろうか。ようやくそれは途切れ、紙の上に落ちた。
俺の見積もりは相当甘かった。A4サイズの紙切れからは、端が完全にはみ出してしまっている。
なんてでかいんだ。小さなヒップから繰り出されるにしては、あまりにも大きすぎる。
本当に、俺が最初の提案をそのまま挑戦していたら、あやうく窒息死してしまうところだった。
「ホラ祐介君。ボーっとしてないで、それを早く便器に捨てて流して。次がつかえてるんだから」
俺は急いでそれを持ち上げた。…重い!重さで紙がちぎれてしまいそうだった。
やっとの思いでそれを便器に捨てて紙を戻すと、奈津子は再びその上で息む。
「ブスッ…プスーー…」焼きそばと肉が発酵して発生したのだろうか。
ガスが勢いよく噴出し、俺の鼻をつく。
そしてまた、モリモリと第二陣が放たれた。こちらも第一陣と同じくらい大きかった。
確かに、これを一度に流したら詰まってしまいそうだった。
普通のトイレは、こんな女の子の容量を考えて設計されていないのだ。

「ふうっ。出した出した。」
俺は奈津子の指示通りに動くのが精一杯だった。
「なんか、久しぶりにお腹が緩んだ感じ。お腹が緩んだら、また食べたくなって来ちゃった。
祐介君、今度はハンバーガー食べに行こうか?今、1個80円なんだよぉ。一体何個買えるかな?」
…この後、大量のハンバーガーが焼きそばと同じように奈津子の腹に詰め込まれたのは言うまでもない。
俺は食事している奈津子の太股の上で膝枕をして貰いながら、どんどん膨らんでいく奈津子の腹を見上げるのが病みつきになった。完全にパンパンになると、奈津子はわざと前屈みになって、俺をしばらく窒息させる。
俺と奈津子は、こんな調子でいつの間にか変態的な付き合いを始めていた。
長い夏休みはまだ始まったばかりだった…。

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