-吸引力-

俺がまだ小4の頃。夏休み前のある日の放課後、田舎の小学校に通っていた俺は、
当時クラスメイトの真弓やその他の2人を含む計4人で悪ふざけをしていた。
それは、放課後の誰も居ないプールで水遊びをする事だった。
プールは校庭の裏側でちょっと離れた位置にあり、
校舎からは樹木で手前側が見えないという最高のロケーションだった。
更衣室はプール入り口にある。
誰が言い出したのかは覚えていないが、
俺たちは交代で見張り役をつけて、プールの手前半分で遊んでいた。
夏休み前の、プールの授業のあった暑い日の定番になりつつあったその日。
水着姿になった真弓のシルエットにドキッとした。
腹が膨らんでいるのだった。
午前中の授業の時にはそう意識して真弓を見ることは無かったので
気づかなかった。
ボッコリと突出した腹にもかかわらず、真弓はちっともそれを気にせず
ばしゃばしゃと笑顔で水遊びをしている…。
まさか給食を大量に食べた訳じゃないし、いったいどうなってるんだ。
俺は真弓の腹の中が一体どうなっているのか、気になって仕方がなかった。

「…誰か来る!隠れろ!」
突然見張り役の一人が声を上げた。俺たちはそそくさと隠れ場所を探した。
見張りを立てた割には、隠れ場所を決めていない浅はかな俺たち。
急いで見つけたのは、プール用の清掃用具入れだった。
そこはモップやらバケツやらが入っている狭いスペースで、立って入るには3人が限界だった。
逃げ遅れ気味の俺は、慌ててその中に駆け込んで扉を閉めようとした。
ギュウギュウ過ぎて扉が閉まらない。彼ら3人の背中にデッキブラシが当たっていて、
それ以上奥に身を潜められそうにない。
俺はとっさにしゃがみ込み、足下に隠れて扉を閉めた。

その状態で何秒くらい待っただろうか。
耳を扉に着け、見回りの先生か誰かが来るのを待ったが
なかなか現れなかった。見張りの見間違いじゃないかと思い
ほかの3人の様子を伺おうと、俺はゆっくり顔を上げた。
しかしそこには、俺の視界を遮る大きなものがあった。
真弓の腹だ。
俺の顔のすぐ上に膨らんだ真弓の腹があって、上がよく見えない。
真弓のへそから股間までの、下腹部の傾斜面によって出来た庇の下に
俺の頭がすっぽり入っている状況だった。
俺の意識はにわかにその腹へと移り、俺は夢中になって
その力強く突出した腹を見た。
濡れた水着の上を、へそから股間へと水がしたたり落ちてる水滴の
一部がその傾斜面から離れ、俺の顔面に落ちてきた。
その水滴に、真弓の腹の暖かさを感じた。
それと対照的に、あごが軽く触れている真弓の太股からは
水遊びで冷えている冷たさが伝わってきた。

「…誰も来ないよ。もう行ったのかな?」
一人が小声でささやく。俺はそのタイミングで体を動かし、
ごく自然に真弓の腹に右側頭部をぶつけてみた。
それはゴム鞠のように、柔らかく、内圧で元の形に戻ろうとする
弾力によって頭がはじき返される。
「誰も来ないみたいだね。」
俺は下から囁くが、もう意識はまだ来ぬ訪問者よりも
目の前に展開されている真弓の腹に釘付けになっていた。

結局その場には誰も来なかったが、
それっきり、俺たちはその水遊びをやめる事にした。
見つかったときのお叱りが恐いからだ。
しかしその日家に帰ってからも、真弓の腹だけは
どうしても頭の中に焼き付いて離れなかった。
飯を食っていても、寝る時も、真弓の笑顔と腹とが交互に出てきた。
それまで俺は、真弓を意識して見ることが無かった
真弓とはもともと遊び友達なので、元々よく一緒に遊んでいた。
でもその一件があってから、俺はそれまで通りというか
それまで以上に真弓と仲良くなり、互いの家に遊びに行くことが
多くなった。

夏休みに入ってからのある日。真弓が俺の家に遊びに来たとき、
お母さんがおやつを用意してくれた。そして、日本舞踊の習い事か何かで
俺たち二人を残して出かけてしまった。
二人でテレビゲームをやっていたが、ふと気づくと真弓がそのお菓子を嬉しそうに食べている。
「このお菓子、美味しーい!」
俺の分まで食べようとしている。俺もそのお菓子を食べたかったが、
それ以上に真弓が美味しそうにお菓子を食べている姿を見たくて、黙って横目で見守った。
「ねぇ、真弓」
「なに?たっくん。」
「真弓って、大食いなの?」
俺は思わず聞いてしまった。
「え!?なによ突然!」
「いや、ちょっと気になって。」
「あ、真弓、たっくんのお菓子まで食べちゃった。ごめんね。つい美味しくて。
そうだねぇ。自分の好きな物だったらいくらでも入っちゃうかも。」
「ねえ、じゃあ真弓の好きな食べ物で俺と大食い対決しない?」
「いいよ。面白そう。でも何を食べるの?私、お菓子は結構何でも好きだよ。」
俺は台所を見渡したが、お菓子も大食い対決出来そうなほどは残っていなかった。
貯金箱の中身を覗いたが、入っていたのは1500円ちょっと。
これを持って、二人でとりあえず駄菓子屋へ向かった。

当然の如く、駄菓子屋のお菓子では腹を膨らませるようなボリュームのある
ものが無く、俺たちは一旦店を出た。
「あ、たっくん。真弓コレでもいいよ。」
真弓が指差したのは、駄菓子屋の前の自販機だった。
1.5Lのオレンジジュースのペットボトルが1本300円。
俺はありったけのお金をはたいて、それを5本も買ってしまった。
勿論、1日で飲み干せるとは思ってもいない。
抱え切れないので駄菓子屋のおばさんに言って袋に入れて貰ったが、
5本のペットボトルは相当重くて、100m先の家まで運ぶのが辛かった。
家に帰ると二人で向かい合って座り、同じ大きさのコップを持つ。
「じゃあ対決ね。」

「それじゃあ、カンパーイ!」
まず1杯目。大食い対決のはずが、大飲み対決になってしまった。
1杯目は難なく飲めた。開栓直後で冷たく、真弓がちょっともたついている。
2杯目も問題ない。が、少し胃の中にジュースが溜まってきた感じがあった。
3杯目。俺はかなり胸の中に圧迫感を覚え、ゲップでガスを抜いた。
4杯目。1.5Lのボトルの1本目が空いた。
1杯目で遅いと感じた真弓のペースは4杯目でも全然落ちていない。
ゲップをする素振りもなく、コクッコクッとゆっくり飲み込んでいる。
「美味しいね。真弓、オレンジジュース大好き。」
2本目を空けた。5杯目。俺はガスも抜ききれず、飲み干すのに時間が掛かった。
これでお互い1Lは飲んでいることになる。そろそろ真弓も苦しいはずだった。
しかし、真弓の表情は笑顔のままで、次の1杯を飲むことを考えている眼差しだった。
6杯目。ゲップと同時にコーラが喉まで上がって来そうな感じだった。
見下ろすと、自分の腹はみぞおちの下あたりがボコッと膨らんで来ている
見た目の膨らみ自体は大した事ないが、実際はそれ以上に苦しい。
「あれぇ?たっくん、もう終わり?」
「ちょっと、休憩。」
「えぇ?じゃあ真弓、先にもっと飲んでるね。」
俺は黙って真弓が飲み干している姿に見とれた。
途中でお菓子をつまみながら、相変わらずのペースでコクッコクッと飲んでいく。
9杯目、10杯目。恐ろしいことに、2本目のボトルも空いてしまった。
3本目。俺は信じられない気持ちを抑えて、真弓を見守った。
コップに注がれたオレンジジュースは、こぼされる事なく確実に真弓の口の中に消えていく。
「ちょっと苦しくなってきた。」
ようやく、待ちに待った真弓の言葉が聞こえてきた。…かのように思えた。
「ズボンが苦しい。たっくん、真弓ちょっとズボンのボタン外すからあんまり見ないでね。」
真弓は白い短パンのボタンを外し、チャックを少し下ろした。
12杯、13杯。ここで俺もようやく6杯目を空け、7杯目に着手した。
3本目のペットボトルは空になって床に転がり、真弓の手によって
軽快に4本目の口が空けられた。

「真弓、苦しくならないの?」
「えっとね、苦しいっていうか、張ってる感じ。」
俺の視線はいつの間にか、真弓の腹に移動していた。
ゆっくりとした変化だったので見逃していたが、その腹は
乾杯前とは比べ物にならないくらい膨らんでいる。
14杯目。俺の釘付けの視線をよそに、真弓は手を休めることも無く
ジュースを飲んでいく。
真弓の腹を隠していたTシャツがゆっくりとめくれ上がり、へそが見えて来た。
「あっ…真弓のオナカの中、ジュースでどんどん膨らんでいく感じがする。」
真弓自身も何かを感じているようだった。その表情はちっとも苦しそうではなかった。
もう一杯を手にとり、飲み干した直後に
「ホラ、ホラ。ジワーって伸びてる感じがする。」
真弓は初めての体験に少し感動しているようだったが、横で見ているだけの俺には判らなかった。

「参った?」
真弓は挑発的な笑顔で俺を見る。
「もう、負けたよ。真弓には全然敵わないよ。」
「そう。じゃあ、たっくんは降参ね。もうちょっと飲んでもいい?」
真弓は信じられないことを言う。
「まだ入るの?そのオナカ…」
「うん。まだ入ると思う。」
真弓はここで2回ほど大きなゲップをし、お菓子を少々摘んで、それから
4本目を飲み干した。
結局、俺が飲んだのは約1本分で、真弓は残りの3本分を一人で飲みきってしまった。
あんなに重たい思いをして持ち帰ってきたジュースの殆どが、真弓の腹の中に。
満足のいくまで飲み終えて立ちあがろうとした真弓が、
「お腹、重ーい!」
と叫んだ。
「そんなに重いんだったら、どのくらい増えたのか測ってみようか。」
俺たちはゆっくりと歩いて体重を測りに洗面所に向かった。
最初に俺が測った。結果はは31.8kg。
元の体重が30kgとちょっとくらいだったので、1.5kg程度しか増えていなかった。
次に真弓が体重計に乗ると…その数値は、何と33.1kg。

真弓は俺より2cmくらい低く、二人ともどちらかと言えば少し痩せている方だった。
「凄い33kg!いつもは28kgなんだよ。…真弓、体重でたっくんに勝っちゃったね。」
「でも中のジュースの重さでしょ。」
「ジュースだって何だって、もう真弓の中に入っちゃったんだから真弓の重さだよ。」
そう言いながら真弓はTシャツの上から、ポッコリと丸く膨らんだ腹をさすった。
真弓の腹の形があらわになった。その堂々とした丸みは、
あの時、プールの清掃用具要れの中で見上げた時以上の凄さだった。
確かに、真弓の腹に入ったものはいつかは溶けて真弓の体になるんだから、
呑み込んだ時点でもう真弓の体の一部と考えるのが自然だ。

「そんなに飲んじゃったら、オナカ重くない?」
「うん。重いよ。気をつけて歩かないとチャポチャポ鳴っちゃうし。」
そう言って真弓はちょっと体を揺すった。
「チャポン!」という大きな音がその中から聞こえ、二人で笑った。
笑いながらも俺はその腹に夢中で、気が気ではなかった。
リビングに戻ると俺たちはまたテレビゲームを再開した。
ゲームをしながらも、俺の目線はチラチラと真弓の腹の方に向いていた。
俺の視線に気づいたのか、真弓は突然俺の方を見てこう言った。
「えへっ。凄いよね真弓のお腹。赤ちゃんが居るみたいでしょ。」
「ホントに赤ちゃんが出来たんじゃないの?」
「どうかなぁ?」
真弓はゲームを止めて、腹を見下ろしながらさすっている。
俺はすかさず真弓の腹に耳を着け、音を確かめるそぶりをした。
冷えたジュースのせいで、真弓の腹はかなり冷たくなっていた。
Tシャツ越しに耳たぶから冷たさが伝わってくる。
勿論、赤ちゃんの音など聞こえるはずも無く、殆ど静寂な腹の中から
時折小刻みにコポコポ…コポコポ…という音が聞こえてきた。

「ジュースの音が聞こえるよ…。」
俺はその腹に耳を着けながら、下を向いたまま言った。
「恥ずかしい。でも中は大好きなジュースで一杯だから、いいよ。」
「あぁ、俺もこのお腹の中に入ってみたい。」
「たっくんは大きすぎるから無理だよ。でも、たっくんの頭だけなら入っちゃいそうだね。
ホラ。真弓のお腹の方が、たっくんの頭よりずっとおっきいよぉ。」
真弓は俺の頭を自分の腹にギュッと押し付けて、上からその大きさを比べた。
俺の頭は、やや固めに張った真弓の腹に少しめり込んだ。
さっきより勢いよく、ゴポポッ…という音が聞こえた。
少しの間、会話が途絶えた。真弓はなぜか、俺の頭を自分の腹に押し付けたまま
しばらくじっとして動かなかった。
「…ハイ、おしまい。」
ようやく真弓は俺の頭を腹から離した。一体、真弓は何を考えていたのだろうか。
二人はふたたびゲームに戻り、真弓は夕方、母さんが帰って来る前には帰った。
俺の頭には真弓の腹の感触が深く残り、その夜はほとんど眠れなかった。

それから、俺と真弓に秘密の間柄が生まれてしまった。
うちの母さんが稽古で居なくなると分かっている日には決まって、
膨らませた腹の上にワンピースを着て来る真弓。
そして、母さんが居なくなると突然俺に告白。
ある日はお菓子、またある日はパンだった。
「さっきねぇ、家で食パン一杯食べてきたの。いろんなジャム一杯塗って。
美味しかったよ。この中に食パン3つも入ってるんだから。」
そう言って、真弓はワンピースを捲り上げた。
中から、物凄くボッコリと膨らんだ生腹が出現する。
いつしか真弓は、俺にその生腹を見せる事が恥ずかしく無くなっていたのだった。
真弓は平手で腹を叩いた。ポン、ポンっと低い音が勢いよく部屋に響いた。
食パン3つと聞いて最初は3切かと思ったが、それを見て3斤だと悟った。
俺は無言でその生腹に顔をうずめた。真弓は無言でワンピースを下ろし、俺の頭を中にしまった。
「私も、たっくんをオナカの中に入れちゃいたいよ。そしたら、たっくんは真弓のものになるんだから。
でも中はきつくて苦しいかもよぉ…。」
…確かに、あんなにパンパンの腹の中に詰め込まれたら苦しくて息も出来ないだろう。
それよりも、出てくる時はウンコになっている訳だから、
この中に入ってしまったら、確実に真弓に溶かされてしまう。
小学生の俺には腹の中がどうなっているのかは詳しく分からなかったが、
それが外見から想像されるほど生易しいもので無い事は分かっていた。

事の発端は、何でもない水着姿の真弓の腹が膨らんでいた事。
あの膨らみは便秘のせいだったのか、あるいは他に原因があったのかは分からない。
ただ、それがきっかけで、俺達二人は今、秘密の遊びを共有している。
俺は、意識も体も真弓の腹の中に吸い込まれてしまいそうな感じを受ける。
ポッコリと圧力を持って力強く膨らんでいるのに、
その中から俺を引き寄せる、強い強い吸引力を感じる。

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