しょこっとミステリー



「お願い、そこをなんとか!」
「だからさぁ、あたしそんなの嫌だって~~」
「どうしても?」
「どうしても」
「じゃあ、売り上げの1割あげるって言ったら?」
「やらせていただきます」
しょこは平身低頭で服従した。

年の瀬も迫る12月、相川翔子の通う聖ぶるまぁ学園の超時空集団・漫画研究同好会会長の中河原は頭を抱えていた。
いわゆる中堅サークルとして名を馳せる超時空集団・漫画研究同好会は、超時空コミケット、いわゆる冬コミにもサークル参加することになっていた。
言うまでもなく超時空集団・漫画研究同好会の売りは、濃密な絡み合いを大胆な構成と繊細なタッチで書き上げた本である。
そして、超時空集団・漫画研究同好会にはもうひとつの売りがある。超時空コスプレである。
なにやら大層な名前だが、実際は超時空集団・漫画研究同好会の新刊に登場するキャラのコスプレをするだけだ。
この超時空コスプレは毎回毎回無駄に趣向を凝らしているのが特徴だ。なんつーかやばい。
加えてお約束どおりに美少女ぞろいの聖ぶるまぁ学園超時空集団・漫画研究同好会の超時空コスプレイヤーの熱演があっという間にヲタの間で広まっていき、いわば代名詞みたいなものにまでなった。
もちろん今回も超時空コスプレを行う予定だった。しかし超時空集団・漫画研究会の看板超時空コスプレイヤーである倫敦橋オチルが、イベントの2日前に餅を喉に詰まらせ16歳の若さで急逝し、超時空集団・漫画研究同好会は急いで代わりの超時空コスプレイヤーを探さなければならなくなったのである。
そこで白羽の矢が立ったのが、超時空胃袋を持つしょこだった。このへんの因果関係は不明だが、主に話の都合だろう。
なんやかんやと理由をつけて断ろうとするしょこだったが、上記のように金に釣られて超時空コスプレをすることになったのである。
実際、話題性だけではなく、超時空集団・漫画研究同好会の描くものは一部の好事家にガチで受け入れられ、毎回7桁近い売り上げをあげている。
となれば、しょこの懐には10万前後の金が入る計算だ。超時空集団・漫画研究同好会万歳とメッカの方角に向かって三回唱えて、しょこは普段全く使わない頭をフルに使ってネタを覚えたのだった。

そしていきなり冬コミ当日。
超時空集団・漫画研究同好会のブースに姿を現すなり、しょこは超時空集団・漫画研究同好会会員の手により超時空控え室に拉致された。
超時空控え室には、ナイフとフォークを持ってしょこを料理しようと待ち構えている中河原の姿があった。
「はい、じゃあこれ超時空衣装ね」
「ううっ、やっぱりやるの……」
「で、これ。超時空耳忘れちゃーだめね」
「あうあう……」
「超時空メイクするからね~~」
「ぶへぇ~~」
「超時空ぱんつは……うわぁ、いい感じに男に媚びてるわねぇ~~」
「いいじゃない、好きなんだからーー!!」
こうして、しょこはまな板の上の鯉状態で料理されていった。
「よし本番、超時空しょこ、行ってこーーーい!!」
「なんか妙にテンション高いんですけど……」
軽く引きながら、しょこは超時空控え室を出て行った。


「なあなあ岡村氏、今年の超時空コスプレは何をやるんでしょうかブー」
「いやあ宇野氏、私にそんなこと聞いても答えられないピョーン」
「それもそうでブーね。お、始まるブー」
「本当だピョーン。場内一斉に注目だピョーン」
会場は、超時空コスプレへの期待でうおりゃあああ状態だった。





「この馬鹿者がぁっっっっっっ!!!!!!!!!!!!」





熱気を帯びざわめく会場に、その喧騒を一発で吹き飛ばす怒声が響き渡った。
「!!!!!!!!!!」
会場にいた者全てが、声のした方向を見る。
そこにはさっきまでなかった筈の電柱があり、その頂に黒いマントに身を包み、虎耳をつけたしょこが腕組みをして仁王立ちで立っていた。
「なんだ、あいつは!?」
「虎だ!!」
「人間だ!!!」
「いや、違う!!!!」





「「「「「「「「「タイガーしょこだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」」」」」」」」」



BGM:あいつのあれ(曲名忘れた)





トランペットの音がどこからともなく聞こえ、会場の照明が一斉に消され、タイガーしょこにスポットライトが当てられる。
「この軟弱者どもが!!! 何が同人なのか。貴様らの想像力はそんなに貧弱な物だったのか!」
「いや虎さん、私なんぞ単なる一般市民であるからしt」
「このたわけがぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!!!!」
タイガーしょこの咆哮とともに、鉄拳が岡村の顔面にめり込んだ。
「ふんぎゃああああああああああああああだピョーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!」
岡村は壁まで吹っ飛び、深々と埋まった。見物している群衆の目がロケット岡村のほうを向いている間に、タイガーしょこは空高く飛び上がり、再び電柱の上に立つ。
「愚か者が!! 人間の想像力は無限と何故信じられぬ!」
「あへらへらへらはにほーはにほーにゅほほーーへあらへほ……」
岡村は完全にピヨっていた。壁に埋まった岡村を係員がなんとか救出しようとするが、どうにもならないのでカレンダーで隠す事にした。
「仕方がない。この私が良い事を教えてやろう」
おおおおおおっ!! と歓声が起こる。
「そこに超時空集団・漫画研究同好会というサークルがある。そこの新刊を買うがよい」
結局は宣伝である。
「貴様らの腑抜けた想像力に喝を入れる内容がそこにはあるだろう。さあ、本を買い、次の戦いに備えるのだ」
「虎さん虎さん、ひとついいかブー?」
「なんだ豚。この私に何でも話すがよい」
「いや、たいした事じゃあないブーが、さっきからぱんつ丸見えだブー」
「な、なにぃ!!? くっ、この私とした事が何という不覚……!」
タイガーしょこのマントの下は、予算と作者の趣味の関係で下着だけである。高さ数メートルの電柱の上にいるタイガーしょこのぱんつが丸見えになるのは当たり前である。
「おおーーーーっ!!」
「あ、あれは……」





「「「「「「「「いちごぱんつだぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!!!」」」」」」」」

どこにいたのか、50000人ものカメラ小僧が電柱の下に集まり、一斉にタイガーしょこのぱんつを撮影しはじめる。今時いちごぱんつである。カメラ小僧どもが超時空天然記念物に群がる光景は、中国共産党員が集まった平安門前広場に似ていた。
「え、ちょ、ちょっと……」
さすがにタイガーしょこといえど、これにはたじろがざるを得ない。さっきまでの威勢はどこへやら、ただの17歳の少女に戻り、あたふたと裾を押さえるしか出来かった。
「おおっっっ、尻だーーーーー!!!!」
「しかも大物だぁぁぁぁーーーーーーーっっ!!!!!」
「写せ、写すんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
特大車輪戦法を使ったかのように、カメラ小僧がわらわらとしょこの後ろに回り、パシャパシャウィーンガチャコンピコーンパシャリバリバリはにほーはにほーとシャッターを切る。
「もう、やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
タイガーしょこは涙目になり、電柱の上でしゃがみこんでしまった。
「おおっっっっ、屈んだぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
「尻が……尻がいちごぱんつからはみ出したぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
「写せ、写すんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
シャッターの音がますます大きくなる。貧乳巨尻がコンプレックスであるしょこにとって、公開処刑に等しいこの状況は屈辱そのものである。
(何であたし、こんなことしてるんだろう……なんで、なんでこんなことされなきゃいけないの!?)
我慢の限界を超え、泣いてやる、泣いてやるーーー!! としょこが決めた時だった。
「いちわりーーーーーーー!!」
遠くから、中河原の声がした。
「!!!!!!!!!!!!」
その言葉を耳にしたしょこはすくっと立ち上がり、虎耳を直して目を閉じ、再び腕を組み仁王立ちをする。
「おおっっっ、立ったぞぉぉぉ!!!!!!!!!」
「マントが風になびいて、いちごぱんつが丸見えじゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
「写せ、写すんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
発育著しい下半身を丸出しにして立つタイガーしょこの周囲で、カメラ小僧が火病る。
「このぉぉぉぉぉ…………」
怒りを含んだタイガーしょこの、押し殺したような声に低音ブーストがかかる。
「おおっっっ、喋ったぞぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!」
「心して聞けぇぇぇぇーーーー、きっと卑猥な単語を喋るぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!」
「写せ、写すんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
タイガーしょこの目が、くわっと開かれる。

「馬鹿者共がぁっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!」

一瞬だった。
まばたきの合間に飛び降りたタイガーしょこの怒りの鉄拳が、電柱の真下にいたカメラ小僧どもが10人ほどふっ飛ばした。吹っ飛ばされた野郎どもは会場の天井をぶち抜き、雲を抜け、月まで飛んでいった。音速を超えた速度で空へと消えていくので、悲鳴は聞こえない。
「貴様等、一体親からどんな教育を受けてきた!? 婦女子の下着を集団で撮影するような軟弱な人間になれと教わったのか!?」
雄叫びをあげながら、タイガーしょこは手近な奴からちぎっては投げ、投げてはちぎり、炎を纏った拳で太陽系の各惑星へとふっ飛ばす。
「貴様等のような腑抜けは、どこへなりとも消えてしまうがいい!!」
「みぎゃあああああーーーーー!! 痛いブーーーーーーーー!!!!!」
力を溜めた拳が宇野の顔面を直撃する。大陸弾道ミサイルよりも強烈な一撃だが、宇野は豚なので5メートルほどふっ飛んだだけだった。
「こらぁぁぁ!! そこ、何をやっている!!!!」
騒ぎを聞きつけた係員がタイガーしょこを止めに走る。
「私の邪魔をするというのか。面白い、では見せてくれよう。これが閃真流秘奥義なり!!」
「ぶっほぉぉぉぉぉぉ!!!!」
飛びかかってきた係員を逆さに抱え、タイガードライバーを決める。メートル級のヒップに押しつぶされた係員は、恍惚の表情のまま息を引き取った。
「健全な精神は健全な肉体に宿る! 私がその腐った性根を叩きなおしてやろう!!」
会場は核爆弾が落ちたような騒ぎになった。逃げ惑うキモオタどもをタイガーしょこが次々と天空へと殴り飛ばす、さながら阿鼻叫喚の地獄絵図がそこには広がっていた。
「なによ……ノリノリじゃない……」
そんな光景を横目に、中河原はボソッと呟いた。
「新刊、タイガージョー×烏丸本、残り僅かですよーーー!」
超時空集団・漫画研究同好会は、801系のサークルである。

「えーではー、冬コミ大成功を祝って、乾杯っ!」
死者489名、行方不明者37564名を出し、コミケは無事終了した。超時空集団・漫画研究同好会の売り上げは過去最高の173万を叩き出し、焼肉屋で打ち上げをすることとなった。
「いや~、しょこのおかげで大成功だったよ~」
「もう、言わないでよぉ……」
乾杯の音頭を取った中河原が、しょこの隣に座る。中河原の言葉のとおり、今回の超時空集団・漫画研究同好会の大盛況は、主に超時空コスプレのしょこの奮闘によるものだった。
「そんなこと言われても、嬉しくないんだからぁ」
「まあまあ、いいじゃない。来年もお願いね」
「ぜっっっったい、嫌っっっ!!!」
「そこをなんとか。ね?」
しょこの前に、売り上げの1割が入った封筒が差し出される。
「やらせていただきます」
しょこは畳に頭をつけた。
「それにしても、いい飲みっぷりね~」
肉が焼けるまでの合間に中生を2杯空にしたしょこに、中河原が感心したように言う。
「あ、うん。さすがに疲れちゃったからね」
副会長の分倍河原が追加を頼んではいるが、それが届くまで手持ち無沙汰のしょこを見かねて、中河原が自分のジョッキを差し出す。
「はい、これいいよ。……お父さんとか、結構飲む人なの?」
「ありがと。んー……そうでもないかな」
「ふーん」
話しながら、しょこはぐびぐびと喉を鳴らしてビールを飲んでいく。半分ほど残っていたジョッキが空になるころ、分倍河原が肉焼けたましたよーと告げる。
「待ってましたぁ~」
ごっそりとしょこは取り皿にカルビを乗せる。カルビに始まりカルビに終わる、というのがしょこの哲学である。回転寿司ではプリンに始まりプリンに終わるのが常だ。
売り子や買い出しをしていた他のメンバーも相当飢えていたようで、網の上の肉は5秒でなくなった。
「あらら……新しいの乗せなきゃ」
中河原が残った肉を網に乗せる。
「ん、おいし! やっぱ肉だよね、肉!」
半分以上の肉をかっさらったしょこは、ご満悦の様子である。
「へい、注文のほうお持ちしました!」
「あ、こっちにお願いしまーす」
障子がすーと開き、ねじり鉢巻の店員が追加の肉とビールを持ってくる。
「はい、生どーぞ」
「あいがとー」
第一陣の肉をお腹に収めたしょこに、中河原がジョッキを渡す。
「ご注文のほうはよろしいですか?」
「えーとね、いち、にい……生7つと……」
分倍河原が空いたジョッキを数える。
「しょこ、なにか食べたいのある? 何でも頼んでいいよ」
「え、ほんと!?」
ほんのりと朱の差した顔のしょこが、不意を突かれたように声をあげる。
「まーかせなさいって。お金ならたっぷりあるんだから」
「それじゃあ遠慮なく~」
「はい、どうぞ」
メニューを受け取り、しょこはむーと考える。
「とりあえずユッケピビンパと、しゃぶしゃぶサラダと豚肉の粕漬けと……」
「へい!」
「肉ばっかりね……」
「生ハムメロンと、クリームパン、あと白魚の踊り食い」
「へいへい」
「なんでそんなのあるのよ……」
「で、カルビ10人前にハラミ5人前、タン10人前とミノ5人前と……」
「いい゛っ!?」
さすがに驚いて、中河原が声をあげる。
「タンはたれと塩、どちらで?」
「んー、塩で」
「へい」
店員は何事もないように注文を受けているが、実はしょこはこの店によく来るので慣れているだけだ。
「あと、ここのカクテル上から全部ね~」
「以上でよろしいすか?」
「よろしいす」
「であ失礼しやす」
来たときと同じようにすーと障子を閉めて店員は去っていった。
「ちょ、ちょっとしょこ……」
「ん? ふぁひぃ?」
新しい肉を頬張っているしょこに中河原が口を開く。
「あんなに頼んで……大丈夫なの?」
「んー……んくっ。あー、たんないかもー」
「言わなきゃ良かった……」
何でも頼んでいいと言った自分を激しく責める中河原だった。

「お~いしょこぉ、のんでるかぁぁ~?」
「うっはは~~、ろんでうよ~~」
「よ~し、ほれ、もっろのめろめぇ」
「ぅぇ~~~い」
「うほっ、い~いのみっぷりぃ~」
宴はたけなわだった。
中河原の心配をよそに、しょこは注文したものをぺろりと平らげ、さらに追加注文をかました。テーブルの脇には空いた食器が小山を作っており、しょこの空けたジョッキやグラスが10数個置かれている。
中河原は途中からやけくそになり、アルコールに逃げることにした。すると座敷にいる全員のピッチが上がり、今やもう、みんなべろんべろんである。分倍河原は死んでいる。
「へい、追加の品お持ちしましたー!」
「おう、そこにおいろけぇ」
そういうわけで追加の注文が届く。
しょこも中河原も、顔は真っ赤で、呂律が回らなくなりはじめている。しょこのお腹はぽんぽこずどーんと厚手のセーターを大きく膨れ上がらせ、その存在を主張している。
「はぅぁ~~……。しょこせんぱいのおにゃか、ひもひいいれふみゃぁぁ~~~……」
そして現在、しょこの腹部に1年生の桜丘が顔をむふーと頬ずりをして、むふふふふにゃ~とうっとりした表情を見せている。
「よひよひ、さくらい~こい~こ」
しょこが顎を撫でると、桜丘は猫になってんみゃ~と鳴く。桜丘がへばりついて動けないので、中河原がしょこに焼けた肉を取ってやる。
「ほぉれしょこ、えんりょなくくぇ~」
「ぉ~ぃぇ~」
「さっさとくっれ、びーうばらになってしまへ~」
「むふふ~~。らんねんれしらぁ、あらしびーうほろんろろんれらいもん」
「がーーん……。ええい、ほれじゃあ、いまかあ、ろめ!!」
まるで暗号のようだが、とにかくそういうわけでしょこのまえに2つのジョッキがデンと置かれる。
「おおけえ~~」
ぐびりぐびりとしょこの喉が鳴り、空のジョッキが2つ増える。
「さすがられぇ、しょこ~。ほれぼれひひゃ~う」
「げーふ。にく~、にくぅ~」
しょこはやはり肉である。ビールを飲んでいるうちに少し冷たくなってしまったが、肉を肉たらしめている肉感があればいいのである。ぱっつぱつに張り詰めた胃袋の重量をしょこは確かめる。
「みゃはぁ~~、さっきっかぁ、ひょこへんぱいのおにゃかが、ぐぐーっとしてきれまふにゃぁ……」
しょこの頭の下で、桜丘が猫語を喋る。
と、ここでしょこが突然立ち上がる。予期していない行動に桜丘はしょこの膝から転がり、テーブルに頭をぶつける。
「みゃはーーー!! いはいれふ~~~~!!!」
「ごめーんさくら~~。あははははは~」
「あはははははじゃないれふよぉ~~。いきなりろうひはんれふかぁ~?」
「ん~~。おひっこ~~」
「ほ~れふふぁ。じゃあ、さくらもいきまふみゃぁ」
女二人で連れ立って、用を足しに行く。大量に飲んだアルコールをしょこがながながながながながながながと出しきるのを、桜丘は飼い猫のような気分で待っていた。
「ふぅぅ~。よ~ひ、まらまらいくよぉ~~」
「きょーはとことんつきあいまふよぉ~~」
さっきよりだいぶ小さくなったお腹を撫でながら、まだまだやる気のしょこは座敷に戻るのだった。そこでは、中河原が死んでいた。

翌日、中河原は強烈な二日酔いと共に目を覚ました。
そして、大いに減ってしまった売り上げ金を見て、二度としょこに超時空コスプレの依頼をしないことを固く誓ったのだった。

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