小泉政権とは

小泉政権とは


前回(中止になったときまでの案)

「小泉政権とは」

中曽根政権の改革は、対外的要請による自由化という一面があった。小泉改革でも同様であろうか。さらに、対外的要請により改革がなされたのであれば、当然要請している国の利権に資することになるであろう。すなわち、小泉改革は米国に日本の富を開放したといえるのか。

  • 仮説:
小泉改革は米国の要請により、日本の富を開放する環境づくりであった。

  • 「改革」と外圧
1. 郵政民営化
国民への説明
  • 官から民へ、財政投融資の廃止により約340兆円の郵便貯金を特殊法人等の政府機関ではなく民間に流し、日本経済活性化に資する
  • 法人税等の納税義務が生じることから、税収アップ
  • 民営化後の株式上場の際の株式売却益により、財政収入増加
  • サービスの向上
  • 公務員削減により支出減少←郵政民営化時点で独立採算制のため、すでに税金を投入していなかった。
米国からの圧力
  • 「年次改革要望書」で日本郵政公社の民営化を明記
  • 米国との18回の協議
  • アメリカ通商代表部(URST)の「通商交渉・政策年次報告書」に、閣議決定した「内閣の設計図(郵政民営化の骨格)」に外国が勧告した修正点が含まれていると述べられている。
貯金銀行・保険会社が2009年度から2010年度の期間中に株式上場、2017年」9月末までに完全民営化

  • 年次改革要望書
主に述べていること ・イコールフッティング(競争条件の同一化)
          →政府とのつながりをなくすこと。(制度的な優遇、または暗黙の安心感)
日本国民の郵便局関連の事業に対する安心感をなくし、日本の閉鎖的な市場を切り崩すことが目的ではないか。
          ・事業関係、財務、経営および所有権を完全に分割→相互の信頼性を排除
日本の郵政事業をめぐる事情
 預貯金残高、店舗数、宅配便・小包の数が民間企業と比べるとかなり多い。

2001年度版・2002年度版(郵政事業庁→郵政公社への移行前)
  • 透明性 移行過程・その民間部門への影響の不透明さをなくす。
  • 拡大規制 移行の際、郵便金融機関(簡保と郵貯)による新規のいかなる保険商品の引き受けも、また元金無保証型商品の元売りも禁止することを提言する。
  • 同一基準 郵便金融機関への法律、課税レベル、セーフティーネット構築のためのコスト負担義務および規制の適用に民間業者と同一の基準を適用する。
2003年度版(郵政公社へ移転)
米国政府は、2007年4月の郵政民営化を目標に、小泉首相が竹中経済財政・金融担当大臣に簡保、郵貯を含む 郵政3事業の民営化プランを、2004年秋までに作成するよう指示したことを特筆する。
2004年度版 ・民営化という項目が新たに登場
日本郵政公社の民営化→より具体的な要求
郵便保険と郵便貯金商品等の暗黙の政府保証を排す。
独占禁止法の厳格な施行
宅配便サービス
日本郵政公社から完全に切り離されかつ独立した機関
競争サービス条件下で、全国一律サービスの提供から得られた収益を用い非競争的な相互補助が行われることの防止監督をする。

⇒外資が、民営化により市場に流れるであろう多大な家計の貯蓄を狙っていることがうかがえる

2. 会社法
商法の中の、会社について規定する法分野 (2005年7月26日交付、2006年5月1日施行)
吸収合併の場合において、消滅会社の株主等に対して、存続会社等の株式以外の財(現金、親会社の株式等)を交付すること(「合併等対価の柔軟化」)を認める。
⇒合併の対価として、存続会社の株式等に対して、存続会社等の株式等に限らず金銭等を含めたその他の財の交付を行うことができるものとされている。これによりいわゆる三角合併や交付金合併も可能となる。

主として中小企業の計算書類の正確性を図るため、会計参与制度を創設。
大会社以外の株式会社は、子会社であっても、定款で会計監査人の設置を定めることができる。
⇒中小企業の情報の非対称性の解消

  • 商法改正の流れ
1993年(平成5年)
  • 1991年(平成3年)6月に発覚した証券・金融不祥事件(証券会社の一部の投資家に対する損失補填、金融機関の偽造の預金証書を担保とする融資)を契機として、監査制度を充実する改正
監査機能の強化(監査役の任期を2年から3年に伸長。大会社における監査役の員数の増加、社外監査役、監査役会導入)
1997年(平成9年)
合併手続の簡素化
1999年(平成11年)
株式交換・株式移転制度の創設(持株会社や完全子会社の創設が容易になる。)
2000年(平成12年)
会社分割制度の創設(特定事業部門の子会社化や子会社間での事業整理が容易になる)
2001年(平成13年)
株主総会及び株式会社関係書類の電子化等に関する事項
会社関係書類の電子化
株主総会の招集通知の電子化
株主総会の書面又は電磁的方法による議決権の行使
計算書類の公開
2001年(平成13年)
監査役の機能強化(①監査役の取締役会への出席義務付け、②監査役の任期延長、③監査役の辞任に関する意見陳述権、④社外監査役の増員)
2002年(平成14年)
委員会等設置会社の導入
株主総会特別決議の定足数の緩和
種類株主による取締役等の選解任制度の導入
連結決算制度の導入
外国会社の営業所設置義務の撤廃
2005年(平成17年)
会社法制定

⇒実際にM&Aがやりやすくなるような制度改正の流れが見受けられる。また今回の会社法により、実際にM&Aが行われるまでの制度が構築されたと言える

  • 年次改革要望書
2001年度版 →三角合併という用語は出てこないが合併を年頭にした改革が要求される
  • クロスボーダーによる株式交換
2002年の春までに完了予定の商法の「抜本的な見直し」作業の一環として
  • 資本構成の柔軟性  
いかなる合併においても、現金が考慮の対象となるよう規定する。
(企業買収が成功した後に、「抵抗」している少数株主の株式を強制的に提供させることにより、被買収企業を完全に私有化できるように)
  • ストックオプションの発行額の制限と、受取人への制限

2002年・2003年度版→法制度整備
  • 近代的な合併手法の採用
外国投資家が三角合併およびキャッシュ・マージャー(消滅会社の株主に金銭のみを交付する合併)という手法できるよう産業再生法の改正(2002年度版)、また、それを使用する場合の障害をなくすことを要望(2003年度版)
  • 2004 年度商法改正の中間試案の中に、合併対価に対する柔軟性を導入する旨、 また、ショート・フォームマージャー(略式合併、組織再編行為に株主総会の決議を要しない。)を導入する旨の提案を含める
2004年度
→株主の権利がどこにあるかを明確化。外国株主が日本企業に影響を与えやすくする。
  • 積極的な委任投票を通じた株主価値の増進
投資信託協会が委任投票に関する規約の改正、また会員企業に対して実際の委任投票の記録を公開することを義務化   
  • 外国株主による委任投票の促進
企業統治を強化するため、金融庁並びに法務省は、海外の受益所有者による委任投票の効果的な行使の促進に向けて、代理保管人及び国際的保管人による代理権行使に関する商法上あるいはその他の規則に必要な変更を加えることを検討する。

2005年度版(2005年会社法改正)→株式買収についての規制緩和
  • 効率的な株式公開買付の促進
特定の正当な要件(株式分割、買収防衛策の撤回を条件)として株式公開買付、またその変更が可能となるよう、証券取引法の改正または他の必要な処置を行う。
  • 株式買取請求権の実効性強化
あらゆる形態のM&A 取引において、反対株主による株式買取請求権の申立て手続及び評価手法を簡素化。
  • 合法的に日本で事業を行っている外国会社の保護

2006年度→日本企業買収への防衛策への規制、監視強化

三角合併に関する課税繰り延べ措置の利用可能性について、明瞭かつ予見可能な規則を適用するため、2007年5月1日までに税法を改正するよう要請。 
  • 株主利益の保護
TOBに対する取締役会の意見表明を義務付け、それに対応するあらゆる買収防衛策の導入または発動が、取締役会の委員会の承認を受けることを義務付けTOBへの対応についての取締役会の潜在的な利害対立を除外する。
  • 企業が買収防衛策を導入することを制限する上場および上場停止規則を導入するよう、マザーズ、ジャスダックおよびヘラクレス証券市場を奨励する。
  • 執行委員会制度の強化
  • 監査役制度の強化

⇒外国企業による日本企業に対するM&Aの準備が整ったといえる

  • まとめ
郵政民営化、会社法により、家計部門の貯蓄、企業の内部留保、中小企業の技術力、という日本の「国富」を外資が奪う環境が整った
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テーマ:小泉政権とは

2001年~2006年という長期に渡った小泉政権は、金融資本主義においてどのような位置づけができるであろうか。

仮説:中曽根政権に始発点とした、新自由主義経済への国内改革の頂点である。

1.時代背景

2.小泉政権の特徴

3.郵政民営化

4.会社法

5.まとめ


結論としては、

外圧+内圧(内なる力)→郵政民営化や会社法制定→家計の貯蓄、企業内の多大な内部留保、中小企業の技術力、という「国富」の、実際の流出が起きる状況が整った、的な感じにしようかな、と考えております。
でも意見があれば適当に書いといてください。


金融資本主義における郵政民営化の位置づけ

  • 中曽根政権
「国鉄」民営化
国民への説明
債務超過…赤字ローカル線建設等で膨れ上がった長期債務は自力返済不可能
本音
国労(国鉄労働組合)潰し→社会党最大の支持基盤崩壊

専売公社
JT…財務大臣が株式の50%超を保持



  • 小泉
「郵政」民営化
国民への説明」
  • 官から民へ、財政投融資の廃止により約340兆円の郵便貯金を特殊法人等の政府機関ではなく民間に流し、日本経済活性化に資する
  • 法人税等の納税義務が生じることから、税収アップ
  • 民営化後の株式上場の際の株式売却益により、財政収入増加
  • サービスの向上
  • 公務員削減により支出減少←郵政民営化時点で独立採算制のため、すでに税金を投入していなかった。


米国からの圧力
  • 「年次改革要望書」で日本郵政公社の民営化を明記
  • 米国との18回の協議
  • アメリカ通商代表部(URST)の「通商交渉・政策年次報告書」に、閣議決定した「内閣の設計図(郵政民営化の骨格)」に外国が勧誘した

修正点が含まれていると述べられている。


貯金銀行・保険会社が2009年度から2010年度の期間中に株式上場、2017年」9月末までに完全民営化



小泉改革と年次改革要望書との関係

年次改革要望書とは?
  ・正式名称:「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく要望書」
  ・双方の政府に対する要求が書きならべられたもの。
  • 双方の要望書は両国政府によって公開(ホームページ上)
  →にもかかわらずマスメディアに載ることはほとんどない。
歴史:1993年7月の宮沢首相とクリントン大統領の首脳会談で決まったもの
   個別産業分野の市場参入問題や、分野をまたがる構造的な問題の是正を日本に迫るための、アメリカ政府の包括的アプローチ(『外国貿易障壁報告書』2000年度版)
  • 最初の要望書は1994年(平成6年)

主な項目

電気通信
情報技術(IT)
エネルギー
医療機器・医薬品
金融サービス
競争政策
透明性およびその他の政府慣行
民営化(2004年より)
法務制度改革
商法
流通

おもな改革との比較
  • 郵政民営化

主に述べていること ・イコールフッティング(競争条件の同一化)
          →政府とのつながりをなくすこと。(制度的な優遇、または暗黙の安心感)
日本国民の郵便局関連の事業に対する安心感をなくし、日本の閉鎖的な市場を切り崩すことが目的ではないか。
          ・事業関係、財務、経営および所有権を完全に分割→相互の信頼性を排除



日本の郵政事業をめぐる事情
 預貯金残高、店舗数、宅配便・小包の数が民間企業と比べるとかなり多い。
2001年度版・2002年度版(郵政事業庁→郵政公社への移行前)
  • 透明性 移行過程・その民間部門への影響の不透明さをなくす。
  • 拡大規制 移行の際、郵便金融機関(簡保と郵貯)による新規のいかなる保険商品の引き受けも、また元金無保証型商品の元売りも禁止することを提言する。
  • 同一基準 郵便金融機関への法律、課税レベル、セーフティーネット構築のためのコスト負担義務および規制の適用に民間業者と同一の基準を適用する。

2003年度版(郵政公社へ移転)
民営化 米国政府は、2007年4月の郵政民営化を目標に、小泉首相が竹中経済財政・金融担当大臣に簡保、郵貯を含む 郵政3事業の民営化プランを、2004年秋までに作成するよう指示したことを特筆する。
2004年度版
  • 民営化という項目が新たに登場
日本郵政公社の民営化→より具体的な要求
郵便保険と郵便貯金商品等の暗黙の政府保証を排す。
独占禁止法の厳格な施行
宅配便サービス
 日本郵政公社から完全に切り離されかつ独立した機関
競争サービス条件下で、全国一律サービスの提供から得られた収益を用い非競争的な相互補助が行われることの防止監督をする。



商法
 主な論点 三角合併・M&Aなど
  企業合併、買収をしやすい制度・手法を導入。

2001年度版
クロスボーダーによる株式交換
2002年の春までに完了予定の商法の「抜本的な見直し」作業の一環としてクロスボーダーによる日本企業と外国企業間での株式交換を、日本が認可し促進することを提言する。

資本構成の柔軟性  
いかなる合併においても、現金が考慮の対象となるよう規定する。
(企業買収が成功した後に、「抵抗」している少数株主の株式を強制的に提供させることにより、被買収企業を完全に私有化できるように)
ストックオプションの発行額の制限と、受取人への制限


2002年・2003年度版→法制度整備

  • 近代的な合併手法の採用
外国投資家が三角合併およびキャッシュ・マージャー(消滅会社の株主に金銭のみを交付する合併)という手法できるよう産業再生法の改正(2002年度版)、また、それを使用する場合の障害をなくすことを要望(2003年度版)


2004年度
→株主の権利がどこにあるかを明確化。外国株主が日本企業に影響を与えやすくする。

  • 積極的な委任投票を通じた株主価値の増進
信託基金及び投資信託の投資収益を改善するために、投資信託協会が委任投票に関する規約を改正し、会員企業に対して実際の委任投票の記録を公開することを義務付けることを奨励する。
  • 外国株主による委任投票の促進
企業統治を強化するため、金融庁並びに法務省は、海外の受益所有者による委任投票の効果的な行使の促進に向けて、代理保管人及び国際的保管人による代理権行使に関する商法上あるいはその他の規則に必要な変更を加えることを検討する。(2004年度)

2005年度版(2005年会社法改正)→株式買収についての規制緩和

  • 効率的な株式公開買付の促進
特定の正当な要件(株式分割、買収防衛策の撤回を条件)として株式公開買付、またその変更が可能となるよう、証券取引法の改正または他の必要な処置を行う。
  • 株式買取請求権の実効性強化
あらゆる形態のM&A 取引において、反対株主による株式買取請求権の申立て手続及び評価手法を簡素化。
  • 合法的に日本で事業を行っている外国会社の保護

2006年度→日本企業買収への防衛策への規制、監視強化

三角合併に関する課税繰り延べ措置の利用可能性について、明瞭かつ予見可能な規則を適用するため、2007年5月1日までに税法を改正するよう要請。 
  • 株主利益の保護
TOBに対する取締役会の意見表明を義務付け、それに対応するあらゆる買収防衛策の導入または発動が、取締役会の委員会の承認を受けることを義務付けTOBへの対応についての取締役会の潜在的な利害対立を除外する。
  • 企業が株主の利益を著しく害する買収防衛策を導入することを制限する上場および上場停止規則を導入するよう、マザーズ、ジャスダックおよびヘラクレス証券市場を奨励する。
  • 執行委員会制度の強化
  • 監査役制度の強化







  • 会社法
商法の中の、会社について規定する法分野
2005年7月26日交付、2006年5月1日施行
吸収合併の場合において、消滅会社の株主等に対して、存続会社等の株式

以外の財(現金、親会社の株式等)を交付すること(「合併等対価の柔軟

化」)を認める。
⇒合併の対価として、存続会社の株式等に対して、存続会社等の株式等に

限らず金銭等を含めたその他の財の交付を行うことができるものとされて

いる。これによりいわゆる三角合併や交付金合併も可能となる。

主として中小企業の計算書類の正確性を図るため、任意設置の機関として

会計に関する専門的識見を有する公認会計士(監査法人を含む)または税

理士(税理士法人を含む)が、取締役と共同して計算書類を作成し、当該

計算書類を取締役等とは別に保管・開示する職務規定を担うという、会計

参与制度を創設。
大会社以外の株式会社は、子会社であっても、定款で会計監査人の設置を

定めることができる。



経団連

会社法改正への提言
企業の国際競争力の確保、企業・株主等の選択の尊重(2003.10)
合併等の対価の柔軟化
組織再編を円滑に進めるためには、その対価を柔軟化することが有効であ

る。吸収合併、吸収分割および株式交換の場合において、消滅会社等の株

主に対して、存続会社等の株式を交付する代わりに、金銭や他の会社の株

式などの財産を交付する、合併対価の柔軟化を認めるべきである。


「金銭買収に対する合理的な防衛策の整備に関する意見」(2004年11月16

日)
「M&A法制の一層の整備を求める。」(2006年12月12日)
合併等対価の柔軟性については、会社法施行規則附則第9条において、来年

5月の施行までに「必要な見直し等の措置を講ずる」とされている。この機

会に、会社法施行規則のみならず、幅広くM&A法制度全般を見直し、総合的

な法整備を早急に行うべきである。

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最終更新:2007年10月30日 12:27