発動率と成功率
特殊能力は自由に好きな能力を設定できますが、その能力を実際に活かすには「発動率」に成功して能力を発動させ、次に「成功率」をクリアーして実際に誰かに効果を与えなければなりません。強力な能力は「発動率」が低くなり、「強力であるが発動しない」能力になりがちです。「成功率」はその特殊能力を受けた相手がそれを喰らうのかどうかです。
成功率の例をあげると、「常識的に考えて成功しそうな能力」ならば、成功率は100%です。例えば、「ロープを自在に操り、敵をぐるぐる巻きにして動きを封じる」能力などは成功率100%となります。この際には「敵がロープを避ける」などの考慮は行いません。
一方、「美味しいカレーを敵に勧める」などの能力は、「常識的に考えて敵の差し出したカレーは食べないから」成功率は0%です。「色仕掛けで敵を誘惑する」能力は、戦場で色仕掛けに引っかかるというのは考え辛いものの、可能性がまったくないわけではないので成功率は10%ほどでしょうか。ただし、「美味しいカレーを敵に勧める」能力は、「色仕掛けで敵を誘惑する」能力よりも、多少発動率が高くなります。つまり、成功率の低い技は発動率が高くなり、成功率の高い技は発動率が低くなるわけです。
また、「相手を利するだけの能力」や、「単独では何の意味もないステータス異常能力」は発動率も成功率も高くなります。例えば、「敵の体力を回復させる能力」や、「敵の体が臭くなる」能力などであれば、発動率や成功率は高くなるでしょう。こんな能力は単体では何の役にも立ちません。チームメイトの他の能力と連携したり、もしくは相手チームの使う能力を逆手に取ったりして活用してください。(例:相手が「あらゆる特殊能力を跳ね返す」能力を使ったなら、「敵の体力を回復させる能力」は有効ですよね)
概して言うと、「何に使うのか分からないような一見するとくだらない能力」を作れば、発動率は高くなるということです。ゲームキーパーに「こんなくだらない能力はクソの役にも立たないから発動率を高くしよう」と思わせておきながら、実践ではゲームキーパーの想定以上の効果を発揮させれば良いのです。しかし、あまり用途を限定してしまうと、うまく他の能力と連携できないかもしれませんから、ある程度の汎用性を考えることは必要です。(例:「相手の体を臭くする」能力を使っても、他の仲間が「相手を匂いに敏感にする。受けた相手は臭いものの周囲1マスに近づけなくなる」などの能力を持っていないと、体を臭くしただけではまったく意味がありません)
発動率の目安
発動率には「目安」が存在します。特殊能力を考える際には、この「目安」を参考にすると、希望に近い発動率が得られるはずです。「目安」に当てはまらない能力はゲームキーパー側で、その技の有用度から発動率を考えます。効果範囲(同じマス内に効果を及ぼすのか、それとも周囲1マスに効果を及ぼすのか等)や、効果対象(効果範囲の任意の一人だけを対象とするのか、それとも効果範囲の敵全員を対象とするのか等)、効果持続時間(ステータスアップやステータス異常が何ターン持続するのか等)はできるだけ特殊能力の説明に書いておいて下さい。それらが書かれておらず、ゲーム進行上問題がある場合は、ゲームキーパー側で補完して発動率を決定します。
※以下は、発動率をあまり深く考えない人は別に見なくても良いデータです。発動率までしっかり計算したい人はにらめっこして下さい。
発動率は基本的に80%で、様々な要因により上下します。
発動率マイナス要因
- 効果範囲が広い(効果範囲が広く、使いやすい能力ほど発動率は下がります)
自分と同じマスの相手にのみ有効…… - 0%
隣接する縦横1マスの相手に有効…… - 10%
例:■が自キャラで、□が効果範囲
隣接する縦横1マスの相手に有効…… - 10%
例:■が自キャラで、□が効果範囲
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周囲1マスの相手に有効…… - 20%
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縦横2マスの相手に有効…… - 30%
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周囲2マスの相手に有効…… -50%
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MAP全体に有効…… - 90%
- 効果対象が多い(効果範囲内の対象多数に効果を及ぼす能力は発現率が下がります)
効果範囲内の任意の相手一人にのみ有効…… - 0%
自分と同じマスの対象全員に有効…… - 5%
効果範囲内の対象全員に有効…… - 25%
自分と同じマスの対象全員に有効…… - 5%
効果範囲内の対象全員に有効…… - 25%
- 数値操作系(敵や味方のパラメータを操作するのはお手軽な能力なので、その分、発動率のマイナスも大きくなっています)
体力ダメージ1ポイント…… - 10%
体力ダメージ2ポイント…… - 25%
体力ダメージ3ポイント…… - 50%
即死…… - 100%
体力ダメージ2ポイント…… - 25%
体力ダメージ3ポイント…… - 50%
即死…… - 100%
体力回復1ポイント…… - 50%
体力回復2ポイント…… - 80%
体力回復3ポイント…… - 120%
体力回復2ポイント…… - 80%
体力回復3ポイント…… - 120%
精神力ダメージ1ポイント…… - 5%
精神力ダメージ2ポイント…… - 15%
精神力ダメージ3ポイント…… - 30%
精神力ダメージ2ポイント…… - 15%
精神力ダメージ3ポイント…… - 30%
精神力回復1ポイント…… - 35%
精神力回復2ポイント…… - 65%
精神力回復3ポイント…… - 95%
精神力回復2ポイント…… - 65%
精神力回復3ポイント…… - 95%
攻撃力 or 防御力1ポイントアップ…… - 25%
攻撃力 or 防御力2ポイントアップ…… - 50%
攻撃力 or 防御力3ポイントアップ…… - 75%
攻撃力 or 防御力2ポイントアップ…… - 50%
攻撃力 or 防御力3ポイントアップ…… - 75%
攻撃力 or 防御力1ポイントダウン…… - 15%
攻撃力 or 防御力2ポイントダウン…… - 30%
攻撃力 or 防御力3ポイントダウン…… - 50%
攻撃力 or 防御力2ポイントダウン…… - 30%
攻撃力 or 防御力3ポイントダウン…… - 50%
- 効果時間
1ターンのみ(次に自分の番が回ってくるまで)…… - 0%
2ターン…… - 10%
3ターン…… - 30%
永続…… - 35%以上
2ターン…… - 10%
3ターン…… - 30%
永続…… - 35%以上
- 行動不能系
相手が1ターン行動不能…… - 30%
相手が2ターン行動不能…… - 60%
相手が3ターン行動不能…… - 90%
相手が2ターン行動不能…… - 60%
相手が3ターン行動不能…… - 90%
- 攻撃無効化系
通常攻撃無効化…… - 90%
特殊能力無効化…… - 70%
特殊能力無効化…… - 70%
発動率プラス要因
- 能力がそれ単体では意味をなさず、数値的な変化をもたらさない…… + 20%
(例:「敵の体が臭くなる」「睡眠不足になる」。ただし、「体が臭くなる上に睡眠不足になる」など2種類以上の場合は発動率が減ります。2種類で-5%、3種類で-10%、4種類で-20%など)
- 能力の成功率が低い…… + (100-成功率)%
(例:「敵に美味しいカレーを振舞う」「気持ち良さそうなこたつを用意して敵を誘いこむ」等。この場合、成功率が0%なので、発動率は(100-0)の100%プラスされます)
- フリースキル……基本的に1ポイントにつき、+3%
(しかし、フリースキルの設定が微妙であった場合、3%も得られないかもしれません。例えば、「敵に美味しいカレーを振舞う」能力で、フリースキルが「料理:5ポイント」や「香辛料知識:5ポイント」であれば、発動率はちゃんと15%上がるでしょう。しかし、フリースキルが「ヒンドゥー語:5ポイント」であれば、5%しか上がらないかもしれません)
- 敵味方の区別をしない…… + 5~20%
(効果範囲に含まれる対象を敵味方問わず全てに効果を及ぼしたり、対象の中から敵味方問わずランダムで一体になど)
- 自分にのみ有効…… +5%
- カウンター能力である…… + 10~30%
(自分のターンで能力を発動し、発動中に何らかのアクションを受ける(敵の攻撃を受けるなど)ことで効果が現れるもの)
- 敵に利する……(マイナス要因の数値操作系の±が逆転する。なお、敵に利する行為は、常識的に考えてありえなさそうなことでも(例えば、敵の武器を鍛えなおしてあげるなど)成功率は100%とする)
- 何らかの制限がある…… + 0~50%
(例えば、「あらゆる攻撃をガード」能力よりも、「刃物攻撃のみガード」能力の方が発動率が50%高くなります)
- 自分に何らかのマイナスがある…… + 0~50%
(例えば、「仲間一人の体力を3ポイント回復させるが、自分は6ポイント体力が減る」などであれば+50%)
- 一度しか使えない…… + 10~50%
- 地形効果…… + 0~20%
(例えば、家庭科室で「美味しいカレーを作る」能力を使えば、発動率が10%上がります。地形には「家庭科室」「電算室」「図書室」「理科室」が最初からありますが、特殊能力によって地形を新たに作り出すことも可能です)
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これらのプラスマイナス要因はあくまで目安です。「体力が3の倍数の敵にのみ効果が及ぶ」とか、「電算室にいる敵にのみ効果」とか、自由に考えてもらって結構です。この目安に当たらないものは、ゲームキーパー側でファジーに対応します。また、この目安に則り、見事にゲームキーパーの盲点を突いて、「発動率が高くてすんごく強い」能力を作った場合はおめでとうございます。ゲームキーパーの独断で、勝手に発動率を減らします。ただし、ゲームキーパーが勝手に減らせるのは、最大でも20%までです。
特殊能力の発動率計算例
特殊能力:とても美味しそうなカレーを作り、自分と同じマスにいる敵キャラクター全員に勧める。とても辛いので食べたら死ぬ。
発動率:90% 成功率:0%
<計算>
基本発動率…… 80%
基本発動率…… 80%
低成功率ボーナス…… + 100%
スキルポイント(料理:5ポイント)…… + 15%
スキルポイント(料理:5ポイント)…… + 15%
効果範囲(自分と同じマス)…… - 0%
効果対象(自分と同じマスの敵全員)…… - 5%
効果(即死)…… - 100%
効果対象(自分と同じマスの敵全員)…… - 5%
効果(即死)…… - 100%
計:発動率90%
解説:もしも効果範囲が「周囲1マス」(-20%)で、効果対象が「効果範囲内の対象全員」(-25%)であれば、発動率は50%になります。ただし、「敵が一人でもカレーを食べなければ、己の料理を恥じてその場で潔く割腹する」などがあれば、「自分に何らかのマイナスがある」ので+40%して、発動率90%になります。
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特殊能力:刃物を焼きなおし、縦横2マスにいるキャラの敵味方全員の刃物を鍛えなおす。攻撃力+2。
発動率:30% 成功率:100%
<計算>
基本発動率…… 80%
基本発動率…… 80%
敵味方の区別なし…… + 5%
スキルポイント(鍛冶:10ポイント)…… + 30%
制限(刃物のみ)…… + 20%
スキルポイント(鍛冶:10ポイント)…… + 30%
制限(刃物のみ)…… + 20%
効果範囲(縦横2マス)…… - 30%
効果対象(効果範囲内の対象全員)…… - 25%
効果(攻撃力2ポイントアップ)…… - 50%
効果時間(永続)…… - 35%
効果対象(効果範囲内の対象全員)…… - 25%
効果(攻撃力2ポイントアップ)…… - 50%
効果時間(永続)…… - 35%
計:発動率-5%
解説:発動率が-5%、この能力は強すぎるということになります。効果範囲を「縦横1マス」(-10%)にし、効果対象を「範囲内の任意の相手一人」(-0%)、効果時間を「2ターン」(-10%)にすれば、発動率を65%にすることができます。