【3】


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霧はどんどん濃くなって、なにも見えません。
はなれないように、ふたりは手をつなぎながら先へすすみます。

「お姉ちゃん、そこにいる?」

「ここにいるわよ、ジーク」

「お姉ちゃん、そこにいる?」

「ここにいるわよ、ジーク」

「お姉ちゃん、そこにいる?」

「あなたがつかんでるのはなにかしら、手をはなすわよ、ジーク」

ふたりが霧のなかをぬけると、ちいさな小屋をみつけました。
くるくると小屋のまわりをまわって見ますが、やっぱりちいさいです。

「こんなところに人がすんでるのかしら。山のてっぺんに、ブタ小屋があるとはおもえないし」

とりあえず、ノックをしてみる事にしました。
ガンガンガン、ガンガンガン。
するとどうでしょう、中からしわがれた声がかえってきました。

「あいてるよ、どうぞ」

その声をきいて、ふたりは中にはいることにします。
中にはいると、暖炉のまえに白い服をきたおじいさんがすわっていました。

「なんだ、ひとちがいじゃない」

その姿を見て、ジークリンデはため息をつきました。
おじいさんも、ため息をつきます。

「はいってくるなり、ひどいことばじゃな」

ふたりは無言でみつめあいます。
そのあいだを、ジークフリードがさえぎっていいました。

「とつぜんの訪問もうしわけありません。僕はジークフリード、そして姉のジークフリデ。
 知恵者とよばれるあなたに、知恵をかりにけわしい山をのぼりました。どうかよろしければ、
 僕たちにお教えねがえませんでしょうか」

そのことばをきいて、おじいさんは顔をゆるめました。

「まだちいさいのにかんしんな子じゃ。わしでよければ力になろう」

そういって手をのばし、イスにすわるようにうながしました。
ジークフリードは、にっこりとしてイスにすわりました。
ジークフリデは、ブッスリとして弟のあたまをたたきました。

「どうしたの、お姉ちゃん?」

「あなたのあたまに、アブがとまっていたのよ。あぶなかったわね」


暖炉の火にあたり、イスに座りながら、
ふたりの話をきいて、おじいさんはうんうんとうなづきます。

「なるほど、母親の病をなおすためか、なるほどなるほど」

ジークフリードはききました。

「どうでしょうか、なおるでしょうか」

おじいさんはくびを横にふってこたえました。

「わしにはできんのう」

そのことばをきいてジークフリデはおこります。

「もったいぶって、そのたいど? ひっしに考えられるように、この家に火でもつけましょうか?」

「あわてるんじゃない、わしには無理じゃが、なおせる人物をさがすことはできる」

そういうと、奥からおおきな鏡をはこんできました。
その鏡はとてもおおきく、おじいさんとふたりの姿がまるまるとうつっています。
おじいさんはいいました。

「これはウツシミの鏡といってのう。問いかけさえすれば、それを解決できるものを
 うつしてくれるのじゃ」

おじいさんは杖をぐるぐるとまわしながらいいます。

「カガミよカガミ、ジークリンデとジークフリードの母親が病気でこまっとる。
 なおせる人物は、オマエにわかるかのう」

するとどうでしょう。
鏡の表面がゆらゆらとなみうち、ひとりの男をうつしだしました。
ジークリンデとジークフリードは、その姿をみておどろきました。
そうです、鏡には黒い服をきた男がうつしだされていたのです。
おじいさんは、鏡をみていいました。

「これが、おまえさんがたのお母さんをなおせる人物じゃのう」

「どこにいるの?」

ジークリンデは、右うでのそでをひっぱりながらたずねます。

「おねがいします、おしえてください」

ジークフリードは、左うでのそでをひっぱりながらたずねます。


「わしにはわからんのう」

ふたりは肩をおとしました。
そのひょうしで、おじいさんのそでがやぶけてしまいました。

「そんなにおちこむな、ふたりとも。これをかしてやろう」

そういって、ふたりのまえに枯れ枝をさしだしました。

「これは枯れ木棒といってな、さがし物のほうがくをしめしてくれる品じゃ」

おじいさんは、枯れ枝をほうりなげてとなえます。

「枯れ木棒、枯れ木棒、黒い男はどこにいる」

枯れ木棒はくるくるとおちてきて、はしを一方にむけました。

「ほんとうかしら」

ジークリンデは、それをひろって自分もためしてみる事にしました。

「あいての姿をおもいうかべながら、ほうりなげなさい」

ジークリンデはおじいさんのいうとおり、姿をうかべながらほうりなげました。

「枯れ木棒、枯れ木棒、お父様はどこにいる」

するとどうでしょう。
枯れ木棒は、お城のほうがくにはしをむけました。

「なるほど、さっきのすがたをおもいうかべながらやればいいのね」

「これをおかりしていいんですか?」

ふたりのことばに、おじいさんはいいました。

「かしてあげるが、ひとつたのまれてくれんか。わしも、さいきんこしが痛くてのう。
 もし男がなおせるのなら、それもきいてきてほしいのじゃ」

「わかったわ、おじいさん」

ジークリンデとジークフリードはうなづきました。

おじいさんにお礼をいって、ふたりは山をおります。
ときどき枯れ木棒をほうりなげながら、ふたりは旅をつづけました。

「枯れ木棒、枯れ木棒、黒い男はどこにいる」

「ささぬとお前をへし折るぞ」

「枯れ木棒、枯れ木棒、黒い男はどこにいる」

「ささぬと火をつけ薪にする」

「枯れ木棒、枯れ木棒、黒い男はどこにいる」

「ささねばお前は用なしだ」


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