【2】


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ずんずん、ずんずんとジークリンデはさきに歩いていきます。
ジークフリードは、そんな姉にききました。

「お姉ちゃん、ところで、どこへいけばいいか知ってるの?」

「さあ? このまま歩けばそのうちどこかにつくんじゃないの?」

ジークフリードは、目の前がまっくらになりましたが、そこは男の子です。
たおれそうになるのをがまんして、ジークリンデにいいました。

「あてずっぽうじゃだめだよ、お姉ちゃん。だれか、知ってる人をさがそうよ」

「その知ってる人ってどこにいるの?」

そんなことをはなしながら道を歩いていくと、ひとつの街がみえました。
人がたくさんいますので、なにか知ってる人もいるかもしれません。

「ちょうどよかったわ。あそこで、何かきいてみましょう」

ふたりは街にはいって、人がおおそうな場所をさがしました。
街の酒場では、いろんな人がたくさんいます。
たびびともいっぱい、います。

「ここなら、知ってる人がいるかもしれないわ」

「そうだね、お姉ちゃん」

さっそくふたりは、あたりの人にたずねることにしました。

「すいません、おききしたいのですが」

「なんだいボウズ、ここにはママのミルクはおいてないぜ」

どっとわらいごえがまきあがりました。
そのこえにおされて、ジークフリードはしょげかえります。
ジークリンデは、つかつかとあゆみよっていいました。

「わたしたち、ミルクはもう口にあわないわ。あまいコーヒーでもいただこうかしら」

「はいわかった、おじょうちゃん。コーヒーふたつだね」

ジークリンデは、ジークフリードの尻をたたきイスにすわらせます。
ふたりがすわって待ってると、酒場の主人が飲み物をもってきてくれました。


「こどもふたりで、こんな場所になんのようだい?」

酒場の主人はふたりにたずねました。

「わたしたち、人をさがしているの。病気を治すほうほうをさがしているの」

「そうかい、それはかんしんだね。でもそういう人はここにはいないな」

しゃべる酒場の主人の口に、ジークリンデは金貨をいちまいつっこみました。
主人は口のなかのものをみて、目をまるくします。

「これで口がかるくなったかしら?」

主人は、金貨とジークリンデをこうごにながめます。
がぶりと金貨をかじりました。
もちろんにせものではありません。
そんな主人のひたいに、ジークリンデは金貨をいちまいなげました。
ピシリとおとがして、主人はあたまをおさえます。

「これであたまがよくなったかしら?」

「ああ、ありがとう。おかげでおもいだしたよ、口もうまくまわりそうだ」

酒場の主人は、まどからみえる山にむかってゆびをさしました。

「あの山のてっぺんに、じいさんがすんでいるよ。その人なら、なにか知ってるかもしれないな」

「その人のふくは黒かったかしら?」

「さあ、そこまではよくおぼえてないな」

「ありがとう、それじゃあいってみるわね」

背負い袋をもってジークリンデは酒場をでようとしましたが、だれかがそでをひっぱります。
みると、ジークフリードがふくのはしをつかんでいます。

「どうしたの、ジーク?」

「お姉ちゃん、僕もうつかれたよ。きょうはここでやすもう」

ジークリンデは頬をはりたおして先をいそごうとおもいましたが
しばらくたちどまって、かんがえなおしました。
よくよく考えてみれば、その人がさがしている人なのかまだわかりません。
腹がへっては山をのぼることもむずかしいでしょう。

「わかったわ、ジーク。ひさしぶりに温かいスープでも食べましょう」

「うん、そうしよう。お姉ちゃん」

ふたりはここに泊まってやすむことにしました。
ひさびさのベッドと、あたたかい食事です。
ジークフリードはおなかがすいていたので、5はいもおかわりしました。
ジークリンデは2はいおかわりして、弟の皿からおかずをはんぶん横取りしました。
ジークリンデとジークフリードは、つぎの日の昼になるまでぐっすりとねむりました。


たっぷりとやすんだふたりは、山にのぼることにします。
お日さまがさんさんと照っていて、とてもいい天気です。
ジークリンデの足どりも、ついついかるくなります。
ジークフリードは、そんな姉のあとをやっとのことでついていきます。
やまのなかほどあたりで、ジークリンデが足をとめてやすむと、
ジークフリードはそのばでたおれてしまいました。

「はしたないわねジーク、そこはベッドじゃないわよ」

「お姉ちゃんこそ、よく床でねているじゃないか」

ねぞうのわるさを指摘され、ジークリンデはジークフリードの頭をたたいて
パンを弟の口のなかにつっこみました。

「これでも食べて、おとなしくしてなさい」

自分も袋からパンをとりだして、食事にすることにしました。
ふたりそろって石にすわり、けしきをながめます。
したをみると、街がちいさくみえます。
うえをみると、だんだんと霧がたちこめています。
街とくらべると少しさむいです。
ジークリンデは身震いしました。

「こんな場所にほんとうにいるのかしら。バカとケムリは高いところがすきっていうから、
 ちょっと不安だわ。ころげおちて目の前にあらわれればいいのに」

パンを食べおえたふたりは、さらに先をすすむことにしました。
霧はどんどんふかくなります。
山をのぼっていくふたりのすがたは、霧のなかへときえていきました。


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