固茹で卵な半熟卵 エピローグ


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作者:◆gGWjPaYNPw


俺は余りに呆気ない終わりを警察に報告する為に訪れ、夜明け迄事情聴取に付き合わされた
まぁ、しょうがない
きちんと鱗の擦過跡と、剥がされた部分迄、念入りに調べられたぜ
暫くすると再生しちまうからな、証拠が無くなっちまう
まぁ、いきなり終わるとは思ってなかった警察も、不審げなのはしょうがない
で、俺と証拠品の取り合いだ
「その紙、証拠品だから渡して下さい」
「無理。こいつは俺と同じく、人間には扱いきれねぇ代物だ。また出現したらどうする?封印出来る奴に渡すのが一番だ。それに依頼の品だし、渡せねぇよ」
そう言って俺は断固拒否
そうしてる間に、紙が俺達の見てる間に手を形成し始めて、思わず証拠写真を撮った警察が
「……復活しようとしてますね」
「……だな。ダメージ負った分の回復迄考えると……」
警察も言わずとも解った様だ
更に被害拡大なんざ、俺だってご免だ
「……警察じゃ、保管は無理です。発表は適当に害獣を見繕いましょう」
「頼むわ」
そうして、俺は証拠品と共に警察を後にし、警察署を出た途端に辺り一面の森の中に入って行く
ふん、全く用意周到だな
俺は怒りを胸に秘めつつ森の先の門を通過し、屋敷の扉を乱暴に開いた
中では倉刀と、珍しく美作迄迎えに出てやがる
「こんな朝早くからご苦労なこったな」
「いえ、一仕事終えた方には当然でしょう」
「奴は?」
「ばっちゃなら、何時も通り書斎だよ」
それを聞くなり俺は、ずかずかと進んで行く
そんな俺を二人がきょとんと見送るが、関係ねぇ
俺は書斎の扉を開いたら、思い切り振りかぶって殴りつけた
ゴォン!
凄まじい音が屋敷に轟き、二人が階下で驚いているが、んな事構っていられるか
ゴォン!!
更に屋敷を揺るがし、見えない壁を壊すべく殴りつける
ドゴォォン!!
爆発かと思われる位の凄まじい音が鳴り響き、俺は壁を無理矢理壊して侵入する
「よぉ、全ての元凶」
「……最近の挨拶は派手だな」
奴が書いてる物から眼を離さずに答えた
全く、何処まで傲慢なんだコイツは
「てめぇは、生きてちゃなんねぇ。遺書は書いてるな」
「遺書か……面白い、今度書いてみるか。そもそも、私は一度死んでるぞ?もう一度殺せるか?」
「なら、死ぬまで殺してやる!!」
俺はそう言って踊り掛かったんだが、奴の方が一枚上手だった
畜生、いつの間にかトライデントが空中に4本浮いてやがる!?

トライデントは正確に俺の四肢を貫き、そのままの威力で俺を跳ばして壁に貼り付けた
「俺はどっかの宗教家じゃねぇ!!」
「魚にトライデントは似合いだろう?」
この野郎
「さっきの会話中に『創作』しやがったな?」
「そういう事だ。では回収するか」
そう言って、いつの間にか銀髪と赤目を光らせ、そして冬なのに袖の無い、胸元が良く見えるワンピースを着ている
……コイツの感性は理解出来ねぇ
俺につかつか歩み寄ると、身体を触れてごそごそやっている
両手両足を貫かれて痛いのに、コイツの身体は実に気持ち良い
それがムカつく
「おっ、有ったな。確かに回収したぞ」
奴は不敵な笑みを俺に向けて、また机に歩いて行く
「あぁ、この格好か?サービスだ。私に触れるのは心地好いだろう?」
…見透かしてやがる
ギシ
奴の椅子が軋み、両肘を机に付いて手を組み、その上に顎を乗せる
畜生、何で奴はこうも似合うんだ?
「で、何が不満で殺意を向ける?私は依頼した。お前は達成した。契約に何ら問題は無い」
「…ざけんな!てめぇの『創作』で何人死んだと思ってる?『創作』された奴は……朱麗は苦しんでたじゃねぇか!!」
「何を異な事を。だから、お前を使って回収したのではないか?駄作だから破り捨てたんじゃないか?そんな事も判らぬのか?」
ハルトシュラーの眼は喜悦に歪んでいる
明らかに俺の激昂を楽しんでいる
「てめぇは、人を、『創作』を何だと思ってやがる?だったら創作なんざすんじゃねぇ!!」
奴の身体が震え出した
何が壷にハマった?
「………クックックックッ、あっはっはっはっはっ!!そう、それだ!やはりお前は面白い。良いぞ良いぞ!クククク、そう、『創作』に失敗は『憑き物』だ!!『創作』は全てに優先する!!」
畜生、やっぱり狂ってやがる
「お前は何だ?アジョ中、お前は何時から存在する?何時からお前になった?何時からお前は、魚と人が『干渉』されて出来上がった?
答えられるか?無理だろう?何故ならお前は私の『創作』ではないし、ある意味、私と同じモノだからな」

笑いの発作そのままに、創作の修羅が俺をそのピジョンブラッドルビー、ルビーの最高峰の輝きもかくやの目線で刺す
正に奴の言う通り、俺は俺という存在が何故居るかは知らねぇ
「いい加減にしろよ、てめえ」
「ハッハッハ、何がだ?そう、『創作』だ!人類が今まで発展してきたのは全てが創意工夫の『創作』がもたらした!『創作』を止める?馬鹿な事を言うな!!」
そう言って、奴はまた俺に近寄り、俺の胸に指を当てる
「だが私の創作を『壊す』のは夕鶴だが、『干渉』出来るのは貴様だけだ!!より面白い『創作』になるなら、私はお前を使うぞ?そう、全ては『創作』の為にな。あっはっはっはっはっ!!」
奴は狂気の笑いをそのままに書斎を出ていき、暫くしてからトライデントが全て消え、俺の身体の傷も消えていた
「……いつか全てを終わらせてやる」
俺はそう決心して、屋敷を後にする
そんな、俺とハルトシュラーの狂気のやり取りを見てた美作は非常に気まずい表情をし、倉刀は特に表情も変えずに俺を送り出した
二人共に無言なのは、人外同士のやり取りに、口出し出来るとは思わなかったからだろう

そして今、俺は何時もの河川敷で寝っ転がり、適当に惚けている
「あっ、しまった、報酬受け取り忘れた」
やっちまったよ、畜生
俺から奴の家に行ける訳がねぇ
すっかり只働きじゃねぇか
「畜生、ふて寝だ」
そう言って俺は徹夜した分を寝る事に費やした
………
「おい、起きな。じゃないと『壊す』よ?」
その言葉にがばりと起き上がると、居たよ
ハルトシュラーも嫌いだが、コイツはそれに輪を掛けて死亡フラグを沢山立ててくれる、正に破壊の化身
「何で夕鶴がいんだよ?お前の住処違うだろ?」
「なんだい?失礼しちゃうねぇ、せっかくハルトシュラーから預かって来たのにさ」
そう言って俺に分厚い封筒を差し出した
「確かに渡したよ」
「…あ、あぁ」
「それとコイツ」
そう言って差し出したのは、活き伊勢海老だ
「ウヒョー。高かったろ?」
「まぁね~。でも私もハルトシュラーと同じで金には困って無いからね。相場『壊せ』ば、何時でも金は手に入るし」
自由人の発言だな、おい
「あ、まさかてめぇ、リーマンショックは」

「あっはっはっはっはっ、ちょっとやり過ぎたよ、うん。あれで兆単位儲けたし。いやぁ、ケイマン諸島からアクセスしたから租税回避で丸儲け」
ハルトシュラーも人の敵だが、コイツはコイツでやっぱり人の敵だ
「あのね、最初から全部私のせいにしないでよ。ナイアガラのシステム作り上げたのは人間で、私はそれに乗っただけよ?」
「そうかい、頭から尻尾迄全部食えるんじゃ、さぞかし美味いだろうよ」
文字通り、頭から尻尾迄伊勢海老を平らげて皮肉る
相場の格言、頭と尻尾はくれてやれを無視出来るんじゃ、そりゃ強いだろうよ
そんな夕鶴が俺に手を差し出した
「何だよ?」
「伊勢海老代頂戴」
「お前、金には困ってないって」
「それとこれとは話は別。私はあげるとは言って無いわ。勝手に食べたのはあんた。私の昼食勝手に食わないでよ?」
ニヤニヤしながらこっちを見ている
「ハメやがったな?畜生」
「あぁ~ら、何の事かしら~?」
くっ、確かに差し入れとは言ってねぇ
「…幾らだ?」
「今何日か知ってる?」
「さぁ?」
「1月2日、初物競りで落札した御祝儀物」
俺はその言葉にさぁって、血の気が引いていくのを感じる
まずいぞ、おい
「御祝儀相場で300万。さぁ、耳を揃えて払って貰いましょう!!」
わざわざ領収書迄呈示して、俺に突き付ける
畜生、世の中は血も涙ねぇ!!
「ちょっと待て!俺はツケを払いに行かないと……」
「知ったこっちゃ無いね。さあて、鬼ごっこの始まり始まり~」
俺は一気に駆け出し、夕鶴が限界を『壊し』て、猛スピードで追って来る
畜生、俺は結局こうなる運命なのか?


俺は、ハルトシュラーも夕鶴も大っっっ嫌いだぁ!!!!!!!!

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