固茹で卵な半熟卵誰のせい?

作者:◆gGWjPaYNPw

警官達を撒いて、俺は魚屋の所で活き車海老をバリボリ食っている
やっぱり活きだよな、うん
「あっはっはっは。助かったよ、アジョ中さん」
隣に居るのは例の女だ
因みに俺が警官に追われるのはこの街じゃ風物詩でね、誰も気にしない
ちょっとは気にして欲しいぞ。毎回撃たれる身にもなってくれ
「ゲッフ。助けた礼にしては足らねぇ。親父、後20匹」
「毎度」
俺は、食える時に食う主義だ
じゃないと、次がいつか分からんからな
「でさ、本当に付き合ってくんない?人捜ししに来たんだけど、全く手掛かりなくって、困っちゃってさ」
知らん、俺も紙捜し中だ
海老を喉に滑り込ませる感触に舌鼓を打ちながら、俺はごくりと飲んでゲップをして反論しようとすると
「やた、サンキュー。じゃあ明日、あそこの喫茶店に10時ね。じゃね~」
……ちょっと待て、今俺は顔を上に上げて海老を食ってたのを、元に戻しただけだ。断じて頷いてねぇ
「おい、ちょっと待て……」
俺は、走り去った女をそのまま追い掛けようとした所を、ガシリと掴まれた
「困りますなぁ、アジョ中さん。代金を支払って貰わないと」
……あ
「おま、礼……」
チクショウ、魚屋の親父が、後ろででかい包丁抜いてやがる
あれ、鮪包丁だろ?
「全く、何時も何時も無銭飲食かましやがって。さっさと溜まったツケ払えよ?ああん?」
「……ツケで」
「ほう、そうかい」
俺のえら蓋に、ぺしぺし包丁当てるの止めてくんないか?マジで生きた心地しねぇよ
「いやぁ、この包丁高かったよ。どうしても大物捌くのに必要でねぇ」
「…そいつぁ、豪気だね。で、何を捌くんだい?」
「あんただよ、アジョ中さん。今日という今日こそは、三枚におろして店頭に並べてやる!覚悟しろ、鯛野郎!」
俺は一目散に逃げ出した
魚屋の親父は、もぅえれぇ形相で鮪包丁持って、暫く鬼ごっこしちまったよ

俺はアジョ中、人外だ
銃なんかより、包丁の方が余っ程怖ぇ
これも全部、ハルトシュラーのせいだ
そうに決まってる

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最終更新:2012年03月13日 17:22
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