固茹で卵な半熟卵災難


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

作者:◆gGWjPaYNPw

「やっと……街に着いたぜ」
あれから二週間を樹海の中でさ迷った
お陰で体力使う為に、スイミーを食い尽くしちまった
荒事に使うパワーが必要になったら、どうしてくれる?
暫くはひたすら歩いていき、また新聞紙が木枯らしに乗って飛んで来た
紙面のトップは、まだ連続殺人らしい
犠牲者が更に増えている
まぁ、俺の依頼には関係無い
何故なら俺の依頼品は紙、しかも高い確率で文字がびっしり書かれた紙だ
ハルトシュラーがわざわざ俺に依頼したからには、多分俺達と同じく普通じゃないと思うんだが、あんまし期待出来ねぇ
なんせ『創作』中のアイツは、基本的に完成するまで引きこもってる
煩わしい事を適当に与えて、『創作』のネタにしてる可能性は否定出来ない
何故なら、アイツはそういう奴だからだ
『創作』の為なら何でもする、奴に取って金なんざ必要ない
だから、『創作』のネタになるならあっさり使う
つまり、俺は奴の『創作』のネタとして、要求されてる場合が非常に高い、ってか十中八九そうだろう
弟子共にはアレでもスパルタで、自分の弟子なら『創作物』で収入を得よと、一切金を渡してないらしい
まぁ、食と住が保証されているから、問題無いのだろう
最も、食事は倉刀達が担当してるので、あんまり説得力ねぇな
さて、取りあえずは飯をと思ったが、小銭がねぇ
……仕方ない、河原行って手長海老やスジエビ漁るか
そう思ってつらつら街から河原に向かって歩いて行ったんだが、検問張ってやがる
一体何なんだよ?
まぁ、人外の俺でも多少しか気にせず接してくれるこの街の連中には、助かっている
素直に検問待ってても文句すら言われねぇし、子供がきゃあきゃあ騒ぐ位だ
検問張ってる警官に着いたので聞いてみた
「よう、仕事ご苦労さん」
「あぁ、アジョ中さんですか。今回は貴方の仕業じゃないですよね?」
「何か有ったのかよ?今の今まで、樹海で迷子になってたぜ」
そう言って、俺は服に付いてた葉っぱを渡した
遺伝子検査すりゃ、警察なら生息地証明が出来る、つまりアリバイの証拠だ
「ありゃ、証拠迄渡されちゃ、違いますな。例の連続殺人です」
「何だ、この街で起きてたのかよ?」
「いえ、今回が初めてです。手口で分かったんですよ」
「ま、頑張ってくれや」
「また、射撃の的になって下さいね」
「ごめんだ、馬鹿野郎」

どうにも警察の連中は、俺を射撃の的と勘違いしている
俺には人権が無いのか?
……人外に有る訳ねぇよな
検問を抜けて河原に向けて歩いていたら、前方から前を見ずに全力疾走してくる女が走って来た
ったく、前位見ろよ、おい
俺は道端に避ける為に身体を端に寄せると、何故かそいつも俺の方に方向を変えて来る
……狙ってんじゃねぇだろうな?
だから、逆に避けてみた
……同じ方向に進路変更してくる
ロックオン機能付きかよ、チクショウめ
最近の女はとんでもねぇな
そんな事を思いながら、正確に女は俺の胸に着弾しやがった
「ぐっは」
えぇえぇ、二人まとめてどんがらがっしゃん
まぁ、当然っちゃ当然
「ってぇな!前見て走れよ、チキショー」
絶対に俺は悪くないと思うぞ?そう思うよな?
そしたら、女が開口一番、俺に怒鳴りつけやがった
「ちょっとあんた、どこに目を付けてんのよ!」
「どこって、横だな」
魚だもんよ
俺を見た女は指を差して暫くパクパク口を開閉して、お前の方が魚だろ?
「さ、鮫~~~!」
何だよ、鮫に見えてんのか
そりゃ、怖いだろうよ
「俺は避けたのに、突っ込んで来たのはそっちだろ?謝んのが礼儀じゃねぇか?」
鮫に見えてんなら、口を開いてみっか
牙がずらりと見えておっかないだろ?
「あら、お婆さんたら大きなお口」
……余裕じゃねぇか
全く、変なのに関わっちまったな
さっさと河原に行くか
「分かった、俺が悪かった事にしとくから、謝るわ。じゃな」
そう言って、俺は河原に向かおうとしたら、ガシリと腕を掴まれた
全く厄日だな、おい
「んだ?慰謝料請求か?文無しだから、今から漁すっけど、山分けで勘弁してくれ」
「ちょっとあんた、鮫なら強いんでしょ?ちょっと付き合いなさい」
……なんつう自己中
全く、世の中には俺しかまともな奴は居ないのか?
「あっ、居たぞ………アジョ中さん、あんたやっぱり関わってたんじゃないですかぁ!」げっ、検問の警察官
って事は、この女まさか

「…つかぬ事聞くけど……検問突破した?」
「うん」
最悪だ。何でこうなる?
次の事態なんか、容易に想定出来る
俺は思わず女を庇って盾になり
パンパンパンパンパン
うわぁ、ニューナンブ五発全弾ぶち込まれた
服に穴が空いて、弾が明後日の方向に跳弾していく。あぁ、鱗と粘液のお陰で拳銃弾は弾くのさ、俺。直角に当たらんとこうなる
でも、痛い事には変わらねぇ
「庇った!やっぱり仲間だったんですね?」………いや、庇うだろ?それにしても、嬉しそうに応援要請してやがる
「それじゃ、アジョ中さんいきます!」
げっ、リロードしやがった。スンゲー嬉しそう
因みに俺の視界は360゜だからな、背中側も見えんだよ
「今日こそクリティカルヒットォォォォ!」……いい加減にせぇよ、おい
俺は思わず女を抱き上げて走り始めた
全く、トリガーハッピーな警官なんざに、構ってられるか
パンパンパンパン
いやもう勘弁してくれ
……俺は、ハルトシュラーが大嫌いだ
奴の依頼は、災難しか寄越さねぇ

※※※※※※※※※※
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。