固茹で卵な半熟卵 共闘

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作者:◆gGWjPaYNPw ---- 俺はまた木枯らしが吹く中、街を闊歩している 何処に行けば良いやらだ 「あ、アジョ中さん居た!」 ちっ、警官に見つかった 逃げるか 「待って下さいよ。アジョさん捜索の仕事請けてるって、聞いてますよ?警察と情報交換しませんか?」 俺はぴたりと立ち止まる 情報は有るに越した事は無い 「公務執行妨害は良いのか?」 「野を行く獣に、法律は適用されません。人に害を成す場合のみ、駆除されます。貴方は言わば獣ですからね。獣が通り道を通った時に、偶々我々が居た。そうでしょう?」 そう言って笑ってくれた 「あぁ、そうだな」 本当に融通きくな 「そう言ってくれると助かる」 「何時も的になってくれてますからね。お陰でうちの署、射撃競技の成績全国でも良いんですよ。署長も鼻が高いらしくて」 「痛ぇんだぞ?あれ」 「まぁまぁ。じゃあ署迄来て下さい。資料用意してます。その代わり、現場の遭遇時の話を聞かせて下さい」 俺は頷いて、警官の後を付いて行った だが、木枯らしが吹きすさぶ中、奴が俺達の前にトンと着地しやがった 狙いは何だ?俺か? 「…奴だ」 「了解……こちら飯島、参考人と遭遇。応援頼む」 《ザッ……了解……ザッ》 警官が無線で応援を呼び、一気に場が張り詰める 拳銃を手を掛けた警官が周囲に呼び掛けた 「皆さん、退避して下さい」 さぁっと人気が無くなっていきやがる 流石、銃撃に慣れてる街の住人達だ。訓練され具合が半端ねぇな 「ちょっと、アナタに連続殺人事件の容疑がかかっております。疑いを晴らす為にも、署まで同行願いませんか?」 「……殺人?何の事だい?」 奴が動いた瞬間、俺も動いた あの動きは人間には追えねぇ 俺が警官の前に立ちはだかり、奴の手刀をがしりと受け止めた 「つっ……今だ!」 「アジョさんナイス!」 警官が俺の肩口から銃口を向けて、ゼロ距離で発砲 バン くぅぅぅ、至近の銃声はキツイねぇ んで、奴は軽々と首を捻って避けやがった そのまま、俺の手を振り払って軽々と飛んで警官の背後に着地 不味い!? 警官と俺が振り返った瞬間、警官の胸を手刀が突き刺さった そのまま手をずぼっと抜き取り、その手には心臓が握られている 地面には、警官の血がだだぁと流れていく 糞っ、俺とした事が何たる失態。せめてコイツだけはふんじばる! 俺が突進して殴り掛かると奴はバックステップで下がり、そのまま手にした心臓を食い始めた グチ、グチ 「てめぇ、マジもんのカニバルかよ?」 食い終わった奴は、興味無さげに答えた 「知らないね。食事すんのに、一々文句言われる筋合いは無いね。あたいはこれしか喰えないんだ」 「……お前、人間の中では生きちゃなんねぇな。悪いが命………貰うぜ」 それしか喰えない。奴も俺と同じく、人外の悲哀を秘めてる訳か だが、同情は出来ねぇ 俺は、この街の住人だからだ 力は滅茶苦茶溜めている。魚屋の親父よ、感謝すんぜ! ダン! 俺の足は派手に地面を蹴り一気に奴に跳躍し、全体重を乗せた拳を捻りを込めて突き出した 俺からのスクリューブロー、たんまりご馳走すんぜ 奴はその場で回転して避け、俺も回転して後ろ回し蹴り ドカッ よっしゃ、威力は無いがヒットしたぜ 地面に叩き付けられた奴が、飛び起きるのを狙い済まして更に追撃の打ち下ろし ドゴン! 奴と一緒に地面迄殴っちまった 歩道に敷き詰められた煉瓦を割っちまったよ 現行犯捕まえる為だから堪忍な だが、それでも奴は軽々と跳ね起きる ダメージ無いのかよ? 「……効いた。アンタの心臓喰らえば、目標がずっと早く達成出来そうだ」 俺を的にするって? 歓迎だ、被害が減るぜ 「だが、まだアンタを喰うには力が足りない。もうちょい喰わないとねぇ」 ちょっと待て 「やらせるかよ!今ここでケリ付けてやる!!」 今より力蓄えられたら、堪らねぇじゃねぇか 俺が奴を逃がさない様に殴り掛かり、奴が逃げ出す隙を与えないよう猛攻を加える ちょっと逃げ出そうとしたら、すかさず脚を引っ掛けて転ばすのさ ダカダカと武装した足音が響き、俺達の現場に増援が到着してきた 「……飯島!?」 「済まねぇ。奴が犯人だ。目の前で心臓食いやがった」 「……射殺を許可する。総員発砲準備」 警官達が拳銃を構えて、ズラリと取り囲む 風が一際吹く中、俺は、その中に突進していった 「お縄を頂戴しやがれ!」 「はっ、アホらしい」 俺が殴り掛かるとそのまま避け、奴の背後から警官が発砲し、俺に当たって跳弾する 跳躍した奴はそのまま発砲した警官の背後にクルリと飛び降り、そのまま後ろから前に手を伸ばして胸を抉る 「ゴフッ」 だが、その隙を警官達は見逃さなかった 周りに居た警官達がすかさず左右に陣形を組んで、狙いを済まして発砲 パパパパン! 今殺られた警官にも当たってるが、仕方ない 何せ、目の前で心臓抉られたの見ちまったからな、ありゃ助からねぇ にしても、冷徹な判断が下せるこの街の警官マジスゲーなおい 普段何を相手にやってんだ? で、肝心の奴には 「…クロスファイアで無傷だと!?」 そう、全弾回避しやがった さっき、俺の攻撃が当たったのが嘘みてぇ そのまま俺達の前で心臓を食べ、また空を見やがった 何なんだ、あの仕草? そして来た時と同様、一気に跳躍して逃げ出しちまった 俺達を、さっきとは比べモノにならない木枯らしが撫でている 「糞っ、取り逃がした」 「……アジョさんは、大変良く頑張ってくれましたよ」 警官達が仲間の遺体に手を合わせている 俺も中に混じって、手を合わせた 「では、資料を作成したいんで、同行願います。どうやら、アジョさんが必要らしい。捜査費で補給物資も用意しますよ」 「……あぁ」 どうやら、警察に力を貸さないといけなくなっちまった 遠くから救急車とパトカーの音が鳴り響く中、警官の聴取に応じながら、俺は今の出来事を反芻した 奴の動き、仕草 絶対何かを見落としている きっと、それが奴を仕留める鍵になる だから、細かい事でも思い出せ 奴は俺と同じく人外だ。動きがいきなり変わったのは、人間とは違う理由がある 俺は大して良くない頭を巡らせつつ、必死に考えた 絶対俺の手でケリつけたる 待ってろよ、心臓食い ※※※※※※※※※※

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