第一話 波旬の通勤
「ありがとうございましたー!」
波旬が家から出た後立ち寄ったのは最寄りのコンビニだった。朝食代わりのカレーまん二つと、昼食のカレー弁当を購入し、カレーまんは通勤しがてら食べる。
波旬「・・・」ビリビリ、ムシャムシャ、ハフハフ、ゴックン。ガサガサ、ビリビリ、ムシャムシャ、ハフハフ、ゴックン。
黒地に白字で無数の「俺」と印刷されたTシャツと、同じく背中に無数の「俺」と刺繍された(おそらく手作り)のジャケットを着たガングロ金髪チビ青年がカレーまんをウマそうもなく、むしろ不機嫌そうに食べているというのはもはやシュールともいうべきものであったが、別にカレーまんが不味い訳ではない。彼を怒らせている原因は他にあった。
「最近の我が社の収入が落ちています」
数十分ほど前この情報を送ってきた割と使える塵、冷泉からの報告をまとめると、
「最近建築、または塵や埃の蓄積から一秒でも経っていれば一瞬で破壊する者がいるらしい」「安全性も(我が社より)高いため客はもっぱらそっちに取られている」とのことだった。
この報告を聞いた波旬は偶然近くを通りかかった色白で手足がひょろ長く、なぜか蜘蛛を思わせるような男を滅尽滅相していた。
波旬「(このオレを差し置いて塵掃除だとぉ!?認めんぞ・・・オレの天狗道(職域)に土足で足を踏み込んだ塵屑が・・・!許さんぞ・・・!見つけ出してオレの糞を食わせて滅尽滅相してくれるわ・・・!)」
そう心に誓いながらゴミ箱にカレーまんの包み紙を投げ捨て職場へ足を進める。道中、チンチクリンなガキや白髪白面の兄妹(男の方は音楽グループ「グランなんちゃら」のメンバーに似てた気がする)をみかけたり、白髪・眼帯のバイク便を見かけたりとなんだか今日はいつもの通勤よりもイロモノが多かった気がする(一番のイロモノは喧嘩してた男二人を遠くから眺めていた赤髪の女である。なんかメモとってたし)が波旬はやっと自身の職場に到着した。ビルの看板には
「ありとあらゆる掃除を承ります マルチクリーニング ハ・ジュン」
......ネーミングセンス・・・いや、なんでもない。
- ゴミ箱にカレーまんの包み紙を投げ捨てって、掃除の仕方普通か!!w -- 名無しさん (2012-06-06 09:26:31)
- シュピーネさんww -- 名無しさん (2012-06-06 18:30:13)
- あれ、じゃ獣殿はリサイクル屋? -- 名無しさん (2012-06-07 16:01:44)
- マッキーか夜行のことだよな。下手すりゃ両方。 -- 名無しさん (2012-06-08 18:31:20)
- 十数万人の優秀な射干がいる大企業じゃないか。 獣殿の戦奴は数百万だが -- 名無しさん (2012-06-10 20:37:19)
- ↑世界中に均等に射干がいるとして、射干を20万とし世界人口を60億とすると3万人に一人、日本人口を1億とすると、射干が3333人いることになる。…なんか嫌だ -- 名無しさん (2012-06-15 22:02:04)
- このコメントな滅尽滅相されました -- 名無しさん (2013-03-15 22:41:49)
- 飢えているのだろう?飽いているのだろう?求めているのだろう?ああ、なぜ創らないのだ?壊さないのだ?満足していないのだろう?物足りないので あろう?何を恐るのだ?何をためらっているのだ? -- 他化自在天喇叭 (2013-03-21 14:07:07)
- 六条さんwww -- 名無しさん (2014-10-04 17:40:00)
- 赤髪の女ってエレ姉さん?それともルサルカ? -- 名無しさん (2017-09-27 18:44:27)
最終更新:2021年06月25日 08:00