第五属神:其の一

玲愛ルート後のマリィに、どういった神様が属神になれば長続きするのかなと思い、夜行さんの特異点潜行的な雰囲気で考えてみました。また追々追加するかもしれません。




まず我等を迎え入れた理は使命感に満ちた意思。

我等は負けぬ、我等は屈さぬ

どれほどの苦難に会おうとも決して折れることのない迷いなき決意。

なんと揺らがぬ精神か。

その意思の強さに我等も賛同せずにはいられない。

我等はその曇りなき信念を心強く感じながらこの神に同調していく。

まず強く感じた想いは『保護』

我等の黄昏は汚させぬ

我等の女神は奪わせぬ

この至高の輝きを壊すことは何人(なんぴと)たりとも許さない。

それがこの者の起源である。

生前は黄昏の世界に生まれた一人の人間であったが、他者にはない『過去と未来を垣間見る』という異能を持っていた。

しかしその人智を超えた力ゆえに、幼いころから他者より疎まれ迫害を受けていた。

唯一自身を守ってくれた生みの親も病に倒れ、誰にも苦痛を理解してもらえない孤独に震えていた。

それでも神は独りで生きてきたが、その最中(さなか)に自身にこれから降りかかる最悪の未来を予見してしまった。

もう嫌だ、痛い苦しい、我はもう生きたくない。

神はその運命に絶望し、せめて苦痛を和らげるべく自ら命を絶とうとした。

しかしその刹那、神の運命は大きく変わる。

偶然か否か、死に急ぐ神の姿を女神の触覚が見つけたのである。

女神は神の自らを殺めようとする手を止め、神を抱きしめ優しく言葉をかけた。

生みの親を失って以来、一度たりとも感じることのなかったその温もりに、神はただただ戸惑った。

こんな我を抱きしめてくれるのか?

こんな我は死ななくてもいいのか?

こんな我でも生きていていいのか?

神の疑問に対し女神は答える。

大丈夫、泣かないで、私が貴女を抱きしめる。

だから光を見失わないで、希望を捨てないで。

女神の慈愛に満ちた言葉に神は歓喜の涙を流した。

ああ、我は独りではなかった。

こんな我でも、抱きしめてくれる存在がいた。

こんな我でも、生きていていいと言ってくれる存在がいた。

我は今、今までにないほどに満たされている。

女神との出会いから生きる気力を取り戻した神は、その後の自身の未来と向き合うこととなる。

しかし神は自らの異能を駆使し、自身の最悪の未来を回避することに成功する。

その出来事から神は、『未来は自らの手で変えられる』ことを確信し、どんな苦境であろうとも生きることを決意する。

それからは女神の慈愛を受ける一人の人間として生きることとなるが、のちに神はある恐ろしい未来を予見する。

それは新しく生まれた凶悪なる覇道神によって、我らの女神が滅ぼされる未来。

穏やかで安らぎに満ちたこの黄昏が、観測者によって壊されてしまう未来だった。

虫の知らせの如く垣間見たその未来に、神は心より憤激する。

理解出来ない。ふざけるな。

なぜ女神が、この黄昏が壊されねばならない?

この黄昏は至高の輝きであり、守るべき尊い世界である。

それを破壊するなど愚の骨頂。

そんなことはさせない。絶対にさせるものか。

しかし憤激する思いに反して、神はあまりにも非力だった。

神自身には『過去と未来を見る力』以外の異能はない。

さらにはいずれ現れるであろうその覇道神は、より強大な力を持った存在である。

とてもではないが、神に覇道神と観測者を倒す術はなかった。

しかしそれでも守りたい。あの温もりを、あの輝きを、我は守りたい。

ゆえに神は女神を守るための方法を探した。

ある時は遠い平行世界、ある時は黄昏以前の過去に遡り、神はその方法を探し続けた。

そして過去の世界の中で、神はある存在達を見つけた。

それは第四天・水銀の蛇の世界、黄昏の女神とともに戦った英雄達の姿だった。

彼らならば、黄昏を守るために力を貸してくれるかもしれない。

そう確信した神は、極限まで高まった渇望を覇道のそれへと変える。

彼らを見つけるべく世界を流離った。

やがて見つけた英雄は、穏やかな日常を望む一人の青年だった。

神は自身が知ることの全てを英雄に話し、英雄に力を貸してほしいと頼んだ。

英雄は神の頼みを承諾し、自身の同胞らを集め、神ととも特異点へともぐった。

やがて現れた覇道神に神は英雄達とともに挑む。

覇道神の力は強大ではあったが、神は力を貸してくれる英雄達の励ましによって臆することなく戦った。

そしてついに神と英雄達は、観測者の触覚を討ち、覇道神を屈服させることに成功した。

これこそがこの神の真実である。

以降覇道神となった神は黄昏の守護者となることを決意し、黄昏の理に自身の渇望を新たな理として付け加えた。

流れ出させた渇望は『黄昏の守護者達とともに女神を守りたい』

この理は黄昏の世界に存在する英雄達の前世の記憶を呼び覚まし、異能を目覚めさせて呼びかける。

前世の記憶を垣間見た英雄達は、神の導きのもとに同胞のもとへと集っていく。

そして黄昏の女神を守るべく自らの命をかけて戦うのである。

この理はその渇望ゆえか軍勢変性の特性を秘めているらしく、神に同調した英雄は擬似的な神格へと跳ね上がり力を増す。

ゆえに英雄達は神と同調している限りは最強の力を行使できる。

おそらく並の覇道神では彼らに太刀打ちすることは困難であろう。

さらに驚くことは、この神の多才なる技術である。

神の持つ異能は未来を予見できるという特性ゆえに、女神に危害が及ぶ前に対策を打てるという利点がある。

さらに神は過去を見る力で水銀の蛇の因果調節の技術を独学で習得し、危険分子を事前に消去させるなどの力を見せている。

事前に危機を知り、それを因果でもって消去し、消去しきれない場合は英雄達を呼び力でもってねじ伏せる。

なるほど、黄昏の守護者としてこれほどまでに心強い神はおるまい。

これも女神の覇道神共存という特性があってこそ可能だったのだろう。

だがしかし、一見守護者として申し分ないこの神にも、一つ陥穽が存在する。

それは黄昏を守るために、時として『英雄ではない人間』も必要とすることである。

すなわち英雄達とは全く関係のない、しかし因果を調節するうえで重要な人間である。

座の存在や女神のことを知る英雄達であれば、女神のためならば命をかけることもいとわないだろう。

しかし全く関係ない一般の人間が、ある日突然世界を守るために戦ってほしいと言われて果たしてそう簡単に同意するだろうか。

ほとんどの場合は断るか逃げ出すかをしてしまうはずである。

その人間が同意をしなければ、因果調整が遅れてしまい、避けられるべき危機に直面してしまうという危険性を秘めている。

これこそがこの神の特性であり、欠点でもある。

しかし見る限り、こういった危機に直面していることはないようだ。

なぜなら、黄昏の人間達は女神を慕っていたからである。

神に関わればいずれ女神の慈しみに触れることにもなる。

そして人間は、この黄昏が守るべき価値があるものだということを理解し同意する。

つまり、事実上は欠点がないも同然の理なのである。

善政の理たる黄昏に絶対の守護たる理。

認めよう。これこそまさに、完璧な世界である。

この神、この理に咒を付けるなら『目覚めの角笛――英雄覚醒』


  • これって小ネタとSSのどっちに置いておいたほうがいいかな? -- 14番目の黒円卓 (2012-11-24 20:39:38)
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