最果ての夢

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怨霊は走る。怨霊は疾駆する。怨霊は駆ける。怨霊は這い進む。這い進んで這い寄っていく。 「そのために、たとえ世界を失うことがあっても、世界のためにそれを失なってはならない」 ある目的のために。あるもののために。ある馬鹿者どものために。ある大馬鹿者どものために。 「神聖なる狂気であり、炎であると同時に光である。あらゆる戦争でありあらゆる戦闘である。その御名においてあらゆる戦術が許され赦される」 怨霊は進む。怨霊は歩く。怨霊は歩みよっていく。それに歩みよっていく。 そこには二つの影。影は世界にして一にして、道にして、「ゆうじん」であるものども。「知り尽くす者」にして「喰らい尽くす者」である二人。 「ああ、ようやく来ましたか。遅いですよ」 「何を気取って歌っている。腫物が」 「いや、たぶん、それ、痴れ者が正しい」 「つくづくどうでもいい」 「喇叭が聞いたら泣きますねえ」 「で、首尾は?」 「どうにかこうにか。彼にはまだかろうじて気づかれていませんが秒読みの問題ですねかね」 「そこは普通時間の問題なんだが」 「ま、優秀な彼のことですからねえ。0、000000000000000000108秒あるだけましでしょうよ」 「もはや秒じゃねえし」 「そう思うならとっとと行けよ」 「お前は容赦なさすぎ。もうちょいコミュニケーションとれや。彼女さんに愛想尽かされて螺花にも嫌われるぞ?」 「そうでもないですよ。前より愛情UPされて、前より膝枕している回数増えてますし」 「その話kwsk」 「は・や・く・い・ね」 「はいはい。んで、例のルートで大丈夫か?」 「問題ないですね。運ぶには適しています。ですので素早い奪取を願います」 「OK.んじゃとっとと神野影明と空亡GETして持ち帰りますわ」 「あと、この恥ずかしいものもちゃんと返してきてくださいね。乱波が懐にいれて大切にもっていたんですから」 「………いま、キュンとしたぜ?」 「はやく行けや」 「んじゃ、行きます」 刹那なる恋の心は尊きこと神の如し 終段・顕象 伊耶那岐命

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