第12話
翌日、破壊の杖が盗まれて学院は大騒ぎになっていた。すると、ミス・ロングヒルが部屋に入ってきた
「ミス・ロングヒル!どこへ…」
「フーケの居所がわかりました」
コルベールを無視して、ロングヒルは言った
「いったい、誰に聞いんじゃね?」
「はい。オールド・オスマン。近所の農民に聞き込んだところ、近くの森の廃屋に入っていく黒ずくめのローブの男を見たそうです」
「そこは近いのかね?」
「はい。徒歩で半日。馬で四時間といったところでしょうか」
「なるほどの…。では、捜索隊を編成する。我と思う者は、杖を掲げよ」
誰も杖を掲げない
(まったく…誰も、おらんとは…)
すれと、ルイズがすっと杖を顔の前に掲げた。それを見てキュルケが。キュルケが杖を掲げたのを見て、タバサが杖を掲げた
「君たち!君たちは生徒じゃないか!!」
コルベールが驚いて声をあげた
「いいではないか」
「しかしですね…」
「彼女達は、敵を見ている。その上、ミス・タバサは若くしてシュバリエの称号を持つ騎士だと聞いているが?」
教師達は驚いたようにタバサを見ている
「ミス・ツェプストーは、ゲルマニアね優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎の魔法も、かなり強力と聞いているが?」
キュルケは得意げに、髪をかきあげた
「ミス・ヴァリエールは…その、なんだ…数々の優秀なメイジを輩出したヴァリエール公爵家の息女で…その…将来有望なメイジと聞いているが?」
そう言うと、エドの方を見て
「その使い魔は、平民ながらあのグラモン元帥の息子である、ギーシュ・ド・グラモンと決闘して勝ったという噂だが」
「そうですぞ!なにせ…」
オスマン氏は慌ててコルベールの口を押さえた
「とにかく!この三人で決まりじゃな」
周りは、誰も口を開かない
「では、馬車を用意しよう。ミス・ロングヒル!手伝ってやってくれ」
「わかりました。もとよりそのつもりです」
こうして、フーケ探索隊は出発した
馬車は深い森に入っていった
「ここから先はま歩いて行きましょう」
ミス・ロングヒルがそう言って、全員が馬車から降りた
「なんか、暗くて怖いわ…」
キュルケがエドの右手に手をまわしてきた
「あんまりくっつくなよ」
「だって~こわいんだもの~。あれっ?エドの右手、すっごく固いわね。なんで?」
「いいから、離れて歩いてくれ!」
ルイズが機嫌悪そうに二人を見ている
「…」
最終更新:2007年12月09日 22:44