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*京磐産業技術工業ブース
京磐産業技術工業は当初、茨城中央車体工業として設立されました。
それは元を辿れば、茨城中央交通附属の整備工場から派生したものでした。
当初はバスの定期検査や更新工事等を行っていましたが、しだいに特注車体の架装等に携わるようになり、
遂にはシャーシの生産を行うまでに成長しました。
そして現在では、一棟式の工場でゼロからのバスの生産を可能としています。
2度の事業再編を経て、茨城中央産業技術工業、京磐産業技術工業と名前を変えてきましたが、
整備工場時代からの伝統はしっかりと受け継がれています。
----
**◆新・大型ノンステップバス「basis(ベイシス)」
#ref(1.png)
従来のシティマルチシリーズはコストダウンを念頭に置いて開発されたため、ノンステップ、ワンステップ、
ツーステップ、さらには中型車との汎用性を追求するあまり、さまざまな面で当社のもつ技術力を
十分に発揮できてはいませんでした。
そこで車両開発の原点に返り、“ベース”つまり“基礎”を重視した車両を開発することになったのです。
シティマルチとの大きな違いは、低床車体を意識したシャーシ構造を採用したこと。
まず、従来の後部床下横置き型のエンジンに代えて新開発のエンジンを後部右側に搭載したことにより、
最後部までにわたってフラットな低床化を実現しています。
そして、前照灯等の灯火類もシティマルチとは異なるところ。
路線バスとしては初めてディスチャージヘッドランプを標準装備、さらに悪天候時の視認性等を考慮して、
上向きライトにハロゲンランプを併用しています。
またテールランプには赤色LEDを使用し、応答性を高めるとともにメンテナンスの手間の削減に貢献します。
しかも、ヘッドランプ・テールランプともにユニット化されており、その上開閉式で整備性に優れています。
そんな中、エンジンリッド上部には従来通りハイマウントストップランプが設置されており、後続車からの
被視認性を高めるという重要な役割を果たしているとともに、当社の意匠の残る部分でもあります。
そして、側面窓の支柱の本数を増やし車体剛性を高め、将来的に発生する歪みを極力抑えます。
また、窓ガラス1枚の面積が縮小されたことにより、万一の飛び石等による損害の軽減が可能となります。
さらに窓の開閉方式を上部が車内に折れ込む形に変更することによって、外気の導入性に優れたもの
としています。
さらに、特殊な改造にも柔軟に対応できるところもベイシスの魅力のひとつです。
たとえばこちら。
#ref(Door-close.png)
ノンステップバスの最大の利点は車椅子のままでも乗車可能な点であろうと思うのですが、こと地方都市に
おいては、駅ターミナルや大通り等の歩道の広い場所以外でその効果を遺憾なく発揮することは非常に
難しい状況となっています。
そんな時、横に伸ばせないなら縦に伸ばせばいいじゃないか、ということで生まれたのが妻面に乗車口を
設けるという発想です。
FF方式のコミュニティバス等では後面にドアを設置するのが一般的となっていますが、このバスは幹線道路
を走行する一般路線バスということで、当然後続車の車速はかなり速くなります。
そんな中で万が一客扱い中に追突されるなどという事態が発生したら、お客様や乗務員が被害を受けること
になってしまいます。
そもそもこのバスの場合、コーナーエンジンであるとはいえ車体後部にエンジンを積んでいる以上、後部に
ドアを設置することは構造上不可能でした。
そこで前面にドアを付けてしまうという、一見暴挙とも思える発想が生まれたのです。
▼ドア開時の様子
#ref(Door-open.png)
戸開動作と連動して両前輪のニーリング機構が働き、スムーズな乗降が行えます。
また、車椅子スロープの傾斜も緩やかになるため乗務員の負担の軽減に寄与します。
▼戸開動作(動画)
#ref(com_opt.gif)
ご覧のようにまずミラーが格納され(電動)ドアが左右に分かれて開いた後、必要に応じてスロープが
出てきます。
さらにドア開時、ヘッドライトや方向指示器が隠れた際の安全確保のため行先表示器の両脇に補助ランプ
が取り付けられています。
ところでこのバス、強度や視界の関係上、現段階では一般道での走行は難しいものと思われますが、
脳内で認可が下りた場合は特注扱いでオーダーをお受けすることもあるかもしれません(笑
それだけではありません。
#ref(new-smart.PNG)
現在ベイシスの兄弟車として、7メートル級の小型コミュニティバスの開発も進められています。
ベイシスとの部品の共通化を図った結果、大幅なコストダウンが実現しました。
大型車と大きく異なる点はフロントデザインであり、比較的やさしい印象を与えています。
今回コンセプトモデルを制作するにあたり、暫定的に日野自動車のポンチョのシャーシをお借りしていますが、
将来的には他メーカーとの協力で新型エンジンの開発を行い、さらにはハイブリッド化も進めていく予定です。
*京磐産業技術工業ブース
京磐産業技術工業は当初、茨城中央車体工業として設立されました。
それは元を辿れば、茨城中央交通附属の整備工場から派生したものでした。
当初はバスの定期検査や更新工事等を行っていましたが、しだいに特注車体の架装等に携わるようになり、
遂にはシャーシの生産を行うまでに成長しました。
そして現在では、一棟式の工場でゼロからのバスの生産を可能としています。
2度の事業再編を経て、茨城中央産業技術工業、京磐産業技術工業と名前を変えてきましたが、
整備工場時代からの伝統はしっかりと受け継がれています。
----
**◆新・大型ノンステップバス「basis(ベイシス)」
#ref(1.png)
従来のシティマルチシリーズはコストダウンを念頭に置いて開発されたため、ノンステップ、ワンステップ、
ツーステップ、さらには中型車との汎用性を追求するあまり、さまざまな面で当社のもつ技術力を
十分に発揮できてはいませんでした。
そこで車両開発の原点に返り、“ベース”つまり“基礎”を重視した車両を開発することになったのです。
シティマルチとの大きな違いは、低床車体を意識したシャーシ構造を採用したこと。
まず、従来の後部床下横置き型のエンジンに代えて新開発のエンジンを後部右側に搭載したことにより、
最後部までにわたってフラットな低床化を実現しています。
そして、前照灯等の灯火類もシティマルチとは異なるところ。
路線バスとしては初めてディスチャージヘッドランプを標準装備、さらに悪天候時の視認性等を考慮して、
上向きライトにハロゲンランプを併用しています。
またテールランプには赤色LEDを使用し、応答性を高めるとともにメンテナンスの手間の削減に貢献します。
しかも、ヘッドランプ・テールランプともにユニット化されており、その上開閉式で整備性に優れています。
そんな中、エンジンリッド上部には従来通りハイマウントストップランプが設置されており、後続車からの
被視認性を高めるという重要な役割を果たしているとともに、当社の意匠の残る部分でもあります。
そして、側面窓の支柱の本数を増やし車体剛性を高め、将来的に発生する歪みを極力抑えます。
また、窓ガラス1枚の面積が縮小されたことにより、万一の飛び石等による損害の軽減が可能となります。
さらに窓の開閉方式を上部が車内に折れ込む形に変更することによって、外気の導入性に優れたもの
としています。
さらに、特殊な改造にも柔軟に対応できるところもベイシスの魅力のひとつです。
たとえばこちら。
#ref(Door-close.png)
ノンステップバスの最大の利点は車椅子のままでも乗車可能な点であろうと思うのですが、こと地方都市に
おいては、駅ターミナルや大通り等の歩道の広い場所以外でその効果を遺憾なく発揮することは非常に
難しい状況となっています。
そんな時、横に伸ばせないなら縦に伸ばせばいいじゃないか、ということで生まれたのが妻面に乗車口を
設けるという発想です。
FF方式のコミュニティバス等では後面にドアを設置するのが一般的となっていますが、このバスは幹線道路
を走行する一般路線バスということで、当然後続車の車速はかなり速くなります。
そんな中で万が一客扱い中に追突されるなどという事態が発生したら、お客様や乗務員が被害を受けること
になってしまいます。
そもそもこのバスの場合、コーナーエンジンであるとはいえ車体後部にエンジンを積んでいる以上、後部に
ドアを設置することは構造上不可能でした。
そこで前面にドアを付けてしまうという、一見暴挙とも思える発想が生まれたのです。
▼ドア開時の様子
#ref(Door-open.png)
戸開動作と連動して両前輪のニーリング機構が働き、スムーズな乗降が行えます。
また、車椅子スロープの傾斜も緩やかになるため乗務員の負担の軽減に寄与します。
▼戸開動作(動画)
#ref(com_opt.gif)
ご覧のようにまずミラーが格納され(電動)ドアが左右に分かれて開いた後、必要に応じてスロープが
出てきます。
さらにドア開時、ヘッドライトや方向指示器が隠れた際の安全確保のため行先表示器の両脇に補助ランプ
が取り付けられています。
ところでこのバス、強度や視界の関係上、現段階では一般道での走行は難しいものと思われますが、
脳内で認可が下りた場合は特注扱いでオーダーをお受けすることもあるかもしれません(笑
それだけではありません。
#ref(new-smart.PNG)
現在ベイシスの兄弟車として、7メートル級の小型コミュニティバスの開発も進められています。
ベイシスとの部品の共通化を図った結果、大幅なコストダウンが実現しました。
大型車と大きく異なる点はフロントデザインであり、比較的やさしい印象を与えています。
今回コンセプトモデルを制作するにあたり、暫定的に日野自動車のポンチョのシャーシをお借りしていますが、
将来的には他メーカーとの協力で新型エンジンの開発を行い、さらにはハイブリッド化も進めていく予定です。
**新開発のエンジンシステム「VECS(ベックス)」
#ref(vecs.PNG)
京磐産業技術工業が開発を進め、今回ベイシスシリーズへの搭載が決まった新系列エンジン、
それがVECSです。
VECSとは、直訳すれば「バルブ電気制御システム」となり、その名の通りバルブを電気的に制御する
ことにより効率のよい燃焼を実現するシステムです。
バス、特に停留所の多い一般路線バスとして使われる車両には、高加速性をもつことと好燃費であることが
要求されています。
今までの多くのエンジンは、高加速性を重視すると燃費が悪くなり、燃費を良くしようとすると加速性能が
失われていました。
というように、決して両方が立つということはなかったのです。
そんなジレンマを解消したのが、京磐産業技術工業が開発した新エンジン。
「高加速性」と「好燃費性」を両立させる技術。それがVECSです。
どういうことかと言いますと・・・
産技工製のバスは、NOx排出量を低減するため、数年前からクールドEGRシステムを採用しています。
そのため、常に最大限の吸気を行っていた従来のディーゼルエンジンとは異なり、EGRによって還流される排気ガス量の調整が可能となり、さらにスロットルバルブとの併用で外気の吸入量を調節し、効率よく
燃焼温度を下げることができます。
スロットルを用いて吸気の流れを速くすることによって燃料の霧化が促進され、油温の低い状態からの始動をスムーズに行うことが可能となり、結果的に燃費の向上につながるのです。
さらに、当社初採用の電子制御式コモンレールシステムとの併用によって、不完全燃焼を引き起こすケース
が殆ど無くなり、黒煙やCOの排出量の劇的な削減が可能となりました。
また、自動排出ガス処理システムによって、走行中自動的にPMを焼却しフィルターの再生を行うので、
排出ガスが常にクリーンな状態で排気されることになります。
しかしこのシステムは、走行条件等によって止むを得ずアイドリング状態での手動燃焼を必要とする場合が
あり、騒音等の問題から、住宅地に車庫を持つ事業者様からは敬遠されがちでした。
そこで、ワンタッチ外付け型の外気導入装置を搭載し、非常に効率の良い低騒音状態での燃焼を可能にしたのです。
以上のように、VECSは付帯する様々なシステムと一体となって大きな役割を果たします。
ドライバー・事業者の強い味方となり、さらに環境にもやさしい新系列エンジンVECSが、
お客様にとってやさしいバスサービスの提供に寄与することは間違いありません。
今回搭載したベイシスコンセプトはエンジンスペースのコンパクト化を重視しており、若干詰め込み気味の
レイアウトとなっているために本来の静粛性を生かし切れていない部分があります。
その点を課題として、引き続きコンパクトでより静かなエンジンを目指し開発を進めてまいります。
言葉足らずで十分にご説明しきれないのが残念ですが、今後とも茨城中央産業技術工業改め、
京磐産業技術工業をよろしくお願いいたします。