正気度の数字を二度見する。
97%
しかしこれでもまだ正常な範囲だった。
自分はもう数えて100世代目だが、
公園にいる幼女に手を出したりしてはいない。
奇麗に生きてきたはずだ。私は正常だ。
昔無所属でお世話になった人が心配そうにしていた。
「最近おかしくないか?おまえ、士官先で何かあったのか?」
私は、士官もせずに気楽な奴だ、と思いながらも、
何でもない、とだけ答えた。
士官したその日、あのお方と出会った。
麗しいお姿だった。
「国の為に頑張りなさい」と言ってくださった。
このお方の為ならすべてを投げうってもいい、と思った。
いつの間にか所持金は底を尽きていた。
兵士の募集をしていた所、偶然通りがかったあのお方に、
「精が出るわね」と笑顔で言われた。
それからの事はあまり覚えていない。気付いた時には資金は0だった。
あれから、国の為に身を粉にして働いた。
私の国が統一した数も多かった。それが誇りだった。
統一するたびにあのお方がほほ笑むのだ。
それを見る為に、国の為に、あのお方の為に。
深夜の仕事も多くなった。これも国の為、あのお方の為・・・
まだ、大丈夫。いつか・・・きっと
あのお方が認めてくれる・・・その日まで・・・
END
【この物語はフィクションです。実際の人物、団体、国は全く関係ありません】
最終更新:2013年12月25日 17:45