オピュクス「剛輔、今は…」
ヴァング「あぁ…こいつ等を駆逐するのが先だ!」
ショット「その声…ナイトブレイモンか」
Nブレイ「また会えたか…浅野龍よ」

第73話 龍

前回のあらすじ
幻影を破った剛輔はミラージュモンの話によりこの戦いの真実にきづく。
一方先へと進んでいた龍たちの前にNブレイモンが現れた。

ショット「ここにくればまた会えると思ったよ…」
Nブレイ「フッ…よっぽどお前とは縁があるようだな」
ガト「お、おい龍…」
ショット「ガトモン…悪いけどここは俺に任せてくれないか?」
ガト「何言ってんだよ!さっさと…」
ショット「…頼む」
ガト「…わかったよ。そのかわり負けんじゃねぇぞ!」
ショット「あぁ!」
ショットモンはゆっくりと前へと出る。
ガトモンは後ろの壁に寄りかかった。
Nブレイ「…2人掛かりでも良かったのだぞ?」
ショット「そんなことしたらお前に悪いしな…それに、お前は俺が越えなきゃいけない壁だ」
Nブレイ「…どうやら、強くなったようだな」
ショット「あの時の俺と一緒にしないでもらいたいな」
Nブレイ「フフ…それでこそ我が剣を使うに相応しい好敵手!」
Nブレイモンは背中から剣を抜く。
ショット「じゃあ…始めるか!」
ショットモンは腕の銃を構える。
しかしその隙にNブレイモンは詰め寄ってきた。
Nブレイ「甘い!」
振り下ろされた剣をショットモンは銃で受ける。
ショット「チィ…なんて力だよ!」
Nブレイ「私の力…甘く見るなよ!」
ショット「言われなくても!」
ショットモンは剣を弾く。
そして距離が離れ、すかさず射撃した。
Nブレイ「この程度で!」
Nブレイモンは剣で銃弾を弾き落とす。
だがその隙にショットモンは後ろに回り込んでいた。
ショット「もらった!」
Nブレイ「クッ…」
ショットモンは零距離で撃つ。
Nブレイモンはかわせずに直撃した。
ショット「どうだ…少しは効いただろ…」
Nブレイ「…まだ、未熟か…それとも」
Nブレイモンは剣を上に突き上げる。
するとそこに大きな魔方陣が現れた。
ショット「こ、これは…」
Nブレイ「お前にはこれを使ってもいいだろう…『ライトニングゲート』!」
魔方陣から強烈な光が発せられた。
ガト「な、何が起こってるんだ…」
Nブレイ「フフフ…これこそが俺の真の力…」
ショット「…真の?」
光が止んだとき、Nブレイモンの剣は光り輝いていた。
Nブレイ「これは俺がカオスモン様に仕える際封印していた力だが…お前になら使ってもいいだろう!」
ショット「よし、俺とお前!本気の勝負の始まりだ!」
Nブレイ「来い!」
先ほどとは打って変わり、ショットモンはNブレイモンに向かっていく。
Nブレイモンは剣を構え、光を収束していた。
Nブレイ「光よ…我が剣に宿れ…そして今こそ刃となれ!『ヘブンズソード』!」
Nブレイモンの剣から光の波動が刃となって放たれる。
ショット「なっ…こん畜生!」
光の刃を間一髪でかわしたショットモンは再び銃を構え発砲する。
その銃弾はNブレイモンに弾かれていた。
Nブレイ「…この弾の軌道…やはり貴様…」
ショット「チッ…でもまだ!」
ショットモンはひたすら銃を連射する。
だがそれはこのごとく弾かれていた。
Nブレイ「浅野龍…本気で戦え!」
ショット「何言ってやがる!俺はいつでも本気だ!」
Nブレイ「なら…俺を『殺す』覚悟でかかれ!」
ショット「なっ…」
Nブレイ「貴様の攻撃には殺気が感じられん!それで俺に敵うと思ったか!」
ショット「それは…」
Nブレイ「貴様には戦士としての覚悟が無いようだな…期待はずれだ、このまま消えろ!」

本気で戦えって…
俺はいつでも本気だ。
なのに何で…
『お前等は甘い!敵は完全に倒すのが真の戦いだ!』
俺達が剛輔と初めてあった頃、あいつはそんなことを言っていた。
だが相手を『殺す』のが本当の戦いなのか?
じゃあ俺は…今まで何をしていた?

Nブレイ「貴様の銃弾…すべて急所を外していた!貴様なら急所を打ち抜くことも可能なはずだ!」
ショット「相手を殺して…それが何になるってんだよ!」
Nブレイ「戦いとは所詮殺し合いだ!どちらかが正しいなどということは関係ない!戦いは生きるか死ぬか、それだけだ!」
ショット「じゃあ何でお前は戦う!何でそこまでして!」
Nブレイ「貴様にはわからぬだろう!何の信念も持たず、ただ流されるがままに戦っているお前には!」
ショット「そ、それは…」
Nブレイ「俺が戦う理由…それはカオスモン様への忠義のために!そのためなら俺は悪にもなる!」

戦う信念…それを俺は持っていない。
多分、他の皆はそれぞれ信念を持っているのだろう。
だが俺にはそれがない。
じゃあ…俺は何のために戦う?
答えを探すために…それは所詮答えを先延ばしにしているだけなのか?
本当は答えがわかっているのか?それを認めたくないから…
『龍は…変わらないで、僕みたいにならないで』
誡も戦いの中で自分が戦う理由を見つけたんだ。
そしてそれは自分を変えなければならないことだった。
なら俺は…

Nブレイ「その程度か!」
Nブレイモンはショットモンを突き飛ばす。
ショットモンはその場に倒れこんでしまった。
ガト「龍!」
Nブレイ「さぁ立て浅野龍!そしてお前の真の力を見せてみろ!」
ショット「…うるせぇ」
ショットモンはゆっくりと立ち上がる。その目に信念をもって。
ガト「龍…」
Nブレイ「やっとその気になったか…」
ショット「あぁ…やってやる、やってやるよ!」

第73話 完
次回 信念

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最終更新:2007年06月09日 11:18