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ドーケ「なるほどな…確かにそうするのが最も確実な手だ。だが…遅かったな」
ハイドロ「そ、それってどういう…」
春名「良かった…雪…」
雪名「おはようお姉ちゃん、そして…さよなら、お姉ちゃん」

第56話 姉妹

前回のあらすじ
春名は妹である雪名を助け出すためにプリズムキャッスルの奥を目指していた。
名を見つけ出し、救出するも雪名は春名を拒絶した。

春名「どうしたの…なんでそんなこと…」
ドーケ「お前はここに来るのが遅すぎたのだ…斉藤雪名はもう私の忠実なる僕だ」
雪名「遅かったねお姉ちゃん…待ちくたびれちゃった…」
雪名の手にはD・フォンが握られていた。だがその周りには何かの機械が取り付けられている。
ハイドロ「あれは…」
ドーケ「あれはシレイモンが開発した疑似進化促成装置、本来心に反応するものを強制的に発動させる装置…だそうだ」
雪名「じゃ、行くよ…お姉ちゃん」
雪名の体が黒い輪に囲まれていく。
そしてその中から出てきた時、炎を身に纏っていた。
フラム「フラムモン!」
フラムモン、全身を強力な炎に覆われた火炎型デジモン。必殺技はプロミネンスブリッド
春名「あ…あぁ…」
フラム「お姉ちゃん…私、怖かったんだよ?突然こんなところに飛ばされたと思ったら一人でいつもいつも…本当に怖かったんだよ?だからさ…お姉ちゃんにも教えてあげるね…私が味わった恐怖を!」
春名の周りに炎が広がっていく。
瞬く間に春名は炎に囲まれてしまった。
ハイドロ「春名!」
ドーケ「助けたかった妹の手によってその命を散らす、まさに道化だな…」
ハイドロ「あんた…許さない!」
ドーケ「許さなければどうするのだ?彼女を殺すか?」
フラム「ウフフフフ…お姉ちゃん、苦しい?憎い?きつい?それとも…怖い?」
春名「うぅ…」

私は…遅すぎたの?
もっと早く助けるべきだった。
雪名は変わってしまった。
昔の雪名は何処へ行ったの?
私は…どうすればいいの?

ハイドロ「あぁ!」
ハイドロモンは炎に弾かれて吹き飛ぶ。
彼女にとって2対1は分が悪かった。
ドーケ「どうした?もう終わりか?」
フラム「お姉ちゃんが信頼してるみたいだからどんなかと思ったけど…弱いね」
ハイドロ「…春名…春名…」

ハイドロモンは私のために戦ってくれている。
龍君は私を助けるために戦ってくれている。
…じゃあ私は?私は何も出来ないの?
私は雪名を助けられずに終わってしまうの?
そんなのはいやだ…でも、どうすれば…

フラム「もう飽きちゃった…終わらせていい?」
ドーケ「好きにするがいい…お前がしたいようにしろ」
フラム「はぁい…じゃ、その前に…」
春名の周りを覆っていた炎が消えていく。
春名は炎から解放された。
ハイドロ「春名!」
春名「はぁ…はぁ…」
フラム「そこで見ててね、この子が塵ひとつ残さずに燃え尽きるところを」

私は…私は助けたい。
ハイドロモンを…雪名を…
皆を…助けたい。
それが私に出来る償いだから…
だからこそ私は…助けたい!

突如、春名のD・フォンが強烈な光を発した。
フラム「な、何この光…」
フラムモンはその光に一瞬怯んだ。
その隙に春名はハイドロモンとフラムモンの間に立つ。
ハイドロ「は…春名…」
春名「雪名…私が、あなたを助けてあげるから…デジタルアーマーダウンロード!」
春名の体に沢山の水が纏わっていく。
セイレー「セイレーモン!」
セイレーモン、優しい歌声を奏でる精霊型デジモン。必殺技はローレライソング。
フラム「お姉ちゃん…やる気なんだね」
セイレー「あなたは…絶対に助ける!」
ドーケ「妹と戦う決心を付けたか…」
セイレー「私は雪名を倒したいわけじゃない…私は雪名を助けたい!」
フラム「助ける?何言ってるの?私を忘れて楽しくしてたのは誰?助けるために働いてたのに結局裏切ったのは誰?」
セイレー「あなたがそうなるまでに助けられなかったのは私のせい…だからこそ私はあなたを助ける!」
そして響きだしたのは美しい歌声だった。
フラム「な…これは…あ、頭が…」

『私は…いつもあなたを助けたかった』

歌声と共に春名の『声』が雪名の心の中に染み渡る。
フラム「あ…あぁ…こ、これって…」
ドーケ「いかん、このままでは…」
ハイドロ「春名の邪魔は私がさせない!」

『随分遅くなっちゃったけど…やっと助けられる』

フラム「お姉ちゃん…私は…怖かった…一人で…怖かった…」

『ごめんね…もう大丈夫だから…もう、一人にはしないから…』

フラム「一人じゃない…私は…お姉ちゃん…」

『だから…こんなこともう終わり、私達2人が戦うことはないの』

フラム「お姉ちゃん…お姉ちゃん…私は…」
体から炎が消え、中から雪名が出てくる。
セイレーモンはゆっくりと雪名を支えた。
雪名「お姉ちゃん…ごめんね、私…」
セイレー「ううん…もう、いいんだよ…こうして会えたんだから…」
セイレーモンの体が水となって消え、春名はその姿を見せた。
雪名「お姉ちゃん…」
雪名はゆっくりとその目を閉じた。
春名「ゆ、雪名…」
ドーケ「心配はいらん…疲労が溜まって寝ているだけだ」
ハイドロ「あんた…」
ドーケ「そいつがお前達に助けられたのなら私がここにいる必要も無い、さらばだ」
ハイドロ「ま、待ちなさい!」
ドーケモンは静かにその姿を消した。
ハイドロ「…行こう、皆が待ってる」
雪名「…うん」

第56話 完
次回 驚愕