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シレイ「愚かな…自ら死を求めるとは…」
ワイバー「ま、マジかよ…」
バルト「何故だ…『誡』…」
誡「…僕は…もう誰かが消えるのを…見たくないから…」

第54話 闇

前回のあらすじ
龍が乗り込んだ隙を突き進入したバルトモンとワイバーモン。
プリズムキャッスル内でデンスモンと戦うも手も足も出なかった。
だが、止めを刺されると思った瞬間、誡がそれを庇ったのであった。

誡「僕は…僕は…」
誡が受けたダメージは相当なものである。
誡はその場に倒れた。
ナイフ「誡殿!誡殿!」
バルト「そんな…誡!誡!」

僕はこの世界に来ていろんなものを見てきた。
弱肉強食の世界。
騙し、騙しあいの世界。
多くの命が失われる世界。
僕はもういやだった。
誰かを騙すのはいやだ。
誰かに騙されるのはいやだ。
誰かが死ぬのはいやだ。
誰かに殺されるのはいやだ。
いやだ…いやだ…いやだ…
でも、何もしなかったら大切なものが無くなってしまう。
何もしなかったら大切な皆が無くなってしまう。
それだけは絶対にいやだ。
ならどうすればいい…
『そんなの決まっている、敵を殺せばいい』
…これは僕の心。憎しみに捕らわれた僕の心の闇。
でも僕は…いやだ…
『殺せ!殺せ!ころせ!コロセ!』
殺す…僕が殺す…
この声は…僕…
そうか、そうなんだ。
この声も僕なんだ。
この心も僕なんだ。
この闇も僕なんだ。
このすべてが僕なんだ。
ならば受け入れよう。
だけど憎しみじゃない。これは…
『純粋なる心』

誡「はははははははははは…」
誡は笑いながらゆっくりと立ち上がる。
その顔に怒りは見えない。ただ純粋に笑っている。
ナイフ「か、誡殿?」
バルト「これは…」
シレイ「とうとうおかしくなったか」
誡「おかしく?違うよ、これが僕なんだ」
誡の手にはD・フォンが握られていた。
そのD・フォンは黒く、だが優しく輝いていた。
誡「これが僕なんだ…デジタルアーマー、ダウンロード…」
誡は静かに言い放つ。戦いを誓う言葉を。
その体は黒い光によって包まれ、そしてその身に黒い鎧を纏っていく。
ヤイバ「ヤイバモン…」
ヤイバモン。黒い鎧を身に纏い、体中に無数の刃物を仕込んでいる戦士型デジモン。必殺技はサウザンドスライス。
シレイ「あれは…前回とは姿が違うな」
ワイバー「な、何だよこれ…」
シレイ「デンスモン、片付けろ」
デンス「イエッサー」
デンスモンはヤイバモンに迫っていく。
ヤイバ「…裂」
ヤイバモンは右手をデンスモンの左腕に向ける。
その刹那…
デンスモンの左腕が消し飛んだ。
バルト「え…」
シレイ「な…」
ヤイバ「断」
続いて右腕。
ヤイバ「刻」
両足も消し飛び、デンスモンの体は地面に転がる。
ナイフ「…刃物だ」
ワイバー「刃物?そんなの見えないぞ?」
バルト「あぁ…だが、おそらく体中に刃物が仕込んでいて一瞬でその範囲を切り刻んでいるんだ…」
ワイバー「ま、マジかよ…」
シレイ「まさかこれほどの力とは…」
ヤイバ「ごめんね…こうしないと、皆が無くなっちゃうんだ…」
デンス「…マ、スター…」
ヤイバ「サウザンドスライス」
デンスモンは体中の刃物に切り刻まれ消滅した。
シレイ「…何ということだ…我輩の作品が…ここまで…」
ヤイバ「どうする?まだやる?」
シレイ「…我輩も愚かではない。ここは退こう」
シレイモンはその姿を消した。
ヤイバモンの鎧はゆっくりと消えていった。
誡「ふぅ…大丈夫?」
ワイバー「え?あ、あぁ…」
バルト「誡…お前は本当に誡なのか?」
誡「そうだよ…僕は『水野誡』だよ」
闇を受け入れた少年は、優しく笑っていた。

第54話 完
次回 遅れ