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僕にとって、この世界は最悪だった。
だからこそ、こんな世界から開放されたかった。
だからこそ僕は、運命が変わっていくことを受け入れていた。
…三浦 圭介

DIGITAL DESTINY

僕は、俗に言ういじめられっ子である。
数人の人間に殴られ、蹴られ。
持ち物を壊されることなどよくあった。
だからこそ、僕はこの世界が嫌いだった。
何故僕だけがこんな目に遭わなければならないのか。
僕の心には次第に黒い感情が芽生えていた。
…明日、この世界から解放されよう。

決心したとはいえ、僕は恐れていた。
開放されて、僕は果たして幸せになれるのだろうか。
別の世界へ行っても変わらないのではないか。
いや、もしかしたら今よりもっと酷いかもしれない。
そう考えると、僕は怖くなっていく。
…もう考えるのはよそう。
どうせ、明日には開放されるのだ。
この世界から解放されれば僕はきっと幸せになれる。
僕はそう信じることにした。
その時、ふと僕は歯車を見つけた。
黄色くて、僕の手ぐらいはある歯車。
普段だったらこんなものには気にも留めない。
でも、開放されるということに支配されていた僕はそれを拾って帰っていた。

家につく。
僕の両親はまだ帰ってきてはいない。
テーブルの上には今晩の夕食がラップで包まっていた。
僕は、家族にも相手にされていない。
家族は僕の苦しみをわかってはくれない。
家族とはいえ、所詮は他人なのだ。
僕は部屋の中へと入った。

明日…明日僕は解放される。
そう考えると眠れない。
時計を見るともうすぐ明日になるころだ。
僕は内心わくわくしながら布団にもぐる。
でも、僕の前に現れたそれは僕を寝かせてはくれなかった。
「圭介、やっと気づいてくれた」
僕の目の前にはハチのような生き物がいる。
でもハチではない。ハチはここまで大きくはない。
僕の顔ぐらいはある大きなハチ。
その尻にはギザギザになっている小さな針があった。
そしてそのハチは言葉を発している。
昆虫が話すなんてありえるのだろうか。

「圭介、僕と一緒にいこう」

一緒に?何で君と一緒にいなくてはいけないの?
僕は他人の存在が一番嫌いだった。
でも、僕の想いは伝わらなかった。いや、伝えられなかった。
僕の想いを伝える前に、僕の携帯が光りだしたのだ。
僕は時計を見る。その時計は『この世界から解放される日』を示していた。
それを見て、僕は自分から飛び込んでいった。
服のポケットにはあの、黄色い歯車が入っていた。

TO BE CONTINUED…