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もし、自分が空を飛べたら何がしたいだろうか。
もし、自分が自由になれたら何がしたいだろうか。
もし、自分があの綺麗な羽を拾わなかったら何かが変わっていただろうか。
…杉下 庄平

DIGITAL DESTINY

僕は小さい頃から、大空にあこがれていた。
いつか、自由に空を飛びたいと思っていた。
でも、成長するにつれてそれが無理だとわかった。
それでも僕は時々、ぼんやりと空を眺めていた。

僕は他人に『自分』を見せていない。
唯一見せていた両親は数年前交通事故で2人とも死んでしまった。
今の僕を知っている人はきっと静かないい子として認識しているだろう。
でも違う。僕はそんな人間じゃない。
僕は自分を隠し通していた。
そうでもしないと皆に迷惑がかかるから。

「お前今日暇か?」
「ごめん、今日はちょっと用事があるんだ」
僕はいつものように友人にウソをついた。
本当は予定などない。ただ、一人になりたかった。
「そっか、じゃまた明日な!」
そう言い残し、彼は去っていった。
僕は心の中で謝罪し、家への道を歩き出した。

僕にとって、空は素敵な世界であった。
空の上には何も無い、自由な世界が広がっている。
それに…もしかしたら両親とも会えるかもしれない。
そんな妄想を抱きながらぼんやりと空を眺めていた。
その時、それは落ちてきた。
それは、水色の綺麗な羽。
辺りを見回してみるもそのような鳥は一羽もいない。
でも、その羽はとても綺麗だった。
だから、僕はその羽を持ち帰った。
その頃には、何故何も無い空から降ってきたか疑問もわかなかった。

僕の今の家はマンションの一部屋。
親戚の叔母さんの家に住ませてもらっている。
部屋のパソコンも叔母さんが買ってくれたものだ。
普段優等生でいた僕は特に苦労せず、買ってもらえた。
僕はイスに座りながら拾った羽を眺めた。
見れば見るほど綺麗だ。透き通った水色の綺麗な羽。
僕は見とれていて、隣に何かがいることもわからなかった。
「庄平」
声を掛けられた僕はやっとそれの存在に気が付いた。
僕の隣には、赤い鳥のようなものが立っていた。
鳥にしては大きい。子供くらいの大きさがある。
その頭には羽の髪飾りがついていた。
「庄平、やっと気がついたか…」
その鳥はちょっと呆れている。
今更だがこの鳥は何故かしゃべっている。
しかし、僕の思考はすでに停止していた。
「まぁいいだろう…さ、行こう」
「行くって何処に?」
僕はやっとのことで返答することができた。
しかし、その鳥はさらに呆れていた。
「何処って…DWに決まっている」
決まっている?何処で決まった?
僕の頭には疑問でいっぱいだった。
それでもその鳥は僕を引っ張る。
「さ、自由な世界へ行こう」
自由な世界…それは何かに強制されて行く所であろうか。
そんな疑問を持ったまま、僕はパソコンの中へ吸い込まれていった。
その、透き通った水色の羽を持ったまま…

TO BE CONTINUED…