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俺はつまらない生き方をしていたのだと思う。
何も楽しむことはしなかった。
でも、あいつと出会ってから俺の運命は変わっていた。
…緑川 一

DIGITAL DESTINY

初めて人を殴った時のことを、俺は覚えていない。
気が付いたら何人もの人を殴り飛ばしていた。
何を思っていたか、俺は覚えていない。
気が付いたらここまで来てしまった。

「うぅ…もう勘弁してくれ…」
今日、俺はまたひとつ軍団を潰した。
今日の相手は隣町の学校の不良たち。
俺のうわさを聞きつけ仲間に引き込もうとしていた。
それを断ったら大勢で襲い掛かってきたので返り討ちにした。
…最初は気に入らない奴等を潰していただけだった。
それがいつの間にか『鋼の拳』などというおかしな二つ名を付けられている。
まったく、おかしな話だ…
その時、俺はひとつの指輪を見つけた。
俺は特に見ずにそれを拾い帰ることにした。

帰り道、拾った指輪を見てみる。
紫色の綺麗な石がついている、何の変哲もない普通の指輪。
いまさら、何故自分がこれを拾ったかわからなくなってきた。
しかし、今これを投げ捨てるのもどうかと思うので仕方なしに持ち帰ることにした。
だが、そう簡単には帰してくれないようだ。
後ろから誰かがつけて来ている。おそらくさっきの奴等の残党といったところだろう。
俺は公園に誘い込むことにした。

俺を付けてきたやつは意外と強かった。もしかしたらボスより強いのかもしれない。
でも、俺が負けることはなかった。問題は別にある。
そいつが刃物を出してきたからだ。おかげでこっちの顔に切り傷が付いてしまった。
結局、俺が完膚なきまでに叩きのめしてこの勝負は終わった。
辺りはすでに真っ暗。しかし、親は俺のことなど心配してはいまい。
親は俺を野蛮人だと扱い、俺の弟を溺愛していた。
まぁそれも当然かもしれない。
弟は勉強ができる。性格も穏やかだ。
そんなのと俺を比べたら向こうの方がいいに決まっている。
そう思い、俺はベンチの上で寝ることにした。

「家に帰ってこないと思ったらこんなところにいたのか」
誰かの声が聞こえる。
俺が目を覚ますとそこにはモヒカンの頭をした奇妙な奴が立っていた。
「ったく待っててもこねぇからこうして出向いてやったんだ、感謝しろよな」
そいつは何故か威張っている。少々苛立っているのか手に持ったこん棒を振り回している。
俺には訳がわからなかった。当然だろと思う。
「じゃ、行くぜ」
行くって何処にだよ。
そんな質問をすると奴は大笑いをした。
少々イライラしてきた…
「いや、わるいな…まぁいい、詳しいことはついてから話す。それでいいだろ?」
「いい訳あるか!」
俺が奴に殴りかかろうとした瞬間、奴は携帯を取り出した。
それは、俺の弟のものだった。
それが急に俺を吸い込みだしたのだ。
「チッ…なんだよこれ!」
「さ、行こうぜ!向こうには強い奴がいっぱい待ってんだからさ!」
『強い奴』…か。
吸い込まれながらそんなことを考えていた俺は案外余裕だったのかもしれない。
拾った指輪を持ち、俺は携帯の中へ消えてった。

TO BE CONTINUED…