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戦いあう二つの集落。
そしてそこに訪れる二人。
そこに待つのは果たして何か…
物語がまた一つ、動き出した。

第10話 Protection ~擁護~

前回のあらすじ
旅を続けていた真とヴェルモンはとある集落『犬の里』に辿り着く。
そこで近くの集落である『猫の園』との対抗戦に出てほしいと頼まれた。
その頼みを引き受けた二人は対抗戦にとあるものをつけて出場することになった。

「さぁ始まります『犬の里』VS『猫の園』の対抗戦!今年はなにやら不穏なムードに包まれており、激しい戦いが予想されるでしょう!」
司会者のアナウンスと共に辺りから喝采が浴びせられる。
どうやら近くの町の住人達が見物に来ているようだった。
「さて、それでは両選手の入場です!」
その言葉と共に互いの陣営から二人組みが出てくる。
『犬の里』陣営からは真とヴェルモン。しかしその姿は…
「お、おや~!どうやら彼等は本来の犬族ではないようです!二人とも犬耳を付けての参戦です!」
そのアナウンスと同時に会場からは笑う声が聞こえてくる。
「なぁ…」
「いうな、意識したくねぇ」
そして『猫の園』からは…
「…猫娘?」
「人間です!」
猫耳を付けた少女とどう見ても獣ではない水の身体をした妖精であった。
「おっとこれはどうしたことか!何と両者とも本当の犬と猫ではありません!どうやら互いに代役を立てたようです!」
予想外のことに両陣営ともに動揺を隠せない。
「こっちを襲っておいて自分等は助っ人使って楽しようってか!ふざけんじゃねぇ!」
「何言ってやがる!てめぇらが襲ってきたんだろが!」
「ハァ?!襲ったのはそっちだろ!」
周りの人々が騒ぎ出す中、当の彼等は一人を除いていたって冷静であった。
「…一つ聞く、お前等は彼等が『犬の里』の連中に襲われたんで代わりに出てほしいと頼まれたんだな?」
「あなたたちも…『猫の園』の人たちに、ってことだね」
「春名、やっぱり…」
春名と呼ばれた少女は妖精の言葉にうなずく。
「え、えっと…ちょっと深刻な話の最中悪いんだけど…」
「んだよ…この肝心なときに。まさかこの状況がわかってないわけじゃねぇだろうな」
「い、いやそれはわかる…つまり外部のの存在がこの騒動を引き起こしてたってことだろ?」
「わかってるじゃねぇか。だったら…」
「いやだから!その前に…」
真は汗を流しながら二人の方を指差す。
「…何で人間がここにいるの?」
その言葉に一同は呆れかえる。
「な、何でだよ!こっちはてっきり俺しか人間がいないとばっかり…」
「まぁ…その話は後にするということで…この状況をどうにかするのが先だよ」
「だがどうする?黒幕が誰かはっきりしてない中で…」
「そうだよ…誰かわかればすぐに終わるのに…」
「…あ、それならできるかも」
予想外の発言に皆は真の方を向く。
驚きつつ、信じられないような顔だった。
「な、どういうことだおい!」
「ようするに犯人が誰だかわかればいいんだろ?だったら…」
そういうと真はD・フォンⅡを操作し始める。
するとなにやら地図のようなものが画面に表示された。
その地図には幾つもの点が映し出されている。
「何だこれ?何かの地図か?」
「これって…まさか今いる場所の地図?でこの点は…」
「そう…この付近にいるデジモンの位置を表してる。中央にある二つの点がヴェルモンと君の相棒、まわりにある沢山の点はこの会場に集まってる人たち…で、ここに二つ離れてる点があるのわかるか?」
真が指差した場所には会場から離れていく二つの点があった。
「これが…犯人だと?」
「そっか…目的がこの騒動を引き起こすことだとしたらもうすでに目的は達成されてる。だとすればここにいる必要もなくなるんだ」
「…行くよアクアモン」
「うん!」
場所を確認すると少女とアクアモンと呼ばれた妖精はその方向へと走り出す。
一瞬のことに戸惑った真とヴェルモンも慌ててその後を追った。

「なぁ…本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ…あの人たちだってそう簡単にわかるわけないもん」
会場から離れた場所。そこに彼等はいた。
彼等は会場が騒然とするとゆっくりと離れていたのだ。
「だけど…里の皆を騙すことになった」
「仕方ないよ…こうしなきゃ私達は…」
「見つけたぞ糞野郎ども!」
彼等を見つけ真とヴェルモンがやってくる。
先に駆けつけたはずの少女たちの姿は見当たらない。
「み、見つかった?!こんなにも早く…」
「まさか…アンタ等が犯人とはな」
そう、そこにいたのはザンザモンとネフェカトモンの二人であった。
「ばれたなら仕方が無い…そう、今回の騒動は『僕』が引き起こしたこと。ザンザモンは無理やり協力させただけだよ」
「な、ネフェカトモン?!」
「テメェは…『パンドラ』か?」
「あぁそうだよ。『パンドラ』は約束してくれたよ…今回のことが成功すれば平穏を与えるってね!」
ネフェカトモンはそう言うと身体を構える。
それは戦いの決意を意味していた。
「そうかよ…テメェが『パンドラ』だとしたら…潰すだけだ!」
ヴェルモンはネフェカトモンに飛び掛る。
だがそれは一本の剣によって阻まれた。
「なっ…」
「ざ、ザンザモン…」
「…こいつは俺の大切な友人だ。傷つけることは…俺が許さん」
ヴェルモンはその場を離れて距離をとる。
ザンザモンはその剣を再び構えた。
「やっぱテメェもじゃねぇか…覚悟は出来てんだろうな?」
「覚悟?それは…お前を倒す覚悟か?」
「て、テメェ!」
「待てよヴェルモン…こいつら、何か違う」
「はぁ?!何言ってんだよ!こいつらは『パンドラ』だって自分で認めたんだぞ?!何が違うってんだよ!」
「わかんねぇのか?!今までの奴等は他人を傷つけても何とも思わない奴ばかりだった!でもこいつらは…」
「関係ねぇよ!こいつらは『パンドラ』だ!それだけで充分だ!」
真の静止する声も聞かずにヴェルモンはザンザモンに飛び掛る。
その目には憎しみの炎が渦巻いていた。
「ヴぇ、ヴェルモン…」
「来るか…ならば切り捨てる!」
「やれるもんならやってみろ!」
二人はお互いの武器を構えてぶつかり合おうとする。
だがその時…二人の体を水が包み込んだ。
「な…ヴェルモン!」
「ザンザモン!大丈夫か?!」
「気になったから早めに切り上げて来て見れば…君達何やってるの?」
声の先、そこには真たちの対戦相手としてあの会場にいた二人が立っていた。

第10話 end
次回 elder ~先輩~