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すべてを失った。
すべてが消えてった。
そして今残っているのは…
一体、何なのだろう。

第3話 function ~機能~

前回のあらすじ
真は状況を知るためにヴェルモンの町へと向かう。
だが彼等がついたとき、町は壊滅状態となっていた。
町を襲ったリーダー相手に苦戦するヴェルモンだったが進化することでそれを倒した。
そして彼等は町を離れ、旅をすることになった。

彼等が旅を始めて早数日。
彼等はとある荒野を歩いていた。
「しかし前に草原があったと思ったらいきなり荒野だもんな…」
「ここはそういうところだ。他にも森を抜けたら雪山なんてものあるな」
比較的落ち着いて歩いている二人。
旅を続けるうちにお互いを理解できたようだ。
「うげ…やだなそれ…」
「まぁ慣れればたいしたこともないだろ…」
しかし彼等の会話は乏しい。
それもヴェルモンが問題である。
彼はまだ待ちのことを吹っ切れてはいなかった。
だからこそ暗いムードになり会話が弾まなかった。
「はぁ…いい加減野宿も飽きてきたな…」
「ガマンしろ…」
暗いムードでは疲労も溜まりやすい。
旅に慣れていない真は疲労が溜まっていた。
「なぁ…そろそろ休まねぇ?」
「…そうだな。日も暮れてきたしそろそろ休むか」
結局、この日も野宿となった。

夜、岩を影にした場所で二人は向かい合って座っている。
植物の生えていない荒野では火も熾せない。
暗い中で向かい合っていた。
「…なぁ」
「…なんだ?」
無音の世界に耐えられなくなった真が尋ねた。
「こうして旅してるけどさ…どうするよ」
それは、彼の為を思っての質問。
自分自身が旅に誘ったがこれまでただ歩いているだけだった。
無論、立ち直るには時間がかかることはわかっている。
だが…
「どうするって…何が?」
「だからさ…いろんなものを見て回るとか、いろんな奴等に会いに行くとか…」
「…下らねぇ」
真の声も彼には届かない。
わかっていた。彼とあってまだ数日しか経っていない。
そんな状況でどうやってわかり合えと言うのだろう。
付き合いの浅い真がいくら言ったとしても彼の心には届くはずが無い。
「でもさ…」
「…まて!」
突然ヴェルモンは真を押さえ込み岩に身を隠す。
「な、何なんだよ…」
「静かに、誰か来る」
岩の陰から辺りを見る。
確かに、そこには何かがいた。だが暗くてよく見えない。
そして上からなにやら鳥のようなものが降りてくる。
燃えさかる黒い大きな翼を持った鳥。まさに不思議な生き物である。
「一体何なんだあいつらは…」
「と…ちょっと待ってろ…お、でた」

DETA FILE
セーバードラモン。燃えさかる黒い大きな翼を持った巨鳥型デジモン。必殺技は上空から鋭いツメで攻撃する『ブラックセーバー』。

D・フォンⅡの画面に情報が送られてくる。
「おいお前…それなんだ?」
「あぁ、こいつはD・フォンⅡっていってな…こんな感じにデジモンのデータを見ることも出来るらしい。」
「出来るらしいって…」
「仕方ないだろ?こっちだって突然使い方がわかっちゃったんだし…」
そう、彼にも何故わかるのかがわからない。
あの危機的状態の中で突然頭の中に使い方が流れ込んできたからだ。
おかげで今では完璧とまでは言わないがそれなりに使いこなすことができる。
「…まぁいい…動きがあったぞ」
話が終わったのか最初にいたものが闇へと消えていく。
そしてその場には黒い鳥だけが残った。
「アンタ…どう思う?」
「妙だな…あいつが飛び去らないのは…」
その瞬間、突然黒い鳥は飛び上がり彼等の隠れている岩に迫ってくる。
その目は確実に彼等を捉えていた。
「チッ!見つかった!」
「どうすんだよアンタ!」
「戦うしかないだろ!この前の奴頼む!」
隠れても無駄なのを察しヴェルモンは前に飛び出す。
「どうなっても知らねぇぞ…エヴォリューション!」

『EVOLUTION』
「ヴェルモン進化!」
ヴェルモンの周りをあの時のように光が包み込んでいく。
「ホーンドラモン!」

進化を終えたホーンドラモンは早速セーバードラモンに向かっていく。
だが空を飛ぶ相手にその攻撃が当たることは無かった。
「チッ…戦いづらい奴だ…」
セーバードラモンは超高度から急速に降下して場をかく乱する。
空を飛ぶ手段のないホーンドラモンはそれに対処する術を持たない。
「お前達か…報告にあったオーガモンを倒した奴等は…」
オーガモン、その名には聞き覚えがないが恐らく町を襲った集団のリーダーの名であろう。
「…とするとお前…『パンドラ』か…」
ホーンドラモンモンは低い声で問う。
「厳密には…『パンドラ』に従うものの一人だ」
そして再び強風が彼を襲う。
ホーンドラモンは地面に踏ん張りそれを耐えた。
「しかし…オーガモンを倒したというからどんな奴かと思えば…思った以上に弱い。こんな奴がオーガモンを倒したというのか?」
「チッ…舐めるな!」
再び飛び掛るもセーバードラモンはそれを飛び上がって回避した。
「当たらん当たらん!そのような攻撃私には当たらんぞ!」
いくら攻撃しようともそれがセーバードラモンに当たることはなかった。
攻撃しても飛び上がってしまい外れてしまう。
ただ疲労だけが溜まっていった。
「一体どうすれば…ホーンドラモンの攻撃は全部かわされる…」
まさに絶体絶命の危機に陥っていた。
「そろそろとどめを刺そうか…」
セーバードラモンはゆっくりと上昇し狙いを定める。
「まずい…あの体勢は例の必殺技…」
「これで終わりにさせてもらう!『ブラックセーバー』!」
上空からホーンドラモン目掛けて急降下してくる。
鋭いつめがホーンドラモンを襲った。
「ホーンドラモン!」
降下のスピードからかあたりに砂埃が舞い上がる。
辺りの見えない中、セーバードラモンだけが笑っていた。
「ハハハハ!これで手柄は私のものだ!」

「何言ってんだよバカ野郎が!」
砂埃の中、ホーンドラモンの叫びが聞こえる。
「この声…ホーンドラモン?!」
「な、ど、何処だ!何処にいる!」
「ここだよバカが!」
そこには砂埃を巻き上げ突撃してくるホーンドラモンの姿があった。
「な、何故…それにこの速さは…」
「こんなところであんな技を使えば視界が悪くなるのも当然だろが!それにここには沢山岩があるからな、飛び伝っていけばこの程度わけない!」
「な…」
「いい加減に終わりにしてやる!『スパイラルホーン』!」
回転したツノがセーバードラモンを貫いた。

「あ、が…」
貫かれたセーバードラモンは落下してその場に倒れた。
「さぁて…話してもらおうか」
「な、何をだ…」
「決まってんだろ?俺たちを襲う前に話してた奴のことだよ!」
ヴェルモンは荒々しくつめを突き立てる。
今にも止めを刺したい気持ちを必死で抑えていた。
「あ、あれは…『パンドラ』のメンバーの一人だ…我々に指令などを伝えている」
「ほう?じゃ、そいつの正体は?」
「し、知らない…あれは何時だって黒いフードを被っていて正体がまるでわからないんだ…」
どうやら本当に知らないようだ。
ならば話もこれだけしか聞けないだろう。
「そうかよ…じゃ、終わりに…」
「ちょ、ちょっとまった!」
止めをさそうとしたヴェルモンを真が静止する。
「んだよ!」
「こいつの処置は…俺に任せろ」
そういって真はD・フォンⅡをセーバードラモンに向けた。
「デジタルデータ…ロード!」
突如セーバードラモンの体が粒子に変わりD・フォンⅡに吸収されていく。
そしてその場には卵だけが残った。
「な、何だよ今の…」
「D・フォンⅡにあるもう一つの機能、データロードだよ。これを使えば相手をデジタマにして相手のデータを得ることができるんだ」
「…ったく、じゃあ行くぞ」
そう言ったヴェルモンの声は少し柔らかかった。
「…あぁ!」

薄暗い闇の中。
そこに二つの影があった。
「新たな子供か…厄介だな」
「えぇ…ですが、これも規定事項ですから」
二つの影は彼等の様子を眺めていた。
「で、どうする?『パンドラ』に従うものが二度もやられているわけだが?」
「そうですねぇ…このまま置いておくのもあれですし…もう少し困難に立ち向かってもらいましょう」
その声はあくまで冷静で、それでいて冷たい声だった。

第3話 end
次回 pride ~誇り~