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道の真ん中。
『鉄のかたまり』が迫ってくる。
逃げられない。間に合わない。
そして、その体は空に舞った。

第1話 opening ~開始~

少年が目覚めた場所。それは見たことの無い場所だった。
広大な草原。澄んだ空気。
そして大きな空。
彼には全くといって良いほど見覚えが無い場所だった。
「…ええと…名前は西野 真(にしの まこと)、11歳の小学生…よし、自分のことは覚えてるな」
別に記憶喪失ではなかった。
だとすれば一体どうしてここにいるのか。
彼には検討もつかない。
「確か…携帯が届いて…茜に見せようとして…そのあと…その後が思い出せないんだよな…」
ともかくここから早く移動しなくてはいけない。
彼はそそくさと移動し始めた。

「しかし…本当に何も無いな…」
歩いて数分。本当に草原しかない。
彼はそろそろ飽きてきた。
「家もないし森も無い…本当に何なんだよここは…」
うんざりしながらもひたすら歩く。
やがて、一本だけ立っている木を見つけた。
「…まぁいいや。少し休むか」
彼はその木陰で休もうとする。
だがそこには先客がいた。
「…あぁ?誰だお前?」
それは人間ではない。
なにやら妙な生き物だった。
長い爪を持っている、トカゲのような生き物。
彼にとってそれは不思議な生き物だった。
「いやアンタこそ誰だよ」
「るせぇな…どうでもいいだろ!」
「どうでもよくねぇ!相手に聞くときはまず自分からだって知らないのか?」
「チッ…」
その生き物は観念したようだ。
ため息をつくと話し始めた。
「俺はヴェルモン、ここの近くの町に住んでる。で、お前は?」
「あ、俺は西野真。ここにはいつの間にかいたんだけど…」
「はぁ?おかしい奴だな…」
「アンタだって似たようなもんだろ。大体何だよヴェルモンって…」
険悪な雰囲気があたりに立ち込める。
「ってかアンタ人じゃないし…本当に何なんだよお前…」
「はぁ?俺からしてみたらてめぇの方がわけわからねぇよ!」
だが、そんな彼等の前に大きな生き物が現れた。
それは大きな右腕を持つ一つ目の竜人だった。
「あ…やべ」
「おいアンタ?どうしたんだ?」
「るせぇ!さっさと逃げるぞ!」
二人はその生き物から逃げ出す。だがその後ろを追いかけてきた。
「おいアンタ!一体あれは何だよ!」
「あいつはサイクロモン、この辺りにいる暴れん坊だよ!」
「何でそんなもんがいるんだよ!」
「るせぇ!俺に言うんじゃねぇ!あいつに言え!」
「だったらアンタが止めてみろよ!」
「止めれるんだったらこうやって逃げてねぇよ!」
「結局役にたたないじゃないか!」
「んだとこら!てめぇいい加減にしろよ!」
口げんかをしながら逃げる二人。だがその距離は段々と迫ってくる。
「チッ…これじゃあ二人ともまずいな…」
「どうすんだよ!」
「…おいお前、生贄になれ」
「はぁ?アンタ何言ってんだよ!」
「お前が囮であいつに向かってく。俺はその間にずらかる。いいアイデアだろ?」
「ふざけんな!だったらアンタが行けよ!」
「そっちこそふざけんなよ!俺が助かるために考えたんだろうが!」
「アンタ鬼か?!」
「俺からしてみたらてめぇなんかどうでもいいんだよ!」
「そりゃこっちだって同じだ!」
ケンカしているうちに遠くまで来たのか、大きな岩が行く手をふさいだ。
「行き止まりかよ…」
「お前と会ったからこんなことになったんだろうが!」
「何言ってやがる!アンタと会わなければこんなことにならなかったよ!」
「んだとこら!もういっぺん言ってみろ!」
「何度でも言ってやるよ!アンタのせいでこうなったってな!」
「ふざけんなよてめぇ!こっちだっててめぇに付き合ってなければこんなことにならなかったんだよ!」
「俺が悪いってか!」
「さっきからそうだって何度も言ってんだろが!」
だが彼等は構わずケンカを続けている。
これには流石のサイクロモンもあきれてきた。
だが構わず大きな手を振り下ろす。
彼等は咄嗟に目を瞑った

その手が彼等に当たることは無かった。
目を開けてみるとサイクロモンは倒れていて動かない。
彼等は助かったのだ。
「な、何だったんだ…」
「まぁいいや…助かったんだから良しとするか…」

「ふぅ…世話が焼ける『主人公』君だ…」
彼等のはるか上空。
そこで『奇術師』は彼等を眺めていた。
「新たなる事件は新たなる物語を生む…楽しみだね」
彼は笑いながらそれを見ている。
そして『奇術師』はゆっくりとその姿を消した。

第1話 end
次回 travel ~旅~