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あの日、私は目覚めた。
戦うため。そしてこの世界を守るため。
そのためなら…私は死を恐れない。

デジタルバスター外伝 星の戦士たち
第三章 水瓶座

朝焼けの森の中。戦士たちが集結していた。
彼等の表情は皆険しい。大切な仲間の半分がいなくなってしまったのだから。
「結局ここにこれたのは三人…」
「二人が戦死、三人が裏切ったわけですからね…」
彼等を裏切り、町を襲った者達。
そしてそれから町を守るために死んでいった者達。
「あいつ等は…絶対に許さない!」
そして、生き残ってしまった者達。
彼等の最終決戦が始まろうとしていた。
「みなさん…よく集まってくれました」
「来ましたか…アリエスモン」
三人の下へ彼等のリーダーとも呼べる二人が来る。
「バルゴモン、アクエリモン、サジタリモン…ご無事で何よりです」
「ライブラモン…子供達は?」
「皆戦いに参加するそうだ…打倒カオスモンは彼等に任せる」
それは苦渋の決断だった。
本来彼等はカオスモンを倒すためにこうして集まった。
だが最終的にはそれを子供に任せてしまう。
戦士として、彼等を危険に晒したくは無かった。
だがそれも仕方が無いことである。
すでに仲間の半分を失っている。
その戦力でカオスモンと戦ったところで勝てるはずが無かった。
「では…我々はどうするのだ?」
「そのことですが…我々は陽動として働きます」

彼等は荒野の岩の陰に隠れていた。
目の前にはカオスモンの城が見える。
「作戦の説明をしておく。まず私が城の壁に穴をあける。その隙に事前に伝えたチームで突入だ」
「突入後は各自周辺の陽動をお願いします。それで少しでも敵を引きつけてください」
作戦内容を確認し、彼等は城を見つめる。
皆、それぞれの意志でこの戦いに参加している。
彼等は死を恐れはしない。その先にある平和を信じて戦っているのだ。
「では行くぞ!」
ライブラモンが城の壁を破壊した瞬間、彼等の最後の戦いが始まった。

「ヘッ…ようやくおいでなすったか…」
城内のとある部屋。そこにかつて彼等の仲間だったものがいた。
その名はキャンサーモン。カオスモンとの戦いの為に雇われ、今では彼等の敵としてここにいた。
「とっとと出てきたらどうだよ」
部屋の中に二人の戦士が入る。
「お前が相手か…キャンサーモン」
「そういうそっちは…ライブラモンにアクエリモンか。機械チームってか?」
「ふざけるな!私はお前を倒しスコピオモンの敵をとる!」
すぐさまアクエリモンは水弾を撃つ。
だがそれをキャンサーモンは片手で弾いた。
「おうおう、随分とやる気じゃねぇの!」
「キャンサーモン…2対1ではこちらの方が分があるぞ?」
彼等の最初期の頃から参加しているライブラモンを含む三人を除いて基本的には互角だ。
無論、このままではキャンサーモンに勝ち目はない。
だが彼は未だ笑っていた。
「何がおかしい!」
「何がって…俺が何も変わってないと思ったか?」
「悪魔に魂を売ったか?」
「悪魔かどうか…てめぇらが判断しやがれ!」
突如キャンサーモンの体が黒く染まっていく。
まるで何かに覆われたかのように全身の色が変わっていった。
「これが見返りとしてもらった…新たな力だ!」
キャンサーモンはすぐさま二人に飛び掛る。
それはとてつもない早さだった。
「グッ…」
ライブラモンは反応が出来ずに地面に叩きつけられる。
キャンサーモンはアクエリモンへと向かっていった。
「どうしたよ!あんたはこの程度か?!」
「チッ…何という力だ…」
キャンサーモンの鋏を体を張って受け止める。
だがその強さは尋常ではない。そう長くは持ちそうに無かった。
「アクエリモン!」
ライブラモンはは体の火器で撃つ。
だがそれも片手で弾かれた。
「どうよこの力は…すげぇだろ?こんな力が貰えるんだったら最初からこっちに付けばよかったぜ」

それは、まだスターレジェンズが結成されて間もない頃。
「修理できたか…しかし、記憶回路も損傷しているとはな」
とある戦場跡に放置されていたボロボロの機械デジモンをライブラモンは持ち帰り修理していた。
だが結局元通りにはならなかった。
「…とにかく、起動させるか」
ソレは目を覚ます。無論自分の置かれている状況を理解できないでいた。
「お前はもう自由だ。お前が何かをしたいのであれば私はそれに手を貸そう」
だが記憶も残っていない彼にしたいことなどあるはずも無い。
ソレはただ困惑するだけだった。
「…そうだな、それが当然の反応だ。なら…」
そして彼はまだ手を差し伸べる。
彼はソレを救いたいだけだった。
「なら、世界を見ていこう。そしてその上でやりたいことを見つけるがいい」
ソレはその手を取った。
「そうだ、お前にも名が必要だな…」
そしてソレは名付けられた。
自分の望むままに流れる水のように。アクエリモンと…

「戯言はそれだけか?」
アクエリモンは体でキャンサーモンを抑える。
キャンサーモンはたちまち身動きが取れなくなった。
「な、てめぇ何しやがる!」
「何…貴様を送り届けてやろうと思ってな…」
段々アクエリモンの体内の温度が上昇していく。
それと同時にその体が光りだした。
無論ライブラモンにはそれが何かが良くわかっている。
彼は自分自身を犠牲にしてでも敵を倒すつもりなのだ。
「止めろアクエリモン!お前は…」

「これが、私の望むことだ…私は平和の為に戦う。そのためなら…この命、惜しくはない!」

そして望みを叶えた機械は爆音と共に光の中へと消えていった。