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ヴァング「今の俺にはお前の声は聞こえない、だがお前には聞こえているはずだ!早く!」 ミラージュ「どういうつもりでしょうね…気でも狂いましたか?」 ヴァング「早く!俺を信じろ!」 オピュクス「クッ…『サンダークロー』!」 第72話 追求 前回のあらすじ ミラージュモンと対峙した剛輔は幻影に翻弄されていた。 そして剛輔はオピュクスモンに自らを切り裂かせた。 ヴァング「グゥ…」 ヴァングモンはその痛みに足元がふらつく。 しかしその目はしっかりとミラージュモンを捉えていた。 ヴァング「…見えた!」 オピュクス「剛輔!」 ミラージュ「なるほど…痛みにより幻影を消し去りましたか…ですが、それも一瞬だけです」 ヴァング「相手の場所さえ…その気配さえわかれば!」 ポイズン『だが忘れるなよ?俺がいることを』 もう一人の俺はまるで阻むかのように目の前に立つ。 ポイズン『お前が俺の存在を認めていなくても俺はここに「存在」している。心ではいないとわかっていても頭がいると判断する。俺をすり抜けることなど…』 ヴァング「貴様も『俺』ならばどうするかわかるはずだ!」 俺は駆け出す。その先にいる『敵』目掛けて。 ポイズン『な、お前は…』 ヴァング「俺は行く手を阻むものを許しはしない!それは今も変わらない!」 ポイズン『だが俺を越えることなど…』 ヴァング「そして俺はお前とは違う!いつも絶望し諦めていた『俺』ではない!だからこそ俺は『俺』に負けたりはしない!」 ヴァングモンは止まらずにミラージュモンへと向かう。 ミラージュ「しまっ…」 ヴァング「お前ごと貫く!『エアロスライサー』!」 ヴァングモンの右腕に風が纏わり、ミラージュモンの体を貫いた。 ミラージュ「ガハッ…」 ヴァング「…まだ死んではいないだろう」 ヴァングモンはゆっくりと腕を抜く。 その腕は急所を外していた。 オピュクス「ご、剛輔何で…」 ヴァング「こいつにはいろいろと聞きたいことがあるからな」 ミラージュ「…いいでしょう、私が答えられる範囲であれば」 ヴァング「なら…俺にかけた幻影、あれを使うことで他人を操ることは可能か?」 ミラージュ「えぇ。周りに相手が憎む存在をだすことで暴れさせることも可能ですし本人しか見えない皮をかぶせることで肉体操作も可能です」 ヴァング「やはりな…」 オピュクス「ど、どういうことだ?今のがどうしたんだ?」 ヴァング「前から予感したことが今確信に変わったということだ」 オピュクス「それって…」 ヴァング「あぁ…『デジモン達を操っているのはカオスモンではなくミラージュモン』だということだ」 ミラージュ「正確には私とドーケモンの2人ですけどね…なぜそうだと?」 ヴァング「初めてお前と会ったとき、お前は言ったな?『バルトモンのときといい今回といい邪魔されてばかり』と」 ミラージュ「それが?」 ヴァング「俺も最初はカオスモンが操ったあいつをけしかけたと思っていた。だがそのときから妙な違和感が俺の頭の中にはあったんだ」 オピュクス「違和感?」 ヴァング「バルトモンが他の奴等と別れたのはほんの数分前らしい…何故そんなに早く操られた奴を使える?」 ミラージュ「カオスモンがその場にいたと考えれば妥当だと思いますが?」 ヴァング「そう、俺も最初はそう考えていた。だがその違和感はプリズムキャッスルへ行ったとき疑問に変わり、そしてここに来たときそれは予感へと変わった」 オピュクス「…ここの兵が操られて無かったことだな?」 ヴァング「あぁ、デジモンたちを操っているのであればプリズムキャッスルの兵が操られていたのに最も重要な拠点であるここの兵に操られたデジモンがいないのもおかしい」 ミラージュ「なるほど…それで?」 ヴァング「だから俺は考えた…プリズムキャッスルはお前達が利用していたから兵たちも操られていた。そしてカオスモンには本当の兵がいたから操られてはいなかった」 ミラージュ「あそこの兵たちも本来はカオスモンの兵です…私はそれを利用しました」 ヴァング「そして、お前達がデジモンを操っているのであればある仮説が浮かび上がる」 オピュクス「仮説?」 ヴァング「…『この戦いを引き起こした張本人はミラージュモンとドーケモンである』ということだ」 オピュクス「なっ…」 ヴァング「この戦いの引き金は『カオスモンがデジモンたちを操り襲っている』ということ。だがカオスモン事態にデジモンを操る能力が無ければ…」 オピュクス「操ったデジモンで襲うことも出来ない…」 ヴァング「つまりお前達はカオスモンにその罪をかぶせることでこの戦いを引き起こした」 ミラージュ「…よくそこまで推理できましたね」 ヴァング「俺を他の奴等と一緒にするな。おそらくここまで考え付いたのも俺だけだろう…お前は俺以外の奴等には姿を見せていなかったようだからな」 ミラージュ「…そうですか」 ヴァング「さぁ答えてもらおうか、お前は一体何を企んでいる」 オピュクス「レオモンを何処へやった!」 ヴァングモンは再び腕を構える。 ミラージュ「それはまだ早いですよ」 その瞬間、ミラージュモンの姿が消え去った。 ヴァング「なっ…消えた?!」 オピュクス「また幻影か?!」 ミラージュ『あなたはとても頭がいい…賞賛に値します。その調子で次のステージでもがんばってください』 ヴァング「ふざけるな!」 ミラージュ『あぁそうそう、せめてもの置き土産です』 ドアから大勢の兵が現れる。 その兵達は皆操られていた。 ミラージュ『しばらく彼等と遊んでいてください。それでは縁があったらまたお会いしましょう』 ヴァング「チッ…」 オピュクス「剛輔、今は…」 ヴァング「あぁ…こいつ等を駆逐するのが先だ!」 ガト「しっかし他の奴等はしっかりと進んでるのか?」 その頃、龍たちはひたすら奥を目指して進んでいた。 ショット「さぁ?とにかく進めばわかるだろ」 ガト「そうだな!」 そして彼等は広い部屋へと辿り着いた。 そこはすでにボロボロで中央に一本の剣が突き刺さっていた。 ショット「ここは…どうなってるんだ?」 『お前が来る少し前に自らの弟子のために命を落とした勇士の死場だ』 誰もいないはずの部屋に声が響く。 ガト「誰だ!」 ショット「その声…ナイトブレイモンか」 Nブレイ「また会えたか…浅野龍よ」 第72話 完 次回 衝突

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