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デジタルバスターSecond 第8話」(2007/11/24 (土) 17:44:23) の最新版変更点

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生き物は成長して大きくなる。 子どもの場合それは特に大きい。 成長は大切なものだ。 ただ…これはちょっと早すぎないか? 第8話 growth ~成長~ 前回のあらすじ 夜、野宿をしていた真は夢の中で過去を思い出していた。 「ん…ぁ…よく寝た…」 とある町で、良平たちは宿をとっていた。 フラモンはまだ戦うことが出来ない。 まだ戦えるレベルまで『成長』していないからだ。 今のフラモンは生まれたばかりの赤子同然。戦えるわけがない。 故にフラモンが成長するまで近くの町で暮らしていた。 「おいフラモン…起きろよ」 そして、赤子の成長はとても早い。 良平がフラモンの方を向くとそこにはフラモンに似た何かがいた。 羽の生えた丸い体になにやら妙な突起物が付いていた。 「んぁ…おはよ…良ちん…」 「…で、俺はお前のことを何て呼べばいいんだ?」 「今はフラモン改めフレモンでよろしく!」 朝食をとり、町をぶらつく。 お互いあまりこの世界のことに詳しくないため、少しでも情報が必要である。 そのために。町を歩いていろいろな話を聞いていた。 その話によるとどうやら今の世の中は物騒になっており、各地の町を荒らしまわるものがいるらしい。 また、それを倒して回っているという二人組みの存在も聞いた。 「随分大変なことになってるんだな…」 「ま、こんなもんでしょ!」 事態を深刻に考える良平に対し、フレモンは陽気に答える。 つまり、この先戦う力を持たなければ危険が伴うということであろう。 今のフランモンにその力を求めるのは酷である。 まだ生まれたばかりの赤子に戦えと言っているようなものだ。 だからこそここで時を待つ。フレモンが成長するのを待つのだ。 その判断が正しかったことに良平は安堵した。 「ん?どうしたんだ良ちん?そんな顔して面白くないぞ?!」 「なんでもないから…頭の上に乗っかるのだけはよしてくれ、重いから…」 フレモンは羽を持ち空中に浮かんでいられるが、今は良平の頭の上に乗っかっていた。 「いいじゃないか!僕は楽が出来て良ちんは体を鍛えられる、一石二鳥だよ!」 「生まれたばかりの癖にそんな四字熟語使うな!大体僕より先にお前が鍛えられるべきだろが!」 「キャー良ちんがいじめる~」 『うるせぇんだよ!さっさと食いモン持ってくればいいんだよ!』 そのとき、とある酒場から声が聞こえる。 どうやら何か一悶着があったらしい。 「…行って見るか」 「だねッ!」 良平とフレモンはその酒場へと足を踏み入れた。 「おら!たらたらすんじゃねぇよ!」 酒場の中では大きなデジモンが従業員に暴言を発していた。 「…まるでチンピラだな」 「…ビミョー」 「あん?てめぇら何か文句あっかよ!」 チンピラは良平たちに気づいたらしくそちらのほうへとズンズン進んでいく。 「見世物じゃねぇんだよチビ助!とっとと失せな!」 「あっそ…で、木偶の坊さんは何時になったら失せてくれるんでしょうかねぇ…」 周りからくすくすと笑い声が聞こえる。どうやら結構ツボだったようだ。 「…てめぇ、俺が何だかわかってそんなこと言ってるのか?」 「わかるわけないでしょう…僕と木偶の坊さんは初めて会うんですからね」 「聞いて驚くなよ…俺はかの有名な犯罪組織、『パンドラ』の幹部なのだ!」 そのとたん、周りは急に恐怖に包まれた。 その名を知っているものにとってはそれがどれだけ恐ろしいことか。 だが… 「…なぁ良ちん、『パンドラ』って何?」 「僕が知るわけないだろ…ま、ショボイ組織だろ?」 「て、てめぇ『パンドラ』を知らねぇのか?!町を荒らしまわってる超恐ろしい犯罪組織だよ!」 「あぁそんな話もあったね…でもその幹部が何でこんなところでチンピラみたいなことしてんの?」 「そりゃそうだろ?こんなのが幹部なぐらいだからその組織だってショボイんだろ?」 「そっか!ということは皆チンピラなんだね!」 チンピラはフルフルと怒りに震えている。だが二人の会話は止まらない。 「だとするとさ?何でこんなにみんな怖がってるんだろ?」 「そうだな…どいつもこいつもすごい臭いとか?」 「アハハ!それってこわー!偉くなるほどどんどん臭くなってくんだね!」 「そうそう!そういえばここも何だか臭いしそのにおいじゃないか?」 「かもねー!早くしなきゃ鼻が曲がっちゃうよ!」 「いい加減にしねぇかクソガキども!こうなったらぶちのめしてやるよ!」 突如チンピラは良平たち目掛けて飛び掛る。 だがそれをヒラリと身をかわした。 「そんな大きな体してたら室内じゃそんなに動けないっしょ?そうでなくてもここにはいろいろと物がいっぱいあるんだ…戦う場所を誤ったな」 「クソガキ…だがてめぇ等には俺を倒す力なんて持ってねぇだろが!」 「だなぁ…じゃ、こんなのはどうだ?」 良平は未だに頭に乗っていたフレモンを掴む。 「え、良ちん?何を…」 「必殺!大リーグボール改、一球入魂!」 「や、ヤメテェェェェェェ!」 良平はフレモンを掴んだまま振りかぶってチンピラ目掛けて投げつける。 だがそのとき、突如フランモンの体が光り出した。 光ったフレモンはそのままチンピラに直撃した。 「アダッ…っつつつつ…」 「痛…酷いよ良ちん…」 光が収まったとき、フレモンの体に手足が生えていた。 「…あ、進化したのか」 「舐めたまねしてくれるじゃねえかよ…あぁ!」 「えーと…とにかくそいつの動きを止められるか?」 「あ、うんやってみる…ちょっと伏せてて」 元フレモンはふわふわと浮かびチンピラの頭上に止まる。 そしてゆっくりと口を開いた。 「…『エクストラバインド』」 その声と共にチンピラの体に吸い付くようにテーブルが、イスが、どんどん飛んでいく。 次第にその姿が物に埋もれて見えなくなっていった。 「はい、おしまい!」 「…すごいな」 周りで見ていた人々もその力に驚きを隠せない。 先ほどまで幼年期であった奴がチンピラを一瞬で無力化してしまったのだ。 『頼むよ~解放してくれ~』 塊の中からチンピラの声が聞こえる。 だが解放することは無い。 「しっかりと反省してる?」 『悪かったよ~パンドラの幹部っていうのも全部ウソだから~』 「…わかった、じゃ解くね」 そのとたん、バラバラと物がチンピラから離れていく。 あっという間に部屋は元通りになった。 「す、すまねぇ…」 「うん、僕は別に良いよ。だけど…」 チンピラが顔を上げると、彼を町の人々がグルリと囲んでいた。 「え…」 「てめぇよくも暴れてくれたな!」 「いっぺん絞めるぞこら!」 「ひ、ヒィー!」 チンピラは何処かの家に引っ張られていった。 「…で、お前のことは何て呼べばいいんだ?」 「フレモン改めフランモンでよろしく!」 その日、良平とフランモンは沢山の人々に感謝された。 そして翌日。 「さてと…じゃ、行こうか!」 「元気だなお前…」 二人は旅の準備をしていた。 成長期になったため旅をしても問題ないとフランモンが言った為である。 無論成長期に成り立てだということで良平も反対していたが結局は折れることになった。 「僕だってもう戦えるんだぞ!強いんだぞ!」 「わかったからいい加減に俺の頭の上から降りてくれ…」 二人の旅が本当に始まった。 この先に彼等を待っているのは喜劇か悲劇か。それは誰も知らない。 第8話 完 次回 Village ~集落~

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