「デジタルバスターSecond 第7話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

デジタルバスターSecond 第7話」(2007/11/24 (土) 17:42:15) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

自分に力なんてない。 自分には何も出来ない。 自分には何も無い。 自分には… 第7話 dream ~夢~ 前回のあらすじ 草原を進んでいた真とヴェルモンはマメモンと出会うが地震により地面が抜け落ちてしまう。 マメモンの爆弾貯蔵庫の通路についた彼等は元凶であったサラマンドラモンを倒し、先へと進むのであった。 森林付近。すでにあたりは薄暗くなっており、彼等はここで野宿をすることにした。 「しっかり休んどけよ…歩きっぱなしだからな」 そういってヴェルモンはすぐに横になった。 今までは他人を気にすることの無かったヴェルモンだが少しは余裕が持てているようだ。 「あぁ…おやすみ」 「おやすみ」 ヴェルモンの方から静かな寝息が聞こえる。 その寝顔はとても安らかだった。 「…一体どんな夢見てるんだろな」 その顔を見るととても微笑ましくなってくる。 真は未だヴェルモンの笑顔を見たことは無かった。 会った際はお互いに言い争いをしていたしあの町のこと以来感情を表には出さなくなった。 でも寝ているときだけはこうしてその憎しみから解放されているのだろう。 「出来ることなら…以前のヴェルモンに戻ってほしい」 それは切実な願いだった。 以前の、言い争いをしていた頃のヴェルモンに戻ってほしかった。 だが… 「自分じゃ…無理なのかな」 いい兆候が見られたのもマメモンという存在がいたからだ。 おかげで少しは感情を出すようになってきた。 例えそれが怒りだとしても… 「…やめやめ、寝よ」 頭の靄を振り払い、真は横になった。 ここに来る前、俺は駄目人間だった。 俺はいつもここぞと言うときで失敗を繰り返していた。 何をしても駄目だった。やってもやっても、帰ってくるのは散々な結果だけ。 でも自分だけが困っているのだったら別に構わなかった。 他人に迷惑さえ掛けなければそれでよかった。 それなのに…ソレは起きてしまった。 『おい…どうすんだよこれ…』 『流石にこれ…まずいだろ…』 その日、学校でいじめがあった。 それ自体はどの学校でもある普通のいじめ。 体育館裏に呼び出して金を取ろうとしていたのだ。 その事を偶然聞いた俺は相手が行く前にその場へと乗り込んだ。 無論、そいつらは俺なんか興味がなかった。 だから挑発した。それがいけなかったのかもしれない。 そいつらは俺に向かって殴りかかってきた。こうなることだろうとわかってた。 だが俺だって負けるわけにはいかなかった。俺は全力を振り絞り拳をぶつけた。 そいつは綺麗に吹っ飛び『壁に頭をぶつけた』。 意識は無く、頭から血が流れていた。俺は頭から血を流す奴を初めて見た。 そいつの仲間達は恐怖に震え、逃げ出していった。 そして、その場には俺と血を流して倒れている奴だけが残った。 幸い、命に別状はないようだった。 ただし、暫く入院が必要らしい。 俺の親は何回も頭を下げ、慰謝料を渡していた。 …俺は、他人にまで迷惑を掛けてしまった。 その日から皆は俺に近づこうとはしなくなった。 いじめられていた奴も俺を怖がっている。 俺にはもう頼れる奴なんていなかった。 でも茜は違った。 茜はこんな俺にも友好的に接してくれていた。 『なぁ…いいのかよ』 『何が?』 『俺なんかと一緒にいるから…お前も皆から避けられてんだろ?』 俺なんかの為に茜が苦労する必要なんて無いんだ。 それなのに…茜は俺に対して笑顔を向けていた。 『大丈夫だよ?私は真ちゃんがいれば大丈夫!』 俺は茜に何度助けられただろうか。 茜は俺にとって心の支えだった。 ある日、俺の元に奇妙な携帯が届いた。 見たことの無い、不思議な携帯。 俺はそれがとてもすばらしいものに思えた。 だから茜にすぐに見せたかった。俺は茜の家に向かって走り出した。 その途中、道路の向かい側を歩いている茜を見つけた。 『茜!』 すぐさま俺は茜の方へ駆け出した。そして… 「起きろ真!」 ヴェルモンの叫び声で真は目を覚ます。 だが辺りは依然として暗いままだった。 「何だよ、まだ夜じゃ…」 「敵が来てんだよ!お前の上に!」 真が上を向くとバクのようなデジモンが浮いていた。 「ハァ?!」 「モヒモヒ…折角の美味しい夢だったのに…」 真はすぐさまバクから離れる。 「おいヴェルモン、こいつ本当に敵なのか?!」 「知るか!大体人の頭の上で何かやってたら敵と思って当然だろ!」 「どう見ても敵対意識ないみたいだけど?!」 「るせぇ!いいから油断だけはするな!」 「わかってるよ!」 二人が言い争いをしている間にいつの間にかバクは姿を消していた。 「…いねぇな」 「チッ…逃げたか…」 「最初から敵じゃなかったんだろ?」 「てめぇ俺をバカにするのか?!」 「実際敵じゃ無かったじゃねぇか!」 「るせぇ!そもそもテメェには危機感が無さすぎなんだよ!」 「んだとこら!少しは他人を信じてみろよ!」 二人はまだ気づいていない。自分達が初めて出会ったときに戻っていることを。 二人の声が夜の森に響いていた。 そして二人から遠く離れた森の中。 そこに一つの影があった。 その側にはあのバクの姿。 「ご苦労だったなバクモン…おかげで貴重なサンプルがとれた」 「へ、へい…じゃあこれで…」 バクは影からゆっくりと離れていく。 だが次の瞬間、バクの体は切り刻まれ消滅した。 「フフフ…まだ会えんが…そのときが楽しみだな」 第7話 end 次回 growth ~成長~

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: