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戦いっていうのはいつも非常なものだ。 誰かが勝つかわりに誰かが負ける。それは当たり前のこと。 だがまぁ…こんなことになるとはな。 デジタルバスター外伝 星の戦士たち 第ニ章 牡牛座 「いや、しかし先にお前と合流できてよかったよ」 とある山岳地帯を獣人と馬人が歩いていく。 獣人の名前はタウラスモン。巨大な体と太い角をもつ。 彼はまだ半人前のころから戦士の一員として戦ってきた。 今回は各地に散らばっていた仲間を集めるために旅をしている。 道中合流できたサジタリモンと共に現在ジェミニモンの下へと向かっていた。 「しかしジェミニモンは何処にいるんだ?」 「あぁ…聞いた話によるとだな、何でもこの先の洞窟で一人精神修行をしてるんだと」 「なるほどな…僕はあまり知らないのだが、ジェミニモンはいつもそうなのか?」 「そうだな。いつも仮面を付けてて何考えてるのかさっぱりだ。そういう点ではアリエスモンと似通ってるかもな」 そう、これから合流しようとしているジェミニモンは一言で言えば変人だった。 仮面を付けているために表情もわからず、めったに姿を見せない。 そんな奴だがスターレジェンズの最初期の一人であるという。 彼が一体何なのかは誰一人としてわからなかった。 「ま、あいつはあいつでいろいろと考えがあるんだろ」 それでも彼はそんなジェミニモンを気に入っていた。 彼とジェミニモンには深い関係があった。 夜も遅くなったため、二人は近くの町で宿をとることにした。 宿の主は快く引き受けてくれたため、いい部屋に泊まることができた。 「明日になれば合流ができる。その後は急いで集合場所に行かなくちゃな」 「そうか…休まる暇もないな」 「そうは言っていられんだろう。これは最終決戦の準備なのだからな」 現在例の子供達がある拠点を制圧するために向かっているらしい。 そのため決戦の日が近いのだそうだ。 まぁ彼等なら大丈夫だろう。問題は彼等に何処まで戦わせるかだ。 彼等は確かに強力な力を持つ。それは認める。だが… 「なぁサジタリモン。お前剛輔と会ったんだったな」 「あぁ、少々危険な状態だったからな…似合わない説教をしてしまったが」 そう、彼等はまだ子供だ。そんな子供に何処まで戦わせるか。 やはりカオスモンとの決戦では我々が戦った方が… 「タウラスモン?」 「あ、あぁなんでもない。とにかく休めるときに休んでおかないとな」 そういって彼は眠ることにした。 とてつもない轟音で、彼等は目を覚ます。 「な、何だこれは…」 「とりあえず外へ…」 二人は外に出る。その先は… その先は地獄だった。 燃え上がる炎。逃げ惑う町民。泣き叫ぶ子供。 まさに地獄と言っていいほどの状況だった。 そしてその地獄の中心。そこには予想外の人物が立っていた。 「…ジェミニモン。何故お前がそこに…」 仮面を付けた天使、ジェミニモン。 先の洞窟にいるはずの彼がそこにいた。 「まさか…これは貴方が?」 「そうだとしたら…どうする?」 彼はあくまで優しく答える。 その声に殺気は無かった。 「だとしたら…ここで倒す!」 「まてサジタリモン!」 飛び掛ろうとしたサジタリモンをタウラスモンは制す。 「何故だ!ここで奴を倒さねば…」 「サジタリモン!この状況を無視して戦うか!」 サジタリモンはその言葉にハッとする。 この地獄をそのままにしておくわけにはいかない。 とにかく人々を助けなければ。 「だ、だが奴は…」 「心配するな。俺が相手をしてやる」 そうしてタウラスモンは彼と向き合う。 彼が今どういう表情をしているのか。それは仮面で見えない。 「ふぅん…なるほどね。つまり…君が残って戦うということか」 「た、タウラスモン…」 「お前は町の人々を助けてやってくれ。あいつは俺が!」 その瞳には強い意志が感じられた。 その意志を感じたサジタリモンは町の方へと駆けていった。 そしてその場には仮面を付けた天使と大きな体の獣人が残った。 「…本当にいいんだね?」 「あぁ…覚悟は出来てる」 そう、俺ではあいつには勝てない。 それは初めて会ったときから知っていた。 あいつの力は桁違いである。 だが、ここで退くわけにはいかなかった。 俺はあいつと向き合わなければならない。 そんな気がした。 まだ彼がスターレジェンズになる前。 どんな偶然か彼はジェミニモンと会っていた。 ジェミニモンはその場に立っているだけだった。 「あんた…何してんだ?」 彼は尋ねた。 ジェミニモンは答える。 「そうだね…命の流れを感じていたんだ」 最初はそれだけ。たったそれだけのこと。 それだけで彼はその力を感じ取っていた。 そうして彼に目標が出来た。あの天使に少しでも近づきたいと。 「ぐぅ…」 タウラスモンの体はすでにボロボロの状態だった。 そしてジェミニモンは全くの無傷。 力の差は歴然だった。 「なかなか強くなったけど…まだまだだね」 「うるせぇんだよ…」 タウラスモンはゆっくりと立ち上がる。 彼はまだ諦めてはいなかった。 「どうせやられるんだったら…腕の一本は持ってかねぇとな…」 そして再び飛び掛る。だが… ジェミニ「…弾けろ」 また波動によって吹き飛ばされる。 彼はジェミニモンに一歩も近づけずにいた。 「はぁ…はぁ…」 だが彼は立ち上がる。諦めることなく向かっていく。 「ヘッ…行くぜ!」 ジェミニモンは波動を飛ばす。だが彼は一歩も引かない。 彼はそのまま近づいていく。 「え…」 「貰ってくぜ…『グレートホーン』!」 大きな体がジェミニモンに迫っていった。 「ガハッ…」 彼はその場に倒れ伏せる。もう動けない。 消えるのも時間の問題だった。 「はぁ…まさか、本当に腕を持っていくとはね…」 その天使の右腕は千切れていた。 あの一瞬で右腕を飛ばしていたのだ。 「ヘッ…言っただろう?俺は言ったことは守るんだ…」 「そうだね…でも、何故君が残ったんだ?どちらかが残っても結果は変わらなかっただろう?」 天使には依然として殺意が感じられない。 「あいつは…まだまだ伸びる。ここで終わらせるわけにはいかなかっただけだ」 「そう…じゃ、さよなら。君と戦えてよかったよ」 そうして宣言を果たした戦士は静かに消えていった。

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