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「では始める。」
ベルフェモンが一声かける。
「選ばれし子ども達、お前たちは知っているか分からんが、“ドルモン”についてだ。」
『!!』
ギアモンが一番最初に反応する。
それを見ていたベルフェモンが言う。
「そう、お前の“片割れ”といえるな。同じデータを持っているのだから。」

第三十六話 会議

「我ら七大魔王は奴(ドルモン)を上手く利用してデジタルワールドを根こそぎいただこうと計画していた。」
ベルフェモンは続ける。
「しかし、今回のように“ウィルス”というモノをまかれてしまうと、我らに不都合な訳だ。それでまず、奴を消滅させてから計画を実行する事にした。」
ギアモンが椅子から勢いよく立ち上がる。
「それを手伝えって言うのか?!俺等はデジタルワールドを救いたいんだよ!手ェ貸すはずねぇだろうが!!」
「まあそんなところだな。
 だが貴様等のその答えも予想していた。それが“使命”であり“運命”だからな。」
隆がつぶやく。
「だからなんだよ。俺たちに何をしろって言うんだ。」
「最後まで聞け。まだ続きがある。」
そう言ってベルフェモンは座り直す。
「我ら七大魔王は常にこの状態で行動してきた。一人を除いて、な。」
魔王達の視線が一気にベルゼブモンの元に集まる。
本人も気づいているだろう。
しかし彼は、決して目を開けず。手足を組んだままだった。
そしてリヴァイアモンが言う。
「はん!野郎は“人間”なんかと・・・」
「リヴァイアモン!」
ベルフェモンが注意する。
「うるせぇ!俺は此奴が気にくねぇんだよ!いっつもブラブラほっつき歩いて帰って来ねぇしよぉ、おまけにデジタルワールドを手に入れることに反対?!巫山戯んのもほどほどにしろよ!!!」
リヴァイアモンは言いたいだけ言いまくる。
しかしベルゼブモンに反応はない。
というか、無視している。
リヴァイアモンも、この会議も。
アダーモンが声を潜めて言う。
「・・・僕、ベルゼブモンの気配を感じないんだけど、気のせいかな・・・」
アンナモンが答える。
「いいえ・・・わたしも彼が椅子に座ってから、全く気配を感じないわ・・・」
そこにギアモンが付け足す。
「彼奴は会議に参加していないんだ。だから存在を消す。自分は内容を聞くだけのつもりだぜ、多分。」
神楽は考えこむ。
会議に参加しないのに何故来るのだろう・・・。
来ても罵声を飛ばされるだけ。
でも彼は来た。
聞くためだけに・・・。
神楽はハッとする。
「七大魔王がデジタルワールドを支配させないために・・・?」
ピクッ・・・・・・
神楽は見逃さなかった。
わずかだが、あの真っ黒な尻尾が動いた。
やっぱり・・・。
ベルゼブモンは何か知っている。
それにしても、無表情だと、何を考えているのかも全く分からない。
ベルフェモンはベルゼブモンをジッと見つめる。
他の者もそれに気づき、黙っていた。

長い沈黙が続く―――

張り詰めた空気の中、これは完全に我慢勝負となった。
一番最初に口を開く者はもう検討は付く。
だからリヴァイアモンの隣に座っていたデーモンは、両手を使ってリヴァイアモンの口をふさいだ。
「(分かりましたよ、しゃべんなきゃいいんだろ、しゃべんなきゃ!)」
リヴァイアモンはデーモンに目で訴える。
が、全く相手にされなかった。

「ふう・・・そうか・・・。」
待っても目すら開けないベルゼブモンに、ベルフェモンはリタイアした。
「まだ話す気になってくれないか・・・」
リヴァイアモンはデーモンの手をふりほどく。
「クソッ・・・だったら無理矢理聞き出して・・・」
「私はそういう汚いやり方はどうも好きになれませんね。」
ルーチェモンはピシャリと言い返した。
「・・・・・・。」
神楽はその光景を見て思った。
ルーチェモンはベルゼブモンの方に付いている。
これは明らかだ。理由は不明だが。
さっきリヴァイアモンが言った、“人間”・・・・・・
神楽は賭けにでた。
彼は人間と関わった事があるのだろう。
だったら人間である自分が聞けば、なにか変わるかもしれない。
「ベルゼブモン・・・!」
「神楽・・・お前ホントに声かけや・・・・・・てか・・・おい」
ギアモンは言葉になってない。
それもそのはずだ。
ベルゼブモンが目を開けた。しかもそのまま3つの目でジッと神楽を見たのだ。
そして
「・・・・・・声まで似てるんだな・・・。」
と言い、また目を閉じてしまった。
え・・・?
声・・・・・・?
そして今、一瞬微笑んだように見えたのは気のせいだろうか―――。
神楽はそのまましばらくベルゼブモンから目が離せなかった。
その後、ベルゼブモンの言葉はベルフェモンにより、あっさりながされた(リヴァイアモンの興奮を防ぐためだ)。

「では続きだ。我らの中で、こう反対が出てしまうと動きにくいのだ。」
ベルフェモンは神楽達を見てから、ベルゼブモンに視線を移す。
「選ばれ子ども達、そしてベルゼブモン。お前達にこの先の選択は任せる。」
『!!!』
ベルゼブモンを除き、全員が驚きの表情を見せる。
「・・・・・・これで我からは以上だ。良いな?」
リヴァイアモンは口をパクパクさせる。
何か言いたいのだろうが、言葉がまとまらないようだ。
他の魔王達は、大体この結果を予想していたらしい。
さすがに驚いたが、まぁこんなところだろう、という感じだ。
「では我々は席を空けよう。ベルゼブモンの邪魔になるからな。」
次々に魔王が席を立つ。
そして、ルーチェモンとゲンナイが戦っていた部屋に移動した。

魔王達が部屋を出て、3分ぐらいしただろうか。
ようやくベルゼブモンが頭を上げる。
ギアモンが言う。
「・・・ベルゼブモン、あんた一体何を考えているんだ?正直なところ、俺は七大魔王なんていうのは信用してないぜ。」
「・・・・・・そうだろうな。」
ベルゼブモンが返事する。
こう答えられてしまうと後が続けにくい。
「~・・・。」
ギアモンは頭を抱える。
「あんたはどうしたいんだよ。場合によっちゃ、俺等はここであんたを倒さなくちゃいけねぇんだ。」
ベルゼブモンはジッと通路のほうを見ている。
「己は・・・」
神楽はベルゼブモンの目の色がなんだか変わったきがした。

「己はデジタルワールドを救わないといけねぇ立場なんだ。」

そんな事をさっきの会議の流れから、だいたいつかめていた。
「・・・あんた・・・七大魔王じゃないのか?」
「あるいみな。」
次に神楽が問う。
「あの・・・じゃぁ、私の事を知ってるの?」
「・・・・・・。」
ベルゼブモンは神楽から180度目線をそらした。
理由?
神楽は気づいた。
ベルゼブモンの頬が少し赤くなっていた。
つまり“照れ隠し”だ。
「(なんだ・・・無愛想だけど、結構可愛いところあるじゃん・・・)」
「・・・・・・るんだよ・・・。」
「え?」
「・・・似てるんだよ、お前が“あいつ”に・・・!」
『・・・・・・・・・・・・。』
「・・・ったく・・・・変なことしゃべらせんじゃねぇよ・・・・・・」
ギアモンの目がキランと(正確にはギランと)光る。
ギアモンがニヤニヤしながら聞く。
「・・・で?“あいつ”って?」
ギアモン!!
さすがに七大魔王をからかうなんて良い根性してんじゃんじゃねぇか、畜生!
こういうの聞くとついつい言っちゃうんだよ!
      • ギアモンは心の中で叫ぶ。
「チッ・・・」
ベルゼブモンは舌打ちする。
「~・・・、オラ、行くぞ」
「行くって・・・」
「奴を倒してウィルスをどうにかするんだろ」
「あ・・・うん。」
そう返事をすると、ベルゼブモンは右手にショットガンを取り、真上に上げた。
そう、愛用の“ベレンヘーナ”だ。
「伏せろ」
そう言うと、ベルゼブモンはベレンヘーナを3発撃つ。
ドガアアアアアアアアア・・・・・・ン・・・・
天井が吹っ飛んだ。
ベルゼブモンは「伏せろ」と言ったものの、天井は外に全部吹っ飛んでしまったため、室内にはなにも落ちてこなかった。
「行け」

「ギアモン進化!」
 ソウルギアモン

「タマモン進化!」
 ウイングドラモン

一同は2匹に乗って飛び立った。
ソウルギアモンは飛びながら思った。
俺、口だったら七大魔王に勝てるかも・・・♪
そんな思考レベルの低いソウルギアモン君は、ウイングドラモンと一緒に外に着陸し、退化した。

ベルゼブモンは通路の方を見て言う。
「・・・聞いてたんだろ?」
すると通路からルーチェモンが表れる。
「ばれてしまいましたか・・・」
「当たり前だ。俺をなめてんのか・・・?」
ルーチェモンはふぅっと息をついてから言う。
「なめてませんよ・・・。
 ただ・・・」
「?」
「ついにあなたも“恋の季節”ですかね?」
ベルゼブモンが夕日より赤くなる。
「誰がだ!!」
そう言い、壁を飛び越え行ってしまった。
「・・・いってらっしゃい♪」
ルーチェモンは他の魔王の元へ戻っていった。