※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

デジヴァイスがたたきつけられた音が妙に神殿中に響いたように聞こえ、カラカラと転がった。
「あ・・・」
神楽の良心がやっと目覚めたらしい。
神楽も口をぽかんと開けていた。
しかし、その時だった!
デジヴァイスがカッと光輝き、辺り一面を覆い尽くしたのだ!

 第三十一話 洞窟の中

「う・・・・・・!」
神楽は恐る恐る目を開ける。
しかしその目に飛び込んできた光景は・・・
「え・・・!」

      「遅いじゃねえか。」

薄暗く、チャプ・・・チャプ・・・と水の音が聞こえる。
辺りは洞窟のようで広く水が張っている。
その天井には崩されたような跡があり、所々とても明度の低い光が差し込んでいる。
「ここは・・・?」
気付けばギアモンも翼も、美香や隆もみんないた。
そして、ゲンナイ、ハクリュウモン、シェンロンモンまでもが・・・・・・!
3人が見つめる先には、薄暗くて良く見えないところもあったが、赤色っぽく、ワニのような形をしていた。それに加え忘れてはいけないのが、この「大きさ」だ。
「フゥ・・・フゥ・・・。流石七大魔王・・・。そう簡単には倒せそうにないな・・・。」
ゲンナイが息を切らしながら言った。
「あんがとよ、そう言われるとうれしいぜ!ま、そちらには救世主が来たようだが・・・・・・」
赤いワニは一同をにらみつけた。
神楽はその目に背中がゾッとするのが分かった。
そう、こいつの目は「 人殺しの目 」だ。これまでに沢山の人やデジモンを殺したに違いない。
神楽はそう解釈した。
一同に気づいたゲンナイ達は驚いた表情を一瞬見せたが、すぐにその表情も変わ無表情になった。その目はじっと神楽を見つめていた。
神楽には分かった気がした。それが何を示すかを。

 “此奴はやばい。早く逃げろ”

ゲンナイは内心すごい焦りに押されていたに違いない。
でもどこに逃げろというのだ?
ここは全く神楽達の知らない場所だ。
そんな様子に気付いた赤いワニが言った。
「まぁまぁ、そんなに焦んなって。このリヴァイアモン様が1匹づつ・・・いや、まとめていこうか?」
リヴァイアモンはニタァと不気味な笑みを浮かべる。
そしてリヴァイアモンの2本の長い尾が一同に向けられた。
「(逃げなきゃ・・・逃げなきゃ・・・!)」
神楽は心のなかで自分に言い聞かせた。
しかし、足が動かない。
神楽は慌てて足を見る。
      • ブルブルと震えていた・・・。
このとき、初めて危機を感じた。
今までデジタルワールドに来て、「死」の恐怖を感じた事がなかったのだ。しかし今、自分の目の前に「死」が迫っているのを感じてしまった。
「(ここで逃げなきゃ・・・!死にたくない・・・死にたくない・・・死にたくない・・・!)」
神楽は死にたくないと思いながらも頭の中が真っ白になりそうだった。
だから、その「死にたくない」という言葉が自らを闇へと突き落としていたのを気づいていなかった。
「(死にたくない・・・!!)」
しかし体の震えは止まらなかった。
その時だった。
「オイ かぁぐルァァァァァァ!!」
ギアモンだった。
神楽を闇から引き抜いたのはギアモンだった。
ギアモンは叫びながら神楽の足を思い切り蹴っぱぐった!
「ぁイィ?!」
神楽も突然の事に何がなんだか分からなくなった。
なんだか分からないまま前に吹っ飛んだ神楽は、ゴツンとおでこを地にぶつけた。
「痛ったたたたぁ!なにすんのよ、ギアモン!!」
その様を見ていたギアモンは腕を組んで一言。
「バァカ」
完全に見下された。
ギアモンに見下された。
“ギアモンに”見下された。
神楽は沸々となにかが沸き上がってくるのを感じた。
そしてギアモンが気づいたときには神楽は目の前に、さらに気づけば殴られていた。
「ぐブフぅ!」
ギアモンは奇声を上げてKO。
だがその瞬間、神楽の真後ろから地面が破壊される音が聞こえた。
ドゴゴゴゴゴゴオオオオォォォォォオオオォオォオォォオオォ・・・・・・
神楽の背中にピシピシと破片が飛んでくる。
振り返ると、地面にはリヴァイアモンの尾が刺さっていた。
そう、「カウダ」が決まっていたのだ。
「お前・・・ちょろちょろしてやがるから先に始末しようと思ったが・・・俺の『カウダ』をかわしやがった・・・!」
「は?」
神楽は状況がいまいち読めない。
そこに殴られた頬をなでながらギアモンが説明した。
「神楽がビビっちまてたから俺が喝入れてやったんだよ。そうしたらあいつが攻撃してきそうだったから、わざと挑発したんよ!そーしたら思い切り殴りやがって・・・。まあ百の承知だったんだけどな・・・。いてて・・・」
あ・・・そうだったんだ・・・、と神楽は反省する。
そんな中リヴァイアモンが
「次は逃がさねぇ・・・」
リヴァイアモンの目が「遊び」から「本気」になるのを誰もが感じ取った。
そして誰もが身構えた。
しかし、その目はそぐに元にもどった。
「・・・ったく・・・何だよ?」
リヴァイアモンがつぶやく。
いきなりの事に一同は驚く。
「独り・・・言・・・?」

「いつまで遊んでいるのですか、彼女達に死なれては困るのですよ?」

『!!!』
洞窟全体に甘い声が広がる。
「うるせぇな、ちょっと忘れてただけだ!」
リヴァイアモンがつまらなそうに舌打ちする。
すると上の方に“何か”がいるのに気づいた。
その“何か”はゆっくりと神楽とギアモンの前に、リヴァイアモンを背に降りてきた。
「こんにちは、初めまして。」
その“何か”は、左半分が天使のようで、右半分は悪魔のようなデジモンだった。
そのデジモンはそのまま続ける。
「私はルーチェモンフォールダウンモードです。お嬢さん方の話は良く聞いていますよ。」
ルーチェモンFMは笑顔で神楽と話し続ける。
しかし、リヴァイアモンは自分が無視されていると気づき、口を開いた。
「お前少しひっこんで・・・」
「それにしてもお美しいですね。今度お茶でもどうですか?良い店を知っているので・・・。」
ここで確認しておくが、神楽は「一言」もしゃべっていない。「一言」も。
そしてルーチェモンFMの視界に美香が飛び込む。
するとすかさず美香の元へ移動し、
「おや、ここにもかわいいお嬢さんが・・・」
一同はピンときた。
こいつはひどい女たらしだ。
男等はただただルーチェモンFMの行方を目で追いながら、口を開けっ放しでいる。
リヴァイアモンを除いた者の思った事は恐らく皆同じだろう。
『(何なんだ此奴は・・・!)』

そんな訳の分からない状況の中、リヴァイアモンがついにキレた。
「お前いい加減・・・!」
リヴァイアモンは尾を大きく振り上げルーチェモンFMを突き刺そうとした。
しかしルーチェモンFMはそれを見ず、しかも片手で簡単になぎ払った。
「『真面目にやれ』・・・とでもいいたいのですか、リヴァイアモン?」
神楽はその時のル-チェモンFMの目を見てしまった。
リヴァイアモンと同じ目だった。
「私はいつだって真面目ですよ・・・?」
そしてルーチェモンFMは優しく微笑んだ・・・。