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 The 37th talk ~旋律~ 『何弾いてるにゃん?』 そう言って彼女に話しかける… 『・・・』 彼女はそれに無言で答える 『『・・・』』 喋らず無言のまま1分近くの時間が過ぎてゆく… そして彼女は漸く鍵盤を弾くのを止め此方の方を向く… 『何か用?』 『えっ…あの…その…』 こういう風に返されると私は如何したら良いのか分からなくなる… 『でざーと食べますぅ?』 そう言って先程作っておいたケーキを取り出す 『…そっ…それに私は洋菓子よりも和菓子の方が好きなの』 『そっ…それじゃぁ…羊羹にします?』 そう言って何処からか羊羹を取り出す 『は…?』 少女は意外な展開に目を丸くしている 『それともドラ焼きにします?八ッ橋やもなか………etc』 『クスッ…』 何処からか出てくる沢山のお菓子に彼女は微笑する 『えっ…?もしかして食べたいお菓子無かったですか?!』 『クスクス…』 そう言って慌てふためく私に彼女は微笑で返してくる…そして彼女は口を開く 『貴方って…とっても面白いのね』 そう言って彼女は僕に自然な笑みを見せる…あどけなさの残るその小さな笑みを… 『へぇ~…ピアノ弾く事殆どやってないんだぁ~』 そう言ってお皿の上に乗せた羊羹を食べながら私達は話し始める 何故羊羹を食べているのかは聞いては成らないが、彼女と意見が一致したと言う事にして欲しい…と思う作者であった 『前居た所は…ピアノとか…ありませんでした…から…』 そう言って僅かに彼女は暗くなる…そして僅かに腕を隠す…そして僕は見てしまう…その腕にある幾つ物痣が…傷が… つい最近であるが一つのニュースが流れていた…此処とは違う孤児院で暴力事件が有った事を… そしてその孤児院の子ども達は散り散りに成り…別の孤児院に搬送されると言う事を… 『でも…本当にピアノが御好きなんですね…』 そう言って目の前の少年?(メイドさん?)は柔らかな笑みを浮かべる 『好きと言うか…これしか…する事有りませんから…』 そして彼女は黒いピアノを見つめる…孤独を紛らわすかのように…そして数秒間の沈黙が訪れる 『う~…ぎんりょ~抱っこして~』 そう言ってチビモンは僕の胸に飛び込んで来る…これは如何したら良いか分からない彼なりの優しさなのだろう… そんなチビモンに災難が訪れる 『ご主人様にくっ付いちゃ駄目クル~!』 そう言って白く小さな生き物がチビモンの頬を蹴り飛ばす 『えっ…?あっ…ちょっ…』 この意外な自体に私はどうしたら良いか分からなかった そして彼女はゆっくりと私の胸に抱きつく… 『ご主人様~♪』 僕はそれが一体誰なのか…最初は見当が付かなかったが…段々と分かっていく気がした… チビモンがそんな僕の姿を見て気に食わないのは当然の事である 『【僕の】銀狼から離れろぅ~!』 そう言って小さな古龍はその小さな手で彼女の体を引っ張る…だが… 彼の手は彼女の力によって直ぐに放される 『やめてよ…私と貴方が本気で戦ったらどちらが勝つか…分かってるの?』 とても冷徹な目…その目を小さな古龍が見た時思ったものが何か…それは見当も付かないが恐ろしいものであっただろう… 『えっく…えっく…うっ・・・え~ん』 『こ~ら~!泣かせちゃ駄目でしょ!』 そう言って手の中で抱かれている彼女を叱るが… 『だって…抱かれるの久しぶりですもん…』 そう言って暗い表情に成る彼女を見て思わずため息が出てしまう… そんな中…目の前に居る少女は【クスッ】と微笑した後小さな古龍を抱きしめる… そして古龍は…その小さな手の温もりに誘われるかの様に…夢の中へと歩んでゆく… 小さな古龍が眠りに付くのと同時に…柔らかくて…何処か切ない旋律が部屋の中に広がる… それは小さな少女が弾く…小さな…とても小さな子守唄…彼女が弾いた一人ぼっちの小さな響き… けれどそんな孤独の旋律も…ピアノだけで弾いている時のみである… 不意に柔らかいバイオリンの響き…そしてハープの静かな響きが広がり…ちっぽけな孤独感と…何かに抱かれる優しさが… そして…大切な誰かがそこに居る様な…優しい温もりを部屋に響かせていた… 弾き終わり…メイドさんの方に少女が目を向けるとそこには先程まで居なかった1人の美しい天使の姿が在った… そして天使は私の方を見て優しい笑みを浮かべながら言う… 『とても優しい旋律を弾くのですね…』 彼女のその言葉に私は頬を赤らめてしまうのであった 『照れちゃって…かわい~☆』 『そっ…そんな…てっ…照れてなんか無いですよ!』 少女をからかう私…少女の照れ隠しの明るい言葉…それは少女が忘れた自分自身の笑みを取り戻した瞬間であった そんな微笑ましい光景を見て天使は【クスッ】と微笑する…とても優しい笑みを浮かべながら…

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