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~ちっぽけな夜の船着場での一時~ 『見つけたぞ…奇妙な人間…!ナイトモン!奴を切り裂け!!』 少年の命により、忠義なる剣士はその剣を無情に振り下ろす… 『ライズグレイモン!!』 青年の声と共に体を逸らす、息の合った物同士であるからこそ発揮できる異常な程の能力… 貯められる充填(弾丸)…剣を振り下ろされ追い詰められる鉄の羽纏いし龍…そして… 『トライデント…リヴォルバアァァァ!!』 その弾丸は放たれた…目の前の敵を【完全消去】するために…  The 35th talk ~放浪者~ 『はぁ…はぁ…なんなんだ…此処(この世界)は…?!』 息切れを起しながらも言う彼の声は僅かにだが掠れ掛けていた 『おっ…俺に聞くなよアニキィ~』 俺が首から提げている小さな機械から大事な相棒が声を掛けてくる 『でもよ…俺が追われる側に成るなんて思っても……ッ…!?』 僅かな空気の動きと僅かな熱が近づいて来るのを感じ取り彼はさっとその場から身を闇に隠す 幾度もの闘いで鍛え上げられた体は僅かな空気の違いですら感じ取る様に成っていた 息を潜める青年…だが彼らの元へ歩いて来たのは敵では無く… 『何処に…落としちゃったんだろう…?』 白髪の少女が1人此方の方へ歩いて来る…何を言っているかは波の音に掻き消されたが 行動から察するに何かを探している様だ… 『(チッ…不味い事に成ったな…)』 青年は思わず唇を噛み締める…こんな場所に…そしてこの時間帯に居る事自体が不自然だ… 騒ぎ立てる可能性だって否定できない…そんな事を考えている内に少女はゆっくりと歩んでくる… 『・・・!?・・・んぐっ・・・』 青年が行動に出るのは速かった…少女の目が向けられた瞬間にその口に手を当てたのだから そして彼女に小声で話し出す 『おい!静かにしろよ!!』 不器用な青年の言葉、普通の人間じゃなくともこんな脅しの言葉を掛けられれば細やかでも抵抗するであろう しかし彼女は違った、まるで運命を受け止めるかの様に…抗おうとはしなかった… その光景を見た青年は驚き思わず手を放してしまう… 『プハッ!………ふぅ………』 急に口を塞がせたが原因なのか?少女は頬を赤くしている… 『フッ…ふにゅにゅぅ…急に何なんですかぁ…?』 呼吸を整えてから少女はゆっくりとその口を開く…疑うと言う事を知らない…そんな風に青年には思えた… きょとんとして…唯此方を見つめているだけ…生まれたての赤子の様に… 『奴は居たか?!』 誰かの声が無音の空間に鳴り響く 『いっ…いえ…それが想像以上に広く発見には…』 『もう良い!!速く見つけ出すんだ!!』 その声が響いた後大きな足音のみが辺りに木霊していた… 『ちっ…もうお出ましか…』 青年は思わず舌打ちしてしまう、最悪だ…今此処で見つかれば当然彼女にも手が行くだろう… 【彼女だけは逃げさ無くては…】頭の中でそれだけが浮かぶ… だがそんな俺の思いに反して彼女がとった次の行動は意外な物で… 『あっ…あのぅ…指輪落ちて…ませんでしたか?』 彼女のとった行動…それはある種の自己犠牲的な物であった… 敵のお偉いさんの反応からすれば誰が敵で…誰が迷い子なのか不鮮明なのは分かっていた… それなのに彼女は自分から声を掛けるような真似をした…俺には考えられなかった 『チッ…!!』 思わず2度目の舌打ちをした後、彼女の所に駆け奴の面を殴ろうと思った…だがそんな俺を相棒が止める 『兄貴!此処で飛び込んだら本当に彼女も敵扱いされる!!』 その一言が無ければもう拳を構えていたと俺は思う… その一言を聞いた後その状況を影からそっと見つめる事にした 『何だ貴様は!!』 その声を聞きつけ1人…又1人と人が彼女を囲い始める 突きつけられる銃…僅かな腕の震えがそれが本物である事を物語っていた… しかし驚く事も…いや…目の前の少女は顔色一つ変えない… 『はぁ…何だと言われましても…私は私なんですけど…』 そう言ってその頬に僅かに苦笑の色を浮かべる…唯状況が分かっていないだけ…彼はそう思いたかった だが怖いのだ…目の前に居るたった一人の人間が…銃口を見つめ…動揺すら見せない少女が… そして彼の指はゆっくりとその引き金を押し始める…もし引いたら?後の事を分かっていても体が勝手に行動する… ~そして…死を運ぶ音は鳴り響く…~ 鳴り響く一筋の銃声…倒れこむ少女の身体…そして…その体をそっと抱きかかえる騎士… その状況を物語るには十分なだけの光景が彼の目には映る…だがそれは死を運ぶ画像ではない… 『ぼーりょくはんたいですぅ!』 その少女はゆっくりとその身体を持ち上げるとホッペタを膨らまして彼を見つめる 『幸運だったな…殺さなくて…殺していたら死刑ではすまなかっただろうな…』 青い髪を有する少年は握られた銃を震わしている者を冷徹な目で見ながら言い放つ… 『貴方は隊長(DATS)の家族写真を見たことは無いのですか?』 驚きでその場に座り込む者に対して彼は言う… 『ね~ね~・・・』 『隊長の親族を殺そうとしたんだ、それなりの処罰が下る事は理解しているのだろうな?』 シカトされた…シカトされた…シカトされた!!僕の中で何かが込上げて来る瞬間だった… 今までに無い何か…しかしその何かを僕は必死に成って堪えながら言う… 『真斬君…親が如何かとか…そんなこと関係ないでしょう?問題と成るべきは民間人に銃を向けた事なのですから…』 感情の突起を出さない冷戦な一言…その一言を聞いた時…彼は全てを悟る… 『総員…この場に対象は居ない者と判断!よって捜索範囲を移す!!一度本部に戻れ!!』 その一言でその場に居た者達は闇の中へ消えて行く…無論腰の引けた弱者も… 『貴方達も…速く帰られた方が良いですよ…?』 少年の冷徹な言葉は今度は僕に対して言い放たれる… 『ん~…分かりました!』 一瞬だけ悩んだ後僕は踵を返して青年の方へと歩いて行く… 本来ならば気付かれる様な事はしないのだが彼に対してその心配は無駄な物であった… 青年の元に付いた僕は苦笑いを浮かべながら青年に言う 『最初から気付かれてましたね』

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