03 生徒会の困惑

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03 生徒会の困惑

こんなに憂鬱な日曜日があっていいのだろうか。今日はついに、文化祭当日である。

「絵馬くん、大丈夫?」 「だだだ大丈夫です」

舞台裏で台詞を暗唱していると、六橋さんが声を掛けてくれた。

「王子様は台詞多いから大変だよね。頑張ってね!」

そして、天使のスマイル。癒しのオーラが見えるよ。俺も微笑み返し、はい頑張りますとか言おうとした、その時だった。六橋さんの体がぐらりと揺れ、俺に向かって倒れてきた。一瞬、抱きつかれたのか思ったが、残念ながらすぐに違うと分かった。……気を失っている。辺りを見回すと、準備をしていた他のクラスメイト達も、床に倒れて気絶しているようだ。もしかして、と思い客席に出てみると、やはり集まった生徒達も、全て意識を失っている。……何だってんだよ、一体?

「絵馬!」 「ひえぇ!?」

驚いて振り返ると、そこにいたのは、えみるとリイナだった。

「これ、何がどうなってんだ?」

「分からない。私達の方でも、突然、お客様が気を失って……眠ってるみたいなんだけど……そしたら、こうなって……」

リイナは困惑した様子で壁を指す。見ると、天井も含め、体育館の壁全体が、植物の蔦のような物で覆い尽くされていた。蔦には凶悪そうな棘が生えている。これじゃあ、まるで──

「荊の城、じゃねえかよ」

誰の魔法か?そういえば弥生先輩が言ってたな、気を付けろとか、何とか。

「とりあえず生徒会室に集まれって、弥生先輩が」

今はメイド喫茶だけどな。何となく緊張感を削がれた気分で体育館を出ようとすると、後ろで、小さく叫び声がした。

「えみる?」

「絵馬、あ、足」

えみるは、怯えた表情で自分の足を示す。見ると、壁から伸びてきた蔦が、その足に絡み付いていた。それに引っ張られるように、小さな体が床に沈んでいく。

「えみる!」

「絵馬……!」

手を伸ばすが、蔦が邪魔をして届かない。あっという間に、えみるは床の中に飲み込まれてしまった。

「な、何なんだよ、これ!?」

「絵馬、うろたえてる場合じゃないみたいよ」

リイナが指さす方を見て、俺は思わず息を呑んだ。荊の蔓が、生き物のような動きでこっちに近づいて来る。おいおい、あれ相手に戦えってのか?

「任せて」

冷静に言い放つと、リイナはどこからかホイッスルを取り出し、ピイィィィ!と吹き鳴らす。その瞬間、目の前で黒い閃光が瞬いた。すると荊は次々と弾き飛ばされ、全てが片付いた後、そこに立っていたのはリエナだった。

「リイナ、無事か!?」

黒のポニーテールを振り乱し、リイナに駆け寄るリエナ。こいつ、どこから現れたんだ。召喚獣か?

「そっちはどうだった?」

「うむ、校内にいる人間は全員眠らされているようだ。外傷が無いのを見ると、おそらくは何らかの魔法、だろうな」

そう答え、表情を険しくするリエナ。どうやら、生徒会で手分けして校内を調べているらしい。

「ここでグズグズしてても仕方無いわ。とりあえず……」

「生徒会室に集まって、作戦会議だな」

俺たちは互いに頷き合い、体育館を出た。

(つづく)

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