1・生徒会、登場。

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ーこの高校には、星の数ほどの噂が存在する。

その中の一つ。最も良く聞く噂に、このようなモノがある。

曰く、『東高の生徒会には、魔女が居る』…と。  

 とある日の朝、8時15分。 丁度、登校ラッシュの時間帯である。 この高校…東高の校門も、たくさんの生徒を迎えていた。 『おはよう』、『おはよう』と挨拶を交わしながら、自転車で、徒歩で、校門をくぐっていく。 この校門は珍しく、鉄製の扉がついていない。ただ、二本の柱があって、そのうちの一本に『魔界立東高校』と書いてある表札があるのみだ。 その表札の下に、一人の女子生徒が腕を組み目を閉じて、仁王立ちしていた。長く黒い髪はポニーテイルにしていて、腕には『風紀委員』と書かれた腕章を着けている。 この女子生徒、生徒会に属しており、風紀係を担当している。だからこうして突っ立っているのだ。 生徒達にも顔が割れているらしく、時々挨拶が投げかけられるが全く反応を返さない。 生徒達はそのノーリアクションに慣れているらしく、他に何をするでもなく横を通り過ぎていく。

その間にも、時間は刻々と過ぎていく。どんどん生徒の数が増え、その表情にも怯えだとか、焦りの色が伺える。 突っ立っている女子生徒にそんな視線を投げかけては、自らの足が出せる最高速度を持って校門を駆け抜けていった。   そしてとうとう、かちり、と小さな音をたてて、時計の針が『5』の文字で止まる。 それと同時に、鐘の音が鳴り響く。登校完了時間になったのだ。 数名の生徒が、必死の形相で校門を駆け抜けていき…鐘の余韻ばかりが、僅かに響く。

「…時間切れだ。」

初めて、その女子生徒がポツリと漏らし、鐘の余韻が消えてしまった瞬間、目をくわぁッ!と開く。

途端に、扉が出現した。

 どがしゃぁぁあんッ!だとか、がぃいんっ!だとか、痛そうな音が多数発生する。急に止まりきれずに、鋼鉄よりも尚堅い扉に、自転車の生徒や走ってきた生徒が激突したためである。                                  「くそっ、今日もかよ!」                                          「なんで毎日毎日居るんだよ、『正義の黒(ジャスティス・ブラック)』!」                   扉に激突した生徒達が、あるいは呻き、あるいは目の端に涙を浮かべながら叫ぶ。 女子生徒…『正義の黒』と呼ばれた生徒は、口の端をニィッと意地悪くつり上げて、嗤った。

 「笑わせるな。この東高生徒会風紀委員長ヴァレル=リエナが、貴様らのような害悪を見逃すと思ったか。」

 リエナの、真っ白で自信に満ちた瞳の光と声に気圧されてか、数名の遅刻者たちが唸り、後ずさる。                                        「ちくしょう、こうなったら実力行使だ!」                                         その中の一人、勇気ある者が自分の自転車から飛び降り、嫌な感じに黒光りしている扉へ駆ける。 扉は結構とっかかりも多く、背も高くない。こうなったら登ってしまおうという魂胆なのだろう。 しかし、風紀委員であるはずのリエナはそれを黙って見ている。それどころか笑ってさえ居る。 男子生徒はそれを見、嫌な予感を覚えながらも扉に手を、かけた。

 「うぎぁッ!?」

 途端、バチバチと紫電が男子生徒の体を襲い、ぶすぶすと黒煙を上げながら、男子生徒は後ろ向きに倒れた。

「…言い忘れていたが。」                                  リエナが、さらに口角をつり上げながら言った。

「この扉には、100万ボルトの電流が流れている。迂闊に触ると、あぁなるからな?」                                               『そういうことは先に言えッ!!(遅刻者一同心の叫び)』

けれど所詮は心の叫び、それがリエナに届くはずもなく。 遅刻者達は全員正座させられ、リエナが一時間ばかり説教をしようと口を開くと、不意に横手から、ぴょこんと鳥が顔を出した。

「…オルスか。」

 リエナが、何の感慨もなく呟く。  オルスと呼ばれたその鳥は白く、翼はまるでピアノの鍵盤のような形をしている。 オルスは嘴を開くと、さも当然の如く喋った。                                             

「デンゴン、デンゴン。ミチカラノ、デンゴン。」                       「ミチから?」                                       「フセイチュウリンガ、オモッタヨリモオオイ。テツダエ、テツダエ。サボッタラ、リイナニイイツケ!」                                    「…それは困るな。」

リエナは顔をさぁっと蒼くすると、ずっと正座して居た遅刻者たちを振り返った。 「…というわけだから、今日は説教はなしだ。」                    ぱぁっと、遅刻者達の顔が輝く。                             「その代わりに、だな。」                                    リエナが、とても爽やかなすばらしい笑顔をむけて、指をパキパキとならした。 「一人ずつ、背負い投げで校内に入れるからな。」                 …遅刻者達の顔が、絶望に塗り替えられたのは言うまでもない。

 「とお。」                                          「うぎゃぁああああっっ!!」                                 「えい。」                                                    「うわぁあああああっっ!?」                                  「おりゃ。」                                            「ごめんなさいごめんなさいごめんなさぁあああいっっ!」                   「これで最後…と。」                                           「すいませんごめんなさいもうし無いから助けうわぁああっ!?」            「よし。」

 リエナはやりきった、という顔で額に浮かんだ汗を拭うと、遅刻者達の荷物を放り投げ(人数分の痛ましい悲鳴が聞こえた)、手をぱんぱんっと叩いて埃を払った。

 「じゃあ、行くかオルス。」                                 「…オマエ、ヒドイ、コワイ。ミチヨリコワイ。」                       「それは光栄だな。」                                     

リエナはふはははっと悪役っぽく笑うと、オルスを肩に乗せたまま駐輪場へ急いだ。

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