空島世界観


空島外観


 空島は太平洋の上空に浮かぶ、上下に伸びる楕円錐体のような形の島です
 (イメージは、粘土でできた卵をゴツゴツさせた感じ)。
 上方の一部分が丸く欠けるように剥がれて浮島になっています。
 基本的に、そのように一部が剥がれて露出した層から空島内部へ入ることになります。
 中が見えるほど大きく剥がれるのは稀ですが、周囲には浮島同様に剥がれた小島が複数漂っています。
 空島の内部はは多層構造となっていて、露出した中層に飛行船の発着場桟橋やヘリポートが作られています。
 そこから島の側面をクライミングして露出した侵入孔から上層へ入るか、地面に穴を開けて下の階層に移動するのが層開拓の基本となっています。
 大きめの縦坑が開いた真下の空間に開拓者達は施設を作り、居留地を広げています。
 空島内にはビルや民家などの建造物が生成されていることもあり、状態のいい建物があったら再利用することもあります。
 気候的にはマチュピチュやチリの高山地帯が近いです。上空だけあって雨はあまり振りませんが、雲に突っ込むとそこかしこに水滴がつくので干上がることはありません。
 川も存在しているのでそこから取水する事もあります。その水源は明らかになっていません。

 【簡単な区分け】
 上層:露出した最上層から数えて三階層目までが上層と呼ばれています。割れた部分から日光が入るので、下の層と比べると緑が多めです。外観からはもう何層か存在しそうですが…?
 中層:浮島が自然に剥離してできた穴の一番下までが中層です。遺構が比較的多く存在しています。階層を貫くように、岩盤に突き刺さって存在しているビルが特徴的です。
 下層:穴を掘らなければ降りられないような領域です。日の光は届きませんが、不思議と光量は確保されています。完全にダンジョンと化しており、最も危険な領域です。


空島基本構造


上層

  上層は、露出した階層の内、最上層から3段とそれより上を指します。
  剥離した岩塊、浮島による日射の遮りが少ないため、比較的緑豊富であり、本来の意味での開拓に適しています。
  異界の発生や魔物の発生も穏やかで住みやすいといえますが、港からの距離があるため物資輸送の点で中層に劣ります。
  確保されたわけではありませんが、比較的安全であるため農地の開発や、宅地形成などが行われています。

中層

  中層は、巨大な岩塊が空島から剥離した穴から望めるエリアです
  内部の階層構造の内、大きく外壁が削られているので船を乗り付ける事が比較的容易で、港が形成されています。
  港から近い範囲に開拓拠点や開拓村、旧市街の再利用などが盛んです。
  ほとんどの開拓者はこの中層にいます。上に行くにも下に行くにも便利で、開発も進んでいるというのが理由です。

下層

  第一縦坑によって中層から一段階掘り下げられ、そこから第二縦坑でもう一段階掘り下げられています
  凡そ中身は人外魔境であり、詳細不明な魔物や異常事態が発生しているよ予想されています
  踏み入るたびに構造が変化し、それを食い止める手立ては現在のところ日射光による暴露が有効だとされています
  縦坑は単なる昇降口ではなく、直径1kmほどの大穴であり、光取りの天窓でもあります
  第一、第二共に、一段上の天井が見える藩医に前線宿舎や監視所を設けています
  それより先は危険だからです。防御陣地も兼ねた共同溝で実地研究や、探索を行っています。


空島の成り立ち


 まず空島は、平行世界をもう一度作ろうとしていた研究所と周辺の都市である暁月市(ぎょうげつし)が吹き飛んで出来ました。大体10年以内の出来事です。
 元々は日本の一研究都市だったのだが、全てごっそり削り取られて消失しました。残ってるのは精々山の輪郭くらいです。
 残ったクレーターはそれなりの年月をかけて凹凸を埋め終え、今は大企業城下町にしようと再開発中なので、元の都市は文字通り宙に浮いた国土となってしまいました。
 それもしょうがないのです。5年ほど前にとある飛空船が遭難し、この空島に不時着するまで、誰もこの空島を発見できなかったのですから。
 現在の空島は、元になった都市と比べると全体の容積が遥かに上回っていますが……?


空島に対する各組織の態度


日本国政府

 西之島を例とした、新しい国土として認識しています。
 一方で、一箇所にとどまらず常に移動している事から、国としての主権を主張するのみ。
 国として介入すると面倒な事があると考えているため、開拓事務局に全権を委任しています・。

魔法使い連盟

 面倒事の種であると認識し、実際に持て余しています。
 位置情報や、空島へ渡るための航路などの秘匿を行い、情報統制下に置こうとしています。
 こちらも、開拓事務局に全権を委任する形で静観しています。


六王国

  ブラント財閥
 技術研究飛行船を派遣し、発掘素材の買い取りをしています。
 新たな資源拠点として見ており、それ以上の介入をしないことで距離を保つ目論見。

  エイセル魔法学院
 空島について学術調査と開拓者への教育を行っています。
 場合によっては新たな支部を設置して教育の拠点にできないかと考えているようです

  カルム財団
 形式上の支部などは置いていますが、基本的に静観しています。
 元が無人の僻地であるため、経済活動に組み込めないと判断しているようです。

  ランデル機構
 武装飛行船と呼ばれる新たな艦種を建造し、派遣しています。
 空の魔術的秩序を守るためと宣言していますが、空島の認識は『違法使いホイホイ』
 テロリストが逃げ込む最後の穴蔵であり、究極的には艦砲射撃で島ごと沈める計画も。
 住人たちは薄々と気づいていますが、この計画が公表されることはありません。

  フェクス大蔵院
 協賛するとある財団の支部を構築し、不可思議な物体の確保及び収容と保護を行っています。

  バリエル探求会
 手軽な特異環境を利用しての研究を行おうとしています。
 国際宇宙ステーション(ISS)での魔術研究モジュール計画を破棄したという噂が流れています。

宗教

  大聖堂
 起源が神の手によるものでないことから不介入を表明しています
 言い分はかなり悪様であり、ある司教がいずれ神の雷に撃たれて沈むだろうと口にしたいう噂も。
 一方で、黙示録の四騎士が現れると予言して渡航を禁じるなど、存在を恐れている節があります。

  出雲会議
 神様の仲介役を自認する彼らですが、空島が死神によって支配されている為か不介入です。
 空島では神域を生成することができないことも関係しているようです。

  追放者教会
 存在が異端である彼らは、聖堂協会に異端と称された空島では信仰を許されると考えているとか。
 空が続く下であれば主はちゃんと見てくれると、健気。

その他

  十三家
 身内通しの権力と派閥争いを続ける十三家は、不和の元であるとみなしています。
 一時的に安定している現状を崩したくないのか、組織としては不干渉です。

  精華門
 シャークネードと呼ばれる、特異な怪異現象の存在が認められば赴くとコメントしています

  ネズミの穴蔵
 インターネットが限定されているためか、一度も目撃されていません。

  浪漫航路
 浪漫だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

違法使いの扱い

 絶空の孤島に自分から逃げ込むなら好都合です。
 いざとなれば、島ごと撃墜するのがランデル機構の計画のようです。


空島の仕組み


 空島は研究所の”炉”が中心となって浮遊しています。”炉”はある種の願望器で、「空を自由に飛びたいな」を叶えてます。
 なんでそんな願いを?と疑問に思うかもしれませんが、人は大体空を飛びたい生き物なのです。
 更に更に、空島は”炉”の影響で物理的におかしな状態です。空を飛ぶ重力異常、物体複製、異常性オブジェクトの発生が常態化しています。
 ”炉”は『向こう側(=平行世界と思わしきどこか)』から持ってきた空間のエーテルを変換して、様々な物質を周辺へと乱雑に再構築しているのです。 
 複製され、空島内に転写されるものは元となった都市に存在していた資源・建物・機械製品などです。
 これらはとてもお金になります。手間も時間もすっ飛ばして複製された精製済み資材が、魔法研究素材が、特異なマジックアイテムが手に入るのですから。
 例を上げると、元々百貨店だったであろう地下を探ると酒屋が複製されていた事例があります。空島の酒場で供されるのはこういった発掘品が主です。
 何れも味は悪く無いものの、不幸にも複製されてるところを見てしまった人は皆、酒を絶ったとかなんとか。
 一応、空島から地上へ輸送するのと入れ替わりで地上の物資が空島に来ているので、気味が悪い人はそちらを嗜みましょう。


空島の不思議


 炉の効果で、空島近辺は非常に飛びやすいです。「空を飛ぶ」という概念が実現しやすいためであり、鳥人間コンテスト開催したらずっと飛び続けられることでしょう。
 その代わりに飛行機は飛び辛いです。鉄の鳥はなぜ飛ぶのかわかっていません。固定翼機はジェット推進であろうと推力を低下させやすく、反対にヘリや飛行船、オーニソプターは異様な程スイスイ飛べます。
 ちなみにオーニソプター(英: ornithopter)とは鳥やコウモリ・翼竜・昆虫のように翼を羽ばたかせる事によって飛ぶ航空機のことです。
 そしてこの空島には一般的に「ニョロニョロ」と呼ばれる不思議な……なんでしょうこれ? まあ食べ物が存在します。白くて細長い生き物です。よくこっちを見てきます。
 味と食感は小麦粉製品のソレで、薄くスライスして茹でて食べるのが基本です。そこら辺に生えているものなので、お金がない人でもこれを食べれば大体生きていけます。
 外見は猫の尻尾程の太さの細長い体に、エラのような物体と一対の目を持った頭部が乗っています。


空島に関わる動機


 PCがこの不思議な空島に関わる人間は主に四種類。
 この空島を浮かせている要因である炉心を止め、元のように戻そうとする【帰還者】。
 未知なる土地を探索し、その実りを獲得することに心惹かれ、異常存在である空島にやってきた【開拓者】。
 新たなる知恵、更なる真理を求めて、不思議極まりない空島を研究するためにやってきた【碩学者】。
 そしてただひたすら宝のために邁進し、金という究極の対価を得ようとする【簒奪者】。
 そのどれもが、この空島というフロンティア、或いは故郷を目的としているのです。
 ……ふらっとセーフゾーンから出たら空間異常こそないけど変な生物やヒャッハーに襲われたりする場所に、
 目的がない人は普通来ないだけとも言えますが。


PC達の立ち位置


 PC達は空島にて特定の組織に所属するわけではありません。強いて言うなら、「空島」という共同体に貴方達は所属しています。
 空島を探索する、或いは空島の探索を妨害しかねない様々ないざこざを解決する。その一点において貴方達の利害は一致しているのです。
 また、開拓事務局による公的な依頼にせよ、酒場で密やかに語られるお願いにせよ、どんな依頼を請け負うにしても一人ではままならないでしょう。
 そんな時、その日その時に都合がいい人間同士で組んで仕事をするのがこの空島では一般的なのです。
 無論、その大きな共同体の中にも小さな派閥、寄り合いがあるのでしょうが、多くの魔法使いはフリーランスのように活動します。


『タグ』について


 死神に見込まれた者は『タグ』を手に入れます。
 刻印を施された安っぽい銀灰色の、所謂ドックタグです。チェーンを通して首から下げるのが一般的です。
 空島は文化的に真っ白な飛び地であり、人も居なかったので主たる神がいません。
 そこでやってきた死神達は、見込んだ者の魂の色を見てタグを押し付けるのです。
 タグは魂の色を強調し、その色に見合った力をタグ持ちに与えます。
 また、このタグは死神の管理下に置かれていることの証であり、タグを所持している限りは例え死んでも死神の手によって蘇生することが可能なのです。
 ……それがどのようなデメリットを生むかは分かりませんが。何にせよ、どんな時でも貴方が死んでる場合じゃないことだけは確かです。その欲求を満たすまでは。
 こうして『タグ』を手に入れたものは「タグ付き」と呼ばれます。PC達は総じて死神に見込まれて「タグ付き」となった者達です。


空島でのお仕事


 ダンジョンの探索、開拓。こちらは語るまでもないでしょう。
 下の世界で起こりうる人間トラブル、またそこから発生する騒動は基本です。
 異界騒ぎもここでは何処だって起きやすく、突発的な広域災害はそう珍しくもありません。
 また探索者の成果だけを掠め取ろうとする襲撃者が存在する以上、それを奪還する仕事も存在します。
 他にも事務局が縦坑を新たに作り上げて居住区を広げたり、岩盤が増殖して穴を埋めないよう(この空島は常に増大しているのです)魔法で処置をする仕事もあるそうな。
 開拓済みの場所でも魔物が発生したり、こんな場所だから逃げ込んできた違法使いがいたり。
 総じて言えば、仕事を得るには困らないだけの場所なのです。
 雰囲気イメージは西部劇的なサムシング。

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最終更新:2016年10月25日 12:19