かはたれ

『柾良のお城、その城下町のお話。
 町のハズレの丘の上、綺麗で大きくて、そうしてとっても古い桜の樹。
 その根本、そのもっともっと地面の下には、死体が埋まっている。』

『かはたれどきに桜の根から這い出したその死体は、
 朽ちた刀を、ひたすら、ずっと、振るっている。
 桜の大樹を、斬るために』





 この『かはたれどきの死者』を名乗る怪談の不死が、かつての柾良の軍にはいたのだという。
 来歴は不明。当時の記録では柾良の有力者の口利きで軍に入ったとされているが、この「有力者」も謎の多い人物で、その前半生は明らかではない。
 残されている記録によれば、兵の運用に長けた優れた武将であり、本人も奇怪な"魔剣"の遣い手であったとされている。

 氏素性について残された書は殆どなく、『かはたれどきの怪談』の真相はわかっていない。
 『天上分け目の大々合戦』を境に、『かはたれどきの死者』を名乗る不死の記録も途絶えており、この不死の正体を探るのも今では不可能と言っていい。
 最後に目撃されたのは、大々合戦の最中、季節外れの大輪の桜が咲く戦場へと向かっていた姿だという。

 今では怪談に語られる桜も枯れて、朽ちた大木を丘の上に晒しているだけだ。
━━後の世に出版された書物、『和の国ジパング怪談集』より




「柾良の未来を見ることができないのは、寂しいな」
「……だが、神の妄執から生まれた怪談の末路としては、上出来だろうか」
「真神イザナミ。400年前の柾良武将、紅一の代理として、討ち取り斬った」



+ ...
彼誰(かはたれ)
種族 不死(怪談)
性別:男
身長:163cm 体重:63kg
歳:?(不死としては二年)
クラス構成 異能者-妖精術師+結界師/侍
立場 ジパング人?/不死者
住居 寺町
特徴技能 天上の美、豪邸、噂の人物<かはたれどき>、専門技能:武将
出身国 柾良国?
所属軍 地軍 地を這って、天を臨む
『星』 ★★★★☆
キャラクターシート 桜の下には、死体が埋まっている
IBGM かぎろひ
天樂
一刀繚乱
拍手喝采歌合

「刀を抜いたなら、結果はふたつにひとつしかない」

「斬ったか、斬れないか」


∇外見

色素の抜けた髪、肌、眼。
髪は時折、朝焼けのように黄金に輝く。
この世のものではないかのような(この世のものではない)、美少年。

∇来歴

柾良城下町に広まった怪談から自然発生した、とされる不死。
「発見」された直後の紆余曲折を経て、
  • 怪談そのものに、他者を害するような描写がない(=其れから生まれた怪談も、おそらくは人を害する意思を強く持たないだろう、という推測)
  • 高い『星』
  • 城下町の有力者として知られる、とある女性の口利き
などの条件を踏まえて、『再召喚』の手続きを受けて柾良の国柱に縛られた武将となった。
普段は口利きを受けた有力者に引き取られ、庭師の真似事をしている。
*追加
四つ星の有力な武将能力を持つが、兵士たちへの指揮能力も高い。
ただしその戦略・戦術は近代ジパングのものよりも、大分古い。

∇性格

大抵の場合は、澄ました顔で、冷めたように振る舞う。
普段の様子から情動の薄い人物のように見られがちだが、それは彼なりの処世術であり、意図的に感情表現を薄く見せているだけ。
「本を読みながら静かに暮らしたい」
「武将として民を守りたい」
「■■を斬りたい」
「見るものすべてが新鮮だ」
……彼の内心は、矛盾し、入り組み、自らについての再考を繰り返している。
*追加
自らの仕事を『斬ること』と規定しており、一度『斬ろう』と決めれば迷わない。
一刀両断、二言は無用。

+ 行動範囲
柾良城 陳情窓口、練兵所武将棟
柾良城下町 侍町 柾良義塾
足軽町 茶屋『あけぼの』
町人地 柾良大合同商店
寺町 あずまの屋敷
城下町外 国境付近

関連NPC:あずま

性別:女 年齢:?
立ち絵:西行寺幽々子(東方Project)
不死として発生した直後の彼誰(かはたれ)を引き取った、寺町にある大屋敷に住んでいる美女。
何時頃から征良に住み着いたかも判然としていないが、その妖艶な魅力と智慧、そして幾ばくかの不思議な力で周囲の信頼を得た。
今では柾良の町人たちの相談を聞き、問題があればそれを依頼として魔法使いに解決させる事もしている。

+ たまかずらの易
「……忘れた」
「『道は用意されている』とか、『今度こそ』とか」
「そういうコトは、言っていたような」

+ 埋まっているもの
ある日、穴を掘った。桜の樹の下を。
理由はない。気まぐれだ。怪談は怪談で、創作に過ぎないのだから。少なくとも自分はそう思っている。思っていたい。そこに『なにもない』と信じたのを現実にしたいなんて、そんなコトは思っていなかった、そのはずだ。
ただ、掘る。掘る、土を掻き出し、何もないのを、確かめていく。
自分の身長ほども掘って、安堵が心の中をかすめた時に、
根の張った土の下から、がちん、と音がした。

骨があった。
朽ち果てた刀も。

握った刀は、指に、掌によく馴染んだ。
何かを思い出したりとか、そんなことはするわけがない。ただの怪談なのだから。
けれど、けれど……

おれは、だれだ?

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最終更新:2019年10月01日 04:37