小さな不自然と負の幻影

〜 little unnatural, phantom in negative 〜





「僕はアリアーヌ。“怪盗アリアーヌ”だよ」
「僕の元まで辿り着いた誉れに、キミの名前を覚えて帰ろう」
「さて、キミは――」
「何者だい?」

「キミと同じ」
「ただの、怪盗さ」
相対する2つの幻影、惑わされるは一体どちら?










「お、興味があるのか。んならちっと時間はあるか?」
「語るだけには些か勿体無ぇ、一つ再演と行こうじゃないか」
くるりくるりと糸を引く。引かれるように幕は上がる。
現れるのは十名余りの人形達、それらは思い思いに活劇を描きだす。
エタナミル・F=エルダイン





「怪盗アリアーヌ事件」

概要

 20XX年4月26日(水)(魔城開始2ヶ月前)に発生した事件。
 異界マビノギオンを中心に活動を続けている“怪盗アリアーヌ”を名乗る連続窃盗犯が、マビノギオンに侵入。
 事前に届けられた予告状の内容の通り、学園に保管されているマジックアイテム『水底の懐中時計』を盗むことを目的としていた。
 厳戒な態勢を敷いていた学園側の警備の弱い箇所をつつくように、警備班の目の前に姿を現しながら、保管室への侵入を果たし、目的の物を盗み出した。
 マビノギオン魔法学園史上、最も悪い失態の一つが、この日また刻まれた。と誰もが思った。
 だが、盗み出された『水底の懐中時計』は、天文塔の最上階で発見される。
 結果として、学園側に被害はまったくなかった。





「へえ……僕の城から物を奪おうだなんて、随分といい度胸をしてるじゃないか」
学園宛に届いた青いメッセージカード。
転入して間もない魔王が、大ホールを散策していた際に弾こうとして触れたピアノに添えてあるのを発見する。
綺麗な字で書かれた文字に加えて、濃い色のキスマークが特徴的で目を引いた。
魔王の退屈と興味を奪うには充分すぎる贈り物だ。
『魔王』





人物

怪盗アリアーヌ
年齢:不明 性別:不明(女性と言われている) 制作者:ラウニー
種族:不明
外見イメージ:怪盗ジーニアス(プリパラ)

概要

 マビノギオンで活動をしている連続窃盗犯。
 事前に予告状を送り、家宅や施設に不法侵入し、目的のマジックアイテムを盗み出していく。
 まるでイリュージョニストのように、わざと警備の前に姿を現しては、“怪盗アリアーヌ”を名乗り姿を消す。
 世間では“女怪盗”と話題になっているが、その性別だけでなく彼女に関するパーソナリティは一切不明で、警察組織の他マビノギオンの自治組織、マビノギオン魔法学園ですらもその正体を掴めていない。

能力

 直接的な戦闘よりも、騙し合いや、逃走といった絡め手に長けている。
 今までの犯行も、警備達を華麗に幻惑しつつ、その実ぶつかりあいは極力避けているようだ。

行動理念

 狙う獲物に関しては傾向は無く、標的は価値のあるものから、一見何の意味があるのか分からないものまで多岐に渡っている。
 ただし、共通する点としては、アリアーヌは自身の犯行が原因で死者を出す事だけは避けようとするようだ。

コネクション

 【逃亡】[逃走]の判定に+2Dされる。
 怪盗は英語で言うと「Phantom thief」、つまり彼女は霞を掴むような人物ということだ。





「ナミ先輩、創星くん、ニクスくん、魔王くん」
「よろしくお願いします。皆さんの力が頼りです」
少女は4人の青年に向き直り、深く頭を下げる。
緊張が無いわけではなかった。
しかしこの厳戒態勢の中、自分たちが最初に怪盗と相対すると、明確に予想できてた者はいただろうか。
君影ひかり





事の顛末

日没、そして始まる

 20XX年4月12日(水)(魔城開始2ヶ月前)、マビノギオン魔法学園の大ホールにて、一通のメッセージカードが置かれているのを生徒が発見する。
 メッセージカードは、“怪盗アリアーヌ”からのもの。
 2週間後の深夜、学園で保管されているマジックアイテム『水底の懐中時計』を盗みに入る、という予告状であった。
 学園側は緊急対策会議を行う。
 学園側の防備に疑いは無かったが、相手は未だ誰も捕まえられない人物。
 万全を期すため、生徒の中から何人か招集し、教師チームと合わせ十数のチームを編成。
 当日は厳戒の警備態勢を敷くことに決定した。
 正門を無視して超えずの城壁から学園を出入りすることは不可能である。
 侵入、よりかは脱出妨害の観点で正門近辺に数チームを配置。
 大ホール付近に教師陣、寮監によるチームを主に配置。
 学園全体に点々と、生徒を主としたチームを配置、という形を取った。
 そうして26日当日、学園は“怪盗アリアーヌ”を迎え撃つ態勢を敷いた。





「静寂を破り、煉獄を示す鐘が響く。終わりの始まりを告げるように──」
「……眠くなきゃこんな事言う訳ないでしょ、いま何時だと思ってるの」
静まり返った夜の校舎に、けたたましく響くベルの音。
待機していた者達に安堵と緊張が広がっていく。
激しい音とは裏腹に、ゆっくりと状況が動き始める。
リィン・F=アンサラー





侵入した怪人

 ベルの音が校舎に鳴り響く。
 火災報知器の音だ。
 この音を聞いて、誰もがアリアーヌの侵入を確信した。
 だからと言って無視するわけもいかず、教師の一人が抜け、生徒チームの一つと合流して移動。
 そしてそのタイミングで、生徒チームの1班が対象と遭遇。
 そこは大ホールからは遠い地点で、アリアーヌが現れる想定はほぼ無かった。
 陽動である可能性を考慮し、教師チームが一つ支援に向かう。
 君影ひかりをリーダーに添えた、生徒5名からなる班が応戦する。
 まるでハロウィンの仮装にも見える、まだ若い少女。
 “怪盗アリアーヌ”は妖艶に微笑んでいた。





「わざわざこの時間を指定するとは馬鹿か?貴様」
「私が誰なのか、この星煌を持って知るがいい。」
“怪盗アリアーヌ”を名乗る少女は、高慢で不遜で、自信に満ちていた。それが演出なのか本性なのかはわからない。
ただこうして姿を現した以上、彼女に勝算はあるということだ。
対し、向かう男は無表情にその赤い瞳を少女へと向け、無造作に近くの窓硝子へと腕を振るい、その破片を握り込む。
少女に勝算があろうがーーーー私は「東創星」なのだという事を。
東創星





児戯と児戯

 下手に隠れる真似などせず、堂々と姿を現した“怪盗アリアーヌ”。
 相対した君影ひかり、エタナミル・F=エルダイン、東創星、日ノ出真生、ニクス・ゼノライト=アウラムは警戒を怠ることなく防衛線を展開する。
 しかし敵の技術は優れており、生徒たちの応戦も虚しく防衛ラインは突破され、教師たちの到着まで持ちこたえられなかった。
 だが、エルダインと日ノ出の連携により、東創星が敵の術を分析するだけの時間を稼ぐことに成功。
 結論として、アリアーヌは事件として上がっている以外の複数のマジックアイテムを駆使している可能性が高いことが判明。
 教師班と合流した5名は大ホールに向かう。
 そしてこの時、君影ひかりは致命的なミスを犯す。





「“探偵“の名に懸けて告げよう」
「『アリアーヌは天文塔に行く』、と」
彼女の語る情景の断片を、推理と言う名の論理で繋ぐ。
それらが指し示すのは予想外で、だからこそ死角となり得る“幻想”。
“探偵“は今、一つの確信を以て徐に、この事件の佳境を告げる(皆を集めて「さて」と言う)
ルード・ダグラス





時の針は天に向かう

 リィン・F=アンサラーが君影ひかりから連絡を受けたのは、火災報知器の誤作動からまだ10分も経過していなかった。
 君影の連絡は、起こった事象の概要に加え、不安そうに語る漠然として曖昧な景色の断片的情報であった。
 リィンは彼女の予知に近しい特異体質とその性格を知っていた。
 リィンの判断は早く、君影の予知内容をチームに連携。
 メンバーの一人、ルード・ダグラスがその場所を天文塔の最上階だと導き出す。
 リィンが所属する班のリーダー、クレイ・クロノス=クリスティは、本部に連絡を行い、招集を受けた大ホールから行き先を天文塔へ変更。
 この2分後、大ホールに置かれた『水底の懐中時計』が“既に盗み出されている”ことが判明する。
 君影ひかりが犯した失態とは、予知の内容についてリィンにしか連携しなかったこと。
 つまり、彼女の予知は彼らと怪盗を引き会わせた。





「――愚かね。
たとえ幻影だろうと、私の"眼"からは逃れられない。
さあ、その"逆因果の時計"から手を放しなさい。
"資格"を持たぬ者に、それは過ぎた代物よ」
周囲の空間が、軋んだ音を立てる。
その紅瞳が、怪盗の姿を捉えたからだ。
驚きの表情を浮かべるアリアーヌに、少女は言い放つ。
幕が降りるには、まだ早い。
オファニム・U・D=L





怪盗と、少年探偵団

 魔眼によって捻じ曲げられる空間から危険察知して跳び退く。
 驚愕によってアリアーヌは目を開いていた。
 上層に続く階段への道を封じたのは、クレイ・クロノス=クリスティ、リィン・F=アンサラー、ルード・ダグラス、オファニム・U・D=L、竜宮美雲の5名。
 予定外の交戦、生徒らが秘めた素晴らしい才能たちに、アリアーヌは苦戦を強いられる。
 しかし彼女にも意地がある。
 騙して化かして惑わして。
 最終的に彼女は5人を振り切り、天文塔に続く階段へ駆け抜けていった。
 アリアーヌが最後の攻撃を避けた際、彼女は私物を一つ落としていく。
 竜宮が拾ったそれは、一枚のタロットカード。
 大アルカナの「月」のカードだった。





「まったく、さすが“魔城”マビノギオン。楽させてくれないね」
“本物”の時計を手にしつつ、“怪盗”は一瞬だけ“少女”の顔に戻る。
「こんばんは」
「僕はアリアーヌ。“怪盗アリアーヌ”だよ」
眼前に立ちはだかる、“もうひとりの怪盗”と相対した彼女は、
困ったように微笑んでみせた。
“怪盗アリアーヌ”





終幕、アンコールは無い

 天文塔。
 『水底の懐中時計』を手にしたアリアーヌはそこに辿り着いた。
 しかし、彼女の到着を彼女よりも先に一歩早く訪れて待っていた少年。
 ニクスの姿がそこにあった。
 アリアーヌが持つお宝を盗み出すことを予告する。
 二人の怪盗。
 この事件の最後の戦いが始まった。

 クレイたち5人の生徒が天文塔に訪れた時、そこには既に誰の姿も無かった。
 だが、小さな机の上に目に付くように、盗み出されたはずの『水底の懐中時計』が、まるで何事も無かったかのように置かれていた。
 こうしてこの事件は、不可解な結果を残して幕を閉じた。
 “怪盗アリアーヌ”は、何故盗み出した懐中時計を置いていったのか。
 それは、誰にもわからない。





「『水底の懐中時計』―――頂いたよ」
「…………なんて、ね」 
アリアーヌは勝利を確信した笑みを浮かべ、去っていた。
地に伏すのは少年で、その勝敗は明らかに見えた。
しかし、
勝ったのは彼だ。
彼女が勝ち誇っていたのは、彼が“化かし合い”で彼女を上回ったということなのだから。
彼の手には“本物”の懐中時計が、しっかりと握られていた。
ニクス・X=アウラム





アリアーヌの意図

今回彼女が狙った物品

水底の懐中時計

種別:道具  重量:1
価格:非売品
効果:
このアイテムは失われない。
解説:
+ 「使用することで、世界を24時間前の状……
「使用することで、世界を24時間前の状態に戻すことができる」……と言われているただの懐中時計。
だが、その真偽はだれにもわからない。
何故なら、使用者の記憶も24時間前の状態に戻ってしまうと言われているからだ。
また、一度時間を巻き戻すと、その効力を再度使用できるまでに、36時間の時間を要する。
その上、力を使用すれば当然このマジックアイテム自体も24時間前の位置に戻されるので、この道具を持ち続けなければ力を使う意味も無い。
24時間以上の時を遡ることは決してできず、同じ時間を繰り返すこともできない。
そもそも、これらの力は全て伝承で、実際にそんなことが可能なのかすらも不明だ。
そんな御伽噺のようなこの時計が厳重に保管されているのは、「いつ誰が作ったのかわからない」ことと「仕組みがまったくわからず、解体すらもできていない」ことに加え、「動力が不明で、止まることなく動き続けている」というその三点の理由で既に価値があるからだ。
今回、“怪盗アリアーヌ”がこのマジックアイテムを盗み出そうとしたことで、伝承はもしかして本当なのでは?という噂が密かに話題となった。


過去に盗まれた物品

追悼の写真機

種別:道具  重量:1
価格:非売品
効果:
このアイテムは失われない。
解説:
+ それは旧いフィルムカメラで、製……
それは旧いフィルムカメラで、製作者は不明。誰がどのような意図で生み出したかはわからない。
マジックアイテムを作ることができるマジックアイテムだ。
このカメラによって取られた写真はすべてモノクロとなる。
そして、レンズに収めた全ての「瞬間」を複製する。
このカメラによって撮られた写真の中央を、指で2回叩くと、写真の中に入れる。
写真の中にはとった瞬間の全てがそのままあり、時間にして約10分間その中に居ることができる。
10分が経過、または写真が破壊されたりすると、中に入った者は全て元の世界に戻される。
そして、写真は劣化しセピア調となり、二度と写真の中に入ることはできなくなる。
まだ映像技術が確立してなかった頃の動画のようなものを作る意図があったのか、過去の思い出を切り取り保存するマジックアイテムだ。
写真の中にあるものは決して外に持ち出すことはできない。
一種の異界を作り出す力なのでは?と危険視されてもいるが、調査を重ねても原理は未だ不明。危険性も無いことからここ数年は、かつてこのカメラによって撮られたと言われる写真と共に厳重保管されていた。
現在このマジックアイテムはフェクス大蔵院の許可無く持ち出し・使用が固く禁じられている。
理由は、間接的に故人との対話を可能とすることによる危険性と倫理観によるものだ。
この写真で撮られた「瞬間」は全て複製されるため、人物を撮った場合、写真の中に入れば、撮られた当時の姿・記憶の人物との対話を可能とする。
これにより、過去に撮影された人物が亡くなった時、このカメラによって撮影された写真を使うことで故人との再会、失われたはずの情報を聞き得ることが可能だからだ。
消して現時点から過去への干渉も、現在から過去の一点の情報を得に行くことは適わないが、“今”の情報を未来に送るというタイムカプセル的な使い方をすることができる。
このマジックアイテムは本土のフェクス大蔵院からバリエル探究会へ調査依頼のため、安定した異界内での実験・調査を目的としマビノギオン内に移送中に写真ごと一式を盗み出された。
“怪盗アリアーヌ”は、このカメラを使ってどんな写真を撮影しようとしているのだろうか。


偽善のライター

種別:道具  重量:1
価格:非売品
効果:
このアイテムは失われない。
解説:
+ 一見すると金属製オイルライター。その作……
一見すると金属製オイルライター。その作成者どころか仕組みすらも未だ不明の一品。
このマジックアイテムは、ただの便利なライターでしかない。
持っている効果はいたってシンプルで、オイルが尽きるか蓋を閉じる以外で、ライターの火が消えない。それだけだ。
風の強い日や雨の日でも煙草を吸いたかったのかは知らないが、空気の流れや水だけでなく、あらゆる物理・魔法的干渉でその火が消えることはない。
これは別に「消えない火」を生み出すわけではなく、火種がライターから他に移れば、途端にあらゆる干渉を受ける。
あくまで、ライターから出ている火が消えないだけ。
そんなただの便利グッズだ。
そんな背景もあり、このマジックアイテムはルーツや仕組みが不明であっても、個人の所有物からどこかのコミュニティに保管されることも無かった。
ランデルの上部のとあるヘビースモーカーが愛用していた一品で、“怪盗アリアーヌ”は隙を見てからの元から華麗にライターを盗み出した。


不尽木の外套

種別:服     部位:胴
レベル:1    重量:1
物理防御:1   魔法防御:1
回避修正:0   価格:非売品
効果:
このアイテムは失われない。
解説:
+ 中国南部に生息されるという、神秘の素……
中国南部に生息されるという、神秘の素材の一つ“不尽木”という木の樹皮繊維から作られた外套。
竹取物語でも有名な火鼠が住むとされる霊木で、その樹はどれだけ炎で焚かれようと、決して燃え尽きることはない。
マジックアイテムの効果としては“火鼠の皮衣”の劣化でしかなく、「火を受けても燃え尽きず、着用者に熱を通さない」というものだ。着火自体はする。
そんな経緯もあり、王国組織ではなく個人の富裕層で管理されていたアイテムで、アリアーヌに目をつけられ、あっさり盗み出されてしまった。






「盗品は取り返した。しかし、怪盗は逃してしまった」
「”正義”として、次は必ず捕えよう。怪盗アリアーヌ……!」
こうして事件は、賊の侵入を許すも、何も盗られず終わるという結末に終わった。
被害は無くとも、学園と矜恃に傷を付け、生徒たちには敗北の記憶を植え付けた。
怪盗は今後も活動を続けていくだろう。
再戦の時は、必ずまた訪れる。
クレイ・クロノス=クリスティ





考察

 アリアーヌの活動を見る限り、彼女は愉快犯ではなく、明確な意図を持ってマジックアイテムを集めていることが伺えられる。
 彼女は集めたマジックアイテムでなにをしようとしているのか?
 それはまだ誰にもわからない。
 少なくとも、学園に収められた『水底の懐中時計』が彼女の計画には必要となることが今回の事件で判明した。
 彼女が必要としているマジックアイテムが、『水底の懐中時計』以外全て集まり切っているかは不明だ。
 だが、盗まれた盗品から、多少の予測ができるかもしれない。

+ シナリオフックとして①
シナリオフックとして①
 このシナリオフックは、フックからシナリオを作成する各GMの自由な発想のために、アリアーヌの目的に関して明確な答えはありません。
 ただ、マジックアイテムに具体的なフレーバーがある以上、相談などは遠慮無くしていただければと思います。
 また、アリアーヌについて、性格やその正体には示されていますが、その性格は彼女が気まぐれを起こして変わるかも知れないし、模倣犯の別人がいる、等の展開もありえるでしょう。
 このページの内容は、大規模卓大魔城学園でGMをする全ての方に向けたフリー素材、となっています。





「あのっ! みくもちゃんがシャンデリアにひっかかってる間にぜんぶ終わってるんスけど! ひどくね?」
「はーまったく貧乏くじッスよ。貧乏くじといえば……何スかね、これ?」
ヤレヤレと腰をさする少女は、まぬけ面で先程拾ったタロットカードをまじまじと見る。
よく分からなかったので小屋のヤギにあげようかなと思ったけど、怒られそうなのでやめた。
竜宮美雲





今後について

  予告状を送り、堂々と盗みを行う怪盗アリアーヌ。
 『水底の懐中時計』にしろ、学園以外の別のマジックアイテムにしろ、彼女からの挑戦状はまた送られることだろう。
 そしてそれがマビノギオン魔法学園に依頼という形で届けられ、実技演出学で生徒が再び相対するという未来が訪れるのは、きっと容易い。

+ シナリオフックとして②
シナリオフックとして②
 懐中時計の奪い合いをピックアップしたり、学園以外の窃盗事件に焦点を当てたりは、シナリオを作る各GMが自由に作っていただきたいという想定です。
 (もちろん上記の例以外のどんな内容でも)
 ①でも記した通り、このフックの内容は、大規模卓大魔城学園でGMをする全ての方に向けたフリー素材です。
 そのため、このページに関しても自由に編集や変更を重ねていただければと思います。
 今後行った卓の内容に関しての追加なども残して、このページを前身としたキャンペーン特設ページにしてしまう、みたいな活用をするのも一つです。
 やったもの勝ちです。
 このフックでシナリオ作りのなにかの助けになれば、幸いです。





「今回は僕の敗北だ。素直に負けを認めよう」
「だからと言って、このまま引き下がっては“怪盗アリアーヌ”の名折れだ。それはできない」
「近い内に、また改めて“ダンスのお誘い”をさせてもらうよ」
「では、約束の夜まで……。またね」





『月』
 正位置
 希望、ひらめき、願いが叶う。
 逆位置
 失望、絶望、無気力、高望み、見損ない。



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最終更新:2019年01月15日 19:00