懸橋アリカ


懸橋アリカ(かけはし -/Alyca Kakehashi/- 在処)

年齢:19 性別:女 種族:人間/威霊 身長:163cm 体重:54kg
クラス:魔法芸術家/学徒
アイコン:赤松楓(ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期)
イメージCV:花守ゆみり イメージカラー:
所属:夜明け2017卓/魔境都市 PL:メイト


「えへへっ、今日も頑張っていきましょうね!」


外見

 ブロンドのロング。前髪は音符のヘアピンで留め、てっぺんからアンテナが立っている。
 ヴァイオレットの瞳は光と影の加減によって鮮やかに色を変える。
 抜群のスタイルも併せ一目で欧米人かその血混じりと分かる風貌。
 およそ目立たないが、よく見れば背中などに大きな手術痕が残っているのが分かる。

 よく笑い、時々泣き、たまに怒り、やっぱりよく笑う。
 人柄を映した弾ける笑顔が何よりも印象的な乙女。

+笑顔
笑顔
 アリカのトレードマークとも言える溌剌とした笑顔。
 彼女が人びとや仲間達に笑いかけ続けることにはいくつかの理由がある。

 アリカ自身が誰かの浮かべる笑顔が好きだからこそ、誰かの笑顔を見たいからこそ、
 まずは自分からいつでも誰かに笑いかけるようにしていること。

 自分の辛苦をできるだけ悟らせないように覆い隠すこと。

 そして……
 自分のせいで笑顔でいられなくなった死んだ親友の代わりに笑い続けること。

 即ち。笑顔とはアリカの生き方であり、彼女の贖罪そのものだった。

+アンテナ
アンテナ
 アリカの髪はてっぺんから一本癖毛が伸びている。
 このアンテナはぴこぴことアリカの意思を示すように勝手に動くことがある。
 ”劇場”が消えて一時非魔法使いになっても変わらなかった。まんじゅうはまんじゅう。

人格

 明るく元気で前向きで、礼儀正しく親しみやすい。たまに無自覚に腹黒。
 何事にも全力でぶつかるし、そのくせ抜けているせいかとんでもないドジを踏むことも。

 喜びを分かち合い、悲しみを受け持つ。いるべき時に傍に寄りそう。
 他人の心の痛みに敏感であり、彼女の涙はいつでも誰かの代わりに流される。
 誰かの傍にいながら常に孤独を抱えているからこそ、感謝を伝えることを忘れない。

 天真爛漫で優しく寛容な精神と、一途で苛烈かつ攻撃的な人格の二面性を持つ。

能力

 元々は非魔法使い。劇場に入った際に”Newgame”現象で異能を発現。
 1年間の戦争を経て最終局面でもっとも戦略的な役目を担うまでに成長したが、
 ”劇場”の消失が始まるや否や瞬く間に非魔法使いへと戻ってしまった。

+《威霊》と”星”
 女神ティアマトの伝承をその身に宿し続け
 度重なる戦いの中でより強くならざるを得なくなったアリカは
 魔境都市の人々の信仰も重なり、その魂が威霊として書き換えられた。

 また、仲間達と共に魔王を倒した懸橋アリカは世界を照らす星の勇者となった。
 完全無欠なる英雄とはまた異なる、ただただ歩み続けた先に得た光。

 威霊としての変質と人の願いの果ての幻想。
 このふたつの性質は”劇場”が消えて非魔法使いとなっても残り続ける。
 アリカは二重にヒトの摂理から外れており、彼女がかつての自分に戻ることはもうない。

 そして、彼女が今を悲観することもまたない。与えられた資質や運命を超えて、
 自分が進みたい道を進むことこそが生きることだと理解しているからだ。

 懸橋アリカはこれからも《人間》として生き、歩み続ける。

+かつての魔法使いとして
+異能”勇者”
異能”勇者”
 【誰かの為の勇者】。アリカの使用する異能の根源的性質。

 時間・空間・近過去と近未来・因果・運命・次元……
 ありとあらゆる概念に「誰かの傍にいる」という事象を成立させる形で干渉できる能力。
 アリカの異能と竜装術の大半は、この「傍にいる」という目標を
 どんな状況でも達成できるようにするための手段だと言ってよい。

 自分がもっとも辛かった時に傍にいてくれた誰かへの感謝と、
 だからこそ自分が誰かにそうしたいという願いが結びついて顕在化した能力。

 ”勇者”により、アリカはあらゆる誰かの傍に常に存在する可能性を得ることができる。
 ただし、あくまで可能性を得るだけであって必ず到達できる保証はなく、
 当然ながら魔力や魂による上限があるため無尽蔵に存在し続けることはできない。

 また、「誰かの傍に存在できること」と「誰かの助けになれること」は別の事象である。
 アリカの”勇者”以外の魔法は、この「助けになれること」を成し遂げるためのものだ。

+【ゲート・オープン】
【ゲート・オープン】
 ゲートとは、指定した空間と空間を繋いで集団を移動させる事象を指す。
 本来ならば限られた覚醒者だけが使うことができる、異能を超えた神の領域の奇跡。

 アリカは異能者の身にしてその力のごく一端を扱うことができる。
 ただし移動できるのは自分のみであり、移動できる場所や機会も限られる。

 この異能が使用可能になるケースはいくつかあるが、最も代表的なものは
 『今ここにいない誰かが危険にさらされ、そこにアリカが向かうことで助けられる時』。
 彼女はこの不安定な力を使う瞬間を天啓し、自分があるべき場所へと向かうのだ。

+迷子……?
異能”出現”
 アリカが無意識に使用する異能……異能? たぶん異能のひとつ。
 「ひとりでいる時に、自分が出会うべき誰かのいる場所へと迷い込んでしまう」能力。

 アリカは魔境都市で異能に目覚める前から天然でよく迷子になっていて、
 そこに彼女が魔境都市で得た空間移動・存在系異能が結びついてしまったもの。
 本人は困っているものの、危険を呼び寄せたりする性質ではないので呑気にしている。

+竜装象形

ティアマト(-/Tiamat)

 懸橋アリカが竜装術で伝承象形する竜であり、神格。

 メソポタミア神話における原初の海の女神。
 混沌と女性の象徴であり、きらきら輝くもの。

 現在は否定されているが、かつてティアマトの姿は「大洪水の竜」と形容されていた。
 圧倒的なほどの巨大さと海そのものを操る力、そして優しく寛大な心を併せ持つ。

 バビロニア神話『エヌマ・エリシュ』は、
 英雄マルドゥクが天地創造のためにティアマトと彼女が率いる神々を打ち果たす物語だ。
 堪え難きを耐え、忍び難きを忍び続けたティアマトはとうとう
 11の魔獣たちを率いて新たな神々たちとの戦いを決意するも、マルドゥクに殺される。
 敗れた母なる神ティアマトの亡骸はふたつに引き裂かれて世界の礎となった。

 アリカはこの竜の伝承における無念な結末に共感し、竜装象形という形の半径約状態で
 ティアマトと彼女の配下の11の魔獣の威容と力を借り受けることができる。

+竜鱗と竜血
竜鱗と竜血
 アリカの身体は戦闘時に竜装象形による補強が施される。
 髪は先端が青白く光り、肌のあちこちに竜鱗が膜のように張り巡らされる。
 また、負傷した個所は鮮やかな紅色の竜血が網目状に張られ出血と痛みを緩和する。

+11の魔獣
11の魔獣
 ティアマトが新たな神々と戦うべく生み出した怪物たち。
 アリカは彼らの姿を空想で生み出しそれぞれに応じた力を発揮する。

 ・『七岐の白蛇(ムシュマッヘ)』
  7つの頭を持つ白蛇の影。
  地を這わせて調査や陽動を行えるほか、牙で神経同士を結んでの魔力伝達が可能。

 ・『赤竜の頸(ウシュムガル)』
  苛烈なる龍の頭。
  基本的に十字模様の入った瞳のみをアリカの瞳と重ね合わせ、透視などの能力を得る。

 ・『霊蠍の尾(ムシュフシュ)』
  微かに揺らめく蠍の尾。
  遠く離れた物体を跳ね飛ばして移動させるほか、尾そのもので絡め捕ることもできる。

 ・『獅子の咆哮(ウガルルム)』
  王権を示す獅子の雄叫び。
  偉大にして勇猛なる声はあらゆる脅威に対して抑制力として働く。

 ・『狂犬の牙爪(ウリディンム)』
  狂い猛る犬の鋭い牙と爪。
  迫る敵に突き立て、地を踏みならし一足で喉笛まで届く加速をもたらす。

 ・『鷲の翼風(ウム・ダブルチュ)』
  風を支配する鷲の両翼。
  背中から翼を生やし、自在に空を駆け回る。

 ・『海の嵐(ラハム)』
  凶暴の名を持つ海を神格化した魔物。
  嵐を巻き起こし、畏怖を相手へと植え付ける。

 ・『境界の番人(ギルタブリル)』
  天界と冥界の守護者。
  アリカの竜装術では境界の管理者としての特性を強調し、様々な志向性を行使する。

 ・『聖牛の蹄(クサリク)』
  神聖なる天の雄牛の蹄。
  言葉と共に未来へと踏み出す一歩として人々を支える。

 ・『毒蛇の影(バシュム)』
  角の生えた獰猛なる毒蛇。
  影で瞬時に敵を包み、一瞬だが致命的な麻痺毒で動きを封じる。

 ・『人魚の尾鰭(クルール)』
  占星術における山羊座と結びつく精霊。
  尾鰭をアリカ自身の身体に創り、水中で自由に活動できるようになる。

+挺身魔法
挺身魔法
 現在のアリカが「身を挺して仲間を守る」ことを軸に戦っている魔法使いなのは、
 彼女の異能者としての資質と潜在性が挺身に対して強く発揮されたからに他ならない。

 もちろん、万能型の異能者であるアリカは努力次第で他の戦い方を選ぶこともできる。
 最前線での任務への参加を諦めるなら援護や後方支援でも十分に貢献できるだろう。
 それでも、アリカは自らの身を投げうつ戦い方をやめようとしない。

 アリカの適性が挺身に対して強く発揮されているのは彼女の意志の力によるものであり、
 言い換えるなら、「アリカがそれを望んでいるから」に他ならない。

+護身術
護身術
 アリカは魔境都市に来る前に護身術を学び始め、実戦レベルで会得している。
 柔道とボクシングを基礎に一通りの格闘技術とその対抗策を身体に覚えさせている上、
 魔導教練支部にて武器や盾を使用した身のこなしや各種魔法の防御法にも習熟した。

 アリカ本人はあくまで華奢な乙女であり、頑強さは普通の魔法使いとそう変わらない。
 彼女の身を守るのは竜装術による補強とこれらの護身術を活かした防衛である。

+装備と服装
+『天命の鎖枷』
『天命の鎖枷(キングー)』
 複数の鎖束が手首の枷と連なった懸橋アリカの専用防御礼装。
 アリカの竜装術に連なる神格「キングー」の解釈を逆転させた簡易神話礼装でもある。

 形状は細長い何本かの黒い鎖であり、アリカの腕と指につけた枷と繋がっている。
 運用当初は左腕左手に、現在は右腕右手に枷を装備するようになった。
 普段は服の袖の下に隠れているためほとんど見えないが、
 緊急時は即座に展開し盾状に編み上げられ、魔力を帯びて仄紅く輝く。

 周辺空間に張り巡らせて気配を遮断する結界を作る、鎖で結んだ面に障壁を張る、
 鎖の先端に剣を接続し操る、果ては探索時にランタンやロープの代わりにするなど、
 アリカの魔法使いとしての活動の様々な補助を行う非常に多用途な装備。

 鎖を留めているのは腕と指だが宙に浮く鎖はアリカの魔力によって支えられ、
 敵の攻撃などによって鎖に加わる衝撃はすべて分散して彼女の肉体に送り返される。
 そのため、単なる盾よりもアリカにかかる負担が少なく、
 たとえ腕が使えない状況でも鎖の展開を続けることが可能。

 キングーは古代バビロニア神話に伝わる神格であり、女神ティアマトの息子。
 ティアマトより11の魔獣の指揮官に任命されてマルドゥクとの戦いに挑むも、
 敵方の軍勢に恐れをなして敗走し処刑されたという逸話を持つ。

 アリカの『天命の鎖枷(キングー)』が鎖と枷の形状を成しているのは、
 このキングーの逸話解釈を逆転させた形で彼女に適用しているため。
 鎖を自分が戦場から逃げられなくさせるための戒めとすることで、
 その覚悟と意志の力によって異能と竜装術を高めているのだ。

+【天命の書版】
【天命の書版(トゥプシマティ)】
 アリカの最終魔法。
 メソポタミア神話に脈々と連なる宝物の疑似再現。
 発動の際には『天命の鎖枷(キングー)』で編まれた長方四辺を書板に見立てる。

 他者の落命の寸前、生命を司るティアマトの領域を展開する。
 あらゆる活動が静止した世界の中を歩み、自らの魂を以て死者を引き戻す奇跡の業。


 メソポタミア神話では、世界秩序や神々や人々の運命と寿命などが
 「天命」として神々によって決定されると考えられていた。
 天命として定められたことは「天命の書版(石版、粘土板とも)」に記され、
 最高神によって調印されることで記述が有効となった。

 すなわち、この天命の書板を所持していることこそがメソポタミア最高神の証となった。

 メソポタミア神話ではティアマトとキングーを殺したマルドゥクが書板を手にし
 エンリルに代わる最高神として君臨する物語が「エヌマ・エリシュ」で語られるほか、
 「アンズー神話」では主神エンリルから書板を盗み出した怪物アンズーと
 書板を奪還するための神々の戦いが描かれており、伝承によって登場人物などが異なる。

+その他の装備
聖骸布の切れ端
 「聖母の聖骸布」。
 切れ端というより、もはや目を凝らさなければ分からないほど微小な繊維の点。
 小型ケースに入れたものをネクタイの裏地に留めており、アリカの意志だけで起動する。

 十字教における救世主を生んだ聖母の遺体を包んだとされる布のごく一部。
 ただし、十字教における聖母の扱いは宗派によって分かれており、
 アリカの信仰のひとつであるプロテスタントではそもそも特別視されていない。

 だからこそ、アリカは数ある聖骸布の中でこの聖母の聖骸布を使用している。
 特別な存在ではなく一人の人間として、原罪を背負い十字の後光を用いて味方を守るのだ。

夢幻刀
 「ランデルブレード・ホワイトドラゴンβカスタムモデル」。通称WDブレードβ。
 魔導教練支部の教官から勧められ購入した短剣の素材を一部使用し改良した片手剣。
 汎用量産品であると同時に彼女専用に調整された個人礼装でもある。

 ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ・フォン・ネテスハイムの提唱したカバラ魔術、
 10のセフィラと22の小径を体系化した「セフィロトの樹」が描かれた紅い剣身。
 手にした者には「生命の守り手」という属性が付与され、自在な加護を得る。

 白竜の名が示す通り、防御志向の竜装術士にとりわけ愛用されている一品。
 防御力をより高めるαカスタムと魔力を補填するβカスタムが存在し、
 アリカは後者を使用している。どちらも真価を発揮するには魔法使いとしての技量が必要。

上着
 任務の際はいつも着ている桃色のニットベスト。
 裏地が鎖帷子やプレートになっていて様々なダメージに耐え得るれっきとした防具。
 ただ、一見して分からない上に普段のアリカのふわふわした言動も相俟って
 初めて彼女と会った者から彼女が信頼のおける盾役だと見做されないこともある。

リュック
 携行品をあれこれ押し込んでいるリュック。
 明らかに普段から携帯していては不自然なものが飛び出ることも。
 これらはアリカの異能由来の直感でその日たまたま持ってきていたものらしい。

+データ解説

Functions

 ・危機感知
 ・探索系の道中判定全般
 ・[裏口入学]でのシーン登場
 ・異能者の各種便利スキル

 ・3種の[カバー]スキル
 ・高耐久と耐久支援
 ・[挑発]や[聖骸布の切れ端]での攻撃集中
 ・異能者の各種支援
 ・[誰かの為の勇者]でのMP支援
 ・判定妨害

どんな場所でも生きる壁
 いわゆる『壁』キャラクター。危機感知を筆頭に各種探索もある程度こなす。

 道中では[クリアボヤンス]で罠探知、[アンロック]で罠解除、
 そして高めの感知で探索に回ることができる。
 なお、これらの判定値は探索者PCと比べると二番手な感じなので、
 パーティーに探索者がいない時か判定失敗した時のフォロー要員として立ち回る。

 ただし、[プレコグニション]と[マイスター<危機感知>]を乗せた危機感知はトップクラス。
 離れた仲間やNPCなどの危険をもしも察知することができれば、[裏口入学]でその場に現れ、
 [カバーリング]や各種異能スキルで危機的状況を打開できるかもしれない。

 戦闘でも3種[カバー]スキルや[聖骸布の切れ端]、[魂の共有]などで味方を守る。
 [白竜伝承][防御態勢][ガードスタイル][ディフェンダー]で耐久値をより積めるし、
 [結界兵装]からの[闇の衣]により防ぎきれない一撃への対応も盤石。
 直接カバーはできない場合も[非暴力の叫び]で味方に障壁を張れる。
 壁だけあって基本的な隊列は前衛。味方の配置や防御力に応じて中後衛に回ることもある。

 単にカバーに回るだけではなく、[テレパシー]や[強制転移]などの支援で柔軟に動いたり
 危険な攻撃を[未来視]を組み合わせた回避で一度は対処したりできるのが強み。
 [!?]や[殺意の壁]で敵の判定を削ることもある程度可能。
 また、[挑発]で敵の攻撃を引き付け、その後の自分の隊列移動と[強制転移]で
 同じ隊列の味方を遠ざけ敵の攻撃を一身に集めるのはアリカならではの動きだ。

 壁役は自分のいる隊列に攻撃が来なかった場合はMPが余りがちになる。
 そんな時に効果的なのが[誰かの為の勇者]。味方に自分のMPを分け与えることができる。

 [最大HP]がそれほど伸びない分戦闘不能になる可能性も残るが、
 そこは味方の聖職者の回復などを頼ることで上手く倒れないように立ち回りたい。
 今のアリカは倒れることなく仲間と共に最後まで戦い続ける勇者なのだから。

+ピアニスト
ピアニスト
 15歳の頃まで、天才ピアニスト少女としてクラシック界で国際的な注目を浴びていた。
 事故自体による影響は懸命なリハビリと治療によってほぼ完全に克服・改善されたが、
 3年間という失った時間そのものは大きく、当時と比べて演奏技術は著しく落ちている。

 それでもアリカの実力と演奏に宿る魂、そしてピアノを愛する気持ちは本物。
 彼女のピアノを聴いた者は誰しもがその世界へと惹き込まれていくだろう。
 また、劇的な戦争を生き抜いた経験が彼女のピアノに新たな展望を与えてもいる。

 専門家が評する演奏者としての懸橋アリカの特徴は「誤魔化しの無さ」。
 鍵盤に触れる一音一音を指先で鷲掴みにするように、愚直に丁寧に曲と向き合っている。
 アリカ自身も大好きである得意曲は、彼女の情緒性を最大限に発揮できる
 クロード・ドビュッシーの「ベルガマスク組曲・第3曲『月の光』」

+天然と集中
天然と集中
 アリカは度を越した天然である。ポンコツやアホの子と言われてしまうほどの。
 よく迷子になり、行動に計画性がなく、複雑なことを考えるとすぐに頭がパンクする。
 一方で、危険に対して最適解を取ったり、安全のための思考を素早く巡らせることも。
 ピアノと向かい合っている時の彼女の視線と指先はさながら精密機械のようである。

 これらはアリカの極端な集中力に起因している。
 本当に自分の興味が向くことや自分にとって重要な瞬間に全神経を傾けられる反面、
 それ以外の平時はいつも気が抜けてしまっているようだ。

 有事の際のアリカがいつもとは別人めいた顔を見せる理由であり、
 彼女を天才ピアニストたらしめている気質でもある。

来歴

 2004年生まれの18歳。東京都近郊市出身。
 日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフ。
 歳の離れた兄の懸橋ザイセがいるが、彼とは異父兄妹に当たる関係。
 国籍は日本で、生まれも育ちもずっと日本。

 音楽家の父の下で英才教育を受け、天才ピアニスト少女として国際的注目を浴びていた。
 アリカとその父・懸橋在天(かけはし ざいてん)の名は
 クラシックやピアノに詳しいなら一度は聞いたことがあるだろう。

+2019年3月~2022年4月
 だが、高校入学直前の2019年の3月。
 突如蒸発した兄を探して雨の降る夜の中を彷徨っていたアリカは、
 兄の人違いの背中を追って道路に飛び出し交通事故に遭い、意識不明の重体に。

 消えた息子と事故で未来を失ったかに思えた娘にショックを受け、
 生まれつき身体の弱かった母のアリアも体調を崩し、病死してしまう。
 家族を一度に喪った父の在天は自殺。一連の不幸の連鎖はひと月で起きた出来事だった。

 2ヵ月後に水の都の金牛中央病院で意識を取り戻したアリカを待ち受けていた現実は、
 指先すらもほとんど動かせなくなった事故後の自分自身と、消えてなくなった家族。

 リハビリ次第で治る可能性があるといくら医者から説かれようとも、
 見知らぬ土地までやってきた親戚や友人が彼女を励まそうとも、
 アリカは生を呪い、己を恨み、死を望み続ける毎日を送っていた。

 そんなアリカが出会ったのが、隣の病室の少女である珠洲恵音光(すず えねみ)。
 恵音光はアリカに自分を”えみ”と呼ぶように促し、屈託のない笑顔を向けた。

 アリカとほぼ同時期に金牛中央病院に入院した恵音光は
 現代の医療では決して治らない『病』を患っていた。
 絶望の淵にあったアリカとは対照的に、どこまでも明るく前を向いている”えみ”。
 最初こそ”えみ”を相手にすらしていなかったアリカだが
 馬鹿馬鹿しいほど天真爛漫な彼女に絆されていき、やがて親友と言える間柄に。
 積極的にリハビリに励んで一歩ずつ回復し、次第に笑顔を取り戻していく。

 しかし皮肉にも、アリカが未来に向かって怪我を治して進もうとするその姿は、
 段々と病状が悪化していく恵音光の心に暗い影を落としていく。

 事故から3年後についに退院したアリカは恵音光の元へ報告に向かうも、
 恵音光の『病』はすでに末期症状にまで進行していた。
 身の回りのことを自分では何ひとつできず、日々増え続ける苦痛にひたすら耐える日々。
 事故から目覚めたばかりのかつてのアリカがそうしていたように、
 恵音光は自分の生への怨嗟をアリカへとぶつけてしまう。

 退院したアリカは、今の”えみ”の姿もまた自分の罪だと考えるようになった。
 自分は”えみ”から笑顔をもらったのではなく、笑顔を奪ったのだと。

 退院したアリカを待っていたのは、失踪していたはずの兄のザイセだった。
 彼が事情を説明するとアリカは笑顔で受け入れ、ザイセと家族としてやり直し始めた。
 ザイセの説明や彼の心境を完全に飲み込めた訳ではなかったが、
 それよりもアリカの胸の内にあったのは、親から見放され、『病』に身を冒され、
 アリカに全てを奪われた(とアリカは思っている)”えみ”が
 せめて安らかな最期を迎えてほしいという願いだけだったからだ。

 同じ2022年の3月中に珠洲恵音光は亡くなった。
 幸いにも、彼女の最後の表情は末期の病状とは打って変わって穏やかだった。

 アリカはザイセと共に”えみ”の故郷を訪ねる計画を立てた。
 ”えみ”はとりわけ自分の生まれ育った街の話題を嬉しそうに語ったのだ。
 だが、アリカとザイセが”えみ”の故郷である「村雲市」を訪れるはずだった当日、
 「村雲市」を含む新潟県複数市に向けて”劇場”が展開され、厳戒態勢に。

 アリカはザイセと共に戦争への参加を決断した。
 3年間の入院で親戚から借りた医療費の返済に加えて将来に向けた資金を稼ぐため。
 今も苦しんでいる魔境都市の人々の助けとなるため。
 そして……”えみ”が愛したただ一つの世界を、守り抜くために。

 2022年の秋から魔境都市での戦争に2023年10月の終戦時まで参加し続けた。
 仲間達と共に”勇者”として”魔王”を打ち倒したアリカの貢献は広く認められている。

 終戦から数か月後。
 ピアニストとして、懸橋アリカは氷堂信助と共にウィーンへと渡った。



人物


+”えみ”

珠洲恵音光(すず えねみ/Enemi Suzu)

享年:17 性別:女 種族:人間
クラス:なし(非魔法使い) アイコン:玲(ペルソナQ)
イメージCV:水瀬いのり イメージカラー:


「でへへっ、よろしくね! アリカちゃんっ!」


外見

 笑顔が素敵な少女。
 色素の薄い外見は『病』の進行によるもの。

人格

 明るく社交的。天真爛漫。幼い頃は友達も多かった。

 恵音光(Enemy)という名前は母親が当てつけのようにつけた名前だと考えていた。
 彼女は恵音光と呼ばれることを好まず、親しい相手には”えみ”と呼んでもらっていた。

来歴

 新潟県村雲市出身。
 物心ついた頃から『病』に冒され母親は自分を遠ざけ続けたが、
 それでも健気に元気に振舞い続けたためか、同情も相まって子供達の中心人物だった。

 だが『病』の進行で中学校に入る前から満足に学校に通えない身体になる。
 設備が整っていることに加え母親が恵音光と顔を合わせたくないという身勝手な理由で、
 天之川諸島の金牛中央病院に移され、そこで懸橋アリカと出会うことになる。

 恵音光は『病』と向き合い続け、アリカだけではなく周りの患者たちさえも励ます。
 彼女の存在と笑顔は病院関係者たちにとってさえ希望の象徴だった。

 しかし恵音光も市が迫るにつれて自分の生きてきた証を恐れ、人々を拒絶するように。 
 『病』の末期では久しぶりに再会したアリカに心のない怨嗟をぶつけてしまい、
 その時のことをアリカとまた話す機会を得ることもなくこの世を去った。

+家族
+懸橋在天
懸橋在天(かけはし ざいてん/Zaiten Kakehashi)
享年:41 性別:男 種族:人間
クラス:魔法芸術家 イメージアイコン:零崎曲識(人間シリーズ)

「素晴らしい。よくできていたし、今のは実にお前らしかったよ」

 (記述はザイセのキャラページと同一)

 アリカの父。有名な音楽家・ピアニスト。

 子供の頃から芸術家特有の独特な感性を宿していて、
 それもあってか幼少期はいじめの対象になることが多かった。
 自罰的な方向に精神を患いつつも音楽を頼りに青年期までを生き抜き、
 音楽家として世に羽ばたいてからは発作的なものを除いて健康状態も安定していった。

 かつては精力的に世界各地で演奏活動を行っていた。
 ニューヨーク市に公演にやってきた際にアリアに一目惚れし、
 繰り返し在天がアリアにアプローチしていくうちにアリアも在天に惹かれていく。
 やがて2人は結婚。アリアとザイセは日本国籍を取得し、
 在天の活動の中心地である東京都近郊市へと移り住むことになった。

 アリアと結婚しアリカが生まれてからは次第に演奏家としての活動を減らし、
 アリカをピアニストとして育て上げることに熱心になっていった。
 一方でザイセに対しても愛情深く接し、彼の医者という夢を一貫して後押しし続けた。

 しかし、2019年の3月。
 久しぶりの海外公演から帰国した彼を待ち受けていたのは、
 息子の失踪、娘の事故、そして緊急入院した妻の3つの知らせ。
 アリアがそのまま病院で息を引き取ると、後を追う形で自宅で首吊り自殺した。
 彼の死は公的には病死とされているが、ネット上ではほぼ完全な形で真実が語られている。

+『死』の精霊
『死』の精霊(しのせいれい/the Spirit of "Death")
年齢(享年):不明(永遠とも言えるし、アリアの目の前に現れた時に生まれたとも言える)
性別:男(アリアの前に現れた時に取った姿) 種族:幻想種(怪異にもっとも近い)
クラス:空想術士/ほか アイコン:反ノ塚連勝(妖狐×僕SS)

「ああ……とても、似ている」

 ザイセの実父。
 アメリカ・インディアン(ネイティブ・アメリカン)のナバホ族に伝わる『死』の伝承が形を成したもの。

 アリカから見て、『死』の精霊との直接の面識はない。
 アリカが彼について知っているのは失踪後に再開したザイセから聞いた話の中でだけだ。

+懸橋アリア
懸橋アリア(かけはし -/Aria Kakehashi/- 在愛)
(アリア・アンダーソン(-/Aria Anderson))
享年:42 性別:女 種族:人間
クラス:なし(非魔法使い) イメージアイコン:雪小路野ばら(妖狐×僕SS)

「んん~っ、頑張って! ママも応援してるからねっ」

 (記述はザイセのキャラページと同一)

 アリカの母。イングランド系アメリカ人、のちに日本国籍に。

 アリカとザイセの実母。イングランド系アメリカ人、のちに日本国籍に。
 ザイセはアリアと『死』の精霊”メイ”の間の息子、アリカはアリアと在天の間の娘。
 アメリカのメイン州生まれで、のちにニューヨーク州から東京都近郊市と移り住む。

 代々続くイングランド系のWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)の家系。
 いわゆる典型的な裕福な白人一族であり、アリアも何不自由なく暮らしていた。
 ただし、アリアは生まれつき身体が弱く家の中で過ごすことが多かった。

 だが、家族でアリゾナ州の観光スポットであるホースシューベンドを訪れた際に
 アリアは誘拐され、脚を砕かれた上でナバホ・ネイションの山の中へと連れられてしまう。
 そこで彼女を助けたのがナバホ族の『死』の精霊だった。
 アリアの傷が治るまで『死』の精霊はアリアに寄り添い、
 アリアは”May(サンザシの花)”という名を彼に与え、2人は愛し合う。

 しかし、”メイ”は怪我が治ったアリアの前から姿を消す。
 「子には私のことを話さないでほしい」というアリアへの頼みが彼の最後の言葉だった。
 ”メイ”の子を宿したアリアはWASPを重んじる家から受け入れられず、勘当されてしまう。

 アリアはニューヨーク州のスラムへと流れつき、そこでザイセを出産。
 服飾デザイナーとして働いた。彼女が早死にしたのは、
 身体が弱いのにザイセを養うために無理して7年以上働き続けたことが遠因である。

 アリアがザイセを産んで7年後、
 ニューヨーク市に公演にやってきた懸橋在天がアリアに一目惚れし、
 繰り返し在天がアリアにアプローチしていくうちにアリアも在天に惹かれていく。
 やがてザイセが8歳の時に2人は結婚。アリアとザイセは日本国籍を取得し、
 在天の活動の中心地である東京都へと移り住むことになった。

 やがて妹のアリカが生まれ、4人家族に。
 家族の幸せを見守る一方で、アリアの身体は弱るばかり。
 アリアはそれを息子と娘にはひた隠しにしていたが、
 2019年の3月、医学部を卒業したばかりのザイセに電話越しにとうとう見抜かれてしまう。

 詰め寄るザイセに、アリアはザイセの出生の秘密を打ち明けることになった。
 翌日からザイセは姿を消し、アリカが交通事故で意識不明の重体に陥る。
 アリアはショックで倒れみるみる衰弱し、後悔のうちに息を引き取ってしまった。

+懸橋ザイセ
懸橋ザイセ(かけはし -/Zeyseh Kakehashi/- 在世)
(ザイセ・アンダーソン(-/Zeyseh Anderson))
年齢:28 性別:男 種族:鬼人
クラス:聖職者/拳闘士/空想術士/戦士 イメージアイコン:シーザー・アントニオ・ツェペリ(ジョジョの奇妙な冒険 Part2 戦闘潮流)

「ハハ、帰ってきたぜ! 愛すべき我が妹よ!」

 アリカの兄。詳細はキャラクターページを参照。

 アリカは兄のザイセと新新田市の都市部の自宅で共同生活をしている。
 あくせくと働き家事までこなすアリカをほっぽり出していることの多いザイセに、
 アリカはいつも鬱憤を溜め込んでいる。うっかり彼女の兄について触れようものなら、
 いつもの笑顔も吹き飛んだ彼女の愚痴に付き合わされることになるかもしれない。

 口では悪く言ってはいるが、子供の頃からザイセのことはずっと大好き。
 だからこそザイセが消えた時に誰よりも取り乱したし、それが事故の原因にもなった。

+その他の関連人物
+清水徹
清水徹(しみず とおる/Toru Shimizu)
年齢:30代 性別:男 種族:人間
クラス:基本的に非魔法使い、”劇場”内では戦士
イメージアイコン:プロデューサー(THE IDOLM@STER) ※いわゆる「赤羽根P」

「……君がこの街で元気に過ごしてくれることを祈っているよ」

 3年前の事故で懸橋アリカを乗用車で轢いた加害者。
 現在はアリカと知人として交流を続けている。

 交通事故の加害者側だが、徹に不注意はあったにせよ道路交通法違反はしておらず、
 彼からすれば突然飛び出してきたのはアリカの方であり、
 人生を滅茶苦茶にされた・させてしまった少女として
 アリカには長年の間憎しみと罪悪感を抱き続けていた。

 事故時のアリカとは弁護士を通した示談交渉しか行わなったものの、
 彼もまた人生を取り戻した3年後に完治したアリカの元を訪ね、
 改めて直接の謝罪とまっさらな関係の構築を果たした。

 現在の彼は魔境都市に向かっているアリカの身を案じ、
 彼女の様子を確認するためにたまに魔境都市まで足を運んでいる。

メタ的には、アリカが自分から話そうとしない彼女の事情について
他のPCやNPCに積極的に・意図的に情報提供するためのNPCです。
ただし、彼は設定上ことさら頻繁に魔境都市に足を運んでいる訳ではないので、
タイミング次第では徹をシーンに登場させることができないこともあるかもしれません。



+懸橋兄妹設定関連シーン・セッション
 ・1105 天宮耀+懸橋アリカ 好意ドラマ
 ―クラシックファンから見た懸橋アリカの過去・アリカの戦う理由―

 ・1112 波風ゆらぎ+懸橋アリカ 好意ドラマ
 ―事故加害者が語る懸橋アリカ・アリカの笑顔の理由―

 ・1125 波風ゆらぎ+懸橋ザイセ 好意ドラマ
 ―ザイセの過去と蒸発の理由―

 ・1126 氷堂+懸橋アリカ 好意ドラマ
 ―酩酊したアリカが漏らした過去と感情―

 ・1126 懸橋アリカ+百舌鳥 好意ドラマ
 ―事故の回想と”えみ”との出会い・【誰かの為の勇者】―

 ・1201『希望へと向かうための絶望』
 ―ザイセの戦死と【名誉の為の戦い】―

 ・1204 はやみもこみち+懸橋アリカ 好意ドラマ
 ―アリカの感謝の理由―

 ・1205 懸橋ザイセ+天宮耀 友情チケット
 ―ザイセの死の空想―

 ・1223 懸橋アリカ+プラーミャ 好意ドラマ
 ―アリカの贖罪―

 ・1224 懸橋アリカ+百舌鳥 好意ドラマ
 ―アリカとえみ―

 ・1231 懸橋ザイセ+アヴェンジャーズ
 ―珠洲恵音光という少女―

 ・0108 月嶋沙織+懸橋ザイセ フリーシーン
 ―ザイセと父と恵音光―


 ・0118 氷堂+懸橋アリカ フリーシーン
 ―ピアニストへの再起、そして―




Pick Up

 懸橋アリカは誰かの為の勇者である。

属性 星・中立・中庸
起源 開闢

「待っててねっ! また会いに行くから!」