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第四話 黒い悪魔」(2012/05/24 (木) 23:07:51) の最新版変更点

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**海岸 時は夜。街の中には明かりが溢れ、都会ならではの美しい夜景が広がる頃。 俺は海岸に突如として現れた誰かと、暫く対峙を続けていた。 その『誰か』……それは、単なる人間などではなかった。 まるで、邪悪な心を人型に表したような、黒い化け物。 例えるならば、悪魔そのものなのだ。 「退け。さもなくば、お前の命も土産として貰おう。」 その相手が実に気に入らない……いかにも悪な発言だ。 勿論、人の命を狙う奴の言う事なんて聞く訳がない。 と言うか、男である以上は女を守るべきなのだ。 男子諸君なら、誰だってそう思うだろう?俺自身もそう思う、それが真の男というものだ。 「ッハ、俺の命を奪う?それでも脅しのつもりかよ。 いきなり来た奴に脅されて、人の命を捨てるとか…… 俺はそんな薄情者じゃねえし、臆病者でもねぇよ。」 相手に怯む事無く、俺は相手の命令を否定した。 その横で、ノゼライは心配そうに俺を見てくる。ジャンは威嚇するように、食い縛った歯を相手に向けていた。 すると、相手は俺達の態度が頭に来たのだろう、 広げた手の平から紫色の光弾を作り出した。 攻撃体勢という事なのだろう…… その光は見るからに禍々しく、燃え上がる火のように揺らめいていた。 「我々に刃向かおうとは、なんと愚かな奴等だ……」 相手は、光弾を空にかざす。 「……良いだろう、その挑戦を受けてやる。」 俺は、懐の剣を引き抜き…… 「お前達に、選択を誤った事を後悔させ……」 そして、俺は立ち向かった。 「全員まとめて、地獄に叩き落としてやろうっ!」 **??? その頃、ヘブンシティの何処かでは、何者かが海岸を見詰めていた。 「来た……どっちが勝つんだろうな。」 背の高い少年は、街並みの向こうで戦うサザロス達を見て、ぽつりと口を開いた。 その顔は、不安でも抱えているように暗かった。 「さぁな。戦いがどうなっても、責任者は&color(green){アイツ}だろ?」 背の高い少年に続き、ガッシリした肉体の少年も呟いた。 すると、その発言に苦笑いを浮かべた背の高い少年。しかし彼は、再び顔を微かに歪めた。 「これで失敗したら、&color(blue){全部水の泡}だよな……」 それを聞くなり、筋肉質な方の少年も顔をしかめた。 そして二人は、海岸のサザロス達に再び目を向けた。 **海岸 俺達は、未だに敵と戦っていた。 ……と言っても、ノゼライには安全確保のために岩陰に隠れてもらっているし、ジャンは相手の攻撃を避ける以外の術が無いのが現状。 実質的に、俺の力だけで戦っているわけだ。 しかも、戦う相手は『悪魔』と呼ぶに相応しい力を持っており、昔から修練を積んでいた剣技でも、国に伝わる炎の魔法でも、相手の力に及ぶ事は出来なかったのだ。 俺の魔法はまだまだ未熟で、炎を出すにも威力が出ない。 接近戦に持ち込もうとすれば間合いを空けられ、直後に光弾が飛んでくる。 俺が丹精込めて磨いた剣を振れば、辛くもそれを弾き返せるのだが、それが無数に向かってくるのだから恐ろしい話だ。 おまけに、この光弾は地面に着弾した瞬間、黒い爆発が起きる。 こんな得体の知れないエネルギーで身を包まれては、恐らく身を焼かれるだろう…… すると、俺は突然呼び掛けられた。 「サザロス、上だ!」 ジャンの呼びかけが聞こえたが、俺は反応しきれなかった。 見上げれば、そこには悪魔の光弾。それも、此方に向かって飛んできている。 非常に危険な状況に対応出来ず、剣を構えられなかった俺。 そして、目の前に迫る光…… 「ヤ……ヤバっ……!」 ……ん? どうしたものだろう……爆発が起きない。 しかも、俺は死んでないし、痛くもない。 俺は、知らない間に背けていた顔を前に向き直した。 そこにいたのは…… 「私の前で……私の事を助けてくれたこの人達を……」 **&color(red){「傷付けるなああぁっ!!!」} ーノゼライだった。 彼女は、何処か悲痛な叫びをあげると同時に、俺の前まで駆け寄った。そして俺の目の前には、 なんと氷の壁が立ち塞がったのだ。 「壁!?……まさかコレ、お前が……」 呆然としている俺の前に現れた壁は、迫り来る光弾を防いでくれたのだ。 攻撃を遮られた相手は、そんな馬鹿なと言わんばかりの表情で、意味深な言葉を放った。 「くっ……&color(gray){まだ力が残っていた}のか」 そして、俺やジャン、果ては相手の悪魔までもが驚く中、ノゼライは静かに呟いた。 「サザロス達は、私を助けてくれたんだ……」 &color(red){「絶対、死なせてたまるもんか……!」} ー続くー

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