pathways of intracellularsignal transductionから


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  • 細胞内信号変換の経路

 たいていの細胞表面のレセプターは細胞内の標的酵素を刺激するのだが、この酵素はGタンパク質により直接的ないし間接的にレセプターに結合しうる。これらの酵素はリガンド依存によって発せられる信号を増幅する、流れに沿って信号を送る要素として働く(?)。たいていの場合連鎖反応がシグナルを細胞表面から各種細胞内標的に送る。このプロセスこそ、細胞内信号変換である。そのような信号経路の標的は、たまに遺伝子発現を調整する機能を持つ転写要因をも含む。このようにして細胞内信号経路は細胞表面と核を結び、そして細胞外からの刺激に応じて遺伝子発現を変化させる。

  • CAMP経路(回路?):第二メッセンジャーとタンパク質のリン酸化

 細胞内信号のうち、最初に解明されたのはエピネフリンなどのホルモンの振る舞いの研究によってである。エピネフリンは筋肉の運動を予測しグリコーゲンをグルコースに分解するよう指令を出す。1985年Earl Sutherlandは、エピネフリンの働きは細胞内のcAMP濃度の増加に仲介されていることを発見し、cAMPはホルモン信号の第2メッセンジャーであるという概念を発表した(第1メッセンジャーはホルモンそのもの)。CAMPはアデニル酸環化酵素の作用によりATPから作られ、cAMPホスホジエステラーゼによってAMPになる(Figure13.18)。先述のよう、エピネフリン受容体は酵素活性作用を持つGタンパク質によってアデニル酸環化酵素に結び付けられ、そして細胞内のcAMP濃度を高める。(Figure.13.11参照)
 ではどのようにしてcAMPはグリコーゲン分解指令を出すのか。このこととたいていの他のcAMPが及ぼす動物細胞内での作用は、cAMP依存性プロテインキナーゼ、別称プロテインキナーゼAという、1968年にDonal WalshとEd Krebsにより発見された酵素の働きに仲介される。不活性型のプロテインキナーゼAは2個の触媒作用部位と2個の調整部位が結合した4つのサブユニットの複合体である(Figure13.19)。cAMPは調整部位に結合し、触媒作用部位との分離を引き起こす。束縛をとかれた触媒作用部位は酵素として活性となり、標的タンパク質のセリン残基をリン酸化できるようになる。
 グリコーゲン代謝の調整に当たり、プロテインキナーゼAは2種類の鍵となる標的酵素をリン酸化する(Figure13.20)。まず一つは別のプロテインキナーゼ、リン酸化キナーゼ(phospholase kinase)であり、これはプロテインキナーゼAによってリン酸化され、活性化する。リン酸化キナーゼは今度はglycogen phosphorylaseをリン酸化、活性化し、そしてそれがまたグリコーゲンのグルコース一リン酸(glucose-1-phosphate)への分解を触媒する。それに加えて、プロテインキナーゼAはグリコーゲン合成酵素をリン酸化し、そしてそれがグリコーゲン合成を触媒する。しかしながらこの場合、リン酸化は酵素作用を阻害する。cAMP濃度の上昇とプロテインキナーゼAの活性化はこのようにしてグリコーゲン分解を促進すると同時にそれ以上のグリコーゲン合成を止めるのである。
 エピネフリン受容体からglycogen phospholaseに至るまでの連鎖反応は、細胞内の信号変換中における信号増幅のよい例を示している。各々のエピネフリン分子は唯一つの受容体を活性化する。しかし、各々の受容体は100分子にも及ぶGs分子を活性化しうる。今度は各々のGs分子がアデニル酸環化酵素の酵素活性を刺激する。そのアデニル酸環化酵素というのは、多量のcAMP分子の合成を触媒できる。各々のプロテインキナーゼA分子が多量のリン酸化キナーゼ分子をリン酸化し、リン酸化されたリン酸化キナーゼが今度は多量のglycogen phospholase分子をリン酸化することで信号増幅は続く。少数の受容体に結合したホルモンはこうしてはるかに多量の細胞内の標的細胞の活性化を引き起こすのだ。
 多くの動物細胞においては、cAMPの増加がcAMP response element略してCREという制限配列を含む特定の標的遺伝子の転写を活性化する(Figure13.21)。この時、信号はプロテイン機ナーゼAの触媒作用部位によって細胞質から核へと運ばれる。プロテインキナーゼえー触媒作用部位母、制限部位から開放されてから核に入ることができるようになる。核の中では、プロテインキナーゼAはCREB(CRE結合タンパク質)と呼ばれる転写要素をリン酸化し、cAMP誘導性遺伝子を活性化する。こののようなcAMPによる遺伝子発現調節は、多種多様にわたる動物細胞の増殖、生存、分化のコントロールに重要な役割を負っている。
 プロテインキナーゼAの様なタンパク質酵素は細胞の中で単独では働かないということを認識することは重要である。それとは逆に、タンパク質のリン酸化はprotein phosphataseの働きにより急速に元に戻ってしまう。Protein phosphataseの中には、先のセクションにて述べたように、膜通過受容体(?)であるものもある。その他の多くのProtein phosphataseには基質となるタンパク質におけるリン酸化されたチロシン、セリン及びスレオニン残基からリン酸群を取り除く細胞質基質中の酵素もある。これらのProtein phosphataseは受容体によるプロテインキナーゼの活性化が起こした反応を停止する働きを持つ。例を挙げると、プロテインキナーゼAによってリン酸化された、タンパク質中セリン残基は、protein phosphatase1と呼ばれるProtein phosphataseの働きによってたいてい脱リン酸化されてしまう(Figure13.22)。プロテインキナーゼAの基質(たとえばリン酸化キナーゼやCRBEなど)におけるリン酸化のレベルはこのようにして細胞内でのプロテインキナーゼAやProtein phosphataseの働きの間のバランスによって決定されるのである。
 たいていのcAMPの作用はプロテインキナーゼAによって仲介されるものの、タンパク質リン酸化とは無関係にcAMPは直接イオンチャンネルを調整することまでできる。このようなcAMPの第2メッセンジャーとしての働きは、嗅覚にも関わっている。鼻における感覚神経の匂い受容体の多くは、アデニル酸環化酵素を刺激し細胞内のcAMPの増加を引き起こす、Gタンパク質が結合した受容体である。この系におけるcAMPはプロテインキナーゼAを直接刺激するのではなくて、原形質膜(細胞膜?)のナトリウムイオンチャンネルを直接開き、原形質脱分極(通常の脱分極のこと?)と神経の電位(インパルス)を引き起こす。
田宮
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